太陽を画面内に入れてはいけない??
画面内に太陽を入れる構図はコントラストが低下したり、フレア、ゴーストが出るから避けたほうがいい と言われることがありますが、そんなことはありません。
確かに解像度が落ちるデメリットはありますが、それを補って余りあるほど、太陽を画面内に入れるメリットもあります。
そこで今回は太陽を入れた構図を作る場合の設定のコツをご紹介します!
”キラッと感”を出すにはどうすれば?
まずはこちらの2枚の写真をご覧ください。逆光で撮影しアクセントに太陽を入れてみました。ほとんど同じ画角で撮影したものですが、どちらが印象的でしょう?
2枚目の写真のほうが太陽がキラッとしていて印象的な気がしませんか?
カメラの”ある設定”を変えるだけで、太陽がまるでダイヤモンドのように輝いて見えるのです!
めいっぱい絞ってみる
”ある設定”とは「絞り」のこと。
一枚目の写真は絞り値がF4.0、二枚目の写真は絞り値がF22。実はたったこれだけの違いなのです。
太陽のような点光源は絞れば絞るほど光の筋がスゥーっと伸びてくれるのですね。では実際の撮影のコツを手順を追ってみてみましょう。
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光源から伸びる光の筋のことを専門用語では光条や光芒(こうぼう)と呼びますが、この光条の数はレンズの絞り羽根の数によって決まります。
レンズは絞り羽根と呼ばれる部品を開閉させることでセンサーに届く光の量を調整しています(この機構が”絞り”です)が、この羽根の枚数が偶数枚であれば絞りと同じ本数、奇数枚であれば絞りの倍の数の光芒が出ます。
上の写真だと光芒は8本出ているので、このレンズの絞り羽根の枚数は8枚ということになりますね。もし7枚絞りのレンズを使っていれば光芒は7×2=14本出るはずです。光芒に拘るなら絞り羽根の数に着目してみましょう。カタログやメーカーHPの仕様欄に必ず記載されています。
各メーカーのレンズの絞り羽根枚数をまとめました!
太陽を輝かせる設定のポイント
では具体的な設定のポイントと注意事項を挙げてみましょう。
1.撮影モードはAv(A)モード
絞りを調節するので撮影モードは絞り優先オート(Av, A)にセット。
あとはダイヤルを回してF値が一番大きくなるように設定します。レンズによって値は異なりますが、F22くらいまで大きく出来るはずです。
設定はたったこれだけ!カンタンですね。
2.マイナス補正がおススメ
太陽はものすごく明るいので、中心部はほぼ確実に白飛びします。通常の設定だと光条(光芒)部分まで白とびする可能性もあるので、マイナス補正して光芒部分の白とびを押さえてあげたほうが”キラっと感”が出ます。
マイナス2~3くらい思い切って補正してあげると良いです。
こんな感じで大幅にマイナス補正してあげるとシルエットになってカッコいいです。ちなみに、これは光芒が18本出ているので9枚絞りレンズです。
3.快晴時の太陽を狙え!
光芒を出すには光源が点(面積が小さい)に近ければ近いほど良いです。一見晴れていても、ちょっと太陽が雲にかかっていたり、霞がかっている日はモヤっと光が拡散してしまうため綺麗な光芒は出ません。。
澄み渡る青空の日に挑戦するのがおススメです。
また、面積が小さければ小さい方がいいので、この写真のように物陰からちょっとだけ顔を出した太陽を撮ると光芒が出やすくなります!陰から顔を出している場合は光条の周りが暗くなるので一層目立ちますね!
4.レンズはキレイに
絞って撮影するとレンズの汚れが目立つようになります。しかも太陽を入れるとレンズの汚れに光が反射してより一層目立ちます。
例えば上のカーブミラーとスカイツリーの写真の光芒に明るい斑点のようなものが見えますが、これはレンズについていたチリです(汗 撮影前はキチンとレンズの清掃をしておきましょう。使い捨てのレンズクリーナーやレンズペンを現場で持ち歩くのがおすすめです。
5.長時間太陽を見ない
一眼レフなど光学ファインダーがついているカメラで撮影する場合、目にダメージを与える可能性がありますので可能ならライブビューで撮影するのがおすすめ。ミラーレスなら直接太陽を見ることはないので安心です。
ただし、長時間太陽に向けてカメラを構えているとイメージセンサーにダメージが及ぶ可能性があります。私はこれまで何千回と太陽にカメラを向けて撮影して問題になったことは一度もありませんが、撮る時はササッと撮影するのが良さそうです。
もちろん、肉眼で太陽を直視するのもNGですよ。
まとめ:絞るだけで太陽が素敵なアクセントに!
ということで太陽がギラリと光って見える撮り方をまとめてみました。光条の出やすさはレンズ次第なところもありますが、思い切り絞ればとりあえずOKです。特別な機材は必要無いので構図のアクセントとして取り入れると撮影のバリエーションがグッと広がるはず。
太陽に限らず、夜景の点光源でも同じようにギラリ写ってくれるのも覚えておくと良いでしょう。
個人的に広角レンズは光条がキレイに出るものが多いと感じています。キレイな光条を撮りたいという方はレンズ選びの時にそのような視点を持って選んでみるのも良いかも知れませんね。
みんなが苦手な逆光もこれで楽しく撮れるようになりそうですね!