知ってた?カメラの「アングル」と「ポジション」とその写真的効果の違い!

カテゴリー:シーン別に撮る / 写真のコツ / 写真の考え方
写真をやっている人のなかで良く誤解されている用語に「アングル」があります。よく「ローアングルで撮る」とかで使われるあれです。だいたいは雰囲気で分かってしまうのですが、知らずに使っていると結構恥ずかしい状況になるかもしれないのでこの機会にしっかり覚えておきましょう。各アングル別の作例を用いたポイントもご紹介!

ローアングルは低い場所からの撮影ではない?

よく誤解されている写真用語に「アングル」「ポジション」の違いがあります。よく、「ローアングルで撮る」とかいう表現をされますが、ローアングルとは「低い場所”で”撮る」という意味ではありません。「低い場所”から”撮る」なら半分正解という感じです。

とても基本的な用語なのでもう知ってるよ!と言う人も多いと思いますが、いろいろな場所で誤った使い方を目にするのでかんたんにまとめてみようと思います。

また、そんな用語なんて知ってるよ!という人でも「アングル」や「ポジション」が変わると写真にはどのような効果が出てくるのか?というところまでキチンと理解している人は意外と少ないのでは?後半ではポジションやアングルを生かした作例とその効果の違いについても最後にまとめてみます!

一眼レフだけでなくスマホやコンデジなどあらゆるカメラに共通するお話しです。

本日のコンテンツ

  • 「アングル」と「ポジション」の違い
  • 作例を見ながら効果の違いを体感!
  • まとめ
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「アングル」と「ポジション」の違い

まずは「アングル」と「ポジション」の違いから。これらの違いは驚くほどかんたんです。アングル = Angle、ポジション = Position ですからそれぞれ「角度」「位置」ということになりますね!

アングルとはカメラを向ける「角度」のこと

アングルとは水平方向に対してカメラを傾ける角度の事です。カメラを上に煽って撮影する場合は「ローアングル」。下に向けて撮影する場合は「ハイアングル」です。

図にするとこんな感じ。

カメラのアングルの違い

ここで重要なのはアングルとはカメラを向ける角度のことで、位置のことではないということです。つまり、カメラが高い位置にあっても上を向いていればそれはローアングル。例えばこんな感じ。

カメラのアングルの違い

一般に「ローアングル」というと(A)の事を想像する人が多いですよね。これは確かにローアングルです。イラストのような状況でこれをやると捕まるのでご注意を。。コミケなどレイヤーさんが集まる場所で問題になる「ローアングラー」と呼ばれる不届き者もいますよね。

でも、カメラの位置は地面スレスレでも、カメラの向きが水平なら(B)これは(写真用語としては)ローアングルではありません。あくまで水平アングル。

でも、(C)の場合はローアングルです。カメラが上を向いているから。カメラが地面に近いかどうかはアングルには関係ないのです。

ポジションとはカメラの「位置」のこと

一方、ポジションとは高さ方向のカメラの位置のことです。今度は角度は関係ありません。あくまで「位置」を考えます。

カメラは人間が構えて撮影することが多いので、一般に普段の目線よりも高い場所から撮ることを「ハイポジション」、目線よりも低いところから撮ることを「ローポジション」と言います(腰より低い位置で撮ることが多い)。人間の目線と同じくらいの場所は「アイレベル」といったりします。(アイポジションとは言わない)

図にしてみるとこんな感じ。さっきのアングルと合わせてみました!

カメラのポジションとアングルの違い

ただ、このポジションの基準は結構曖昧で、撮る人の身長が違ったり、撮る人がしゃがんでたらどうすんの?みたいな問題もあるのでざっくりとした感じで問題無いと思います。

ポジションとレベルの違い?

目線の高さをアイレベルというように、カメラの高さのことをレベルと言ったりもします。例えば腰の位置から撮影するならウエストレベルといった感じで。ほぼ同じ意味だと思っておいても良いでしょう。

ただ、ハイレベルやローレベルとは普通言わない。不思議ですね…

カメラの構え方は「アングル」と「ポジション」の組み合わせ

もう分かったように、「アングル」や「ポジション」どちらか一方だけではカメラの構え方(撮影位置)を表すことは出来ません。角度と位置の両方を指定してはじめてどんな格好で撮影したのかが分かるのです。

地面スレスレから上に煽って撮影するなら「ローポジション、ローアングル」だし、地面スレスレでさらにカメラを下に向けて撮影するなら「ローポジション、ハイアングル」。同じく「ハイポジション、ハイアングル」、「ハイポジション、ローアングル」といった特殊な構え方も存在します。

アングルとポジションは意識して使い分けるようにしないと相手に真意が伝わらないので注意しましょうね。

一般的な認識としては…

とはいってもカメラの構え方が「アングル」だけで表現される場合もあります。世間一般的には「ローアングル」と言えば「ローポジション、ローアングル」の事を指していることが多いですね。一方、「ハイアングル」の場合は「アイレベル、ハイアングル」となっていることが多い気がします。肌感覚ですが。

作例を見ながら効果の違いを体感!

では実際にどんな効果が得られるのか見てみましょう。

ローアングルな作例

まずはいわゆるローアングルである「ローポジション、ローアングル」から

ローポジションローアングル 菜の花

普通菜の花畑って上から撮るもんですが、地面からローアングルで見上げてみると自分が小人とか虫になった気持ちの新鮮な視点から撮影出来るんですよね。ローポジション、ローアングルは見る人を引き込んだり、ドラマチックな表現が得意なアングルです。

ローポジションローアングル 光跡

これも地面スレスレからややカメラを上に向けて撮影しました。特に広角レンズではあおって撮影するとパースが生まれやすいのでダイナミックなイメージで撮影出来ます。また、このようなシーンではポジションが地面スレスレなので自動車のテールライトもカメラよりも高い位置になり、光跡も目立ちやすいというメリットもあります。

広角レンズのパースの話はこちらの記事をどうぞ▼

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ローポジション以外では?

