プロカメラマンが作った理想のカメラバッグEnduranceシリーズで最高の撮影体験を!

写真

まだ間に合う!梅の写真を上手に撮るための5つの傾向と対策。

更新日: by 中原 一雄

3月に入り、各地で梅の便りをたくさん耳にするようになりました。そこで今回は、梅の写真を撮影する際に気をつけたいポイントをいくつかご紹介していきます。桜と違って梅はなかなか撮るのが難しい被写体ですが、ポイントを抑えればちゃんと撮れるようになるはずです!

梅の撮り方 背景

梅を撮るのが難しい2つの理由

上手に撮りたいということは、現在は上手に撮れていない現状があるわけで、まずは梅の花を撮るのが難しい理由を考えてみましょう。

理由1:枝が多く、花の密度が低い

最も難しい理由はたぶんこれで、梅の花は葉っぱが出ていない時期に、枝に近いところから咲きます。しかも、密度が低い。。だから、普通に撮ると枝ばっかりの木に何かポツポツと白や赤い点が付いてるなみたいな残念な結果になります。

このシンプルで控えめな咲き方が梅のいいところでもあるのですが、写真を撮るときはここを攻略するようにしましょう。

理由2:時期的に周りの景色が味気ない、寂しい

梅の花が咲く時期というのは、たいてい他の木にはまだ花どころか葉っぱすら無い時期です。周囲の芝生だって枯れ草色だし、とにかく周りがさびしいわけです。だから、なんとなく引きで撮ったりすると、すごく地味な写真になりがちです

背景にも気を使ってあげる必要がありそうですね!

---

ということで、今回はこの点に着目しながら、去年よりもちょっといい写真を撮るためのヒントをご紹介していきます。

超有名ポイントのように梅が群生している場所で、満開時期に運よく当たればあまり難しく考えなくてもいい写真になります。今回のエントリーはもっと身近な場所で上手に梅を撮るためのエッセンスを集めてみました。

対策1:とりあえずアップで撮ってみる

一番簡単なのはこの方法。望遠レンズやマクロレンズを使ってとにかくお花に着目して撮ってあげましょう。密度が低く、地味なお花もアップで撮ればそれなりにボリュームが出て華やかになります。

また、望遠やマクロで撮るということはボケを作りやすい環境ですので、邪魔な枝はボケて目立たなくなったり、背景の写る範囲も狭まるので、寂しげな背景が入ることを防ぐこともできますね!

望遠で背景をごまかしちゃう

F値を小さく設定しつつ、背景をボケボケにしてしまいましょう。

梅の撮り方

背景にうっすら枝がたくさん見えますが、このくらいボカしてあげれば目障りな枝も目立たなくなります。ボケた赤いお花が所々に入っているので華やかさもアップします。ボケの作り方は下記リンクからどうぞ!

ボケの作例 望遠レンズ
studio9関連記事
2020.11.30
12.05.31
よく雑誌なんかを見ていると、背景が柔らかくボケた雰囲気のある写真が載ってますよね。写真を始めたばかりとか、これから始めよ別のタブで開く

やっぱりお花撮影はマクロ

マクロを使って一気に寄ってあげればさらにゴージャズに!お花撮る人はぜひマクロレンズを手に入れることをおススメします。どんなに条件が悪くてもマクロならなんとかなるといえるくらい頼りがいのあるレンズ。

梅の撮り方

梅の撮り方

梅の取り方

屋外でお花を撮るマクロレンズなら35mm換算で90mm前後のマクロレンズがいいですね。

マクロ撮影 あじさい
studio9関連記事
2019.12.16
12.06.18
今日はマクロ撮影のお話。いいカメラに変えたのにコンデジで撮った写真っぽくしか撮れないんだよね。。とお悩みなら、マクロに挑別のタブで開く

望遠レンズでも大きくぼかせる!

