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保存版!Synology NASを使うなら知っておきたい17のギモンにお答えします!

更新日: by 中原 一雄

NASには自分の大事なデータを収めるわけですから、いざ使ってみようと思ってもホントに自分のデータを快適、安全に管理することが出来るのだろうか?とスタートアップガイドを見ただけでは分からないギモンがいろいろ湧いてくるはずです。そこで今回は読者のみなさまからいただいたNASに関するギモンについて17項目一気にお答えしてみようと思います!

Synology NAS

ここが知りたい!NASのギモン

NASを本格的に導入してみたいけど、普通の入門向け情報を見ただけではギモンや不安を解決できない。。とい方も意外と多いのではないか?と思って企画した、「ここが知りたい!NASのギモン」コーナー(前回の記事参照)。応募期間が短かったですが30件を超える多数のご質問をいただきました。

今回はその中から17個のギモンについてお答えさせていただこうと思います。
(すべてのご質問を取上げることができずスミマセン。。)

SynologyのNAS関連の内容が多いですが、一般的なNASのギモンについてもお答えしているのできっと多くの人にとって為になる内容だと思いますよ!

この記事の目次

写真管理&運用関連に関するギモン

  • 使い始めのデータ移行はどうやってするの?
  • 実際のPCとNASのデータ転送速度はどれくらい?
  • LightroomとNASのオススメ連携方法は?
  • LightroomとPhotostationは連携できる?
  • CloudStationDriveの同期先にphotoやvideoも使える?
  • DS Photoの使い勝手について
  • RAWデータのプレビューはNAS内で表示できる?

一般的なNASに関するギモン

  • 月々の電気代が気になるんだけど
  • どんなHDDを使えば良いでしょうか?
  • モデル名についてるjとかplay, +の違いは?
  • HDDがいっぱいになってしまったらどうやって増設するの?
  • インターネットに繋いだときのセキュリティについては?
  • Time Machinも使える?
  • NASを共同で使った時、他の人にデータを見られなくするには?

もしもの時はどうする?

  • 停電対策ってどうすればいいの?
  • NAS本体が壊れたとき、内部のデータはどうなる?
  • NASを初期設定に戻すには?

*類似の質問も多かったため、質問内容はstudio9側でまとめさせていただきました。ご了承くださいませ。

*内容は執筆時の状況によるもので、NASのアップデートなどで状況が変わる場合があります。また、注意深く調査して記載していますが、本内容によって生じた不具合などの責任は負いかねますことご了承下さい。

*この記事はNASメーカーのSynologyさんに提供頂いております。

はじめての方は過去記事もどうぞ!

ここに取上げられなかったギモンについては過去の記事に記載があることもあります。特にNASのことがまったくはじめてという方は過去記事からお読みになることをオススメします。

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写真管理&運用関連に関するギモン

studio9は写真ブログなので、まずは写真管理に関するギモンについてお答えしていきたいと思います。

中でも多かったのはLightroom関連のご質問。やはりLightroomを使っているユーザーは多いようですね。

使い始めのデータ移行はどうやってするの?

SynologyのNASはセットアップは超簡単です。電源とLANケーブル繋いでブラウザに「find.synology.com」と打ち込めばあとは画面に従ってボタンポチポチするだけでOK。問題はセットアップが終わった後に手元にある大量のデータをどうやってNASに移行するか?ということですね。

PCにマウントしよう

外付けHDDに慣れてしまうと使い始めに「あれっ?」ってなると思うのが、マイコンピューターやFinderからNASが見えない問題です。NASはネットワークに繋がっているので、セットアップ直後はブラウザからしか見えないのです。

ブラウザの画面にPCのフォルダからドラッグ&ドロップしてもファイル転送できるのですが、大量の場合は大変なので、とりあえず使い始めたらPCにNASをマウントしましょう。これだけでNASが今までの外付けHDDと同じ感覚で使えます。

Synology NAS マウント

Windowsはマイコンピューターの下の方にあるネットワークの所に表示されるようになる。PCにマウントできるのはNAS内のルートディレクトリ(親フォルダ)単位。

Synology NAS マウント

もちろんMacもマウント可能です。

マウントしてしまえば、今までの外付けHDDと同じようにコピペしたりデータをドラッグ&ドロップしたりと自由です。大量のデータもこの状態でフォルダごとドラッグ&ドロップすると残り時間なども容易に確認出来て楽ちんです。

Macの場合は自動マウント設定しておこう

一度PCにマウントしてしまえば、Windowsは再起動しても自動でNASのフォルダをマウントしてくれます。ただしMacは起動ごとに毎回手動でマウントし直さなければならず面倒なので、自動化設定を行っておきましょう。

Synology NAS マウント

具体的な方法は下記のサイトが詳しいです。Mac起動時に自動でスタートさせるサービスにNASへの接続も登録しちゃいましょうというやつですね。便利です。

実際のPCとNASのデータ転送速度はどれくらい?