見上げる構えであるローアングルの場合、当然ながら被写体を下から見上げるシーンが多いのでローポジションから撮影することが圧倒的に多いです。でも、場合によってはアイレベルやハイポジションでのローアングルが成り立つ時もあります。

ローアングル

例えば、被写体がタワーとか山とか空とか大きなものなら目線から上に見上げても成立しますよね。このシーンでは画面の下に写したくないものが合ったのでややハイポジションでローアングルにしています。

ちなみに被写体がこれだけ大きなものならポジション関係ないだろ!と思われがちですが、ローポジションとハイポジションの違いは被写体が大きくても顕著になることが多いです。ローポジションだと手前の地面が写ることが多いので印象がガラッと違うのです。

ローアングル ポジション違い

この2つは同じ場所から同じ画角(焦点距離)でポジションだけ変えて撮影しました。左はアイレベルからのローアングル(あおり)、下は地面スレスレのローポジションからのローアングル。2枚の写真から感じ取れる印象はかなり違いますよね(どっちが優れているという問題ではない)。

ハイアングルな作例

続いてハイアングル(見下ろし)の作例をば。

ハイアングル

ビルの上から完全に見下ろした感じ。完全にハイポジション、ハイアングルですね。ハイアングルは見下ろす構えなのでハイポジションからの撮影と相性が良いです。

高い所から見下ろすことで被写体を客観的に冷静に見せたい時に有効なアングルです。

ハイアングル

例えば子供の写真も少し上から撮影すると親の視点に立ったような客観的なイメージになります。子供の写真は客観的に撮影してしまうとただの記録写真になってしまうので、特にハイアングルでは焦点距離だったり被写体との距離感が非常に重要です。たとえばこの写真は大きく寄ることで「そばにいる親の視点」を印象づけていますが、ちょっと離れて子供全体を入れてしまうと第三者の視点になってしまいがちです。子供写真+ハイアングルは結構難易度高め。

女性をハイアングルで撮影すると上目遣いの印象になったりもしますが、ヘタをすると挑戦的なイメージになることもあるので注意。セルフィ(自撮り)ではハイアングルが定番ですよね。

ローポジションからもいける

ローアングルは圧倒的にローポジションとの相性が良かったですが、ハイアングルはハイポジションだけでなくローポジションとの相性もなかなか良いです。

ハイアングル

例えばこれは花と同じくらいのローポジションからさらに見下ろしたローポジション、ハイアングル。花と同じくらいの高さから撮影することで群生する花を力強く表現できました。ローポジションからハイアングル撮影する場合は広角レンズを使うことが大事。広角なら地面以外の部分も写るけど、標準や望遠レンズでは地面しか写らないからね。。

ハイアングル

かなり特殊ですがこんなのもローポジション、ハイアングル。地面スレスレから水たまりに向けて撮影しました。普通は地面近くでカメラを下に向けてもアスファルトか土しか見えませんが、映り込みがあるなら有効です。しかも、映り込みに写っているのはローポジション、ローアングルの景色ですね。

映り込みを使うと1枚の中からハイアングルと、ローアングル、2つの効果が得られます

水平アングルな作例

ラストに水平アングルな作例をいくつかご紹介。

水平アングル

アイレベルの水平アングルで撮影しました。まさに人間の目線そのままな感じですね。とても安心感があります。ただ、平凡な仕上がりになりやすいリスクもあるので構図やシャッターチャンスなどをよく考えて撮影することが大事です。

ローアングルやハイアングルといった角度を付けた撮影ではパースが付けやすいので広角系のレンズと相性が良いですが、水平レベルでは標準~中望遠くらいの焦点距離のほうが相性が良い気がします。広角レンズを使って水平レベルで撮影しまうとメリハリのない「ただ撮りました」という結果になりがちです。

水平アングル

花壇に咲く花をローポジション、水平レベルで撮影。花と同じ高さで対等に向き合うことで自分が花畑にいるかのような印象にできますね。また、ほぼ水平にカメラを構えることで背景の花々も重なりより華やかな印象になりました。

水平アングル

子供とほぼ同じ目線から水平レベルで向き合うことで、これも自分が子供と同じレベルで遊んでいるという印象になりましたね。ローアングルやハイアングルの写真とはまたイメージが変わってきます。

まとめ

なんだかごちゃっと作例を並べてしまいましたが、まずは「アングル」と「ポジション」の意味をしっかり使い分けて使いましょうということと、アングルやポジションが違うと写真の印象もガラッと変わりますよ!ということを紹介しました。

正直、この記事を書き始めたときは用語の説明+αでサラッと終わる予定だったのですが、書き進めていくうちに「アングル」と「ポジション」の違いはかなり深いな。。と思ってしまい長くなってしまいました。完全に理解していたつもりで書き始めたのですが、いざ自分でまとめてみると私も今までなんとなくのイメージでポジションやアングルを決めていたことが多いなぁと反省。

実際に書いてまとめてみるのは大事ですね。みなさんも分かったつもりになるのではなく、考えながら撮影してみると新しいアイデアがパッと浮かんでくるかもしれませんよ!

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この記事を書いた人
中原 一雄
中原 一雄 / studio9管理人
studio9(すたじお・きゅう)の管理、運営をしています。中の人です。 「写真をもっと、あなたのそばに」をテーマに、カメラに使われるのではなく、カメラと友達になる方法を広めるために活動中のフォトグラファー。 中原 一雄のプロフィールページ

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