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Lightroomで実現する!写真管理を超高速化させる15のポイント!

更新日: by 中原 一雄

 RAW現像ソフトの最もスゴイところは実は現像機能ではなく、写真の管理・出力機能です。一度慣れてしまうともうほかのソフトには移れません。そこで今回はLightroomを使って写真管理を超高速化するための15のポイントをご紹介していきます。

Lightroomで超高速化

  私がLightroomを使い続ける理由

前回からちょっと間が空いてしまいましたが今回は私が愛用しているAdobe Photoshop Lightroom (LR)の写真管理、出力に関するスゴイとこをご紹介します!

前回エントリーではLightroomの現像機能に絞ってご紹介しましたが、今回は管理・出力にテーマを絞りました。

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現像に比べると華やかさに欠け、やや地味な面ではありますが、私がLightroomを使い続ける理由はこの管理、出力が他のソフトに比べてズバ抜けて優れている(と思う)からです。(現像だけを見れば、他の有料RAW現像ソフトでも工夫次第で代替できることも多いです)

とにかくLightroomを使うことで作業が驚くほど効率化されます。写真を100枚撮ろうが、1000枚撮ろうが撮った後の作業を考えて気が重くなることが少なくなりました^^

使い方にもよりますが、手作業でフォルダ管理しているのに比べれば軽く10倍は作業効率アップするんじゃないかと思います!

Lightroomを使ったことが無い方は普段の撮った後の作業を思い返しながら各項目を見ていただくと幸せになれるかもしれません。億劫だった写真管理を効率化させるための方法を15の項目に分けてご紹介していきます。

前回の現像編と同じく、個別の項目に対して詳細な手順は割愛しておりますのでご了承ください。。

*本エントリーは執筆時点で最新版のLightroom 5.2を元に紹介していますが、Lightroom 6やLightroom Classic CCでもほぼ同じことが言えます!

Lightroomは現在「Lightroom Classic CC」と「Lightroom CC」の二つのバージョンに別れています。本記事はLightroom Classic CC(従来バージョン)向けの内容です

Lightroomで写真管理をするメリット

Lightroom(Lr)はみなさんご存じAdobe製の写真管理&現像ソフトです。まずはLrで写真管理をする上でメリットになりそうなことをいくつか書いてみます。

写真の取り込み、管理、現像、書き出し、プリントまで完遂

Lightroomはただの現像ソフトではなく、管理&現像ができる統合型のソフトです。デジカメで撮った写真に関することなら大抵のことはこのソフト一本で完成します。

各機能の完成度はプロが業務で使えるくらいの高さです。これを使い出したらPhotoshopの出番がグッと減ったという人も多いはず。

フォルダ管理から解放される

後で詳しくご紹介しますが、恐らく殆どの方がやっている、フォルダに写真を分けて管理する、「煩雑なフォルダ管理」から解放されます。Lrはフォルダ管理ではなく、「カタログ管理」という方法を採用しているからです。

いる写真/いらない写真 をフォルダに分ける必要がなくなります。もちろん最低限のフォルダは使用しますが^^;

数万枚の写真の管理も効率良く行える

カタログ管理だからこそ実現できた機能ですが、写真の情報はすべでデータベースである「カタログ」に保存されているので数万枚の写真から目的の写真を一瞬で検索することが可能です。これも後で詳しく解説します。

カメラの機種や露出設定、キーワードなどあらゆる項目でフィルタリング(絞り込み)することが可能。

私のLightroomのメインカタログには15万枚を超える写真が登録されてます。

RAWとJPEGを同じ感覚で扱える

RAW現像ソフトとの認識の強いLrですが、扱う写真はRAWでもJPEGでも(TIFFやPSDでも)構いません。殆どの操作がRAWとJPEGの違いを意識すること無く同等のものとして扱えます。

今まではJPEGで撮ってたけど、これからはRAWでもちょこちょこ撮ろうかな?と言うニーズも満たしてくれます。

動画クリップも写真と同じくレーティングしたり、キーワード(タグ)を付けたりしながら管理出来ます。

異なるメーカーのカメラを扱える

メーカー純正の現像ソフトはそのメーカのRAW画像しか扱えませんが、LightroomはほぼすべてのメーカーのカメラのRAW画像に対応しています。異なるメーカーのカメラを使っている人は、Lightroomだけで一括管理、編集が可能です。

