そこで今回は色を変えるための設定、「ホワイトバランス(WB)」についてご紹介します!
ホワイトバランスはぜひ手動で変えましょう
一眼レフやミラーレスカメラを初めて手にとると、設定項目が多すぎてどれから手を付けていいか分からなくなってしまいますよね。
studio9で行っているワークショップでも、始めのうちはオート機能を使いながら設定項目を減らしましょうと言っていますが、ホワイトバランス(WB)は出来るだけ自分で変えながら設定することをおススメしています。
被写体や構図が同じ写真でも、色を変えるだけで写真の印象はぐっと変わります!
本日のメニュー
1.はじめに覚えたい3+2のホワイトバランス
2.シーン別おススメセッティング
3.RAWで撮るならホワイトバランスは関係ない?
4.まとめ
それでは早速ご紹介しましょう。
本エントリーの続編も書きました!こちらもどうぞ
はじめに覚えたい3+2のホワイトバランス
ホワイトバランスというのは本来、光源の色が変わっても、被写体本来の色を映し出すために設定するための機能なのですが、今日はあまりその辺のお話には触れずに、写真の色を自分の好みに設定するための機能としてご紹介します。
・もうちょっと詳しく知りたい方はこちらのエントリーもどうぞ!
ホワイトバランスを変えると、写真は赤っぽくなるか、青っぽくなります(適切に設定していれば見た目と同じ色に見える)。
この事を頭に入れながらホワイトバランスを変えていきましょう。
まずは、お手持ちのカメラにどんなホワイトバランスのモードがあるのか確認して見ましょう。確認の仕方はメーカーや機種ごとに様々なので、説明書を見ながら確認してください。普段よく変更する項目なので、ボタン1つか2つくらい押せば出てくる項目です。だいたいのカメラには「WB」と書いてある項目があるはずです。
例えば例えばキヤノンのカメラだとこんな感じの設定画面です。
はじめは3種類を使ってみる
太陽光、日陰、曇り、白熱電灯、蛍光灯。。などなどずらーっといろんなモードが並んでいるはずです。始めたばかりだと一度にこんなにたくさんは覚えられないので、この中から3つだけ覚えます。
それは、「蛍光灯(白色蛍光灯)、太陽光(晴天)、曇り(曇天)」 の3つ。
太陽光はメーカによっては 晴天や昼光 と表示されているかも。蛍光灯についてもメーカーによって、昼光色蛍光灯、昼白色蛍光灯、白色蛍光灯といろんな種類のモードがあるかもしれませんが、そんなときは白色蛍光灯を選択します。
これらは下の図のような感じで、写真の色を変化させます。
太陽光を基準にして、蛍光灯は青っぽく、曇りは赤っぽく変化させるのです。これだけならカンタンですね!
余裕があればさらに2つを追加
まずはこの3つを使えれば十分ですが、しっかり覚えたらさらに二つ使えるようになると完璧です。
それは、「白熱電球(白熱電灯、タングステン)と日陰(晴天日陰)」の2つ。
白熱電球は白色蛍光灯よりもさらに青く、日陰は曇りよりもさらに赤くします。色のイメージはこんな感じ。
白熱電球 > 白色蛍光灯 > 太陽光 > 曇り > 日陰
ここまで覚えられればホワイトバランス初心者は卒業です。
シーン別おススメセッティング
ホワイトバランスの変え方は人それぞれの好みではありますが、以下にstudio9のおススメをご紹介します☆(作例はRAWファイルからのシミュレーションで色を変えています)
透明感あるフワッとした写真にしたいとき
寒色系の蛍光灯がおススメ。特に晴れた日のお花を撮る時におススメです
実際の見た目より青っぽいですが、透明感のある仕上がりになりましたね!写真を青っぽくするとどうしても暗く見えてしまうので、いつもより+0.7~1.3くらいプラス補正して明るく撮ってあげるのもポイント!
ちなみに、上記の写真を太陽光モードで撮るとこんな感じ。
だいぶ暖色系に傾きましたね。これはこれで温かみがあって良さそうです。
クールで無機質な感じにしたいとき
これも寒色系がおススメ。蛍光灯か場合によっては白熱電球でもいいかもしれません。夜景やシルエットにした写真との相性がいいですね!
