正しく互換バッテリーを活用する
電子機器であるデジタルカメラの一番の弱点はバッテリー切れ。電池が切れてしまえばそれはもうただのお荷物でしかありません。。なんとしても電池は切らしてはいけないのです。
ただ、1日撮影するとなると途中で切れてしまう事もありますし、ある程度使っているとへたってしまって数時間で切れてしまう事もありますよね。
そんなわけでデジカメを買ったら是非とも予備バッテリーも準備しておきたいところ。じゃあ、純正品を買おうかと思ったら意外と高いんですよね。。これが。
そこで今回は安い互換品の特徴や選び方について、私の経験をもとに紹介してみます。純正、互換品ともにメリット、デメリットがあるので正しく使い分ける事が大事です。
*あくまで私の経験をもとにしているので全てに当てはまる訳ではありません。実際の使用は各自の責任の下でお願い致します。
互換バッテリーのメリット、デメリット
互換バッテリーと純正バッテリーの違いは何といってもその価格です。ここが互換電池の最大のメリットです。
例えばキヤノンの一眼レフに広く採用されている LP-E6(新型はLP-E6NでE6と互換性あり) というバッテリーがあるのですが、純正品は定価で9,000円ほど。Amazonはそこそこ安く買えますがそれでも1個7,000円くらいします。
ところが、その互換品であるバッテリーはなんと2個で3,500円くらい。1個あたり2,000円もしません。
純正が良いのは分かっていますが、さすがに3倍以上の価格差があるとちょっと心が揺らぎますよね。。^^;
互換バッテリーは使えるのか?
こんなに安いバッテリーなら使わない手はないですが、本当に使えるのでしょうか?
結論から言えば、個人的には十分使えると思っています。ただし、純正と同じレベルだとは思わない方が良さそうです。以下に挙げる互換バッテリーのデメリットを十分理解した上で使う必要があります。
1.充電が純正よりもたない
バッテリーの電池容量は「mAh」という単位で表します。例えば、前述のLP-E6Nの容量は1,865mAh (EL-E6は1,800mAh)です。
一方、前述の互換バッテリーの容量は2200mAhと書かれており、純正より容量が大きそうです。
しかし、多くの場合互換バッテリーは純正ほど長持ちしません。しっかり計測した事はないですが、体感的に純正(新品)の7~8割といったものが多いです。互換品には嘘が書いてあるというよりは、容量を効率的に使えていないんじゃないかな?と思ってます。
2.劣化も早め
すべてのリチウムイオン電池は充電するたびに劣化していきます。だいたい500~1,000回ほど充電したら寿命と考えれば良いと思いますが、この劣化の早さも互換品のほうが早いものが多いです。
また、満タンに充電してもカメラで見ると充電率80%といった感じで完全に充電されないものもあります。
後述するようなアタリ、ハズレもありますが、耐久性も純正の8割くらいかなぁと思っていた方がいいかも。
3.機種によっては認識されない場合も
最近の純正バッテリーには識別チップを埋め込んでいて、最新機種なんかでは古い互換品が正しく認識されないものもあります。
2020年現在、Amazonで売られているLP-E6系互換バッテリーは上記のようなメッセージは出ないものが多いですが、中にはそういうものも合ったりします。ソニーのNP-FZ100系互換バッテリーなんかはやっぱりこのようなメッセージが出たりしますね。
認識されないけど使えます
「OK」を押せば問題なく使えるのですが(この電池の場合)、ちょっとびっくりします(笑)
また、バッテリー情報画面ではLP-E6とは表示されず、「Unknown battery」と表示されます。ただ、電池残量などはキチンと表示されます(一部電池残量が表示されないものもあるみたい)。
撮影回数は電池を入れている間は正しくカウントされますが、電池を外してしまうとリセットされます(純正は充電しない限りリセットされない)。
普通に使えるものもあります
一方、先日試しに買ってみた互換品(5D MarkIII対応と書かれてる)は正しくLP-E6と表示され撮影回数も充電しない限りリセットされません。純正品とほぼ同じ使い勝手です。EOS 5D MarkIVでも使えました。
これ買いました。↑
このへんはバッテリーメーカーや購入時期、機種によってカメラに認識されたりされなかったりというリスクがあることを覚えておきましょう。