NASはLAN経由で繋ぐのが基本のためUSB3.0接続の外付けHDDに比べると若干転送速度は劣ります。ただ、有線LAN(1000Mbps, 1000BASE-T)で繋げば実際の転送速度はLANの上限転送速度付近である110MB/s程度はあっさり出ます。

Synologyを使っている限りだと上級機を使ったり何か特別なチューニングをせずとも、現行の入門機でもPCにLANケーブル繋ぐだけでリード、ライト共に100MB/sは余裕で出ると思います。以前、Synologyの入門機のDS216j(現在最新はDS218j)で測定した私の環境での有線LAN速度はこんな感じです。

Synology NAS

ルーターはTP-Link Archer C3150を使用

つまり、現行のSynologyのNASならルーターやPCが対応さえしていれば、よほどヘビーに使わなければ問題ない程度の速度は出るというわけです。

ルーターの対応に注意しよう

ルーターは普通のWi-Fiルーター(親機)を使えば問題ありません。ただし注意したいのはWi-Fiルーターの有線LANポートの速度が1000BASE-Tに対応しているかどうかと言う点。安価なルーターはここが100BASE-T(100Mbps)となっており実効速度が一桁小さい12MB/s程度しか出ないという場合もあるので注意。
*1B/s = 8bps

例えば執筆時点でAmazonで一番売れてるWi-Fiルーターのバッファロー WHR-1166DHP4のLANポートは100BASE-T(100Mbps)なのでNASを繋いでも十分な速度を出せません。

この場合は新しい1000BASE-Tに対応したWi-Fiルーターを買うか、1000BASE-T対応のスイッチングハブというネットワーク機器を導入する必要があります。また、使用するLANケーブルはカテゴリ5e以上のものを使いましょう(カテゴリ5は100Mbps向け)。現在普通に手に入るものは大抵カテゴリ5eか6なので大丈夫ですが、古いケーブル使うときは注意。また、10GbE対応のカテゴリ7を使っても速くなりません(性能過剰)。

Synologyは夏にRT2600acという一般向けでは最強クラスのWi-Fiルーターも発売しているので相性や使い勝手を考えるならこちらに統一してしまうのも良いかもしれません。

Wi-Fi経由の速度だと?

Wi-FiルーターにNASを接続すればPCとNAS間は無線で接続することも可能です(PCとNASの通信をルーターが中継してくれる)。この場合、Wi-FiルーターとPCの無線接続の能力がボトルネックになります(NAS - Wi-Fiルーター間はWi-Fiで転送可能な速度以上で繋がっているため。1000BASE-T対応なら)。

例えば、私の環境ではDS416playとMacbookPro2016で無線接続するとリードライト共に約50MB/sくらい出ます。(この速度はWi-Fiルーターと受信側の性能によりピンキリです)

Synology NAS 転送速度

1000Mbps対応スイッチ経由でTP-Link Archer C3150に接続。Mac側は5GHzWi-Fiに繋がっている状態。電場状況は比較的良い状態で測定。

当然ながら有線LANに比べると速度は劣りますが、動画編集やRAWをがっつり編集するという訳でなければこのくらいの速度でも不自由ないことが多いのでは。50MB/s = 400Mbpsなので普通のインターネットよりもぜんぜん早いです。

禁断のSMBマルチチャンネルもある

私が知る限りWindows専用ですが、LANポートを複数束ねた通信が可能なSMBマルチチャンネルを使うことでNASとPC間の速度がSSD並の400MB/s越えまで行きます。

ただしこれを使うにはNAS、PC双方に複数のLANポートが必要。私が使ってる5ベイのDS1517+には4つのポートがあるので最大で1000x4=4000Mbps転送が行えます。実際にリード450MB/sくらい出ますよ。

ただし、SMBマルチチャンネルはSynology的にはまだβ機能なので使用は各自自己責任にてお願いします。詳しくは私の個人ブログにまとめています。個人的にはかれこれ半年ほど使っていますが何の問題も無く超快適です。

10GbEも現実的に!

Synologyの上位機種には1000Mbps(1000BASE-T)のさらに10倍の次世代規格である10GbEに対応した機種もあります。こちらは公式に10Gbps(約1200MB/s)使えるスーパー規格。

NAS 10GbEの使い方 スイッチ使用

DS1517+に10GbE対応の拡張カードを取り付けて測定したとこ。もうNASが遅いなんて言わせない!という速さ

この記事を書いた頃はまた周辺機器がかなり高価でしたが、現在(2019年6月)では徐々に環境が整ってきた感じがします。まだ一般的とまでは言えませんが、動画編集など大容量データを扱うことが多いなら投資する価値はありそうです。

10GbEに興味がある方はこちらの記事もどうぞ!

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最近増えてきている10GbE対応NASをセットアップするには10GbE対応のスイッチを使うのが一般的ですが、高価な10G別のタブで開く

LightroomとNASのオススメ連携方法は?

写真管理といえばLightroomということで、NASを使って快適にLightroomを使えるか?というのは気になる方も多いでしょう。現在私はLightroomで管理している写真の大半をNASに入れて運用していますがほとんど問題になることはありません。

カタログをNASにおける?

残念ながらこれだけは出来ません。。(追記:iSCSIなら出来ます。下記参照)

これはLightroomの仕様によるもので、Lightroomでは現状ネットワークドライブにカタログを置いて起動することができないのです。

カタログはローカル(PC側)に置いておく必要があります。

ローカルに置いたカタログをNASと同期させて、複数台のPCで共有するという使い方もやろうと思えば可能ですね。

追記:iSCSIという接続方法を使えばNAS側にカタログを置いても起動できることが分かりました。中~上級者向けですが興味ある方はコチラの記事をどうぞ!

