カメラを海外に持って行くときに注意したこと
私事ではありますが、久しぶりに海外へ出かけてきました!行き先はアメリカ。
ちょっぴりアドベンチャーしようということで、ロサンゼルスでクルマを借りて大陸横断ドライブをしながらニューヨークでクルマを返却というプラン。9日間で約4,000マイル(約6,400km)ほど走ってきました。
北海道宗谷岬から鹿児島県佐多岬までドライブすると、どうやら2,800kmらしいので、距離的には宗谷岬⇔佐多岬を往復しても足りないくらい走って来ました^^;
旅の詳細はパーソナルブログの方にボチボチ書いていく予定ですが(このエントリーの最後にも撮ってきたものを一部アップしてます)、今回はそんなアメリカ横断ドライブ旅行でカメラや機材を持ち込む時に考えたことをメモとしてまとめておきます。
ちなみに私は別に海外旅行に慣れている訳ではないので、あくまで参考程度に見て頂けると幸いです。
最後におまけで撮ってきた写真の一部をアップしますー。
- レンタカーでアメリカ大陸横断ドライブ!【準備、出発~ラスベガス】(studio9 personal)
1.持って行く機材について
今回は撮影が主目的ではなく、あくまで観光地を巡りながら大陸横断ドライブすることが目的だったので、クルマ移動とはいえなるべく機材は少なくしたい。。でも、途中荒野で星空とか撮りたいから妥協はしたくない。。といった感じで悩みましたが結局下記の構成で持ち込みました。
- カメラ:EOS 5D MarkIII(フルサイズ一眼レフ)
- レンズ:EF 16-35mm F2.8L II, 24-105mm F4L, 70-200mm F4L IS
- 三脚:Alta+ 264AP(雲台をSBH-100に変更)
- メンテナンスアイテム:ハクバ レンズペン, king クリーニングティッシュ
その他、タイマーレリーズなど小物を少々といった感じ。
16-35mmで十分だった
レンズを見て、結局全部かよ!と突っ込まれそうですが、何が来ても撮れるようにと言うことで、全部持っていきました。。
ですが、結論から言うとEF16-35mm F2.8L IIで十分でした。
米国滞在中、殆どの撮影がこのレンズだけで済みました。ほぼこのレンズを付けっぱなし。24-105mm F4じゃないというのもポイントで、広いアメリカを写すのに24mmじゃぜんぜん足りないことが多かったのです。
↑アリゾナあたりはずっとこんな景色。16mmですが、ぜんぜん景色が収まりません^^;
また、全く見知らぬ土地へ行ってそこにあるものを写すということから、必然的に風景や街の様々なものとセットに写したいという欲求が生まれたのかもしれません。とりあえず、街で撮っていても35mm以上が欲しいなぁと思うことは殆どありませんでした。たまーに、50mmとか70mmくらい欲しいかも。。と思うくらい。
前半は自然たっぷりの所にいたので広角がしっくりくるのも分かりますが、最終日のニューヨークの街中でも広角ばかりで撮ってました。また、建物の中なんかも超広角があるととっても便利ですよね。
あと、自撮りするときも超広角は便利です。海外でシャッター押してもらうのちょっとハードル高い(私のプアな語学力ではいろいろ指示できない)し、ヘタするとカメラごと持って行かれちゃったりするし。妻と二人で行っていたのですが、16mmなら手を伸ばして、2人入ってもちゃんと背景も入れられます。
日の出のタイミングは70-200mmも使いましたが、それ以外で望遠が出ることはない感じ。
もっと普通の旅行なら16-35mm付けっぱなしか、プラスして50mm単焦点くらいの手軽さでも良いんじゃないかなぁと思った次第です。(もちろん個人の好みや行く場所にも因ると思いますが。。)
日本で旅行していてここまで広角が欲しくなることってあんまり無いのに不思議ですね。
フルサイズはやっぱり重い
こればっかりはしょうがないですかね。。荒野で星を撮りたかったので、手持ち機材で一番信頼できる5D MarkIIIを持って行きました。私の場合はカメラは自分の子供みたいなもんで、まぁこんなもんだよねと諦めもつきますが、やっぱり軽いカメラ欲しいなぁという煩悩が何度もよぎりました。
追記:2020年現在、旅に持っていくなら断然ミラーレスが良いです。小さいし、軽いし。性能も一眼レフを凌駕します。ソニーのαシリーズなんかはフルサイズでもコンパクトでいいですね。旅カメラでとして考えるならマイクロフォーザーズシステムも魅力的です。初心者向けのカメラの選び方はこちらにもまとめています。
三脚は本当に必要?
