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誰でも簡単!デジカメでスーパームーンを撮ってみよう![満月撮影]

更新日: by 中原 一雄

定期的にやってくる月のイベントの2つはスーパームーンとブルームーンでしょうか。中でもスーパームーンは普段よりも月が大きく見えるので迫力いっぱいに月を撮るチャンスです。月の撮影は難しいと思っているかも知れませんが、望遠レンズ(ズームの効くデジカメ)さえあれば誰でも簡単にクレーターまで撮れますよ!
スーパームーン 満月 2020

2020年4月7日のスーパームーン。天体望遠鏡がなくてもしっかり月が撮れるのです

スーパームーン(満月)を撮るのは簡単!

月と地球の距離が最も短くなった時に迎える満月のことを一般的にスーパームーンと呼んでいます月と地球との距離が遠いときに比べて月のサイズは14%、明るさは30%もアップするみたいです。

2020年のスーパームーンは4月7日(火)です。次に見られるのは2021年の5月26日(水)です。だいたい1年と40~50日間隔でやってきます。

そこで今回はスーパームーンをキレイにデジカメに抑える方法をご紹介します。ズームの効くコンデジか望遠レンズ付きのデジイチ、ミラーレスがあれば誰でも簡単に撮影出来ますよ!スーパームーンの撮り方と言っておきながら、やり方は普通の満月と同じです。今回紹介する方法は毎月やってくる満月にも使えますのでぜひチャレンジしてみて下さいね。

iPhoneやスマホで月を撮影したい場合はこちらの記事がオススメです!

iPhoneで月を撮る
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一般に月を撮る場合は望遠ズームなどで撮る必要がありますが、工夫すれば最近のiPhoneやAndoroidスマホでも上手く別のタブで開く

最も簡単なスーパームーン(満月)を撮る方法

月の撮り方全般に関しては以前書いた「【完全保存版】手持ちのカメラで月をキレイに撮影する方法![満月から三日月まで]」にめちゃ詳しく書いています。

ブルームーン
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 誰もが一度は写真を撮ろうとしたことがある月。普通の撮り方ではなかなか上手く撮れないと思いますが、実は設定が決まっている別のタブで開く

詳しく知りたい方はそちらを読んで頂いた方が良さそうですが、あちらはちょっと長めの記事なので今回はスーパームーンや一般的な満月の撮り方限定でシンプルに簡単に書いていこうと思います。

まずはじめに、スーパームーンの撮り方も普通の満月の撮り方も同じであると言うことを覚えておきましょう。

ただ撮るだけならホント簡単です。

とりあえずこれ試してみて

この先記事を読むのが面倒な方はとりあえずこの設定を試してみると良いです。

1.手持ちのカメラを目一杯ズームして

2.カメラの設定をマニュアルモードにセット

3.F8, 1/800秒, ISO400にして撮る

上手くいけばこれだけで月がクレーター(表面の模様)までしっかり撮れてるはず。
*スマホやズームの効かないコンパクトデジカメはちょっと難しいかもです。。

もうちょっとよく知りたいなという方はこの先ぜひ読んで見て下さい

望遠の効くカメラが必要です

撮ること自体は簡単ですが、月は遠くにあるため望遠(ズーム)が効くカメラはどうしても必要です。普通のカメラでも撮れないことは無いのですが、豆粒どころか米粒程度にしか写らないのでクレーターまで確認するのは厳しいかもしれません(簡単なので試してみる価値は十分あります)。

普通のデジカメでクッキリ撮るなら少なくとも光学15倍ズームとか20倍ズームできるような高倍率ズームデジカメが必要です。

---

一眼レフやミラーレスなら望遠レンズ(ダブルズームキットの望遠レンズとか高倍率ズームでもOK)が必要。

35mm換算で300mm程度は欲しいところ。入門機のWズームキットの望遠側は35mm換算で350~400mmくらいあるので十分ですね。

35mm換算を詳しく知りたい方はこちらもどうぞ

13のポイント
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一眼レフやミラーレスカメラはただ画質が良いだけでなく、様々なレンズを交換して使用できるというのも醍醐味の一つですよね。た別のタブで開く

焦点距離別の見え方の違い

ちょっと満月では無いのですが、焦点距離(ズームの度合い)別に実際撮影した月の大きさをご紹介。

300mm程度(普通の望遠)

推奨の35mm換算300mm程度(15倍ズームとかWズームキットくらい)で撮るとこのくらいの大きさで写ります。

月の撮影方法

えっ、ちっちゃいじゃん!と思うかも知れませんが、これだけしっかり写れば御の字です。クレーターもしっかり写っていますよね。ここから周りの余計な空を省いてトリミング(クロップ)すれば大きく仕上がるのでご安心を。

100mm程度(望遠じゃない普通のズーム)

35mm換算100mm程度(コンデジの5倍ズームとか、普通のレンズキットの望遠側)で撮るとこんなに小さくなります。これでもギリギリクレーターは写っていますがトリミング(クロップ)してもクッキリは仕上がらないかな。。ダメ元で試してみるのもいいかもねという感じです。

iPhoneなどスマホで撮るとさらに小さく写ります。。

月の撮影方法

900mm程度(超望遠)

