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RAW現像、レタッチ 写真のコツ

ぼくのかんがえたさいきょうのLightroom使用環境。[写真保管]

更新日: by 中原 一雄

ただの現像ソフトではない、写真管理を非常に効率よく行えるAdobe Lightroomの使用環境(PCスペック、構成)についてご紹介します。「さいきょう」ですので、中~上級者のややヘビーユーザー向けの内容になると思います。 なお、「さいきょう」は当社比ですのであしからず。。

ぼくのかんがえたさいきょうのLightroom使用環境

ぼくのかんがえた さいきょうの
Lightroom使用環境

すべて当社比。異論は認めます。

今回は写真の保管環境についてのお話。カメラがデジタル化し、画素数が増え、カメラの連写機能が向上し、さらにRAWでも撮ろう。。といった具合に最近は一般のアマチュアカメラマンでも一日にGB単位、撮る人なら数十GB単位で撮影する人もザラかと思います。

それと同時に、メモリーカードやHDDの単価が下がり、PCの処理能力も向上し、Lightroomのような管理ソフトも出てきて、一般の人でも大量の写真データを扱えるような環境もそろいつつあります。

そこで、今回はただの現像ソフトじゃない、Adobe Lightroomを使う前提で、大量の写真を効率的、かつ安全に使用するための環境について私の環境を晒しながらご紹介していきます^^;

今回の大量の写真とは具体的には1つのHDDに入らない TB(1,000GB)単位のデータ量。写真の枚数的には万枚単位の写真を扱うという前提で考えてみます。

やや上級者向けの環境になりますが、こんな管理の方法もあるんだなぁと思っていただけると幸いです。

ちなみに、全部の写真を合わせても1TB未満など、1つのHDDに収まるようなライトな使い方をしている場合はそれほど大変な環境ではありません。下記リンクなども参考にして頂ければ幸いです。

写真 バックアップ
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デジカメのデータは当然デジタルデータですから、何かのきっかけで一瞬のうちに消えてしまうことがあります。つまり、バックアッ別のタブで開く

また、今回の内容はデスクトップPCでの管理を意識した内容が多いので、ノートPCの方はその点ご了承下さい(参考になる内容はそこそこあると思いますが)。

 *今回の内容を参考に環境を整備される方は必ず事前にバックアップをとって作業を行って下さい。これにより生じた問題についてstudio9では一切保証できません。

大量の写真を扱うために必要なPCスペック

まずは必要なPCスペックから。

そりゃ、PCのスペックは高ければ高い方がいいに決まってますが、一般の方でも実現可能なラインで考えてみます。ノートPCでも大丈夫ですが、HDDを大量に使用するので拡張性に優れたデスクトップPCの方が良いと思います。

*下記スペックは大量の処理をサクサク快適に行うためのスペックなので、これより低くても使用することは十分可能です。

CPUについて

LightroomのRAW現像(編集)処理は他の現像ソフトに比べて高速なので、CPUの性能は最重要ではありません。ハイエンドじゃない普通のCore i7クラスが載っていればかなりサクサク動くはず。現在(2014年7月)のHaswell世代のものならCore i5でもストレスは感じないかと思います(予想)。

私が現在メインPCで使っているのはちょいと前の世代のCore i7 2600K。定格でもサクサク動きます(通常はOCして使用中)。

また、私のノートPCにはCore i5-3317Uというモバイル向けのCPUが載っていますが、スポット修正など重め処理をさせなければこのレベルでもそれほどストレスを感じる事はありません。いつもやってるLightroomワークショップはこのCPUです。

CPUの性能がモロに効いてくるのはRAWから最終的にJPEGやTIFFとして書き出すとき。ここの処理はCPUの性能が高ければ高いほど早く終わります。が、Lrの場合基本はすべてRAW+カタログ管理(全部JPEGに書き出す必要が無い)なので、しょっちゅう大量のJPEGをどこかに納品するとかいう用途に使わなければハイスペックCPUでなくとも許容できるレベルだと思います。例えばCorei5とCorei7のCPUでRAWからの出力時、1枚1秒の違いがあるかないか程度のレベル。

