紫陽花を上手に撮るための7つのポイント
6月のお花といえば紫陽花(あじさい)ですね。身近な場所にも良く咲いているので、比較的写真を撮りやすいお花だとは思いますが、なんとなくワンパターンになってしまうこともありますよね。。
ということで、今回はそんな紫陽花の撮影で気をつけておきたいポイントを7つご紹介していきます!
ちなみに、あじさいの花びらっぽい部分、実は花びらではなく、萼(がく)なんですよ!(今回のエントリーとは直接関係ないですが。。^^;)
1.晴れの日よりは曇りの日
まずは、撮影するタイミング。
お天気は完全に運任せなのですが、出来るなら晴れの日よりも曇りの日を選びましょう。お花撮影全般に言えることでもありますが、曇りの日はお花に強い影が出にくく、しっとり、優しい感じで撮れます。ベストは薄曇りの日ですね。
ポートレートなんかを撮る場合でも晴れた日よりは薄く雲がかかっている日の方が肌がキレイに撮れますよ!
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こんな感じで直射日光が当たってしまうと、強い影が出たり、お花自体が白飛びしてしまう感じになります。。なんとなく「紫陽花らしくない」写真になってしまいます。。
どうしても晴れた日に撮らなきゃいけない場合は、日陰を狙いましょう。紫陽花は日陰にも良く咲いています。上と同じ日に日陰で撮りました。しっとりした感じになりましたね^^
また、ピーカンの凄く晴れた暑い日に出かけると日の当たっているお花はぐったり萎れてしまっていることもあります。。先日訪れた場所はまだ咲き始めだというのに、連日の猛暑ですでに萎れていました。。
太陽から逃げずにあじさいを撮るためのヒントもまとめてみました!
2.きほんの三構図を使い分けよう
お次は構図。まん丸の分かりやすいお花を付けるのでイロイロな構図で撮れます。
基本は三分割構図
やっぱり基本は三分割構図でしょうか。上の例もそうですが、お花をど真ん中に置くよりは、右下とか左上など、画面を縦横三分割した交点や線上に置くのが鉄板です。とりあえず、これだけでも意識して撮れれば初心者っぽい写真からは脱却出来るはず。1/3を意識しましょう。
紫陽花の場合はちょっと難しいかもしれませんが、咲いている方向に向きがあるときはその方向にスペースを空けてあげるのがポイント。上の写真もちょっとお花が左側を向いていますよね。
複数の場合はナナメに
紫陽花は群生していることが多いので一度に複数のお花を入れることもありますね。そんなときはお花がナナメに入るように構図を整えましょう。対角構図ってやつです。2つの場合だったら右下と左上という感じで三分割構図と対角構図の合わせ技を使いましょう。
3つの場合にも使えます。
花と花は離しすぎない
配置のポイントはお花とお花を離さないこと。お花の間にスペースがあるとなんだかまとまりの無い写真になってしまうことが多いです。写真は目で見るよりもスキマが広く見えやすいので、少し密にして撮るのがいいですね。
↑同じ対角に配置した写真でも、お花とお花が離れているとなんともまとまりの無い写真になってしまいます。。
ただ、ギュウギュウに詰め込めばいいってもんでもないです。3個とか5個とかお花を入れる場合は詰め込みすぎるとうっとうしい写真になりがちなので、ある程度のスペースは必要です。
場合によっては日の丸構図も有効
あじさいの花は丸いので日の丸構図が有効な場合もあります。なるべくシンプルに、大きく撮ってあげましょう。
欲張って全体を入れようとすると、不要な部分が多くなりイケてない写真になります。例えばこんな感じ。。
周りがちょっとゴチャゴチャしつつ、お花も小さいのでどこを見たらいいの?みたいなイマイチ写真になりました。。 こういう時は思い切って画面をはみ出すくらいまで寄って撮ると、余計な情報が排除されるのでしっかりお花に意識が行くようになります。
また、あじさいは様々な品種があるので、お花の形がキレイだったり、かわいいものを見つけたときはシンプルに日の丸構図で撮るのもいいですね。この時も背景は葉っぱの緑で統一するとか、できるだけ余計な情報を入れないのがポイント。
↑ 蝶々みたいで可愛らしいなぁーと思って、真上(俯瞰)からシンプルに日の丸構図で撮りました。
3.マクロで寄ってみる
お花撮影といえばマクロです。特にあじさいは小さなお花(正確には萼)が集まっているので、花全体を撮るのでは無く、個々にクローズアップしても良いですね。あの小さな花にクローズアップするにはマクロレンズやマクロコンバーター(マクロレンズよりは寄れない。。)が不可欠です。
個々をアップで撮るとこんな感じになります。