35mm換算で900mm程度(50倍ズームとか超望遠レンズ)で撮るとここまで大きく写ります。これならトリミングをほとんどしなくても大丈夫かも。

月の撮影方法

ただし、ココまでの望遠レンズはちょっと専門領域なので普通に楽しむなら必要ないです。とはいえ昔は高嶺の花だった超望遠レンズもちょっと背伸びすれば買えるようになってきましたね。(↑はシグマの150-600mm Contemporaryで撮影)

2000mm程度(超々望遠)

スーパームーンの撮り方2000mm

4000mm程度(超々望遠)

スーパームーンの撮り方4000mm

上記2000mmと4000mm相当の月の写真はニコンの超高倍率デジカメ COOLPIX P900 で撮影してみました。P900には「月モード」が搭載されているのでそれで撮影してもOKです。4000mmまでいくとスーパームンは画面からはみ出してしまいますね。。
*追記:今はP900の後継のP950も出ていますね

F8, 1/800秒, ISO400にセットして撮るだけ

カメラ(レンズ)さえあればあとは決まった値にセットして撮るだけです。手持ちでOK。

高倍率ズーム対応のデジカメや一眼レフ、ミラーレスには必ずマニュアルモード「M」が付いているはず。このモードにして満月用の設定値を入力して撮影します。

設定する値は「F8, 1/800秒, ISO400」です。大事なのでもう一度言います。満月で設定すべき値は

F8, 1/800秒, ISO400

です。

マニュアルモード(M)はダイヤルにある場合もあるし、メニュー画面の中から設定する場合もありますので分からない方は説明書でそこだけご確認を。。
*MF(マニュアルフォーカス)モードはM(マニュアル)モードとは関係ないのでご注意を。AFのままで大丈夫です。

カメラによって1/800秒は「1/**」が省略されて「800」とだけ表示されるものもあります。

一部コンデジではマニュアルモードの使えない機種もあります。。その場合は撮るのが難しいですが説明書を見ながらPモードかAvモードにして露出補正を目一杯マイナスに設定すると撮れるかも。

一眼レフやミラーレスなどレンズ交換が可能なカメラならどんなカメラにもMモードは付いてます。

星の撮り方 マニュアルモード

世界共通どこにいても、「F8, 1/800秒, ISO400」でどんな満月も撮れるはずです。

ただし大気の状態や月の高さによって多少暗く見えたりするのでその場合は次の微調整をご参考に。

また、半月や三日月などかけた状態は上の設定では暗くなります。興味あれば元記事を参考にしてみて下さい。どんな月齢でも撮れるようになるはず。

ブルームーン
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 誰もが一度は写真を撮ろうとしたことがある月。普通の撮り方ではなかなか上手く撮れないと思いますが、実は設定が決まっている別のタブで開く

月が暗く写る場合

上の設定でもちょっと暗いよな。。という場合は以下の設定をお試し下さい。下に行くにつれて明るく写るようになりますよ。

暗く写る場合は以下の設定をどうぞ(上から順番に)

  • F8, 1/640秒, ISO400
  • F8, 1/500秒, ISO400
  • F8, 1/500秒, ISO500 または F7.1, 1/500秒, ISO400
  • F8, 1/500秒, ISO640 または F6.3, 1/500秒, ISO400

この設定でも暗すぎるということは満月の場合あり得ないのでどこかの設定を間違っている可能性が高いです。。(月が地平線から出てきた直後は除く←地平線付近の月は暗い)

最高画質で撮っておきましょう

後でトリミング(クロップ)して拡大するので、元画像がキレイじゃないとより写真が劣化してしまいます。撮影する場合は最高画質にセットしておくのが大事。

RAWで撮れる人ならRAWで撮っておくとなおよし(必須ではありません)

月の現像方法(Lightroom)
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昨日(2014/1/16)は今年もっとも小さな満月が見れる日でした。以前月を簡単に撮る方法はご紹介しましたが、現像する方別のタブで開く

トリミング(クロップ)して大きく見せる

撮影が終わったら上でも紹介したとおり月の周りの余計な部分を除去してトリミングしてみると良いです。
*トリミングするとややモヤッとするので出来る人はシャープを強めに設定しておくとさらにキレイになります。

トリミングはカメラの中で出来てしまう機種もあるし、パソコンの中に入れれば例えばWindows8以降に標準でインストールされているフォトアプリでトリミング(クロップ)ができます。Macでも写真アプリでできるはず。

もちろんPhotoshopとか専用の画像編集ソフト使ってもOKです。

Windowsフォトアプリ クロップ

写真を右クリック > フォト と進んで上の鉛筆マーク(編集)をクリックするとクロップできます。

スマホでも普通の写真編集アプリならトリミング(クロップ)ができますよ。

この中で紹介しているInstaflashとか

鉄板カメラアプリ
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普段は一眼レフ中心のstudio9ですが、実はスマホ(iPhone)で写真を撮ることも多いんです。そこで今回は私が普段使別のタブで開く

