構図さえしっかりしていれば、他の要素が多少イマイチでもそれっぽく見えてしまうのです。そこで今回は写真を始めたらまず覚えておきたい基本の構図をいくつかご紹介します!
最初に覚えるべき基本構図は4つ
同じ風景の写真を撮っても、上手な人が撮った写真は写真全体がスッと目に入ってきて安定感がありますよね。そのポイントは”構図”であることが多いです。
構図というのは写真の中でメインの被写体や背景などをどのように配置するかというものです。構図さえしっかりしていれば、他の要素(色とか明るさ)が多少イマイチでもそれっぽく見えてしまうのです!
芸術的センスのある人は特に構図を意識せずとも、スッキリとした安定感のある写真が撮れてしまうのですが、普通の人はなかなかそうは行きません。まずは、基本の型を覚えてしまうことが写真上達への近道なのです。
今まで何度か構図について、当ブログでも触れてきましたが、おさらいも込めて基本的な構図についてまとめてみたいと思います。
覚えるといってもそれほど多く覚える必要はありません。まずは基本の4つの構図を覚えればOK!
どれも簡単な型なので、一度見ればすぐに覚えられると思います。以下に実際の写真を交えながら一つずつ詳しく見ていきましょう!
基本の構図の型は知ってるよという方は次の記事もおすすめですよ!
三分割法は正義!
まずは三分割法(三分割構図)です。王道中の王道。
何はともあれこの構図を覚えておけば写真の95%くらいはそれっぽく見えるという万能構図!写真を始めたら何よりまず一番最初に覚えるべき構図です。
画面を縦横にそれぞれ三分割し、画面を9分割して被写体を配置してみましょうという構図ですね。1:2の比率で写真を組み立てると考えてもいいでしょう。
上図のオレンジのライン上や交点に被写体を上手に配置してやれば、不思議と人間が見ていて気持ちいい、安心感があると感じる構図になるのです。
余白を上手に使うのが大事
主題が端に寄るので反対側に大きな余白が生まれます。この余白を上手く使うことで様々な応用をすることもできるのです。
とっても簡単ですね!実際の写真に当てはめてみましょう。
とってもシンプルな写真ですが、鳩を右下の交点に置くことでなんとなく安定感が出ました。もし鳩が中央にいるとこんな感じです。
なんだか素人っぽい写真になってしまいましたよね。。
鳩の上下左右に同じようなスペースが生まれてチョッと不安定な感じがします。ちなみにこのような被写体をど真ん中に置く構図を日の丸構図といいます。日の丸構図についてはあとでしっかり解説します。
鳩の写真以外にもいくつか三分割法の写真を見てみましょう。
三分割法は縦の写真にも有効です。曼珠沙華の花びらが右上の交点付近に来ていますね。
だいたい1/3になっていればOK
ちなみに、三分割構図は厳密に三分割する必要はありません。三分割というのはあくまで目安。上の写真だって厳密に言えばちょっと交点からズレてしまってますよね。
今度はもう少しゴチャっとした感じの写真。桜が三分割したラインのあたりに来ていますね。そして奥のお城も左下の交点付近に来ています。
続いては水族館。
大きなシャチが左上に、それに手を伸ばそうとする子供が右下に。このように二つ以上の被写体を三分割点に納めてあげるとバランスの取れた写真になります。
最後は工場萌え。
長い蒸留塔が点ではなく線として配置されています。これで縦に長い構造物に安定感が出ましたね!
このようにとりあえず画面を縦横それぞれ3分割するイメージでファインダーを覗いてみて、その交点や線上を目印に被写体を配置するのです。そうすることで写真に安定感や適度なスペースが生まれ、写真が上手く見えます♪
ただし、王道中の王道の手法なので悪く言えば無難すぎて面白くない写真になってしまうこともあります。。
そんなときは次にご紹介する四分割法を試してみるのもいいでしょう☆
慣れてきたら四分割してみる
続いてご紹介する四分割法は画面を縦横それぞれ四分割し、画面を16分割して考える構図です。
三分割法よりも外側に被写体を配置するので、その分スペースが生まれやすく、写真の表現の幅が広がります。
特にAPS-Cサイズのセンサーを使ったカメラなど、縦横比が3:2の写真には相性抜群です。(フォーサーズ規格や普通のデジカメは縦横比が4:3なので三分割法の方が相性がいい気がします)
今回改めて自分の写真を見返していたのですが、私の場合は三分割法よりも四分割法で撮った写真のほうが多かったです。鉄道写真家の中井精也さんもレイルマン比率という言葉で四分割法(厳密にはちょっと違うけど。。)を推奨してますね!
