誰にだってできる非常に簡単な方法です!
上の写真、立派な杉の木だなぁ~と思われた方もいるかもしれませんが、実はどこにでもある普通の杉の木なんです。
これからの季節、トレッキングやハイキングに森や林に出かける方も多いと思いますが、今回は普通の木でも迫力いっぱいに撮れる方法をご紹介します。
”方法”なんて言ってますが、特別な知識も技術も道具も一切必要ありません。ただ、2つのポイントを守るだけです。
まずはこちらの写真をご覧ください。
この2枚の写真は同じ杉の木です。そしてこれらは同じカメラ、同じレンズ、同じ設定で撮りました。場所もほぼ同じです。
左はヒョロッとした普通の木に見えますが、右は大木に見えますよね。同じ条件で撮ったのにいったいなにがこれほどの違いを生むのでしょうか?というのが今回のキモです!
ポイントは2つ!
一つ目のポイントはレンズの焦点距離。
上記の写真(2枚とも)は35㎜換算で24㎜と広角側で撮りました。
35mm換算って何?という方はこちらをどうぞ↓
レンズ選びで失敗しないための、カタログの読み方!13のポイント!!
広角レンズ(ズームレンズの広角側でもOK)には、レンズに近いものを膨張させて遠近感(パース)を強調させる効果があるので、遠近感を使って迫力を出したい時は広角側で撮るのがおススメです。
35mm換算で ~35㎜くらいの焦点距離で撮れるとかなり遠近感を付けて撮ることができます。iPhoneなどスマホのカメラはだいたい35㎜くらいですから、一眼レフだけでなく、スマホでも使える方法ですね!
ただ、上の写真は2枚とも同じ焦点距離で撮っているので、秘密はこれだけではなさそうです。広角で撮るというのはあくまで前提条件。
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違いは幹からの距離!
二つ目のポイントは距離です。
上記2枚の写真の違いは杉の木からの距離。ただそれだけ。しかも、3mくらい、たった3~4歩程度の距離の差です。
これだけの違いで写真がまったく別物に見えてしまうんです。
上記のとおり、広角レンズは近いものをより膨張させて見せるので、幹に近づけば近づくほど遠近感が強調されるのですね!
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広角で近づく!これが今日のポイントのすべてです^^
普段何気なく撮っているあなたのポジショニング、一歩でかなり印象が変わってくるかもしれません。次からは0m~3mまでの距離別で細かく印象の違いを実感していただきましょう!
距離別に印象の違いを実感する
では、幹からの距離別に写真の印象の違いを見てみましょう。ちなみに、上の2枚は左が幹から3mくらい離れた位置からの写真。右側は幹にぴったりくっついた0mからの写真です。
ぴったりくっついて撮影
手前の物をもっとも膨張させて見せるには、レンズとの距離がゼロの時。だから幹にぴったりくっついて撮影したとき、遠近感(パース)は最も強調されます!
実際には2~3センチ離れてるとは思いますが、細い幹が画面いっぱいに広がりました。
20センチ離れてみたら。。
続いて、幹から20センチくらい離れてみました。20センチというとほんのちょっとの距離ですが、これだけで写真の印象がガラッと変わります。もちろん、距離以外の条件はすべて同じです。
手前のボリュームがかなり減ってスッキリしました。
適度に威圧感が抑えられ、迫力を残しつつ、スラッとした印象になりましたね!
50センチからの距離
さらに離れて幹から50センチくらいの距離で撮影するとこんな感じ。
さらに手前のボリュームが減りました。まだ遠近感は感じられますが、迫力いっぱいという感じではないですね。。
1m離れてみたら
だいたい1m離れてみるとこんな感じです。
普通の人が ”近づいて撮る” というとこのくらいの距離感かと思いますが、ここまで離れてしまうともうスラッと伸びた普通の杉の木です。
最初の写真からは1~2歩ぶんの距離しか離れていませんが、ここまで印象が変わって見えてくるのです。
3m離れて撮ってみる
最初にお見せした左側の写真です。
普通の人が木を撮るときはこのくらいの距離から撮ることが多いと思いますが、もはや、スラっとした感じもあまりなく、ただのヒョロッとした杉の木になってしまいました。。同じ杉の木には見えません。。
まとめ
このように同じ設定、同じ道具で撮影しても僅かなポジショニングの違いで劇的に写真の印象が異なってくる場合があります。
5枚の写真を一覧にしてみました。木の先端の大きさはほとんど変わっていない事にも注目!
たかが一歩、もっと言えばたかが10センチの違いでも写真は変わることがあります。
写真のセンスがある人というのはこの辺の距離感を無意識に調整できる人なのかな?と思います。
上手な写真を撮るにはカメラの設定を工夫して撮るのも大事ですが、もっとシンプルに、被写体との距離感を意識してみるのもいいですね!
私への警鐘も込めて書いてみましたw
ぜひお試しください!