星を撮るのに三脚は必須だったので持って行きましたが、そうじゃなきゃいらないかもですね。
夜でも多少のノイズに目をつぶれば手持ちでも十分行けます。また、ヨーロッパはどうか分かりませんが、今回回った観光地で三脚使って撮影している人は日本よりもかなり少なかったです。あんまり三脚使って撮影する文化じゃないのかも?
↑ブルックリンからマンハッタンを。ちょっと甘いですが手持ちです。ちなみにこれ19mm。
今回はクルマ移動だったので、ワリとしっかりしたものを持ち込みました。クルマ移動でなくて、毎日移動しながらの旅で、かつ三脚がどうしても必要な場合は1 kg程度のトラベル三脚にしておいた方が良さそうです。
また、普通の三脚を飛行機に持ち込む際はちょっとした注意があります(後述)
メンテナンスアイテムは最低限でOKだった
メンテナンスアイテムはいつものレンズペンとキングのクリーニングティッシュを持って行きました。ブロアーは置いて行っちゃいましたが、特に問題なかったです。レンズペン、マジで優秀。
クリーニングキットも機内に持ち込む際は注意が必要です。
クリーニングキットについては下記の記事をどうぞ!
2.飛行機(国際線)への機材の持ち込みについて
さて、カメラや機材の飛行機への持ち込みについてですが、基本は国内線と同様に、機内持ち込みにするべきです。
今回は以前紹介したカメラバック、Thule Covert DSLR Backpackにすべての機材(+普通の荷物)を入れて機内持ち込みしました。
カメラ、レンズは持ち込みで
ご存じの通り、飛行機の預け荷物の扱いは酷いのでよほどのことが無い限り、カメラ、レンズは機内へ。海外で乗り継ぎするとロストの可能性もあります。
どうしても預ける場合は、厳重にパッキングしておきましょう。ボディとレンズは外してパッキングしたほうが無難です(負荷がかかりやすい)。バックごと投げられても大丈夫なくらいが目標です^^; ただし、明らかにカメラバッグと分かるケースだと、海外の空港で抜き取られるというリスクもあります。。
預け荷物にするときは機材に保険を掛けておいた方が良さそうですね。
予備バッテリーは手荷物で
旅行に行く際は予備バッテリーも持っていくことが多いと思いますが、予備バッテリー(リチウムイオン電池)は預け荷物にすることができません(国内線、国際線共に)。
リチウムイオン電池は意外にも預け荷物がNGで手荷物がOKなのでちょっとした落とし穴。注意しましょう。さらに手荷物でも大容量のものは制限がかかる場合があります。
リチウム金属電池は1個あたりのリチウム含有量が2グラム以下のものに限り、リチウムイオン電池はワット時定格量が100whを超え160wh以下のものは2個まで、100wh以下のものは個数の制限なく、機内持ち込み手荷物にできます。
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-政府広報オンライン
例えば、キヤノンの一眼レフでよく使われる LP-E6 ならDC7.2V, 1800mAh となっているので7.2*1800/1000 = 約13Wh なので(計算あってる?)、機内持ち込みならOKですね。
ちなみに100Wh以上160Wh以下の電池は一人2個までのようなので、最近流行のスマホ用大容量充電バッテリー(20000mAh超えるようなもの)は注意した方が良いかもしれません。
三脚を持ち込む時の注意
三脚の場合はケースに入れておけば多少ぞんざいに扱われても大丈夫かもしれませんが、今回は機内持ち込みしました。リュックのサイドポケットに入れてバッグと一体化した感じです。
飛行機に三脚を持ち込む際はちょっとした注意が必要です。折りたたんだ状態で全長60㎝以下でなければいけません。
大型三脚
折りたたんだ状態で長さ60cmを超える大型三脚はお持ち込みいただけません。
-ANA ホームページより
国際線に限った話ではなく国内線でも三脚の機内持ち込みは60cm以内です。手荷物検査時にほぼ確実にメジャーできっちり図られるので事前に必ずチェックしておきましょう。
今回持ち込む三脚はギリギリ60cm未満ではあったのですが、万全を期して雲台を外して持ち込みました。60cmちょっとオーバーしちゃうよ。。という方は雲台を外せば10㎝近く短くなるのでオススメです。
成田から出国する際、手荷物検査の時に「三脚ですよね?」と言われ、きっちりメジャーで長さ測られました。(ニューヨーク JFK では特になにも言われなかった)
レンズクリーナーも注意
国際線の場合はレンズクリーナーの持ち込みにも注意しましょう。
基本、液体持ち込みNGなので、液体のレンズクリーナーを国際線に持ち込む場合は、預け荷物にするか、ジップロックに入れて。。。という儀式をしないといけません。(アルコールのものはそもそもNG)
今回のキングのクリーニングティッシュはウェットティッシュタイプなので問題ありませんでした。