バッテリーグリップ(5DMk4, 7DMk2など)はカメラ側で使える場合は今のところ全ての互換電池で使えてます(私の経験)。
5.純正充電器にも注意
カメラに正しく認識されない互換バッテリーはそのカメラに付いていた純正の充電器では充電できない事があります(キヤノンの場合)。古い純正充電器や、互換品の充電器を使う必要があるかもしれません。
例えば EOS 5D MarkII 時代に買った古い互換バッテリーは新しい 5D MarkIII の純正充電器で充電できないというものもあります(古いので充電すれば「Unknown battery」となるけど5D MarkIIIで使える)。
旅行先で充電しようと思ったら、あっ。。充電できない。。みたいなことになる恐れもあるので注意。
4.保証が受けられない可能性がある
殆どの互換品は大丈夫ですが、希に悪徳業者が作った粗悪品は保護回路(安全回路)が搭載されていないなど、カメラにダメージ与える可能性があるものがあるらしいです(噂でしか聞いた事ないけど)。
万が一、非純正品を使ってカメラが壊れた場合、たぶんメーカー保証は適用されないと思うので念のためそういうリスクも認識しておきましょう。
5.カメラ性能を引き出せない可能性がある(追記)
例えばキヤノンのLP-E6系互換バッテリーをEOS R5など最新のカメラに使うと、カメラ内ではバッテリー残量残り2コマくらいの状態(残量50%くらい)いきなり「電池交換して下さい」と出て撮影が続行できなくなります(複数の互換バッテリーで確認)
また、連写のコマ数が制限されるなど本来のスペックを十分生かし切れない感じ。。
特にEOS Rシリーズのカメラを使っている人は、通常の互換バッテリーだとカメラ機能を犠牲にしていることが考えられるのでケースバイケースで使うのが良いでしょう。
安全に買うには?選び方は?
そんなわけで、いくつかデメリットがある互換バッテリーですが、ハズレを引かないためにも安全なお店で選びたいところです。
互換バッテリーを買ういくつかのポイントを紹介してみます。
ヤフオクで買わない
前述したとおり、悪徳業者の作った互換バッテリーは性能が著しく低かったり、最悪の場合カメラにダメージを与えてしまう可能性があります。
すべての業者がそうとは限りませんが、ヤフオクは販売主の顔が見えにくかったり、悪徳業者率が高めなので詳しくなければヤフオクは避けましょう。何かトラブルがあった場合もなにかと面倒です。。
以前ヤフオクで買ったとき、封筒だけ(中身はいってない)送られてきた事がありました(笑)
Amazon or ロワジャパン がワリと安心
じゃぁどこで買えば安心かというと、Amazonか互換バッテリー販売の老舗、ロワジャパンあたりがワリと無難です。
Amazonもたまに悪い業者がいますが購入者が多いものはしっかりレビュー(評判)が見えるので安心感があります。悪いレビュー付いているものもあるけど、3年前は悪くてもここ1年くらいは良いレビューが多いみたいな商品もあるので、レビューの投稿日を見るのも意外と大事。また、Amazonが発送してくれる商品は経験上ハズレは少ないです。
ロワジャパンは昔からある会社なのでそれなりに安心感があります。バッテリーに関する情報も詳しく書かれています。万が一問題があった場合でも対応が早いです。Amazonにもお店を出してますよね。
しっかり顔が見えるお店で買うのが吉です。
安全回路のあるものを選ぶ
Amazonで評価が付いているものなどは大抵大丈夫ですが、一応保護回路(安全回路)がついてるかどうか確認してみましょう(ほとんど付いてる)。
過電流保護、過充電防止、過放電防止の回路がついていれば完璧です(悪徳業者なら嘘つく場合もあるかもしれませんが。。)
ニコン EN-EL15互換で執筆時点一番Amazonで売れているこのバッテリーにもちゃんと”過電流保護、過充電防止、過放電防止”と書かれています。
日本製セルは高品質
バッテリーの中身に当たる「セル」という部分は中国製と日本製の2つのタイプに分かれます。書かれていないものもありますが、日本製セルのものは一般的に中国製のものよりも耐久性に優れるなど性能は高めです。
ただし、お値段は若干高めです。。
とはいってもハズレ率は純正より高い
できるだけ安心できそうなお店で買ったとしても、互換バッテリーは純正ほど厳しい品質管理は受けていません。
よってバラツキが純正よりもかなり大きいです。私も過去に何度かハズレを引きました。。^^; (例えば、数回使ったら30%くらいまでしか充電できなくなったりとか。)