追記:3000万画素を超えるような多画素機であればCPU能力も高めの方がサクサク動くなぁと思います。

なおLightroomの書き出し速度はこちらが詳しいです

Lightroomの現像スピードを考察
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15.10.30
Adobe Lightroomは高機能なRAW現像ができるため多くの人に使われていますが、もう一つの利点は現像スピードが別のタブで開く

メモリー容量が最重要

Lightroomで写真を扱うならメモリーが大事。たぶん動きがもっさりしていてストレスを感じる時はCPUではなくメモリー搭載量が少ないことが原因となっている場合が多いと思います。

Lightroomでは立ち上げ直後の平常時で1GB程度のメモリーを食います。RAW現像している最中やライブラリーモジュールでで次々と写真を見ている時で1.5GBくらい、RAWからJPEGに書き出す時だと2GB近いメモリーを消費します。先日、がっつり重めの編集をしていたらLr単体で3.7GBほど消費していました^^; (Windosw 7 64bit, Lightroom5.5)

Lightroomメモリー消費
Lightroomメモリー消費

OSだけで1GBくらいは消費しますし、他の常駐アプリケーションで1GB消費と考えればメモリー4GBではギリギリです。。タブをいっぱい開いているブラウザを立ち上げて操作するとメモリー不足に陥ることがあるかもしれません。こうなるとLightroomの動きは非常に緩慢になります。

サクサク操作するなら最低でも8GBは欲しいところ。

LightroomとPhotoshop同時に立ち上げて作業するとそれだけで3~4GBほど消費するので、メモリー4GBのノートPCでは同時に立ち上げない方が無難かもしれません。。

私の環境だとメインのデスクトップPCが16GB、ノートPCで8GB載っています。

今お使いのPCがメモリー4GB以下で動きがもっさりしている場合はCPUではなくメモリーの増設をオススメします。

*追記

先日デスクトップでメモリーのテストしたところ、8GBと16GBでは明らかに16GBの方が書き出し速度が早かったですが、16⇒32GBに増やした場合はほぼ同じ速度でした。

HDDのスピード

大容量の写真を保存する場合、大抵の場合は外付けHDDや内蔵HDDを増設してお使いかと思います。

Lightroomは写真を現像する際、はじめにカタログに保存されている軽いプレビューを表示し、裏でRAW画像を読み込んでいます。RAWファイルを読み込んだらそれを元にした調整結果を画面に表示させる仕組み(たぶん)。RAWファイルは20~30MBと重いのでHDDの転送速度が遅いと非常にストレスが溜まるはず。

HDDの速度が遅いとストレスを感じるのはLightroomに限った話ではなく大容量ファイルを扱う操作すべてに当てはまります(Lrはプレビューが先に表示されるだけかなり親切)。

外付けの場合はUSB3.0対応のHDDを使いましょう。古いUSB2.0対応のHDDは転送速度がせいぜい30~40MB/s(Read)です。一方、最近のUEB3.0対応HDDは150~180MB/s(Read)と5倍くらい速いです。

内蔵HDDでシリアルATA(SATA)接続している人は、最近だとSATA2.0(実効転送速度300MB/s)以上だと思うのでHDD本体が高速なものを使っていれば大丈夫でしょう。

HDDの詳しいことやSSDの活用は後半でももう少し詳しく説明します。

グラフィックカード

Lightroomを扱うのであればほとんど関係ないです。GPUでRAW演算とかはしないので。CPUに載っているオンチップのものでも大丈夫なはず。

**追記**
Lightroom 6 / CC からリアルタイムレンダリングにGPU支援が可能となりました。グラフィックカードの性能によっては現像のパラメータをいじったときに画面がヌルヌル変わります。ただ、書き出し速度(現像速度)には影響が無い模様。
Lightroom6(LightroomCC)速攻レビュー!顔認識,GPU連動,フィルターブラシ編[その2]

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Lightroomを動かすだけならもっと低いスペックのPC(必要システム構成 | Lightroom[公式])でも動きますが、ストレス無く使いたければ上記に上げたスペックは欲しいところです。