Lightroom NAS運用 iSCSI
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LightroomとNASを連携して使用する場合、Lightroomの仕様によりカタログだけはNASに入れてLightr別のタブで開く

カタログはPCに、写真はNASならOK?

これならOKです。ただし、冒頭にご紹介したようにNASのフォルダをPCにマウントしておいて下さい

PCにマウントさえしてしまえばNASは普通の外付けHDDと同じように使えば大丈夫です。私はいまこの方式で使っています。

Synology NAS Lightroom

NAS内の共有フォルダ(LR_Pictures)がLightroomにキチンと認識されている

PC-NAS間の転送速度が気になるかもしれませんが、Lightroomはいきなりオリジナルデータにアクセスするのではなく、通常はカタログと一緒に保存されている軽量なプレビューにアクセスします。そのため(用途にもよりますが)カタログをPC内に作って有線LANで繋いでいれば極端に遅く感じる事はないかと思います。

ライトに使うならたぶん無線接続でもいけると思う。

かなりヘビーに使っていてこれでも速度が足りないと言う場合は、256~512GBくらいの内蔵SSDやUSB3.0の外付けSSDを使って、撮影後のデータはまずSSDに入れて作業し、いっぱいになってきたら順次古いものからLightroom上でNASに移動というワークフローも考えられます。SSD→NASへの移動はLightroom上でドラッグ&ドロップするだけね。Lightroom上でファイル移動するならカタログの移行とか考えなくても大丈夫です。
*SSD内のデータは冗長性がないので別途Cloud Station Driveなどでバックアップしておくこと。

SDカードのデータをそのままNASに保存できる?

これもできます。SDカードをPCのカードリーダーに挿入し、Lightroomの読み込みで保存先をNASのフォルダ(マウント済みのもの)を指定すればOKですよ。

オフラインの時はスマートプレビューで使える?

ノートPCで持ち出しが多い方は常に自宅(職場)のネットワークに繋がっている訳ではありませんよね(インターネット経由でNASのマウントはできない)。オフライン時にLightroomで作業したい場合はどうするのか?というとスマートプレビューを使えばOKです。

Lightroomでは画像の読み込みオプションにチェックを入れるか、後で手動でスマートプレビューというRAW形式のプレビューを作成できます(長辺2560px、約1MB/枚)。このスマートプレビューはカタログと同じフォルダ(PC側)に保存されるので、オフラインでもアクセス出来ます。

Synology NAS Lightroom

写真読み込み時にチェックを入れておくとすべての写真に対してスマートプレビューが作成されるが、読み込み時に負荷がかかりカタログが肥大する。ライブラリ > プレビュー > スマートプレビューを作成する で後から作成することも可能。

PCが外付けHDDやNASに繋がっているときはオリジナルのRAWやJPEGを参照して作業を行いますが、外付けHDDやNASとの接続が絶たれると、自動でカタログの隣にあるスマートプレビューを参照して作業を続けられる仕組みなのです。賢いですね。

ですからNASにオリジナルのRAWを入れている状態でも、PC側にスマートプレビューを作っていさえすればオフラインでも現像作業を続けることが可能です。スマートプレビューはRAW形式なのでオリジナルのRAWと全く同じ操作感で作業が出来ます(圧縮されているので画質は多少劣る)。

さらに賢いことに、外でスマートプレビューで作業した後、自宅でNASを再接続すれば今までの作業はそのまま自動でオリジナルのRAWに引き継がれて高画質な詰めの作業が行えます。持ち出しが多い場合はぜひ使って見ましょう。

さらに、環境設定 > パフォーマンスで「画像編集には、元画像の代わりにスマートプレビューを使用」にチェックを入れておくとNASが繋がっている状態でもスマートプレビューを使って編集が可能です。非力なPCであればこれにチェックを付けるだけでめっちゃサクサク現像出来ます(画像を拡大するとオリジナルに切り替わる)。

Synology NAS Lightroom

LightroomとPhoto Stationは連携できる?

可能です。が、いくつか制約はあります。

Lightroomの処理は元データにはいっさい手を加えず、現像やキーワード(タグ)、レーティングなどの設定をカタログに保存します。ですから、Lightroomの写真保存先をNASのPhoto Station用に割り当てられた「photo」の中に指定すれば普段通りLightroomで作業が行え、一方でブラウザからPhoto Stationを立ち上げれば同じ元写真を見ることができます。RAWファイルも見えますよ!

Synology NAS Lightroom

Lightroomで読み込む時にNASの「photo」フォルダに読み込めばOK

Synology NAS Lightroom

Lightroomと同じ写真がブラウザでも見られる(ただしLightroomの調整結果は見えない)。なんとRAWもPhotoStationで見ることができる!(おそらくRAWに含まれるカメラ内で生成したプレビューを見ている)

ただしLightroomの調整は見えない

ただ、上述のとおりLightroomで行った変更はすべてカタログ内に保存されるため、Lightroomで行った現像結果はそのままだとPhoto Stationからは見えない事に注意しましょう。

もしLightroomの調整結果をPhoto Stationで見たければその都度新しい画像データとして書き出しを行い、「photo」フォルダ内の適当な場所に書き出さなければなりません。(現像前と現像後の2つの写真データができてやや煩雑になる)

同じように、PhotoStation内でJPEG画像にタグ付けをしてもLightroomでそのタグ情報は見ることができません。

Synology NAS Lightroom

PhotoStation側でタグの追加などを行うとオリジナルデータの情報を更新してしまうため、このような競合マークが出てしまう。(Lightroomのカタログデータか、PhotoStationで行った変更のどちらを使うか決める。

撮影枚数が少ない方なら今回のような連携をしても面白いと思います。ただ、年間数万枚撮るような場合は基本Lightroomで管理を行い、現像済みのお気に入り写真だけを「Photo」フォルダに直接書き出してアルバム化するような使い方のほうが良いかも知れませんね。

Cloud Station Driveの同期先にphotoやvideoも使える?