スマホで撮った写真もデジカメで撮った写真もすべて一括管理できます。

スマホの写真を管理する場合はLightroomのモバイルアプリを使うのがオススメ

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こんな良いところだらけのソフトではありますが、もちろんいくつかデメリットもあります。一番大きなのがはじめは少し取っつきづらいソフトという点。

これまでの「フォルダ管理」の感覚でLightroomを使い出すとPCに不慣れな人は挫折してしまうかもしれません。。まずは「フォルダ管理」と「カタログ管理」の違いを意識することが大事です。

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Lightroomの写真管理のイメージ

まずはLightroomを使ったことが無い方のために、Lightroomでの写真管理の大雑把なイメージをご紹介しておきましょう。Lightroomはちょっと特殊な写真管理方法を採用しているので初めにイメージで理解しておくとかなりとっつきやすいです。

以前の記事(【写真】Photoshop, Lightroom, エレメンツの違いをざっくりまとめてみた!)でもご紹介しましたがLightroomは撮影した写真の取り込みから出力までを一貫してサポートする統合型のRAW現像&写真管理ソフトです。

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何はともあれ”カタログ”を理解する

Lightroomの写真管理を理解するうえで根本にあるのは「カタログ」という独自の機能です。Lightroomer(すみません勝手に作りましたw)はこの「カタログ」を使ってすべての写真を管理していきます。WindowsのエクスプローラーやMacのFinderを意識することなくすべてLightroomの中で作業が出来ます

「カタログ」というのは百科事典の索引のようなイメージで、○○という写真は××に保存されていて、△△という写真は□□に保存されていますよ!という情報を持った一種のデータベースです。

この「カタログ」には写真一枚一枚に、どんな現像設定が適用されているか(以前のエントリーで現像設定は”レシピ”だといいましたね)や、過去に行った変更、レーティング、カメラの機種や撮影時の設定などのEXIF情報がすべて紐付いています。

つまり、一度写真をPCに取り込んでしまえば、フォルダ内でファイルをコピーしたり移動する必要はなく、Lgithroom内の「カタログ」を変更すればすべての管理が可能という訳です。もちろん「カタログ」の変更は特に意識することなく、ボタンをポチポチしていくだけでLightroomが勝手に変更してくれます。

今までのフォルダ管理とLightroomの写真管理の違いを図にするとこんな感じです。

フォルダ管理のイメージ

フォルダ管理

撮影後、写真を取り込んだら例えば日付ごとにフォルダを作って保存して、セレクトしてOKだった写真は別フォルダに移動、それからお気に入り写真をRAW現像したらさらに別フォルダに移動、コピーして、フリント用のファイル、Facebookやブログに投稿用のファイル。。。というように深くフォルダの階層が出来ていきます。。

手作業で行ったり、カメラを買ったときに付いてきた簡易管理ソフトなんかもこの方式で管理していきます。直感的にわかりやすい方法ではありますが、手間がかかりますし、写真が増えると手に負えません。。

しかも、後で「あの時、あの設定で撮った写真って何処だったかな??」という時は記憶に頼って探すしかありません。。

カタログ管理のイメージ

一方、Lightroomの「カタログ管理」では最初にPCに保存してしまえば、あとは写真には直接触らず、1枚1枚の写真情報が紐付いた「カタログ」の中の情報を変更するだけ。

前回エントリーでLightroomはすべて非破壊編集だといったのはこのためです。

カタログ管理

写真データを直接操作しないので、データが軽くて済み、データベースなので、後日カメラの設定をヒントに写真を絞り込むことが出来ます(フィルタリング機能)。

例えば、”2012年に撮った写真全20,000枚の中で、EF 24-105mm F4Lのレンズを使っていて、焦点距離24mm~35mmの間で、ISO感度400以下で、”花”のキーワードが付いていて、レーティングが1以上の写真”

みたいな条件で検索することも朝飯前です。きっと1~2秒で候補の数枚~数十枚くらいが一覧で表示されます。これ、フォルダ管理で上記をやろうとすると気が遠くなりますよね。。

索引だけを持ち歩く

初めに「カタログ」というのは百科事典の索引のようなものだと言いましたよね。これに当てはめれば、これまでのフォルダ管理というのは、常に百科事典全巻セットを持ち歩くようなもの。

Lightroomのカタログ管理の場合は薄い一冊の索引本を持ち歩き、必要な時だけ図書館の原本を調べに行く といった動きをします(Lightroomで写真の一覧を表示する画面を"ライブラリモジュール"といいます)。

写真データを直接触らないので初めはとっつきづらいかと思いますが、上記の概念さえ理解できてしまえばこれから紹介する作業効率化の理解がしやすいと思います!

