効率よく紅葉撮影を楽しむために
気がつけば今年もあと2ヶ月。ここから1ヶ月ほどは関東、関西方面の平野部でも紅葉が楽しめる季節です。でも、微妙な時期や時間帯やお天気によって撮影スタイルは変わるかと思います。
そこで今回は限りある撮影のチャンスをモノにするために効率的な紅葉の撮り方についていくつかのヒントをご紹介しようと思います!
準備:効率的に情報収集するための方法
紅葉撮影は時期が肝心。イチョウやモミジなど種類によって色づくタイミングも異なりますし、当然場所によっても色づくタイミングは変わります。良い写真に仕上げるには良い場所に行かねばなりません。
現場の状況はグーグルよりもツイッター!
週末のチャンスでそれをモノにするには事前の情報収集が肝心です。調べ方は色々ありますが最もタイムリーで正確なのは「ツイッター検索」です。時期限定モノはこれが最も即時性が高いかと思います。
一般的には寺院や公園の公式HPなどから情報収集すると思いますが、数日のタイムラグがあったり中には「見頃」とか書いてても 全然色づいてないじゃん!騙されたー。。みたいなことがあったりしますよね^^;
ところがツイッターならちょっとした有名ポイントなら誰かしらその場で、しかも写真付きで!呟かれることが多いのでリアルタイムかつ信憑性の高い情報になります。
具体的な場所で調べてみる
例えば、超有名ポイントではありますが、週末日光のいろは坂の紅葉でも見に行こうかななんて思ってたとして、Twitterで「いろは坂 紅葉」と検索すればいっぱい出てきます。
執筆時点(11月8日)では「坂の上はほぼ終わりっぽい、でも下の方はまだもう少し見られるらしい。」という情報がすぐに分かります。
*いろは坂くらい有名なポイントだとググっても最新の情報が出てきますが、マイナーなポイントや現場の細かな情報はTwitterの情報のほうが頼りになることが多いですね^^
大まかな情報はグーグル検索で、そこから候補地をいくつか絞り込んだらTwitterで調べてみるとより生の情報が得られるかと思います。
朝:有名ポイントは朝イチが勝負
続いては現場編。朝から時系列を追って見ていきましょう。
朝は一度に3度美味しい
全国各地、名所と言われる所ではシーズンともなると非常に大勢の人が訪れます。写真を撮るとなると紅葉を撮ってるんだか、人を撮ってるんだか。。という状況になるのも事実。。
特に週末は写真を撮ることを主目的とするなら朝イチがオススメです。開門直後の時間帯ならそれほど人が多くないので引き気味のカットも撮れるでしょう。昼近くになってくれば人も増えてくるので、アップで切り取ったり、人を絡めたカットを撮ったりと朝早くに出ると様々なバリエーションのカットが楽しめます^^
午前中は光も良い
また、この時期の早めの時間帯は陽が低いため、晴れた日は林の中にスポットライト的に澄んだ光が横から差し込むポイントが多く見られるためドラマチックな写真も作りやすいお得な時間帯です。
午前中は透明感のある光が差し込みますね
その他、混んでる場所なら早く行けば駐車場が確保しやすいなど基本的に良いことずくめです^^
早朝はより幻想的な雰囲気に
24時間空いてるようなスポットなら陽が直接差し込まない早朝の時間帯に行ってみるのもオススメ。日の出くらい早朝じゃなくても、山の西側斜面のスポットなら8時くらいでもまだ日陰という場合も多いです。
この時間帯は空は明るいのに太陽が葉っぱに直接当たらない状況で、いつもとは違う現像的な写真に仕上がることも多いため狙ってみる価値ありです。
晴れた日の日陰は全体的に青白い色になり、いつもとは違った雰囲気に。
昼:お天気によって撮り方を工夫しよう
お昼近くになると太陽が高く昇り、やや単調な光となるため少し工夫が必要です。
紅葉撮影はやっぱり青空と赤のコントラストが楽しめる晴れた日がベストかと思います。運良く晴れてくれたなら太陽の位置に着目しながら撮ってみましょう。
青空とのコントラストを楽しむなら順光で
スカッとした秋晴れの空と紅葉のコントラストを楽しむなら太陽を背にした順光気味のポジションで撮影してみましょう。
晴れた日の空の色は太陽から離れるほど濃く、青く写るからです。紅葉自体にも太陽の光がまんべんなく当たるのでとても良い発色になります。こういう状況はオートでただシャッター押しただけでもキレイに撮れることが多いですね。
のっぺりしちゃうデメリットも。。
ただし、太陽がまんべんなく(紅葉の)正面から降り注ぐような場合、色はキレイに出るんだけどなんだかのっぺりした(ドラマチックでない)印象になることも。
そんな場合は自分の斜め後ろくらいの位置に太陽があるような斜光のポジション(紅葉に対してちょっと斜めから日が当たる)に立つと立体感と発色のバランスが出て良い感じです^^
濃い青空とイチョウの黄色のコントラストがキレイです☆ ちょっと斜めから光が当たるポジション。
さらに余裕があるならC-PLフィルターという特殊なフィルターを使うとさらに空が青くなり、葉っぱの表面の太陽光の乱反射を押さえてくれるのでよりクッキリした写真になります。少々高価なフィルターですが晴れた日の効果は抜群です。詳しい使い方は以下の記事をどうぞ!