たくさんの花の中から一つにだけピントの合う場所を探して撮るのがポイント。お花撮影で使うのであれば35mm換算で90mm程度(APS-C : 60mm, フォーサーズ : 45mm)のやや望遠気味のレンズがオススメです。
これぞマクロ!って感じの写真がたくさん撮れるのもあじさいの魅力です☆ 90mm前後のレンズは寄らずに引きで撮っても使いやすい距離感なのでしばらく付けっぱなしで撮ることも多いです。今回乗せた作例の半分以上はタムロンの90mmマクロで撮影しているはずです。
マクロ撮影する時は三脚使いましょうとよく言われますが、今回の作例はすべて手持ちです。レンズにも手ぶれ補正付いてないです。確かにマクロ撮影は通常よりもかなりブレやすい撮影ではありますが、Av(A)モードで感度上げてシャッタースピードを稼ぎながら、手持ちで様々な角度から撮影した方が良い結果を得られるはずです。なんとなく三脚使うと周りの状況が見えなくなります。あじさい園は通路狭い所も多いですし。
手持ちで被写体に思い切り近づくなら90mmのレンズだと1/300~1/400秒くらいのシャッタースピードが欲しいところ。外で植物をマクロで撮る場合は手ぶれと同じくらい被写体ブレも大きくなりますが、被写体ブレは三脚使っても基本的に防げないです。その意味でも初心者こそ手持ちでシャッタースピード早めて撮った方が個人的には良いのかなと思います。
もちろん、正しく三脚を使える中級者以上の方なら三脚を使った方が結果は良くなることが多いですがね^^
4.裏から覗いてみよう
あじさいは比較的高さのあるところに花を咲かせるので、それほど無理せずにお花の裏側を撮ることも出来ます。
裏から撮ると普段見ることの無いあじさいの一面を撮れるだけで無く、背景が明るい空になるので、葉っぱやお花が透けて透明感のある仕上がりになります^^
背景が明るいので強めにプラス補正(明るく)して撮るのがポイント。お花本体が白飛びしなければ空は飛んでしまっても問題ありません。
5.あえてマイナス補正で撮る
あじさい撮影の基本はやや明るめに撮ることですが、品種によってはあえて暗く撮ることで、大人っぽい印象にすることも可能です。
例えば、青や紫系のあじさいであれば、マイナス1~2くらい強めにマイナスの露出補正をかけて撮ってあげるのも良いですね。
明るいときはコントラスト低めに仕上げるのがオススメですが、暗くするならパリッとコントラスト高めの仕上げにするのもポイント。
カメラ内でコントラストを調整するときはピクチャースタイル(キヤノン)やピクチャーコントロール(ニコン)といった設定を調整します。もちろん撮った後にLightroomで編集すればいくらでも調整が可能です。
可愛いだけじゃ物足りない、大人な方にオススメな撮り方です^^
6.背景を意識してみる
これはあじさいに限らず、あらゆる場面で重要になるポイントですが、ぜひ背景を意識しながら撮影しましょう。その被写体を生かすか、殺すかは背景が握っています。
明るさや色を意識する
例えばお花の背景が地面なら茶色い暗い背景、空なら青や白の明るい背景。撮りたい被写体を見つけたら、次に考えるのはどこを背景にして撮ろうかな?です。
例えばこの2枚の写真、同じお花ですが、背景を変えて撮る(撮る角度を変える)だけで、印象がガラッと変わりました。
明るい背景
暗い背景
また、この時期は近くに紫陽花以外のお花が咲いていることもあるので、それをボカして差し色にしてあげるのもいいかもしれませんね。
背景に差し色を入れる
背景の処理は望遠になればなるほど行いやすくなるので35mm換算で100~200mm程度のレンズを使うのがオススメ。
7.雨ならではの撮影をしよう
季節柄、あじさいを撮るときは雨の確率が高くなります。さずがにザーザー降りでは難しいですがシトシト降っているとき、雨上がりなんかはむしろチャンスです。
足下に出来た水たまりに目を向けてみて下さい。そこにはきっと新しい世界が見えるはずです。
普通に歩いているだけではなかなか見つけることは難しいです。水面に顔を近づけてよく観察してみて下さい。あなただけの世界が見つけられるはず!
雨の日にカメラを守るのはシャワーキャップがオススメです。
運が良ければ あじさい+かたつむり みたいなベタな展開に出会えるかも!
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以上、あじさい撮影の時に覚えておいたら良さそうなポイントを7つに分けてご紹介しました!
いきなり全部に気をつけるのは大変かと思いますが、一つずつ自分のものにしていって頂ければ幸いです。
▼晴れた日に紫陽花を撮るポイントもまとめてみました!