望遠で枝の先っぽを切り取ってあげても枝が見えなくなりますね。背景処理がしやすい望遠レンズはお花撮影の見方です。背景フワフワにするなら35mm換算で200mmくらいを使うのがおすすめ。

梅の撮り方

梅の取り方 メジロ

キットの望遠レンズでもOKですが、新しく手に入れるなら70-300mmくらいのレンズがコスパも良くおすすめ。梅以外にもスポーツやイベントなどでも活躍できると思います。

対策2:背景に着目する

慣れないうちは、お花ばかりに目が行ってなかなか背景まで気が回らないかとおもいますが、これも大事なポイント。背景が茶色の地面なのか、青空なのか、どんより曇り空なのか。。同じ被写体でも背景の色によっても見え方がずいぶんと変わります。

緑で爽やかにするのか、茶色にしちゃうのか

例えば上の写真、背景に常緑樹を入れてみました。時期的にややくすんだ緑ではありますが、ちょっとさわやかか感じになりましたよね。これがもし茶色の地面や、枯れ草色の芝生だったりしたらお花の印象はまったく違ったものになったはず。

運よく晴れていれば思い切って青空バックにするのも良いです。

梅の撮り方 背景

曇りの時はプラス補正

あいにくの曇り空のときは、背景が白いので普通に撮るとかなり地味で暗い写真になってしまいます。空は完全に白とびしちゃうくらい、大幅にプラス補正してあげると透明感のある感じになります。+2~3EVくらい大胆にプラス補正してみましょう。

梅の撮り方 背景

TTL露出計の仕組み
studio9関連記事
2017.11.22
12.06.08
カメラの設定に任せたままで写真を撮っていると、白いものが白く写らなかったり、黒いものが黒く写らないことがあります。。そん別のタブで開く

背景に脇役をプラスする

また、寂しげな背景でも脇役を入れるとことでバランスが取れることもあります。

たとえばこの写真。

梅の撮り方 背景

梅の背景にいい感じの池があったので 撮ってみましたが、どうもイマイチ。やっぱり背景が寂しい。。

そこから一歩右にずれて撮ってみるとどうでしょう。

梅の撮り方 背景

梅の木に隠れていた石灯篭が出てきました!これだけで、寂しかった背景にアクセントが出ましたよね^^

ただの青空に、スカイツリーを足せば撮影時の状況もわかるようになります。

梅の撮り方 背景

梅の撮り方対策よいうよりは、写真撮影全般に必要な考え方ですね^^;

対策3:WB補正でお花の色を鮮やかに

紅梅はもちろんのこと、白梅だって蕾やがくの部分は赤かったりするので、ホワイトバランス補正でマゼンタ(M、ピンクっぽい色)を足した設定にしてあげると、お花の色がほんのり色づき、鮮やかな感じになります。

マゼンタをプラス

このページの作例も大半はマゼンタをプラスしています。ただし、場面によっては全体的にピンクっぽく不自然になってしまうこともあるので、少しずつ足して様子をみてみると良いと思います。

WB補正を使いこなす
studio9関連記事
2020.02.29
13.04.24
上手な人の写真って、被写体や構図の良さだけでなく、”色”にもその人の個性が出ていますよね。実はこの”色”、あなたの持って別のタブで開く

マゼンタ足しは桜(ソメイヨシノ)の撮影にも有効なテクニックなのでぜひ覚えておきましょう。

ピクチャースタイルはハッキリ系で

また、カメラの仕上がり設定(ピクチャースタイル、ピクチャーコントロール、カスタムイメージなど)は風景やビビッドなど鮮やか系の設定のほうが良い結果が得られると思います。

ゆるふわセッティング
studio9関連記事
2014.06.02
12.08.22
写真を”もっとかわいく” とか ”もっとドラマチックに”撮りたいなーと思ってもなかなか思うように撮れないんだけど。。とい別のタブで開く

対策4: 枝を上手に処理する

せっかくの梅の木、アップばかりで撮るわけにも行かないので、もう少し引きで撮りたいということもあると思いますが、そんなときはどうしても枝が目障りになってしまいます。。

梅の枝はワリと一方向にキレイに伸びているものが多いので、空に向かってスイッと伸びているような感じで構図を作ってあげるとしっくり来ることが多いです。

その際、空と枝は斜めに分割してあげると写真に動きが出ます!