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管理作業を"超"高速化させる15のポイント!

ということで例のごとく前置きが大変長くなってしまいましたが、Lightroomを使った写真管理作業の高速化ポイントを15項目に分けて紹介していきましょう。TIPSというよりはLightroomのスゴイ特徴みたいな感じで並んでおります。

初めにも断りましたが、今回はLightroomを使ったらこんなことが出来るんだー!という事を知っていただきたいため、個別の詳しい操作方法については割愛しております。。

下記の4つのグループに分けてご紹介していきます。

  • 取り込み・管理のポイント
  • 現像・書き出しのポイント
  • プリント・出力のポイント
  • その他のポイント

取り込み・管理の高速化ポイント

1.フォルダ管理から解放されます

上記でさんざん説明しましたが、Lightroomの「カタログ」管理を導入することで、地道なコピペやドラッグ&ドロップ作業から解放されます。

写真の様々な情報を手掛かりに直感的にすべての写真にアクセスできます。写真の一覧を確認する画面を「ライブラリモジュール」と言います。写真を取り込むと、取り込んだ写真の保存先が「フォルダーパネル」に表示されます。

ライブラリモジュール

一度写真を取り込んでしまえばフォルダは基本的にいじる必要はありませんが、フォルダ名やフォルダを移動したい場合は必ずここから操作します。エクスプローラーやFinderから操作してしまうとLightroomが写真を見失ってしまいます。。

2.セレクト作業はポチポチ押すだけ

大量の写真を撮った後の気が重いセレクト作業はビール片手にポチポチキーボードを押すだけです。レーティングやラベリングのショートカットが数字に対応しているので、数字を押すだけでカラーラベル、レーティングが付けられます。

例えば私の場合、撮影後PCに写真を取り込んだら、”保存しておくべき写真”と"(消さないけど)もう使わないであろう写真" にざっくりとラベル付けをしていきます。

”保存写真”には黄色のラベル(テンキーの”7”)、”使わない写真”はラベルをつけずスルーします。

この間キーボードの "→" "7" を押すだけ。100枚なら1~2分くらいでセレクトできます。(Windowsの人は必ず「半角入力モード」で試して下さい。でないとショートカットが効かないです)

フィルタリングして多段階選抜する

終わったら、イエローラベルのついた”保存写真”だけをフィルタリング(絞り込み)機能で表示させます(後で紹介)。

この状態から外部に公開したり、書き出しを行う”採用写真”(グリーンラベル、ショートカットは”8”)を選んだり、”特にお気に入り写真”(レッドラベル、ショートカットは”6”)といった具合に重要度を細分化させます。

必要に応じてレーティング(★☆☆☆☆~★★★★★)を補助的に使う感じ。これはキーボードの ”1” ~ ”5” が対応しています。

カラーラベル

*カラーラベルはLightroom独自のラベルで、ほかのソフトでは読み込めません(たぶん)が、レーティングは他のソフト(他社現像ソフト、Bridgeなど)でも読み込めるため、ほかのソフトと連携させて使うならレーティングをメインに使い、カラーラベルを補助的に使うのがいいかもしれません。
もっとも、後で「レッドラベルが付いている写真をすべてレーティング4に変更」なんてことも一発で出来ますが。。^^

億劫だった撮影後のセレクト作業が飛躍的に楽になるはずです。

3.キーワード付けをすると後で振り分けが簡単

取り込んだ写真には独自のキーワードを付けられます。他のソフトではタグといったりもしますね。

Lightroom キーワード

特定ジャンルの写真を多く撮る方なら、例えば 「花」 「料理」「ポートレート」といった感じでざっくりとキーワードをつけておくだけでも、後で「あの時撮ったお花の写真どこだっけ??」みたいな時に役立ちます。

