今年こそ上手に紅葉を撮りたい!
朝夕の冷え込みが厳しくなってくると、一斉に色づく木々の葉っぱ。赤や黄色など鮮やかな色で目を楽しませてくれる紅葉ですが、原色に近い濃い色なので写真に撮るとなるとちょっと難しい部分があるのも確か。
また、自然が相手なのでいつも条件が良いお天気になるとも限りませんよね。
今回はそんな一癖ある紅葉写真を今年こそ鮮やかに残すためのポイントやコツを7つほど紹介してみます!
1.風景モードにセットすればより鮮やかに
見た目に鮮やかな紅葉ですが、カメラで撮るとイマイチ鮮やかさが伝わらない。。なんてことがあるかも知れません。
そんなときはカメラのピクチャースタイル(キヤノンの場合)を風景モードにしてみましょう。通常のスタンダード設定よりも彩度が高めでパリッとした写真に仕上がります。
↑モニターによっては違いが分かりずらいかもしれませんが、実際に撮って見比べてみると結構大きなさがあります。
キヤノンの場合はピクチャースタイルボタンかメニューから変更できます。
各メーカー、呼び名は様々ですが下記を参考にカメラの設定をしてみて下さい^^
RAWで撮影していてLightroomで現像している人なら、現像モジュールの一番下にある「カメラキャリブレーション」から各メーカーのプロファイルをシミュレーションできます(Lightroomが対応している機種のみ)。
ただし、いくら鮮やに撮るとキレイと言っても、彩度を上げすぎると、色が飽和してのっぺりした印象になってしまうこともあります。。メーカーによっては「ビビッド」など風景よりもさらに彩度の高いモードが選べるものもありますが、ビビッドだとちょっと彩度が高すぎる可能性があります。
中級者以上の方はカメラにヒストグラムを表示させてレッドのチャンネルが飽和しないように注意しましょう。RAWで撮影していれば、RAW現像ソフトのヒストグラムを見ながら、ギリギリまで追い込む事もできます。(初めはあまり気にしなくても良いです)
2.上はプラス、下はマイナス補正
紅葉を撮ってなんだかどんよりしているなぁ。。と感じるのは彩度が低いだけでなく、単純に写真が暗いことが原因の場合も多いです。
空が入る場合は基本プラス補正
紅葉は通常目線よりも上にあるので、背景が空になることが多いですよね。空は葉っぱに比べて非常に明るいので、露出補正なしで撮ると空の明るさに引っ張られて暗めに仕上がることがあります。
露出補正の話はこちらを参考にしてみてください
例えば、この写真、露出補正なし(±0)で撮影すると空の明るさに引っ張られて全体的に暗くなります。。なんだかどんより。。カメラは青より白の方が明るいと判断しがちなので特に曇りの日はこうなってしまいますよね。
プラス補正(+1.0EV)して撮影するとこんな感じ!
全体に明るくなって、鮮やかさと透明感が出ましたね!
場合によっては(特に曇り空は)白飛びしてしまうかも知れませんが、メインの被写体はあくまで紅葉なのでこの場合は特に問題ありません。
地面の紅葉はちょっぴりマイナス補正
では、紅葉は全部プラス補正して撮ればいいのかというとそうでもありません。。
例えば、地面に落ちている紅葉など、背景が暗い場合は写真が思ったよりも明るくなりすぎて締まりの無い写真になってしまうことがあります。
地面など背景が暗い場合は露出補正なし~ちょっぴりマイナス補正して撮ってみると、しっとりとした上品な紅葉が撮れると思います。
ちょっとだけマイナス補正することで雨に濡れた上品なモミジになりました。
窓越しの定番構図もマイナス補正!
良くある窓から見た紅葉も同じですね。室内は外に比べて非常に暗いので普通に撮ると室内側が明るくなり外(紅葉)が明るくなりすぎて色が飛んでしまいます。大幅にマイナス補正をして撮ると窓の外にある鮮やかな紅葉に明るさが合います。
3.積極的に逆光を狙ってみよう
秋晴れと紅葉の相性は抜群です。
光がよく回っている順光(正面から当たっている状態)で撮影するとキレイな色が表現できますが、なんというか全体的にのっぺりとしたおとなしい印象になります。
運良く晴れた日に撮影に出かけられるのであればぜひ逆光で撮影してみましょう。透明感が出たり、ドラマチックな紅葉になるはずです。
この場合は太陽がとても明るいのでいつもよりさらにプラス補正して撮るのが吉。
↑プラス2EV露出補正して撮ると透き通るような透明感が出ました!晴れた日のまだ太陽が高い時間帯に撮るのがGood。
↑これもプラス2EVほど露出補正。陽が低くなる時間帯はドラマチックな写真になりますね!ホワイトバランスもくもりや日陰など暖色系にセットすると相性抜群。
また、快晴であればF値を16~22と大幅に大きく設定して撮ると太陽の周りからスラッと伸びた光芒(光条)が出てくれるかもしれません。
*この場合はあまりプラス補正しすぎると光芒が白く飛んでしまうためややマイナス気味に微妙な露出補正が必要です。
詳しい設定はこちらをどうぞ
4.背景の色で魅せる
撮影するとき、葉っぱにしか着目しないで撮るのはとても勿体ないことです。同じ葉っぱを撮る場合でも、立ち位置を変えただけで背景がガラッと変わったりします。
背景の色が違うだけでも写真の印象はかなり変わります。
撮影する場合は、メインの被写体とその背景 をセットで考えられるようになるとバリエーションがグッと広がりますよ!