トリミング(拡大)したらこんな感じ

上で紹介した3つの写真をトリミングしたらこんな感じです。

300mm程度(普通の望遠)⇒トリミング

かなり小さく写っていた写真でしたが最近のカメラは高画素なので拡大してももこんな感じでクレーターまでクッキリ。

月の撮影方法 トリミング後

100mm程度(望遠じゃない普通のズーム)

豆粒より小さかったあの写真もギリギリここまでキレイになりました。クレータークッキリ見えてますね。

*ここまでキレイに拡大できたのはちょっと高級な良いレンズを使いキレイに後処理したからです^^; 普通はもう少しモヤッとするのであまり期待しない方が無難です。。

月の撮影方法 トリミング後

900mm程度(超望遠)

超望遠でとったものはあまりトリミングが必要ないので画像の荒れ方は最小限で済みます。トリミング後の画像サイズも長辺3000px以上ありこのままA3くらいまでキレイに印刷できます(100mmで撮ったものは長辺600pxくらいなのでギリギリL版程度)

月の撮影方法 トリミング後

お天気は雲が大事

月は形にこだわらなければ毎日どこでも見えるので見えたときに撮影するという感じでも良いかなと思いますが、スーパームーンなど特別なイベントは狙って撮りたい場合もありますよね。

そんなときは事前に天気予報を確認しておきましょう。

雲量予報を活用する

普通の天気予報でもいいですが、日本の天気予報は空全体の雲の量が80%以下ならすべて「晴れ」となります。空が7割雲で覆われても晴れマークなんですね。そこで重要なのは雲の量なわけです。

雲量予報は通常の天気予報では見ることが出来ませんが「GPV 気象予報」というサイトで確認可能です。天体撮影する人の御用達サイトなので見てみると良いですよ。スマホでは見づらいのというのが難点。

星の撮り方 GPV気象予報

追記:より高機能なSCW 天気予報がリリースされました

GPVの高機能版であるSCW 天気予報がリリースされています。こちらはGPVよりも高精度に雲量表示が可能で、現在の観測情報から雲形(積乱雲とか上層雲とか)の表示も可能。スマホ表示にも最適化されています。将来予報や観測情報を見るには月額280円の課金が必要ですが、お天気重要な撮影をする人ならペイできるかも。無料版のGPVは今まで通り使えるみたいです。

SCW雲形表示

また、ややメッシュが荒いですが、iPhoneアプリの「Wethermap+」でも雲量予報が見られます。有料ですがかなかな高機能です。

WetherMap+ 雲量表示

WeatherMap+
カテゴリ: 天気
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上級者は位置も把握しておこう

また、地平線から出てくるタイミングで街と絡めて撮影したい場合(非常に難易度が高いです)は月の出の位置を正確に把握することが非常に大事です。その場合はMoonSeekerというアプリが超優秀。月が出ていなくてもGPSと内蔵コンパスつかってiPhoneのカメラを空に向かって表示させるだけで月の軌道が分かります!(普通の月だけ撮る場合はお天気だけ気にしておけばOK)

MoonSeeker

コレ使って撮った写真がこんな感じ。

月と工場

お化けのような真っ赤な月が出てきました。35mm換算900mmで撮影。

月と建物を絡めて撮る場合、月と建物の露出差が非常に大きいため両方を一度に撮影するのはかなり困難です。しかし、月が地平線に顔を出した一瞬は大気の影響で月が暗く見えるのでギリギリ撮影可能。月の出から15~30分くらいが勝負なので事前に月が出る位置を把握していないとダメなわけです。

Moon Seeker - Lunar Calendar, Compass and 3D Path Viewer
カテゴリ: ナビゲーション
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なお、このように街と絡めるような地平線にかなり近い月は「F8, 1/800秒, ISO400」では暗すぎます。。また、建物も暗すぎて写らない場合があります。月の白飛びのせめぎ合いをしながらギリギリの露出調整が必要です。F8, 1/5秒, ISO800とかそのくらいの露出から初めて徐々に明るく微調整すると良いかと思います。

この時撮った別カットの写真がちょうど今発売中のデジタルカメラマガジン10月号にも載ってるので良かったら見てみてね。関係ないけど表紙写真も担当しています。

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まとめ

というわけで、スーパームーンというか満月をとる方法をざざっとご紹介してみました!月は最も撮るのが簡単な天体ですのでぜひ挑戦してみて下さいね。

半月や三日月など他の月齢の月やより詳しい撮り方を知りたい方は過去記事をご参照下さい。

ブルームーン
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2022.11.07
13.10.09
 誰もが一度は写真を撮ろうとしたことがある月。普通の撮り方ではなかなか上手く撮れないと思いますが、実は設定が決まっている別のタブで開く

書き始めた頃は曇ってましたが、なんだかだんだん晴れてきたようです^^

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この記事を書いた人
中原 一雄 / カメラマン・中の人
普段はカメラマンとして活動しながらstudio9(すたじお・きゅう)の管理、運営をしています。「写真をもっと、あなたのそばに」をテーマに、カメラに使われるのではなく、カメラと友達になる方法を広めるために活動中のフォトグラファー。 中原 一雄のプロフィールページ

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