キーワードはいくつでもつけられるので、「植物」「花」「桜」 みたいな分類毎に詳細につけることもできます。ただ、あまり細かく指定するとキーワード付けが億劫になってしまうので、私のような面倒くさがり屋は大雑把にザックリとつけるのがポイント^^;;

もちろん複数枚に一括でキーワードを付けることも可能です。

4.ライブラリフィルターで条件別に写真絞り込む

「カタログ」は写真一枚一枚の情報が記録されているデータベースなので、条件を指定して写真を絞り込むのも簡単です。上記で紹介した、

”2012年に撮った写真全20,000枚の中で、EF 24-105mm F4Lのレンズを使っていて、焦点距離24mm~35mmの間で、ISO感度400以下で、”花”のキーワードが付いていて、レーティングが1以上の写真”

というような手作業では気の遠くなるような絞込みも一瞬です。ここまで条件を指定しなくても、セレクト時には”イエローラベル”のみ表示とか、”レーティング2以上を表示”みたいな指定を頻繁に使います。

ライブラリフィルタ

EXIF情報でも絞込みできるので、ISO1600以上で撮った写真を絞り込んで、これらの写真だけ現像時にノイズリダクションを強めに適用させる といった使い方も可能ですね!

アイデア次第で様々な効率化ができます。

5.コレクションで特定条件の写真を自動振り分け

使用する人は限られるかもしれませんが、「スマートコレクション」という機能を使うとカタログの写真情報に基づいて自動でグループ分けすることが出来ます。

メールの自動振り分け機能みたいな感じです。

例えば、料理の写真を撮るのが好きな人なら、

「キーワードに”料理”が付いていて、レッドラベルが付いた写真」

というような「スマートコレクション」を作ってあげると撮影日や保存したフォルダに関係なく、「レッドラベル付きの料理写真」のみが自動でグループ化されます。

スマートコレクション

「コレクション」は「カタログ」情報を元にしているので、元の写真ファイルは全く影響をうけません。仮想フォルダが出来ているイメージです。だから、いらなくなったコレクションはそのまま削除してしまっても元のファイルや現像設定などに影響がでることはありません。

取り込み時に適切にキーワード付けやセレクトを行っていれば、写真を探すことなく、指定した写真にアクセスできます^^

現像・書き出しの高速化ポイント

6.現像設定を一気にコピペできます

前回エントリー(ここまで出来る!!魔法の現像ソフト Lightroomのスゴイ使い方10選!)でも紹介しましたが、Lightroomでの現像は”料理のレシピを作る作業”です。

その”レシピ”が「カタログ」に紐付いているわけです。だから”レシピ”を複製して、別の写真に紐付けるということも簡単。

現像設定は息をするのと同じくらい自然にコピペできます。ショートカットは「Shift」+「Ctrl」+「c」(コピー)、「Shift」+「Ctrl」+「v」(ペースト、いずれもWindowsの場合。Macなら「Ctrl」を「Command」にする)。

コピーする項目も細かく指定することができます。

コピー設定

複数の写真に対しては「同期」

複数の写真に対してコピペしたいなら現像モジュールにある「同期」を使います。「Shift」や「Ctrl」を押しながら複数の写真を選択して、「同期」を押すことで色が濃くなっている写真の設定が他の写真に適用されます。これも上記のように項目を細かく指定することが可能。

同期

「同期」は上記の絞込みと組み合わせると威力抜群です。例えば、ISO1600以上で撮影した写真を絞り込んで、強めのノイズ除去設定のみを「同期」を使って一括で適用させることが出来ますね。

7.お気に入りの現像設定はプリセットで保存

良く使う現像設定はプリセットとして簡単に保存でき、他の写真に一括で適用させることができます。また、メモリーカードからの取り込み時に最初から指定したプリセットを適用させて保存することも可能。

現像プリセット

例えば、いつも決まった条件で写真を撮る人なら一度プリセットを作ってしまえば、読み込み時にそのプリセットを適用させて保存することで、現像作業が一切不要になります!