ぼくのかんがえた さいきょうの構成

上記のスペックをふまえつつ、現在私のメイン環境をご紹介します。カタログには10万枚を超える写真が登録されていますが、管理、現像、書き出しともにサクサクで快適です。

また、バックアップも忘れてはいけません。というか処理速度よりもこっちの方が大事。バックアップなしでデジタル写真を扱うとか絶対に止めましょう。

PCのスペック

OS: Windows 7 Home Premium 64bit Windows10 Home 64bit

CPU: Core i7 2600k(3.4GHz ⇒ 4.2GHzまでOC)

メモリー: 16GB 32GB (DDR3-1333)

システムドライブ: SSD 256GB (SanDisk SSD UltraPlus)

カタログ用ドライブ: SSD 128GB (Crucial m4)

写真保存用ドライブ: HDD 2~3TB (7200rpm)をたくさん。

*追記:執筆時から多少構成が変わりましたがそんなに変わらない使用感です。CPUあたりはさすがにそろそろアップグレードしたいところですね。。(汗

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動画や3Dを扱っている人から見ると低スペック乙と言われそうですが、静止画ならRAWを扱うにしてもこの程度で十分快適に作業できます。市販の少々ハイエンドなデスクトップPC並といったところ。

構成

CPUは一昔前の世代の2600Kですが、オーバークロック耐性が高いのでまだまだ第一線で使えます。OCさせず定格で使ってもぜんぜん快適です。

メモリーはOS(HomePremium)が扱える上限の16GB(8G×2)。Lightroom、Photoshopで普通の写真を扱う程度なら、アプリケーションをたっぷり開きながら作業しても不足することはまずありません。

*追記:Windows10になって16GBの制約が外れたので32GBにしてみましたが、16GBでもLightroomを扱うには十分だったので16 ⇒ 32GBで凄く快適になった!ということはないです^^;

Lightroomが入っているシステムドライブとカタログ用ドライブはSSD、写真保存用は2~3TBの普及価格帯の内蔵HDDです。バックアップ用に2台で1つといった感じで使います。詳しいことはこの次で。

絵にするとこんな感じ。

ぼくのかんがえたさいきょうのLightroom使用環境

Lrで扱う写真はすべて専用のドライブに保存しています。Lrで扱う写真以外の余計なデータは入れないといった感じで。そうすればバックアップも簡単です。

バックアップはRAIDでミラーリングしている訳でなく、同期ソフト(Realsync)で数時間ごとに差分を同期する感じ。

HDDの同期はこちらの記事を参照願います。

 

写真は1つのHDDに入りきらないので、いっぱいになったら次のHDDへ。

HDDが一杯になって次のHDDへ移ったら、バックアップ用のHDDはPCから取り外して別に保管しておきます。

写真やカタログのバックアップに関することは後半でもう少し詳しくご紹介します。

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このような構成とすることで、常に最低1つのバックアップを維持しながら、PC側ではHDDを交換することなく手持ちのすべての写真をLrで管理でき、Lr自体もサクサクと動くようになりました。

各保存先の役割

写真、カタログ、Lr本体が保存されている各保存先の役割とポイントを見てみます。

写真保存用ドライブ

なんせデータ量が多いので基本はHDDで管理することになります。安くなったとはいえまだSSDで管理するのはコスト的に厳しいです。

以前は作業用のドライブをRAID0で組んで運用していたのですが、最近はHDDの転送スピードが上がってきたので、単体で使ってます。メインで使うHDDは72000rpmの高速転送タイプ、バックアップ用は低速回転の静音タイプを使用。

現在はメインにそれぞれ3TBのSeagateの ST3000DM001、バックアップ用にWESTERN DIGITALの WD30EZRX-1TBP を使用中。

ST3000DM001 はHDDとしては転送スピードが速く私の環境でも普通に繋ぐだけで180MB/s以上のスピードが出ました。環境に寄っては200MB/sくらい出ることもあると。