はい使えます!

パソコン内の任意の場所に写真用フォルダを作っておき、Cloud Station DriveでNASの「photo」フォルダと同期させればバックアップ&オンラインアルバムとして使えたりするので便利ですね。

ただし、初期状態では「photo」や「video」は共有設定オフになっているため事前にNASのCloud Station Serverで共有設定を有効化しておきましょう。

Synology NAS Lightroom

詳しいやり方は前回記事をご参照ください。

Synology NAS Photo Station
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撮影を快適にすすめるためにはカメラやレンズだけでなく、大事な撮影データを保管するためのストレージ選びも重要です。快適に使別のタブで開く

外出先から閲覧、ダウンロードも出来るよ

「photo」や「video」に限りませんがNASにアップロードしてしまえば、インターネットとの接続を許可すれば(Quick Connectなど)外出先でオリジナルデータもダウンロードできます。

DS photoの使い勝手について

Photo Stationのアプリ版であるDS photoの特徴などは前回記事で紹介したとおりですが、中でも便利なのがスマホ内で撮影した写真のバックアップができる「画像バックアップ」機能です。

Synology NAS DS Photo

例えばGoogleフォトでは(写真無制限アップロードの場合)アップロード時にオリジナル画像が圧縮されてしまうといった問題がありましたが、DS photoのバックアップは100%オリジナルのデータをバックアップするのでデータの劣化はありません。

私のiPhoneのカメラロールには10,000枚以上写真が入っていますが問題なく普通にバックアップできています。バックアップされた写真は「photo」フォルダ内の任意のフォルダ(例えば「Kazuo_iPhone」とか)に保存可能で、その中でファイルの移動などしても重複を排除して新しい写真のみバックアップしてくれます。

閲覧意外にもいろいろ出来るよ

DS photoはNASの「photo」フォルダ内に入っている写真を閲覧したり、空き時間にタグ情報を更新したりすることがメインの使い方になるかな?と思われるアプリですが、スライドショーを見たり新規にアルバムを作ることも可能。さらに、ネットワーク対応プリンタをお持ちならDS photoからプリントまで出来ちゃいます。

Synology NAS DSPhoto

と言うかこれ、この記事書きながら気付いた機能なのですが、便利ね。ウチは普通の家庭用複合機のEPSON EP-808AをWiFi経由で使っているのですが、プリンター側の設定特に変えずにDS photoからL版プリント出来ました。カジュアルにプリントしたい場合に使えそうです。

はじめにNASにログインする手間は数秒間ありますが(スマホにログイン情報記憶させることもできる)、それ以外の使い勝手はとても良好です。
*このアプリはNAS内の写真をみるアプリなのでスマホ内(カメラロールとか)の写真は見られません。

RAWデータのプレビューはNAS内で表示できる?

できます!

NASに取り込んだ画像データもパソコンのように特別なソフトを使わずともフォルダ内でサムネイル表示されると便利ですよね。SynologyのNASに取り込んだJPEGやRAWデータはもちろんサムネイル表示されます(エクスプローラーやFinderに相当するFile Stationを使った場合)。

驚いたことに先日発売されたばかりでWindowsやLightroomですら対応していない(執筆時)、SONY α7RIIIのRAWデータのサムネイルもSynologyのFile Stationなら表示されています。キヤノンやニコンのRAWデータも表示されるはずです。

Synology NAS サムネイル

α7RIIIのRAW(.ARW)だけいれたフォルダを見たところ。たぶんRAWに内包されているプレビューが表示されている

もちろん、PCにNASをマウントすればエクスプローラーやFinderでサムネイルを見ることもできます。この場合は見えるかどうかはPCのOS次第です。

一般的なNASに関するギモン

続いては写真管理に限らず、NASの一般的な使い方に対するギモンについてお答えしていきます!

月々の電気代が気になるんだけど

NASは使い方にもよりますが、複数人で共有して使ったり、夜間にバックアッププログラムを動かしたりするため基本的には常時電源ON状態で使用します。ここで気になるのが電気代ですね。

結構安いです

ちょっと計算してみました。

例えばSynologyの一番の売れ筋である2ベイのDS218jのカタログスペックでは、消費電力はデータアクセス時で17.48 W、HDDハイバーネーション(スリープ)時で7.03Wです。

仮に24時間フルパワーで稼働させたとして1ヶ月の消費電力は、17.48x24x30 = 12.6kWh。一般的な1kWh=26円で計算すると月々約330円となります。

個人や家庭で使うなら24時間フルパワーで稼働することは少ないと思いますので、半分はHDDがスリープ状態になっていたとするとだいたい月々230円くらい。

電源ON/OFFのスケジューリングも出来ます

また、個人利用で深夜、早朝やお仕事中は全く使わないというなら電源オン/オフの自動化スケジュールを作ることも出来ます(OFF時はPCやスマホからNASにアクセス出来ない)。

Synology NAS

コントロールパネル > ハードウェアと電源 > 電源管理 で設定できる

大事なデータを24時間体勢で管理してくれるコストとしては個人的には安いと思います。

どんなHDDを使えば良いでしょうか?