8.仮想コピーで写真を無限にコピー

「カタログ」は元の写真データを参照する索引ですから、1つの写真情報をコピーしてしまえば、簡単に複製することが出来ます。これをLightroomでは「仮想コピー」と言います。

カタログ上で写真の情報だけ複製するとLightroomではあたかも写真が2枚になったように見えるのです。

例えば、1つの写真でブログ用、光沢紙印刷用、マット紙印刷用と3つそれぞれ現像設定を変えたい時、フォルダ管理なら元の重いRAWファイルごとコピーする必要がありましたが、「カタログ」管理なら写真情報のみをコピーするだけで、あたかも3枚をコピーしたかのように別々の写真として扱うことが出来ます。

仮想コピー

もちろん不要になった仮想コピーは削除しても元の写真データに影響はありません!

9.用途に分けて書き出し設定を保存できる

現像後、ブログ用、友達にプレゼント用にサイズや画質を変更して書き出したい時がありますよね。そんな時でもLightroomなら細かく書き出し設定ができ、それをプリセットとして保存できます。

書き出しはJPEGやTIFFといったファイル形式はもちろん、サイズや圧縮率、ファイル名、透かしの有無、EXIFデータの有無など細かく指定可能。

書き出しプリセット

私の場合は「ブログ用」やお仕事の取引先ごとにプリセットを作っておき、現像が終わったら複数の写真を一気にそのプリセットで書き出します。JPEGにした後ほかのソフトを使って画像を縮小させるというような面倒な手続きは必要ありません^^

また、書き出し後に自動でPhotoshopを立ち上げるというような連携した使い方も可能です。

10.Photoshopや提携ソフトとシームレスに連携

Photoshopはもちろんのこと、私が愛用しているHDRソフトのPhotomatixProといった提携ソフトを右クリックだけでシームレスに連携できます。

Photoshopで細かく編集するために、TIFFに変換、保存して、Photoshopで編集して、再びLightroomに読み込ませるというような事はしなくてOK。

Lightroom Photoshopと連携

写真はLightroomCC(2015)のものです

編集したい写真を選択して(RAWファイルのままでOK)、右クリック>他のツールで編集 を選ぶと自動的に16bitのPSD(TIFF)に現像してPhotoshopに渡してくれます。

Photoshopで上書き保存した写真は自動的にLightoomのカタログに追加(PSDファイル、レイヤー構造もそのまま)されるので、別のツールを使っている感じがしません^^

Lightroomで写真を複数選択して”レイヤーとして読み込む”といった使い方も可能です。

11.現像速度がメチャ速い

作業の効率化だけでなく、Lightroomの現像エンジンは現像スピードも早いことで有名。モバイルなど非力なPCでも快適です。

私の作業環境でキヤノンの純正RAW現像ソフト Digital Photo Professional (DPP)とLightroomでの現像速度を比較してみました。Lightrommが早いとは思っていましたが、ここまで差がつくとは。。

測定環境:Windows 7 64bit / CPU:core i7 920 / Memory:12GB
使用ソフト: Digital Photo Professional 3.13.45.0 / Lightoom 5.2
(いずれも執筆時点で最新版)

測定条件:EOS 5D MarkIIIのRAWファイル(5760×3840px, 約2200万画素)30枚(約750MB)を長辺1024pxのJPEGファイル(圧縮率80)でそれぞれ2回ずつ書き出し、作業にかかった平均時間を測定。

現像条件:露出:+1EV / 彩度:+30 / ノイズリダクション(輝度、カラー):+25(LR)、+2(DPP) / レンズ補正:周辺光量、歪曲収差のみ補正

テスト結果

現像ソフト1回目(秒)2回目(秒)平均(秒)1枚あたり(秒)
Lightroom6765662.2
DPP307308307.510.3

ご覧のとおり、Lightroomの圧勝です。DPPよりも約5倍速い結果

個人的にはかなり控えめな現像設定で試してみましたが、DPPはテストを始めたことを後悔するほど遅いです。両者ともほぼ同じ現像設定を行ったのにこれほど差が出ます。たぶんですが、DPPはノイズリダクション、レンズ補正にかなり時間がかかっていそうな感じ。

Lightroomはさらに上記の補正項目に、段階フィルター / 円形フィルター / コントラスト / 白レベル / 黒レベル / 明瞭度 / HLS(彩度、輝度) / 明暗別色補正 / 周辺光量補正 の9項目の補正をプラスして同じ測定をしても 71秒10%しか遅くなっていません