四分割構図は対比や不安定を写真に取り入れる
では実際に写真を見てみましょう。
日の出の写真です。地平線を下1/4にすることで空の表情を広く入れることが出来ました。また、朝日を右下に配置することで右下から左上に向かって空の色の変化がたっぷり写し込めましたね。
特に風景のように広い範囲を撮るような写真の場合、三分割法ではどうしても被写体が中心部に集まって窮屈に感じることがあります。そんなときは4分割してみるのがおススメです。
こちらは水平線が真ん中にあるのですごくどっしりした海の印象です。そして四分割の交点に二人がぽつり。 大きな海と人間の対比ができました。三分割じゃなくても変じゃないですね。
ちょっと変わった風景ですが、四分割法で左奥のスペースを多めに撮ったのでなんとなくストーリー性を感じます。
これも左下に主題を持ってきたので、右奥にかけて滑らかにボケていく感じが良く分かりますね。
ミサイルです(笑)
定石どおりならミサイルの先端をもう少し上にして、下1/3くらいに収めるところですが、1/4にすると三分割よりもやや不安定になってすぐ飛んでいくぞ!って感じになったかなと思います。
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以上のように写真を四分割することで、三分割法とはまたちょっと違った写真にすることが出来ます♪三分割法に慣れてきたらぜひ挑戦してみましょう。
ご使用は用法用量を良く守って。。の日の丸構図
3つ目は初心者泣かせで有名な日の丸構図です。
読んで字のごとく、被写体を日の丸のように写真のど真ん中に配置する構図です。
とっても簡単な構図なのですが、なかなか上手く撮るのが難しい構図でもあります。三分割法で出てきた鳩の写真もそうですね。
難しい原因は写真を見たときに視線が中央から動きづらいからです。メインの被写体がど真ん中にいるもんだから次にどこに視線を動かせばいいか分からなくなってしまい、無駄の多いイマイチな写真となってしまうわけです。
ですので、日の丸構図で写真を撮るときは見るときに視線を動かさなくてもいいよう”シンプルに 潔く”撮る必要があります。
実際に写真を見てみましょう。
たとえばこんな感じ。ドドーンと潔くど真ん中から狙ってみました。こうすれば視線は迷わないですよね。
こんな感じで上下左右対称にするのも効果的。ただし画面いっぱいに被写体を入れること。
日の丸なんだから、写真の真ん中に丸いオブジェを入れるのも意外と違和感がありませんね。
このようにボケを使って視線を中央に誘導するのもアリですね。ちなみにこれはユリの花びらの中。
使う機会は限られますが、メインの被写体の周りを前ボケでグルっと囲ってあげるのも視線が中央に誘導されていいですね。
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どれも”シンプルに潔く”撮ってみました。こうすれば初心者泣かせの日の丸構図も攻略できそうです☆
ただしメインの被写体それ自体にある程度インパクトがなければ、いくら上手に撮ってもイマイチな写真になってしまうのでご注意を。。
写真に動きが出る対角構図
最後の基本の構図は対角構図です。
コレまでは被写体を水平、垂直に配置した構図でしたが、斜めに配置してみようというのが対角構図。
被写体を斜めに配置することで写真に奥行きだったり、動きを出すことが出来ます。
なんとなくナナメが入っていればOK
必ずしも対角線を意識する必要はなく、「ナナメ」が入っていればOK!くらいのユルい考え方で十分です。
斜めになっているものを探したり、撮る角度を変えて斜めにしたり、カメラを傾けてみたり。。いろんな手法で斜めを作ってみましょう。
例えばこちら。
海にせり出る岩場を撮影しました。奥は静かな海ですが、手前は思い切って右上半分に岩を入れたので、動きが出てちょっと荒々しい感じになりましたね。
普通の桜ですが快晴の空を斜めに入れたので、桜が空に向かってグイっと伸びていく感じです。
暗闇に光る瓶を斜めから撮ってみました。奥行きが出ましたね!
ちなみに瓶の配置は四分割された点にあるので安定感もありますね。
ナナメにすると視線が動きやすい
写真の中にナナメを取り入れると見る人の視線が動きやすく、奥行きや躍動感を意識させやすくなるのもメリットです。
例えはこの写真とか。
神社に続く石段を斜めに入れました。写真の対角線上に自然と視線が動き奥行きがでましたね!
こちらも神社の位置は四分割法の点の位置♪
夕焼けに照らされた噴水です。カメラを少し傾けて飛沫が斜めに入るようにしました。飛沫により躍動感が出ましたね!
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このように、被写体を斜めに配置して奥行きや動きを出すのが対角構図。ちなみに対角構図は三分割法や四分割法と組み合わせると効果抜群ですよ!
基本4構図のまとめ
以上、4つの基本構図をご紹介してみました!
もう一度おさらいすると、基本の4構図とは。。。
- 三分割法
- 四分割法
- 日の丸構図
- 対角構図
の4つのことでした。
写真を始めたらまずは上から順番に慣れていくといいと思います。慣れてくればそのうち三分割とか対角線を意識しないでシャッターを切れるようになるはずです♪
ちなみに、良い写真はすべて上記の型にはまっているのかというとそうでもありません。コレを言ってしまうと今回の内容がブチ壊しですが、結局のところ、ファインダーや液晶モニタを見て、自分が”気持ちいいな”と思うところが正解の構図だったりします。
今回の基本構図はそんな”気持ち良いな”を見つけるための道しるべだと思ってください。時にはセオリーに反してあえて外してみるというのも面白いです。
まずは、上記の基本構図を頭に入れつつ、たくさん写真を撮ってみて自分だけの型を見つけてみてはいかがでしょう☆
ちなみに、今回紹介した基本の構図以外にもいくつか有名な型がまだ残っていますので、機会を見つけてまたご紹介でいればなと思っています。
基本の構図の型を覚えたけどなんかしっくりこない。。という人は次の記事に何かヒントがあるかも知れませんよ!
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