基本、なんでもいいです

NASは自分で内蔵HDDを買ってきてそれを組み込んで使います。組み込むHDDの種類については現行の3.5インチHDDであれば基本どんなものでも問題なく使えます(2.5インチでもスペーサー噛ませればOK)。相性など気になる場合はSynologyが提供している互換性リストを見てみると良いと思います。ものすごい数のHDDが検証されています。ほとんどのHDDが大丈夫だと思いますが。

予算に余裕があるならNAS向けモデルを

ただ、NASの性質上、24時間稼働が前提になるためデータの安全性を高めたいなら耐久性の高いNAS向けモデルを使うのが良いでしょう。定番なのはSeagate IronWolfシリーズ、Western Digital WD Redシリーズでしょうか。特にSeagate IronWolfシリーズはSynologyと協力関係にあってNASの中でHDDの健康状態が他社のHDDより詳細に管理できる特徴があります。

ただし、一般的な汎用HDDと比べると3~4割価格が高いところがネック。

個人用途で冗長化(SHR)して使っているのであれば安いHDDを使ってみるのもアリだと思います。Synologyはメーカー、容量問わずなんでも使えちゃうのがメリットの一つですし。

個人的には予算があるならNAS向け一択だと思いますが、それでバックアップ用HDDが変えなくなるくらいなら、安いHDDをNASで使い、別にバックアップ用のHDDを用意して運用する方がよっぽど大事かなと。どんな高級HDDだっていつかは前触れなく壊れるものとして運用するのが良いと思います。

SynologyNASを使ったバックアップ
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17.11.16
デジカメで写真を撮る人にとって最も悲劇的なことの一つは「データの損失」でしょう。あなたが使っているそのハードディスクやS別のタブで開く

モデル名についてるjとかplay, +の違いは?

SynologyのNASは大きく「j」「Value」「Plus」の3つのグレードに分けて展開しています。

NAS入門モデルが「j」シリーズです。売れ筋の2ベイ DS220jや4ベイのDS420jなどがそれに当たります。価格もDS220jで2万円台と初めてでも手を出しやすいですね。カメラで言うところのEOS Kiss的な位置づけ

搭載されるSynology NAS専用OSである「DSM」やバックアップ系のアプリケーションなどは上位機種と同じものを使えるのでとてもコスパに優れます

上位機種との違いは大きく2つで、1つはCPUやメモリといったハード性能。もう一つは使用できるファイルシステムです。

ハード性能は高いほどサクサク動く

NASはネットワーク上に独立して存在するミニパソコン(サーバー)ですので、出し入れするデータの処理やPhoto Stationやバックアップ系のアプリを動かす場合はNAS内で処理を行わなければなりません。CPUやメモリが強ければパソコンやスマホからのアクセスもサクサク捌いてくれて快適にNASを使えます。

では入門向けの「j」シリーズが遅くて使えないかと言えば、個人、家庭で使うなら全く問題ないレベルだと思います。NASに同時にアクセスする人が基本1~2人くらいならまずまず快適に使えるはず。前述したように転送速度もほぼ上限いっぱいまで出るし。

ブラウザでNASにアクセスするときの体感はちょっと遅めのWEBサイトにアクセスしているかな?くらいの感覚です。

他に有線LANポートが1つだけのものが多いなどハード的な制約があることもあるので覚えておきましょう。

「j」はBtrfsファイルシステムが使えない

意外とここが重要なポイントかもしれません。SynologyのNAS(Synology以外のNASでも)はファイルシステムEXT4を採用していることが多いです。ファイルシステムとはNAS内にデータを保管したり管理するための基本ルールのようなものです。

EXT4でもなんら問題なく使えるのですが、最近のSynologyのNASにはさらに高機能な次世代ファイルシステムである「Btrfs」が使えるものが出てきているのですね。この「Btrfs」はファイルバックアップ時のバージョン管理に使う容量を大幅に削減できたり、スナップショットというシステム全体を瞬間的にコピーする技術が使えたりとバックアップに非常に強いファイルシステムです(私もあまりよく分かっていないのだけど。。)

とりあえず、SynologyのBtrfs解説ページをご案内しておきます。

で、エントリー向けのjシリーズでは今のところ「Btrfs」が使えるものがないのです(2019年6月現在。今後使える製品が出てくる可能性はアリ)。

さらに、ファイルシステムは「基本ルール」であるため、一度EXT4にしてしまうと、後から「Btrfs」に変更するのはとても大変な訳です(同じ容量のバックアップディスクが必要?)。下記リンクが参考になります。

ということで個人ユースでも高機能なBtrfsファイルシステムを使いたいなら上のグレードのもので最初からBtrfsも検討してみると良いと思います。

Valueはマルチメディア系にも強い

jシリーズからさらにハード機能が強化されているのが「Value」シリーズです。NASのモデル名の末尾に何もついていないか、「play」が付いているのが特徴(例:DS118, DS418playなど)。カメラで言うところのEOS 80Dとか6D MarkIIくらいのイメージです。

ハードが強化されているのでブラウザからNASにアクセスしたときもjシリーズよりサクサク動きますし、「play」が付いているモデルはNAS内に保存された4K動画などを本体でデコードする機能を備えるためスマホなどからでもストリーミング再生が可能です。