ST3000DM001

また、2つのHDDを同じHDDで揃えない理由はもう一つあり、それは故障時期をずらすため。

同じタイミングで同じHDDを買えば通常は同じラインで製造されたものとなります。通常2台はほとんど同じ条件で運用するので、片方が壊れるタイミングでもう一台のHDDの故障リスクも必然的に高まっている状態です。また、製造上の不具合があった場合は同じタイミングで故障する確率がさらに高まります。そのためメーカーを分けてリスク分散させるわけです。

PCケースも大型が便利

バックアップも含めるとHDDをたくさん消費するのでPCケースも大型のものが便利です。私はフルタワーのケースを使ってます。

スペースがない人は外付けHDDを買っても良いですが、内蔵HDDのドッキングステーションを使うのも手頃で便利。USB3.0で繋いでHDDをブスッと刺せば使えます。普段は取り外している内蔵HDDの中身をちょっと見たいといった時にも気軽につかえて便利です。

↑これ2台持ってますw

1TB以上の容量のSSDがもう少し安くなればひとまずSSDに保存して、直近データは超高速環境で作業しつつ、SSDが一杯になってきたら古いものからHDDに移して使用なんて使い方も出来るようになるかと思います。あと1~2年先でしょうかね。

カタログ保存用ドライブ

出来ればSSDなどの超高速ドライブで運用するのがいいです。カタログはLightroomで行った操作を逐一すべて記録するデータベースなので頻繁にアクセスがされます。また、写真データと違って基本は小さなデータのやりとりです。

HDDの場合、RAWなどの大きなデータではスピードが速くても、小さなデータを扱うときは極端にスピードが下がります。。一方、SSDはほとんどスピードが下がりません。(下の「Seq」の値が大きなデータ、その下が小さなデータの転送スピード)

SSDとHDD

小さなデータを頻繁にやりとりするカタログの保存先はSSDが最適です。CドライブがSSDで容量に余裕があればカタログ用ドライブを別にしなくても大丈夫です。

SSDを使用するときは必ずSATA3.0(6Gbps)対応のポートで繋ぐこと。SATA2.0ポートに繋ぐと最高でも300MB/sまでしかスピードが出ません。マザーボードにSATA3.0ポートがない人はSATAの増設カードを付けることも出来ます。

私は単純にSATAポートが不足しているのでエアリアのSD-PESA3ES2Lを使っていますが、1枚で350~370MB/sくらいのスピードがでます(MBのSATA3ポートよりは遅い)。

アプリケーション用ドライブ

Lightroom本体が保存されているドライブで通常はOSが入っているシステムドライブ(Cドライブ)と同じなはず。これも頻繁にアクセスがされるドライブですのでSSDが最適です。最近はここにSSDを入れている人は多いですよね。まだHDDで運用している人は変更を強くお勧めします。Lightroomに限らず、システム全体が世界が変わるくらい快適です。

今のところ256GBのものでも1万5千円くらいで買えちゃいますね。

私はSanDiskの SSD UltraPlus 256GB を使っていますがまずまず高速です(*後継機に置き換わっている模様。後継はSanDisk SSD UltraIIあたりかな)。ただサンディスクというだけで買いました(笑)カメラマンのサンディスク信仰は異常ですから。。しかも、このSSDの販売代理店はキヤノンマーケティングジャパンという謎。写真やってる人はもうこれ買うしかないでしょw

キヤノンマーケティングジャパン

バックアップ環境

バックアップ環境ですが、PCが得意な人はRAID1でミラーリングしながら使うのも大いにありかと思います。が、「RAIDはなんだか安全らしい」程度の知識の人は安易に使わない方が良いかと思います(使用前によく勉強すること)。

バックアップは二重保存状態を保っておくことと同じくらい、片方のデータに障害が起きたときにすぐ対処できるかどうかが大事。よく分からないまま使っていると障害が起きたときにアタフタして元のデータまで壊してしまうこともあるかも知れません。

原始的ではありますが、ミラーリング用のソフトを使って2台のHDDを定期的に同期する方がリスクは少ないかと思います。Lightroomはカタログ管理なので満タンになったHDDの中身は基本参照するだけですし。WindowsならフリーソフトのRealsyncがとても便利。