現像中のCPU使用率もDPPが80~100%に張り付いているのに対して、Lightroomは50~80%くらいとやや余裕があります。現像を2ライン同時に流したり、現像中にほかの作業をすることも可能です。

CPU使用率

私の作業環境も1世代(2世代?)くらい前のものですが、非力なPCをお使いの方でもLightroomでならサクサクRAW現像できます。

DPPで1000枚現像とかちょっと考えたくないレベルですね。。

*DPPの名誉のために補足しておくと、DPPにはキヤノン純正レンズを使った際にレンズの収差を極限まで補正させるデジタルレンズオプティマイザという機能が使えます。これはLightroomよりもより高品質なレンズ補正が可能です(今回のテストではLightroomでも補正可能な項目しか使いませんでしたが。。)。

追記:Lightroom6/CCになってからさらに現像スピードがアップしました

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プリント・出力テクニック

12.プリントもプリセットを作ってワンボタンで完了

もちろんプリントにもプリセットを作れます。例えば普段2L版のプリントを良くするなら、そのプリセットを一度作ってしまえば次からはワンボタン。カラーマネジメントに対応しているのはもちろんのこと、余白や割り付けの設定も可能です。

コンタクトシートも簡単に作成可能。

プリントモジュール

印刷時の色味を画面上でシミュレーションできる「ソフト校正」も使えます。

13.SNSに直接投稿可能

私はFacebookに投稿する際にPhotoshopで一度署名を入れてから投稿していますが、あまりこだわらないならLightroomから直接FacebookやFlickerに投稿可能です。一度HDDに保存して。。という手間が省けます。

SNS連携

その他のテクニック

14.デュアルモニタ対応

一度使うとやめられない禁断のシステム

単純に画面を拡大するのではなく、ディスプレイ1には現像モジュール、ディスプレイ2にはライブラリで写真の一覧を出すといったことが可能です。広大な画面を有効に使えるので作業効率が飛躍的にアップします。「F11」でオン/オフ可能。

私の場合、メインの27インチモニタに現像モジュールを表示させ、サブの24インチに写真の一覧を表示させて使うことが多いです。もうやめられないくらい快適です♪

デュアル対応

15.複数台のPCでの写真管理

Lightroomはカタログを複数作ることが出来るので複数台のPCで写真管理をすることもできます。

例えば、メインマシンはは自宅のデスクトップPCだけど、旅行や出張でノートPCも作業をしたいという場合。出先でノートPCにカタログを作成し、セレクトとざっくりとした現像を行ったら、帰ってからメインPCに ファイル>別のカタログから読み込み をするだけで、ノートPCで行った作業がすべて引き継げます。

カタログを読み込み

*ノートPCに元々あったカタログに写真を読み込ませ、ファイル>カタログとして書き出し を行ってもOKです。

大変残念ですが、1つのLightroomに複数の人が同時アクセスして写真管理するということはできません。

---

追記:写真の時刻調整も一発です。

タイムゾーンの調整や秒単位の調整も複数枚に一発で変更可能

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まとめ Lightroomerへようこそ

ということで、Lightroomを使って作業が効率化できそうなポイントを15項目挙げてみました。本当はまだ挙げ足りないくらいです(笑)

といっても、最初から上記すべてを使いこなす必要はありません。私も上記すべての機能を常に使っているわけではありません。「カタログ管理」の概念さえ身に着けてしまえば後は自分のスタイルに合わせて、好きな機能を使っていくだけです^^

とにかく、使い始めの「カタログ管理」の壁さえ越えてしまえばもう便利すぎてLightroomから離れられないはずです(笑)

ようこそLightroomの世界へ!

現在(22年4月)Amazonでは1TBストレージ付きの月額1980円のコードしか買えません。20GBストレージの月額980円プランはAdobe公式サイトでのみ購入可能です!

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この記事を書いた人
中原 一雄 / カメラマン・中の人
普段はカメラマンとして活動しながらstudio9(すたじお・きゅう)の管理、運営をしています。「写真をもっと、あなたのそばに」をテーマに、カメラに使われるのではなく、カメラと友達になる方法を広めるために活動中のフォトグラファー。 中原 一雄のプロフィールページ

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