Valueシリーズになると4ベイのDS418playなどでBtrfsファイルシステムが使えるものも出てきます(DS218playなど一部のモデルはEXT4)

また、LANポートも2つ搭載するものが増えてくるので複数人のグループで同時に使ったり、SMBマルチチャンネルで速度を倍増させてみたりといった拡張性の高さがあります。

私はDS418playの1つ前のモデルであるDS416playを使っていますがBtrfsにも対応しておりデュアルLANポートなど上位機種にもひけをとらない性能で、このレベルなら個人、小規模グループで何ら問題にならない性能かと思っています。

ストレスなくバリバリ使いたいならPlusシリーズ

さらに快適に使いたいなら「Plus」シリーズもあります。機種名の末尾に「+」が付いています(DS1517+など)。カメラで言うところのEOS 7D MarkII, 5D MarkIVくらいのプロが仕事に使えるレベル

CPUやメモリがさらに強化されており、サックサクに動きます。超快適。さらにSSDキャッシュや10GbEのサポートなど高速で快適に使うための機能が豊富です。

私がメインで使っているのが5ベイのDS1517+です(筐体だけSynologyさんから検証用に提供いただきました)。CPUがクアッドコア2.4GHz、メモリ8GB or 2GBなど普通のパソコン並みのハード性能で、もちろんBtrfs対応、LANポートは4つ、SSDキャッシュや10GbEのサポートなど、ここまで来ると私の使い方ではなんのストレスもなく使えてステキです。

個人的に10GbEを増設して使ってるんですがアホみたいに早い転送速度を味わえますw

NAS 10GbEの使い方 スイッチ使用

DS1517+に10GbEカードを増設した時の速度。シーケンシャルならSSDより早い

予算に余裕がある方、仕事でバリバリ使いたい方はPlusシリーズも検討してみると良いでしょう。

HDDがいっぱいになってしまったらどうやって増設するの?

NASを使っていて容量がいっぱいになってしまったのでさらに大容量なHDDを増設(入れ替え)したいという場合もあると思います。もちろん拡張可能です。

ただし、ちょっとだけ手間がかかります。

同じ機種のままHDD容量を増やしたい

例えば2ベイモデルのSHR構成(2台のHDDをミラーリング。RAID1相当)の場合を考えてみます。

データの冗長性を確保するために2ベイのモデルでは同容量のHDDを2台使う必要があります(容量が違っても良いが少ない方が基準になる)。ですから、HDD容量を拡張したいなら拡張時も2台の新しいHDDを用意しなければならない点にまずは注意しましょう。

増やす流れとしては、で3TBx2(SHR)から6TBx2にしたい場合は3TBのHDDを1本抜き、3TB+6TB構成に一旦設定します。ここでデータ再構築が終われば(数時間~1日かかる)今度は残りの3TBを6TBに入れ替えて6TB+6TBの構成にできるという感じ。

詳しくは下記リンクを参考にしてみて下さい。

2ステップ踏む必要があり、最短でも2日ほど掛かってしまいますが、この間NASは停止することなく通常通り使えます。ただ、容量アップするのに2本のHDDが必要で、交換後は古いHDDが余ってしまうためややコスパは悪いです。こんなときは思い切って2→4ベイにしてみるのもアリだと思います。

2ベイ→4ベイに切り換えたい

2ベイモデルを使っていて、さらに大容量な4ベイモデルに切り換えるなら結構楽ちんです。DSMのバージョンが同じなら基本的にHDDを差し換えるだけ(マイグレーション)です。(NASの一部の環境設定は移行できない場合があるのでバックアップもとっておく)

この辺は下記リンクが参考になります。

私の場合、4ベイのDS416playから5ベイのDS1517+への移行経験がありますが、HDDの差し換えだけで移行できました(私の場合は環境設定もそのまま移行できた)。

また、さらに応用して、3TBx2のデータを4ベイの6TBx4に拡張するといったことも出来ます(やや面倒だけど)。以前書いたデジカメWatchさんの記事に流れが書いてあるのでこちらも参考にどうぞ!

正しく行えばデータのロストはありませんが、人為的なミスもあり得ますので事前に重要なデータをバックアップしておくことをオススメします。

インターネットに繋いだときのセキュリティについては?

NASは家庭内や社内など閉じたネットワーク(イントラネット)に繋いで使用するだけでなく、設定次第で外部ネットワーク(インターネット)に繋いで使用することも可能です。

外部ネットワークに繋がれば世界中どこからでもアクセス出来て非常に便利になりますが、一方で悪意のあるユーザーからの攻撃をうけるリスクもあります(NASに限らずすべてのインターネットサービスに言えること)。

ここで重要なのがセキュリティな訳ですが、Synologyのセキュリティ対策は非常に優れていると言えそうです。

セキュリティ対策チームが24時間以内に問題を解決

Synologyの社内には専門のセキュリティ対策チームがあり、システムの脆弱性が見つかった場合は8時間以内に問題を調査し、15時間以内に対策を行うシステムが確立されているようです。

例えば、少し前に話題になったWannaCryへの対応ではIBMが6日かかったことに対してSynologyは24時間以内に対策を完了しました(上記リンク参照)。有名な世界的なIT企業よりも対策が早いわけです。