*追記:Realsyncでも不足はないですが、現在はより高機能なFreeFileSyncというソフトを使ってます。こちらもフリーソフトです☆
詳細や使い方はこちら↓

バックアップ FreeFileSync 使い方
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大量の写真をバックアップするときはHDDを2台使ってバックアップするのが一般的な方法ですが、その時活躍するのがファイル同別のタブで開く

バックアップの重要性はうざいと言われても何度でも言います。ほんとHDDはある日突然壊れますから。私事ではありますが、1週間ほど前、写真が5万枚くらい入った2TBのHDDが突然壊れました。買って1年ちょいの比較的新しいHDDです。たぶん、年末ジャンボで1万円当てるよりも確率高く壊れます。

もちろんバックアップを取ってあったので、バックアップドライブに交換して、新しいHDDを買ってすぐに再バックアップで元通り。バックアップがなかったら悲惨でした。。

カタログはクラウドでバックアップ

写真だけでなく、カタログ本体も忘れずにバックアップしておきます。Lightroomの場合RAW現像レシピやレーティングはすべてカタログに入っているのでカタログは財産です。

Lightroomの場合、編集 > カタログ設定(Macの場合は Lightroom > カタログ設定)でカタログバックアップ支援機能が使えます。この機能でバックアップできるのはカタログファイル単体(.lrcat)のみ(プレビューは元の写真があれば再生成できるから)。

Lrのカタログ自体は非常に軽く、10万枚以上登録されている私のカタログでも容量は1.3GB程度(プレビュー除く)。

この程度の容量ならGoogleドライブなどのクラウドストレージの無料容量分で運用できます。

バックアップしたカタログは手動で消す!

Lightroomで行ったバックアップは古いものが同じフォルダにどんどん溜まっていきます。いらないものは手動で削除する必要があるので注意。

カタログが溜まる

環境設定も忘れずに

現像や書き出しなどの各種プリセットはカタログには保存されず、通常はシステムドライブ(Cドライブ)に保存されています。意外と盲点ですがプリセットをよく使う人ならここも忘れずにバックアップしておきましょう。

Windowsの人なら、

C:Users<ユーザー名>AppDataRoamingAdobeLightroom

の中に、Macなら

Macintosh HD/ユーザ/<ユーザー名>/ライブラリ/Application Support/Adobe/Lightroom

に保存されているはずです。

 

ここをクラウドストレージ経由で複数台のPCと同期して使うことも可能です。詳しくはこちらのエントリーを参照。

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この構成の問題点

このシステムの問題点は、現在使用中の写真専用ドライブは常時本番用とバックアップ用が同じPC側に接続されている点でしょうか。同じ電源を介しているので例えば雷のサージで同時に故障してしまうということはあるかも知れません。

雷サージガードをかませておくと少しは安心かもしれませんね。

また、外しているHDDは同じ事務所内に保管しているので火災などが起こると終わりです。。(先日自宅のマンションの別の部屋で火事があり、ホントにあるんだなぁとHDDを別の場所に保管しておく重要性を再認識しました。幸いウチには被害なかったですが。。)

もし可能であれば第三のバックアップを作成し、実家など離れた場所にデータを退避しておくとほぼ完璧な環境になるかと思います。

Lightroom側の設定

一応Lr側の環境設定を変えることでも多少のパフォーマンスを向上させることは出来るかもしれませんがあまり期待しないほうが良いです。基本的にはLightroomの環境設定は初期状態でも大丈夫です。

個人とか小規模な環境で使用する場合、パフォーマンス向上の基本は「レベルを上げて物理で殴る」が基本だと考えています。設定を様々いじって最適化したところで体感できるスピードの差は僅かかと思いますので、メモリーを増設するとか、低速HDDを使っている人は高速HDDやSSDに切り替えるとかの方が快適に作業できるはず。