ドラマチックな逆光で楽しむ
慣れてきたら逆光撮影にもチャレンジしてみましょう。葉っぱを透かすように撮ってあげると非常に透明感のある印象的な仕上がりになります。
+2(EV)露出補正して明るく透明感を出しました!
勇気を持って逆光に挑めばいつもとはひと味違う写真になるはず。
暗くなったらプラス補正で
ただし、逆光で撮ると背後の太陽の明るさにつられて肝心の紅葉自体が暗く写ってしまう事があります。そんなときはカメラで「プラス補正」して明るくしましょう。PモードやAv(A)モードで撮るのがオススメ。
「+/-」ボタンやメニューに「露出補正」という項目があるはずです。
ここで数枚撮ってみながら「+1~2(EV)」くらい明るく設定すると透明感のあるスッキリした写真になるはず!
曇りの日は空を入れない
運悪く曇りの日や雨の日に当たってしまった場合、空はどんよりしているので晴れた日のように空をいっぱいに入れてもあまり良い写真にならないことが多いです。
すこしアップ気味に撮ったり、葉っぱが密集している所を狙って空があまり入らないような構図を探してみましょう。これだけでもかなり見栄えするはず。
あいにくの曇り空でしたが、地面の黄色を多めに入れて空をカットしました
また、足下を狙うのもオススメ。特に雨が降った後は晴れた日では撮れないようなしっとりとした味わい深い場面が足下に広がっています。
雨上がり、足下の竹垣に張り付いていたモミジ。雨の後は地面の葉っぱのコンディションも良好です。
夕方:日陰に差し込む美味しいスポットを探そう
この時期はもう15時ともなるとすっかり陽が傾いて日陰になってしまう所が多いです。日陰の紅葉は撮るのがなかなか難しいので、日陰の中にスポットライトのように差し込むような場所を探してみましょう。
林の中なんかは結構そんなポイントが多いですよ^^
日陰に日が差し込むとそれだけで明暗のクッキリしたドラマチックな印象になります。今度はちょっと暗めに「マイナス補正」が良くマッチします。少しオレンジ色が強くなるようにホワイトバランスを「曇り」や「日陰」に設定するのも効果的です。
ホワイトバランスの詳細はこちらの記事をどうぞ!
また、日が差し込むスポットは場所が限られるので、望遠気味のレンズで狙うのもオススメ。
望遠レンズを使い、ホワイトバランスを「曇り」に設定して撮ってみました。日陰の中は美味しい所をピンポイントで切り抜くのがいいですね。
夕焼けにシルエットで表現するのもアリ
さらにいよいよ太陽が沈むタイミングや日没直後の空は、青と夕焼けのオレンジが混ざったとても美しい色をしています。こういう場合は手前に紅葉の形をシンプルに配置して、シルエットで撮ってみるのもいいですね。
葉っぱが上手くシルエットにならない場合は様子を見ながら「マイナス補正」してみましょう。
夜:ライトアップは空が明るいウチに
有名ポイントともなると紅葉シーズンはライトアップを実施しているところも多いですよね。ただ、真っ暗な場所にピンポイントで光が当たった紅葉をキレイに撮るにはかなりの技術が必要です。。
オススメなのはライトアップが始まった直後のまだ空の色がうっすら残っている時間帯。
この時間帯に撮ればライトが当たっていない部分の葉も僅かにディティールが見えますし、画面の中の空も少し明るく見えるので単調にならずに済みます。
黒いキャンバスに形を配置するイメージで
空が真っ暗になってしまった場合は、「真っ暗なキャンバスに紅葉をバランス良く配置する」といったイメージで撮ってみると意外と上手くいきます。あれこれ入れすぎるのではなく、シンプルにまとめてみるのが効果的。
例えばこれ、背景のぼけた紅葉にも微妙に光が当たってイマイチです。キャンバスが黒じゃないから。
後にも紅葉があってゴチャゴチャ。誰が主役かハッキリしません。。
こちらは真っ黒な背景に光の当たったキレイな部分だけ配置してみました。スッキリシンプルですよね。
あと、撮影とは直接関係ないですがこの時期の夜はかなり寒いので防寒対策も抜かりなく。ミラーレスカメラは寒いと電池の消耗が激しいので予備バッテリーを持っておくのもオススメです。
まとめ:準備をすればどんな状況でも撮れる!
ということで、紅葉の撮り方について準備段階から時系列に沿ってご紹介してみました。
コレがすべてと言うわけではありませんが、初めのうちはこの辺に着目して写真を撮ってみるといつもとはちょっと違う紅葉写真になるはずです^^
ちなみに、もうちょっと具体的なテクニックを知りたいよという方はこちらの記事も是非読んでみて下さい!