確かに、実際に使用していてもOS(DSM)やアプリケーション(パッケージ)のセキュリティアップデートは頻繁にあり使用していて安心感があります(DSMアップデートは自動で行える)。

ネットの世界では様々な脆弱性が頻繁に発見されているのでシステムを最新に保つことは非常に大事

二段階認証やパスワード強度も柔軟に設定できる

どんなにシステムを最新に保っていても、パスワードを使い回しして、それが別の場所で漏れてしまうといった事故の場合はシステムが危険にさらされますが、SynologyのNASは二段階認証にも対応しているので、万が一他の場所でパスワードとIDが漏れてしまっても攻撃者はNASに侵入出来ません(自分で二段階認証を有効化する必要がある)。

Synology NAS

二段階認証をしておけば二段階認証アプリの入っているスマホを持っている人でないとログインできない。NAS以外でもGoogle、Facebook、Twitter、Amazonなど主要なWEBサービスはみな対応しているのでぜひ使いましょう。

Synology NAS

パスワードの必要強度も管理者が柔軟に選べます。

他にもLet's Encryptを使ったHTTPS通信なども結構簡単に設定できたりとかなりセキュリティに配慮された作りです。

本体のアップデートをキチンとする、パスワードを使い回さない、二段階認証をするくらい気をつけていればその辺のWEBサービスよりずっと安全かも。

SynologyのNASのセキュリティ対策は下記リンク先に良くまとまっています。

Time Machinも使える?

使えますよ!

Synologyの場合、MacのTime Machine専用のユーザーを作ることで自動でバックアップデータをNASへ入れてくれます。初期設定をちょっとやらなきゃなりませんが、一度設定してしまえばあとは全自動。Macユーザーはぜひ使ってみましょう。

Synology NAS TimeMachine

私のMacbook ProのTime Machine。

設定の方法などは下記リンクを参照してみてください。

Windowsの場合はWindows10のバックアップ機能をNASに紐付けることが可能ですが、システム全体まるごとバックアップというのはちょっと難しいようです。

SynologyのNASはAcronis True Imageなどサードパーティ製のバックアップソフトにも対応しているようなのでWindowsでシステムごとバックアップする場合はサードパーティ製ソフトでイメージを作成しそれをバックアップという流れになりそうです。

NASを共同で使った時、他の人にデータを見られなくするには?

NASは家族やグループで使いたいという人も多いでしょう。このとき、自分が管理者になったのなら他のユーザーのアクセス権を完全にコントロール出来るためプライバシーを分けられます。

使い方の流れとしては、自分のアカウントを管理者にし、別ユーザーのアカウントを作る際にアクセス出来るフォルダを指定(制限)するといった感じです。制限の方法も見ることすらできない(読み書き禁止)の他に、読むことはできるが編集できない(上書き禁止)といったものも選べます。

また、ユーザーが使うことができるNASの容量なども制限できるなどかなり柔軟なコントロールが可能です。

ただし、自分以外の誰かが管理者になっている場合は、他の管理者にデータを見られてしまう可能性はあるので注意しましょう。

もしもの時はどうする?

大事なデータを入れるストレージだからこそ、平常時だけでなく「もしもの時」にキチンと使えるかも大事ですよね。そんなギモンにお答えしていきます。

停電対策ってどうすればいいの?

NASに限らず普通のパソコンでもデータ書き込み中に突然電源が切れるといった場合、そのデータが破損することがあります。運悪く破損したデータがシステム全体に影響するような場合にはNASやパソコンが立ち上がらないといった場合もありえます(停電で必ず壊れるわけでなはい)。

NASへのデータ書き込み頻度が高く、停電への対策をしておきたいならUPS(無停電装置)の導入がオススメです。UPSはバッテリーを内蔵し、停電時にバッテリーから電力を供給してくれる装置なので、短時間(数分程度)の停電であれば問題なくシステムが稼働し続けます

停電にならなくても、子供がいたずらしてコンセント抜いてしまったり、契約アンペア数が小さく、よくブレーカーが落ちてしまうといった場合にも有効ですし、雷によるサージ電流からの保護にも強いです。

また、SynologyのNASにはUPSと連動して停電時に自動でシステムをセーフモードにする安全機能もついているので、数分を超えるような長期間の停電にも対応可能です。

実際に試してみた

私はあまり停電対策してこなかったのですが、このご質問を機に試してみることにしました。NAS本体と連動できる機能を持ったUPSでも安いものだと7,000円程度で販売されているので比較的導入しやすいです。

今回買ってみたのはNASと連動機能が付いてAmazonで一番安かったCyberPower CP550JP。一応、SynologyのWEBサイトでも動作検証済みのUPS一覧が出てくるのでそれを参考にしてみても良いと思います。今回のCP550JPはリストになかったものの、おそらく海外版のCP550HG、CP550LGがリストにありました。

UPSとNASを連動させるには付属のUSBケーブルで繋ぐためNASのUSBポートを一つふさいでしまう事に注意。(入門用のDS218jでも2ポートあるので普通は問題ないけど)

私の場合はUPSにDS1517+、DS416play、スイッチ、Wi-Fiルーターの4機器を繋いでみました。こんな感じ。UPSにはデカいバッテリーが積んであるので2ベイNAS程度の大きさがあります。

Synology NAS UPS

Wi-Fiルーターやスイッチ(普通はいらない)もUPSに繋いでおけばうっかりコンセントが外れたようなトラブルでも使い続けられますね。家ごと停電だと通信が止まってしまうけど。一応、ラックと上のDS1517+には転倒防止策を講じてあります。