そんなときは、購入店に問い合わせましょう。キチンと評価が付いているお店ならすぐに交換や返金処理で対応してくれるはず。(たぶん慣れているのだと思います。。)
互換バッテリーの運用方法
互換バッテリーを買ったら実際に運用する訳ですが、失敗しないための運用の注意点を書いてみます。
何はともあれ試し撮りする
そのバッテリーがアタリか、ハズレかは撮ってみなければ分かりません。少なくとも2~3回使うまでは本番用のメインバッテリーにしない方が無難です。
充電器との相性も確認しておきましょう。
2~3回使って特に問題なさそうならしばらくは純正と同じように使えると思います。
容量は7割くらいで計算する
最初にもいったとおり、アタリ(普通)の互換バッテリーでも実際に使える容量は7~8割といったものが多いです。
純正の7割くらいの撮影枚数だと思っていた方が良いです。純正のサブバッテリーと考えるなら7割でも十分な事が多いかと思います。
購入日を書き加える
バッテリーが増えてくると、どれが古いものなのか分からなくなります。同じものを使い続けてしまうと劣化が激しくなるので、できればきちんとローテーションして使いたいところ。
純正にも共通することですが、バッテリーは外見では比較できないため、購入日や識別番号をバッテリーに書いておくことをオススメします。
私は小さなラベルをバッテリーの内側に貼っています。
純正とローテーションさせる
リチウムイオン電池は満タンや空っぽの状態で長期間保存すると劣化が早まるため、使うときは純正を含めてローテーションして使ってあげるといいですね。
そのためにも上で紹介したように購入日や識別番号を振っておくのは大事です。
互換品とローテーションして使えば高価な純正品の繰り返し充電による劣化も1/2とか1/3に抑えられます。
キヤノン限定?青いシールで見分ける
キヤノン限定な気がしますが、キヤノンの電池(LP-E6)の場合、未使用と使用済みを見分ける工夫がされてます。キヤノンユーザーの方、ご存じでしょうか?
LP-E6にはバッテリーのオレンジ色の端子カバーに電池マークの穴があり、バッテリー側には青い部分と黒い部分があります。
カバーを付ける向きによって、穴から見える色が違うので、写真のように未使用なら青い部分が見えるように、使用済みなら黒い部分が見えるようにと約束をしておけば、未使用と使用済みが一発でわかるようになります。
残念ながら互換品には黒い部分しかないため、私は100均で買ってきた青いシールを貼り付けて純正と同じように運用できるようにしています。
他のメーカーなどで、こういう仕組みがない人はバッテリーケースに入れる向きなどを自分でルール決めして運用すると現場でササッとバッテリー交換できます。
↑こういうバッテリホルダーで、電池を入れる向きにルールを作るとかするとすぐに見分けられますよね。
まとめ:実際に使えるのか?
いろいろ互換バッテリーについて紹介してきましたが、安いだけあってそれなりのデメリットはあります。
ただ、お使いのカメラに適合したものさえ得られれば、十分に使う事ができるでしょう。容量や耐久性が低いとしても3倍以上の価格差を考えればコストパフォーマンスは互換性の方が上かと思います。
万が一ハズレを引いた場合でも、ちゃんとしたお店ならすぐに交換、返金してくれるはず。
ただし、これまで紹介したようなデメリットもたくさんあるので、その辺のリスクはしっかり認識した上で使う事が大事です。
私の場合、途中でバッテリーの交換がしにくいようなシビアな撮影は純正を使いますが、交換する余裕がある場合や長期充電ができないような場所だと(電池をたくさん持っていくので)互換品も使います。互換品を上手く使えば高級な純正品の劣化も遅らせる事ができます。
純正と互換品の特性をよく理解した上で賢く使い分けると良いですね!
ちなみに、純正バッテリーは価格が高い事を除けば全ての面で互換バッテリーに勝っているので予算に余裕のある方はもちろん純正品がいいことはいうまでもありません(笑)
*ここで紹介したのはあくまで私の経験上のお話ですので、互換バッテリー使用時は各自の責任にてお使い下さい。
キヤノン LP-E6互換
ニコン EN-EL15互換
オリンパス BLN-1互換
追記:先日OM-D E-M5 MarkIIを購入したのですが、同時にこの2個セットを買って使ってます。全く問題なく使えてますし、持ちもそんなに悪くない感じ。純正充電器でも問題なしです。
ソニー NP-FW50互換