浅草寺の五重塔をシルエットにして撮ってみました。白熱電灯モードで撮ったので、クールで無機質な印象になりましたね。
太陽光で撮るとこんな感じです。
夕暮れっぽいやや温かみのある色になりました。クールで無機質な感じとしてはイマイチですね。夕方に撮ったので実際に目で見えている色に近い感じです。
夕焼けの色をキレイに撮りたいとき
ホワイトバランスを自分で変えることが出来れば、夕方の景色をより印象的に表すことも可能です。夕方は暖色系のホワイトバランスがおすすめ。曇りや日陰モードですね。
日陰モードで撮ってみました。夕方、街を歩いていてこんな景色に出くわすこともありますよね。曇りモードで撮るか、物足りないなら日陰モードにしてみましょう。
太陽光で撮るとこんな感じです。
ちょっと青みが強くてイマイチな雰囲気です。実際に目に見えている色はこのくらいなのかもしれませんが、心に焼き付いているあの色はもっとオレンジっぽかったよなぁと思うわけです。
アンティークっぽい、優しい感じを出したいとき
この場合も暖色系のホワイトバランスがおススメです。写真が懐かしさを感じさせるような温かみのある仕上がりになります。
普通の街の昼間にくもりモードで撮ってみました。写真に温かみが出て、どこか懐かしい感じがする仕上がりになりました。
太陽光で撮るとこんな感じ。
普通の色でなのであまり懐かしい感じはしません。。
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上にほんの一例を載せて見ましたが、ホワイトバランスを変えるだけで写真の印象がガラッと変わることがお分かりいただけたでしょうか?
*上記作例は同一のRAWファイルからホワイトバランスの設定のみを変えて現像しています。明るさ、コントラストなどWB以外の設定は同じです。
AWB+ホワイトバランス補正で撮るのも便利
最近のカメラ(2017年以降くらい?)はオートホワイトバランス(AWB)の機能が優れているのでどんな場所で撮影してもAWBのままで見た感じの自然な色で撮れてしまいます。自然な色合いで撮りたければほぼオートでもOK。
シーンによって色味を暖色方向に変えてみたり、寒色にしたいと言う場合はオートホワイトバランス(AWB)に設定したまま、ホワイトバランス補正(WB補正)という機能で色を変えるのも便利です。
キヤノンのカメラならこんな画面が出てくるはずです(説明書を見てみましょう。どんなメーカーのカメラにも同じ機能が付いているはず)
基準の色はオートホワイトバランスでカメラ任せに設定しておき、そこから暖色にしたい(A方向)か寒色にしたい(B方向)かを直感的に設定できるので便利です。昔のカメラはAWBの性能がイマイチで毎回手動で設定をしていましたが、最近はAWB+ホワイトバランス補正で撮影してしまうことが大半になりました。
ホワイトバランス補正については以下の記事も参考にしてみてください(やや古いですが。。)
RAWで撮るならホワイトバランスは関係ない?
ここはチョッと応用編なので、RAWって何?という方は読み飛ばしてもOKです^^
今日は初心者向けのエントリーなので、あまり詳しいことは書きませんが、RAWで撮影して、帰宅後にRAW現像を行うならホワイトバランスの設定はあまり重要ではありません。
RAWで撮ればホワイトバランスは後でも変更可能!
なぜなら、RAW現像ではホワイトバランスを画質の劣化なしに自由に変更が出来るから。色にこだわるあまり、構図や露出が疎かになってしまうなら、RAWで撮ってホワイトバランスはオートという選択もアリです。
私は普段RAWで撮るため、効率重視の撮影のときはWBをオートか一種類に固定して撮影し、帰ってから現像時に色の調整を行います。
RAWについては以下のエントリーもおススメです。
まとめ
今日はおススメのホワイトバランス3+2個をご紹介しました。
まず最初に覚えるのは、”白色蛍光灯、太陽光、くもり”の3つ。だんだん慣れてきたらさらに、”白熱電球、日陰”の2つも使えるようになるとステキです。
色のイメージとしては、下記のように太陽光を基準として、左に行けばより青く、右に行けばより赤くなります。
白熱電球 > 白色蛍光灯 > 太陽光 > 曇り > 日陰
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使うシーンについても、寒色、暖色のもつそれぞれのイメージに合わせて設定してあげればOK。
分からなければ、とりあえず一枚撮ってみて、そこから青くしたいか、赤くしたいかを考えてあげるのでも十分です。
そのためにもぜひ、上の5つの並びは頭に入れておきましょう!
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でもでも、撮っているともっと緑っぽくしたいとか、ピンクっぽくしたいなんて欲求も沸いてきますよね?
実はホワイトバランスの使い方はコレだけではないんです。上記がもう一つの設定を使えば、写真を緑っぽくしたり、ピンクっぽくすることも出来るのです。
その辺は、次回のホワイトバランス中級編でご紹介します!