UPSとメインのDS1517+をUSBケーブルで繋いで連携すると、NASのコントロールパネル > ハードウェアと電源 > UPS の項目でUPSの状態確認や停電時の動作を設定できます。

Synology NAS UPS

NASが2台以上ある場合は、USBで連携できるのは1台までなので、残りの一台にはネットワーク経由でデータ保護の指令を出すことができます。「ネットワークUPSサーバーを有効にする」にチェックをつけて、もう一台のNASのIPアドレスを登録すればOK。私の場合はこれでDS416playと連携しています。もちろんルーター(スイッチ)も動くようにUPSに繋いでおきましょう。

NASからUPSの状況も見ることができます。上記4機器繋いで825秒(約14分)は持ちこたえられそうです。

Synology NAS UPS

NASとの連携機能が不要ならさらに安いUPSもあります。2,000円の差なら連携ありのほうが精神衛生上良い気がしますが。

UPSの導入自体は必須ではないものの、常時通信を行っていたり、NASに保管するデータの重要性を考えながらコストとメリットを検討してみるといいでしょう。

NAS本体が壊れたとき、内部のデータはどうなる?

稼働中のNASが何らかの不具合で故障してしまった場合(基板や電源がダメになったとか)、中のHDDが無事であれば新しいNASを用意してそのHDDを挿入すればデータの復旧は可能です。上で紹介したNASの乗り換え(マイグレーション)と同じ方法ですね。(ただし、環境設定などは引き継がれない可能性がある)

マイグレーションの所を参考にしてみて下さい。

パソコンでも読めるよ

NASに保存されているデータはWindowsやMacのファイルシステムとは別モノなので、普通にNASのHDDをパソコンに繋いだだけでは読み出すことはできませんが、UbuntuというLinuxのシステムならパソコンから読み出すことも可能です。Synologyのヘルプにやり方が書いてあります。

やや上級者向けの方法ではありますが、緊急時にもデータを読み出す方法はありますよと言うことで。

ただし、NAS本体が故障した場合、中のHDDが無事かどうかを判断するのは難しいので、困った場合は一度サポートセンサーに相談してみると良いかと思います。

また、このような万が一の事態に備えるためにもNASの他にもバックアップがあることが望ましいです。NASを使うことでデータが100%安全に保たれる保証はありません(外付けHDDよりはずっと安全だけど)

SynologyNASを使ったバックアップ
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NASを初期設定に戻すには?

ログインパスワードをうっかり忘れてしまったり、設定をいじりすぎて元に戻したかったりする場合はシステムをリセットすることも可能です。

ソフトリセットとハードリセット

SynologyのNAS本体にはリセットボタンが付いています。これをボールペンの先などで4秒間ビープ音が鳴るまで押すとソフトリセットとなり、管理者のログイン情報がリセットされます。(ユーザー名:admin / パスワード:空欄 になる)

Synology NAS

誤作動を防ぐため非常に小さなボタンになっている

この時、他の一般ユーザーのログイン情報や内部のデータは保持されますが、ファイアウォール、DHCP サーバー、Wi-Fi、パレンタル コントロール、トラフィック コントロールは初期化されるようです。

本体のリセットボタンを10秒以上押し続けるとハードリセットとなり、OS(DSM)再インストールですべての環境設定が初期化されます。

HDDのデータは残るようですが、Synologyのヘルプにはあらかじめバックアップしてから使うことが強く推奨されているので緊急事態用でしょうか。

また、NAS側でコントロールパネル > 更新と復元 > リセット でも初期化できますが、これを選択するとNAS本体が初期化されるだけでなく、ユーザーデータも初期化されるので注意です。ゼロからやり直したいとき向け。

Synology NAS

大規模な変更前はあらかじめ設定をバックアップしておく

NASの設定を大きくいじることが分かっている時は、事前に環境設定のバックアップをとっておくことをオススメします。NAS側でコントロールパネル > 更新と復元 > 設定のバックアップ で行えます。

Synology NAS

こうすれば訳が分からなくなった時でも戻せそうですね。

まとめ

ということで、17個のNASに関するご質問にお答えしました!そろそろ2万字が迫ってきました^^; 最後までお読みいただいた方、ありがとうございます!

すでにNASを使い始めている方も、一連の記事を読んでみて全然機能を使いこなしていなかった。。という方もいたのでは?

NASは決して完璧で万能なストレージではないものの(そんなものは世の中にない)、普通の外付けHDDの運用よりもより柔軟にデータ管理が出来るかと思います。

GoogleドライブやDropboxといったパブリッククラウドにも手軽で無料で使えるなどのメリットがありますが、扱うデータが大きなものであればあるほどNASの優位性は上がってくるので写真をバリバリ撮影する人との相性が非常に良いんですよね。

ぜひこの機会にNASの導入なども検討してみてはいかがでしょうか?

提供、取材協力:Synology Inc.

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この記事を書いた人
中原 一雄 / カメラマン・中の人
普段はカメラマンとして活動しながらstudio9(すたじお・きゅう)の管理、運営をしています。「写真をもっと、あなたのそばに」をテーマに、カメラに使われるのではなく、カメラと友達になる方法を広めるために活動中のフォトグラファー。 中原 一雄のプロフィールページ

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