スカッと晴れた青空と黄色のイチョウのセットで!青と黄色は良く合いますよね。
薄曇りの白い背景と真っ赤な紅葉で紅白を。
黄色いモミジの中にちょっとお寝坊さんを合わせてみました。
緑色の池とオレンジのモミジのコントラスト。
日陰になっている部分を背景に持ってくれば黒背景のシックな写真になりますね。
望遠レンズやF値の小さなレンズ(明るいレンズ)で撮影すると背景をボカしやすくなるので、様々な背景を楽しめます。
写真のボカし方はこちらのエントリーをどうぞ!
あえてモミジを全部ボカしてしまって背景に使うという手もあります。たまたま持っていたホットのお茶を撮っただけですが、なんだか暖かそうな感じになりましたよね。
5.足下にだって紅葉は広がっている
時期的に紅葉がもう散ってしまっている場合もありますが、ガッカリする必要はありません。木に葉っぱが無くても足下には落ち紅葉が残っているかも。
上ばかり見ずに、足下を狙ってみるのも面白いです。落ち葉を好きな位置に並べて自作自演(?)してみるのも良いですね。
手前の2枚を丁度良いように並べてみました^^
水面に浮かんでいる紅葉も狙い目です。
特にイチョウは黄色のじゅうたんができるので撮り甲斐アリ。しかも、モミジに比べて落ちてもしばらく痛みにくいです。
場所によってはこんなコントラストが見れることも?
雨が降った後なんかは、まだ色がキレイな葉っぱがたくさん残っているチャンスですね!
6.シルエットや映り込みで表現してみる
なんだか写真にバリエーションが欲しいなと思ったら、思い切ってマイナス補正してシルエットで撮ってみたり、水面への映り込みを撮ってみるのも面白いです。
前者は形で、後者は色で紅葉を表現します。
形で紅葉を表現する
日中は逆光状態で大幅にマイナス補正するとシルエットに。これで-1EVくらい。
日没直後は空を背景にするとマイナス補正せずともシルエットになることが多いです。
色で紅葉を表現する
神社なんかに行く場合はこんなカットも狙ってみると良いですね。(一般の方の邪魔にならないように。。)
色だけであぁ紅葉だよねって分かります。
7.ライトアップは日没直後が狙い目
最近は紅葉のライトアップをするとことも多くなりましたよね。闇に浮き出る紅葉も非常に美しいのですが、写真を撮ると考えた場合、ライトアップされた紅葉は非常に難しい被写体です。
夜なので日中に比べて光が圧倒的に不足している(手ぶれしやすい)のと、ライトが当たっている部分と周りの闇との輝度差が激しいこと。
また、場所によっては非常に混雑していて三脚NGはもちろん、ゆっくり立ち止まって撮影することさえままならないからです。。
空がまだ少し明るい時間を狙おう
ライトアップの紅葉を撮る場合は日没直後のライトが点灯してすぐのタイミングを狙いましょう。
日没直後であればまだ空はうっすら明るいので手持ちでも撮影可能です。また、辺りが完全に真っ暗になっていないため、ライトが当たっている部分と周囲の輝度差が少なく、自然な見た目の写真になりやすいです。
↑空を見て頂くと結構明るいことが分かりますよね。周りの色もうっすら残っています。日没直後のライトが点灯してすぐが狙い目です。
上の2枚はいずれも手持ち。まだ空が明るい時間帯ならISO1600~3200、F4くらいの設定でも十分手持ちで撮影可能です。
しかも日没直後って意外と人が少ないこととが多いので狙い目。
まとめ
いかがだったでしょうか?紅葉撮影のポイントを7つほど紹介してみました。
いきなり7つすべてに気を配るのは大変ですが、使えそうかも!と思ったいくつかをぜひともこれからの紅葉撮影に生かしてみて下さい!
動画解説も作りました!
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