僅かな設定変更が生きてくるのは、一日に数千とか数万枚処理するというな大規模な環境でパフォーマンスが3%上がったら1日のコスト削減効果が。。と計算できるような場合かと思います^^;

とはいいつつ、Lightroom側でもいくつかパフォーマンスに影響しそうな設定項目があるので、興味がある方はあまり期待せず試してみるといいと思います。

CameraRAWキャッシュの設定

編集 > 環境設定(Macの場合は Lightroom > 環境設定)のファイル管理タブの中にあるCameraRAWキャッシュを増やすといい場合があります。通常、1GBの容量が与えられていますがここを増やすとパフォーマンスが向上することがあるみたい。保存先はSSDなど高速ドライブにすることでより効果が見込めるっぽい。

Lightroom環境設定

システムドライブはSSDなんだけど、写真やカタログは低速ドライブにしか保存してないという場合はここを増やすと効果があるかもしれません。

私の場合は試しに1.0 ⇒ 10GBと増やしてみましたが体感できるほどの効果は感じませんでした。RAWからの書き出し速度もほぼ変わらず。

プレビューサイズの設定

編集 > カタログ設定(Macの場合は Lightroom > カタログ設定)のファイル管理タブでプレビューのサイズを設定できます。デフォルトは1440px、画質 中 となっていますが、写真保存ドライブが高速ならここの画質は下げてもいいかもしれません。

Lightroom環境設定

現像時にこのサイズのプレビューがまずは仮表示され、その裏でRAWファイルが読み込まれる仕組みなはずなので、写真用のドライブが高速ならプレビューサイズの画質が少々悪くても大きな問題にはなりません(すぐに高画質なものが表示される)。

高画質にしすぎない

また、ここの画質を高くしてしまうとプレビューサイズが肥大するのでカタログフォルダが圧迫されます(プレビューはカタログと同じ場所に保存される)。容量の少ないSSDを使っている人は注意。

**追記**
Lightroom6 / CCからデフォルトの標準プレビューサイズはプライマリディスプレイの解像度に応じて自動になっています。Retinaや4Kを使っている人はめちゃデカいプレビューが作成されるので注意!

私は1440px, 画質 低 で使っています。あくまで仮表示ですので。(*現在2048px、画質中で運用中。モニターは横2560pxのもの。まぁ1440pxと比べて劇的に変わったかというとそんな感じもないです^^;)

GPUとの連携(Lightroom6/CC~)

Lightroom6 / CC 2015 から現像時のレンダリングにGPUのパワーを借りられることになりました。Lightroomに対応しているGPUを搭載しているPCならデフォルトでオンになっているはず。

環境設定 > パフォーマンス >グラフィックプロセッサーを使用 という項目があるはず。

外部のグラフィックボードだけでなく、CPU内蔵のGPUにも対応しているみたい。

Lightroom6レビュー GPU支援

たしかにチェックが付いていると明るさや色温度のスライダーを動かしたときにヌルヌル動くよ感じがするのですが、書き出し速度は変わりません。また私の環境では別の画像へ遷移するときに画面がもたつくことがあるので普段の作業はオフにして使ってます。

使い方や環境によって オン / オフ 切り替えながら様子を見てみましょう。

Lightroom6 / CCについて詳しくはこちらで

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ということで、私が現在使用しているLightroomの環境をご紹介してみました。「さいきょう」と言いつつ、基本はレベルを上げて物理で殴る作戦でしたね。。^^;

最初に言ったとおり、ここまで大量の写真を扱わないのであればもっと普通のスペックのパソコンでも大丈夫です(メモリーは多い方がいい)。

大量に写真を撮っているのにどう管理したらよく分からない人はこのエントリーを参考にしてみると良いかもしれません。

またダラダラと長くなってしまいスミマセン。。

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この記事を書いた人
中原 一雄 / カメラマン・中の人
普段はカメラマンとして活動しながらstudio9(すたじお・きゅう)の管理、運営をしています。「写真をもっと、あなたのそばに」をテーマに、カメラに使われるのではなく、カメラと友達になる方法を広めるために活動中のフォトグラファー。 中原 一雄のプロフィールページ

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