梅の撮り方 枝の処理

スラっと伸びた枝が空に向かって伸びてる感じです。広角で撮るのもポイント。空(明るい背景)に向かって撮るのでプラス補正して撮りましょう。

同じ被写体でも空を水平に分けちゃうとあまり伸びてる感が出ません。

梅の撮り方 枝の処理

なんなら、逆光+シルエットで撮って枝そのものを主役にしてしまうというのもアリですね^^

梅の撮り方 枝の処理

対策5:思い切って脇役にする

「梅がある景色を撮る」と考えてあげればなにも梅を主役にする必要はありません。思い切って前ボケなんかにしてあげて、主題を引き立てる脇役として使うことだって大事です。

さっきの石灯篭にピントを合わせて、手前をボカしてもいいでしょうし、こんな感じで人物を入れるのもいいですね。

梅の撮り方 主役を引き立てる

背景が寂しくても、暖かな気持ちになりますね^^ 紅白の梅を重ねるというのも梅撮影では鉄板テクニックです。

梅の撮り方 主役を引き立てる

---

ということで、梅撮影の傾向と対策を5つにまとめてご紹介してみました!

今週末あたりが見ごろとなる場所が多いでしょうからぜひチャレンジしてみてください^^

イチオシの記事
1

【3/23発売】カメラの入門書、写真のことが全部わかる本が完全版になりました!

私が執筆した「写真のことが全部わかる本」が大きなパワーアップをして完全版となりました!ミラーレスに完全対応させたほか、RAW現像のボリュームを大幅増強。3/23発売なのでぜひお手に取ってみてください カメラの気持ちに寄り添う本 2018年に執筆した「写真のことが全部わかる本」がこの度、最新の内容に改訂され、新たな内容も追加されて「写真のことが全部わかる本 完全版」として発売されることになりました! 写真のことが全部わかる本 完全版 (上達やくそくBOOK)中原一雄1,980円(06/09 15:36時点) ...

2 Enduranceed ビジネスリュック

大容量なのにスマートなEnduranceed ビジネスリュックを作ったよ!カメラバッグの経験を活かした超高機能バッグ

Enduranceでこれまで培ってきたカメラバッグの知見をふんだんに取り入れたビジネスバッグ、Enduranceed ビジネスリュックを作りました!ガジェット類、パソコン、書類、小物類など通勤、通学に必要なものを効率的に収納でき、取り出しやすくて分けやすい、そんなコンセプトのオシャレで高機能なバッグです。 大容量なのにスマートなバッグを作りました! バッグの中でもとりわけ高機能で多くのギミックを搭載しているのがカメラバッグの世界です。私が監修しているEnduranceカメラバッグシリーズでも、小物が多く、 ...

3 Endurance 比較

プロカメラマン監修のカメラバッグ”Endurance”全製品の特徴や選び方を開発者が紹介するよ!!

カメラバッグ沼に陥っていた私が、「ぼくのかんがえたさいきょうのカメラバッグ」として作ったのがEndurance カメラバッグシリーズです。現在販売しているバッグやアクセサリ全種類の特徴とおすすめの選び方を開発者である私がご紹介してみます! 自分の理想とするカメラバッグがいくら探してもない。。とカメラバッグ沼に陥っていた私が、「ぼくのかんがえたさいきょうのカメラバッグ」として作ったのがEndurance カメラバッグシリーズです。 一番はじめに出た「Endurance カメラバッグ」では他の人が使う事なんて ...

4

【2022年】カメラマンが教える、快適な写真編集向けパソコン環境とは?![Lightroom, Photoshop]

デジタル写真を高いレベルで扱うにはそれなりに高機能なスペックのパソコンが必要です。この「それなり」というのが意外と難しいところ。写真を快適に扱うために適したパソコンのスペックって何??という方向けに、オススメのPCスペックとデータを安全に運用するための方法についてまとめました。結構長めです。 写真編集に快適なパソコンを選びたい デジタル写真の完成度はカメラの撮影で5割、後の編集で5割くらいの比率で重要だと思っている私です。そんなに編集しないよという人でも大量の写真を管理するならパソコンは必要です。でも、現 ...

-写真

この記事を書いた人
中原 一雄 / カメラマン・中の人
普段はカメラマンとして活動しながらstudio9(すたじお・きゅう)の管理、運営をしています。「写真をもっと、あなたのそばに」をテーマに、カメラに使われるのではなく、カメラと友達になる方法を広めるために活動中のフォトグラファー。 中原 一雄のプロフィールページ

© 2023 studio9