現地でのセキュリティ(安全性)について
海外は治安が心配。。という所も多いですが、今回はアメリカのしかも観光地を中心に回ったので特に危険に感じるようなところはありませんでした。
ただ、カメラは高級品です。首から大きな宝石をぶら下げて歩いているようなもんなので、いくら重くても肌身離さず持ち歩かなければなりません。
また、冒頭でも言いましたが、カメラのシャッターを押してあげるよ!と声を掛けられてそのまま持ち去られるケースもあるので注意。今回は何度かシャッターを押してもらいましたが、同じく観光に来ている夫婦や家族連れなど明らかに大丈夫そうな人だったのでお願いしました。
治安が不安な所に行く際は、カメラのストラップは純正のものは止めた方が良いかもしれません。ストラップには大きく「CANON」とか「NIKON」と書いているので、自分は高級品を持っていますよーと宣伝しながら歩くようなもんです。
ホントに治安が悪いところに行く写真家は、カメラのメーカーロゴをパーマセルで隠したり、あえてガムテープを貼ってボロいカメラに見えるようにして撮影すると聞いたことがあります。
クルマの場合もできるだけ車内に置かない方が良いですね(国内でも同じ)。
車内に置いていく場合はトランクに入れるか、外から目に付かないところに隠しておくこと。
撮影データについて
大事な旅の写真ですからデータも大事に保管したいところです。また、予想以上に撮りすぎて容量不足になるかもしれません。
ノートPCにバックアップ撮りながら
今回はノートPCも持って行っていたので、データはPCにバックアップを取りながら撮影していました。1日の大半がクルマの中なので、移動中(妻が運転している時)は助手席でノートPCを広げて、Lightroomでバックアップとセレクトしながら、気に入ったものは現像までして、Facebookにアップといった感じの流れが出来ました。
念のため、日本からクルマのシガーソケットから100Vが取れる(コンセントが使える)インバーターを持って行きましたが、バッテリーだけでも十分だったかも^^;
グローバルWiFiを借りて行ったのですが、フリーウェイ沿いはまぁまぁ電波があったので便利でした(さすがに地方の道は電波無いところがちらほら)。
カードは余裕を持って
今回はそんなに撮らないだろうと思い、32GB, 16GB*2 のCFを持って行きましたが途中で使い切りました(笑)
デュアルスロットで、常に16GBのEyeFi(SD) を入れていたのでそれを使ってちょうどという感じ。最近はSDカードのものが増えて海外でも手に入りやすいことが多いと思いますが、旅行中はテンションが上がって予想以上に撮ることがあると思いますので、多めに持っていくのが良いですね。
現地でバックアップが取れない場合は、カードは大切に保管しておきましょう。
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ということで、海外に出かける際に気をつけたカメラ関係のあれこれについてまとめてみました。
飛行機のルールなんかは、なにか事件があるとあっという間に変わったりするのでお出かけの際は念のため最新の情報を確認してくださいね。
おまけ:アメリカ横断写真ギャラリー
詳細は今後パーソナルブログの方に上げていこうと思いますが、ドライブ中に撮った写真の一部をアップしてみます。
- レンタカーでアメリカ大陸横断ドライブ!【準備、出発~ラスベガス】(studio9 personal)
ちなみにすべて16-35mmで撮った写真です。
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・今回の相棒、FORD Fusion。4000マイルをノントラブルで走ってくれました。
・モニュメントバレーの月夜。絞って月から光芒を出してみました。
The Viewhotel という有名なホテルに泊まったのですが、これベランダからの景色。
・グランドキャニオン。もう広すぎて16mmじゃまったく足りない感じ(笑)
・ルート66。古き良きアメリカって感じ?
・ホワイトサンズ。見渡す限りの真っ白な砂漠で圧巻の景色。
個人的にココが一番テンション上がったかな。
・どこかのフリーウェイ。トラックのサイズが大きいです。追い越すのも大変(笑)
・ナイアガラの滝。これも大きかった。アメリカとカナダの国境付近から定番のカットを。
・ニューヨーク、タイムズスクエア。このゴチャゴチャ感が良い感じよね。
・海上からマンハッタン島を。左側の高い建物がグラウンドゼロに建てられたワンワールドトレードセンター。
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ということで、全体的にアメリカンな感じの強めの現像で仕上げてみました。
アメリカ楽しかったなぁー。