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サマーソルトキックで学ぶPhotoshop写真加工入門編。キミもガイルになれるかも!?

更新日: by 村上 圭

ふざけてるワケではありません(笑)今回はあの伝説的なゲームの必殺技を題材にPhotoshopを使った画像加工の基本や便利機能を紹介してみます。実際の写真加工の流れで便利な機能を覚えてみましょう。これであなたも憧れのガイルになれるかも!

体が網状になる

ガイルに学ぶPhotoshop入門

ゲストライターの村上です。

最近はあまりしていないのですが、ストリートファイターというゲームが結構好きなんです。その中でも特に好きなのがストリートファイター2です!自分の地域ではスト2の通称で呼ばれていました。当時、スーパーファミコンを持っている男子はスト2を持っている確率も結構高かったと思います。

この間ゲームセンターに行ったらストリートファイター4があったので少しやってみました。しかしコンボや必殺技や色々なシステム等が複雑で、なかなか楽しめませんでした。最近のゲームセンターにはレトロゲームを置いている所が多いみたいで、例に漏れずそこのゲームセンターにもレトロゲームが置いてありました。そこでスト2があったので久しぶりにやってみました。自分には昔ながらのシンプルなスタイルのゲームが合っているなと思いました。

ちょっと話しが逸れました!

スト2は今の格闘ゲームと比べて動きが少ないです。なのでゲームをしたことがある皆さんは1度は必殺技を真似したかと思います。波動拳や昇竜拳などは真似しやすいですが、真似をしたいのに真似をするのが難しい必殺技がありました。

それがサマーソルトキックです!

縦回転をしながら蹴り上げる技ですが、なかなか真似をするのが難しいですね。しかしPhotoshopならこれを再現できると思います!

なので今回はサマーソルトキックを再現しながらPhotoshopの使い方を学びたいと思います。

*完全再現が目的では無く、初心者向けにサマーソルトキックでPhotoshopの基本機能や便利な機能を体感しましょうという内容です。

人物をガイル風に加工する

どのように加工するか決めようと思います。完成のイメージはこんな感じです。実際の画像には蹴り上げた際にでてくる衝撃波みたいなものもあります。

サマーソルトキックの例

本当はゲームの画像を使用したかったのですが、著作権の関係で難しそうだったので友人にサマーソルトキック中のガイルを書いてもらいました。本物のガイルが気になる方は「サマーソルトキック」で検索してみてください。

元画像を用意する

まず加工するための画像を用意します。さすがにサマーソルトキックはできないので、イメージを180度反転したイメージで撮ろうと思います。撮影のため、シルバーウィークに公園に行きました。そこで妻にお願いをして、自分の写真を撮影してもらいました。写真からにじみ出ていますが、かなりの運動不足です!

加工用の参考画像

人物を簡単に切り抜く

まず人物を切り抜きます。ツールから「クイック選択ツール」を選びます。

クイック選択ツールを選びます

こちらのクイック選択ツールを使用すると、なぞる箇所の輪郭に合わせて選択範囲を作成してくれます。自動調整にチェックをしておきます。

クイック選択ツールのオプション

使い方のコツですが、細かい所はブラシのサイズを小さくするなどして微調整しながらなぞると輪郭に合わせて選択範囲を作成してくれます。

選択範囲がはみ出たら、ブラシを切り替えて選択範囲を削除します。しかしブラシのサイズや種類を切り替えるのはあまり効率が悪いです。なのでショートカットで切り替えると良いです。

  • { ブラシを小さくする
  • } ブラシを大きくする
  • alt(Macならoption) を押してブラシを「 - 」に切り替える

このショートカットを使うとブラシの調整が簡単にできて効率良く作業できます。

このような形に選択範囲を作成します。

人物の選択範囲を作成

選択範囲を作成したら人物だけコピーして、別のレイヤーにペーストします。背景のレイヤーで普通にペーストすれば新しいレイヤーが自動的に出来て、人物がペーストされてるはず。

人物だけ別のレイヤーにする

人物を消して背景を作る

ここまで作業したら、背景を修正します。人物を切り抜いてコピーしてだけだと、まだ背景に人物が残っています。なので、背景から人物を消したいと思います。
※今回はあくまでPhotoshopを覚えるために、こういった作業を行っています。実際には背景のみを別で撮影をして、そこに切り抜いた自分を合成するほうが簡単でキレイにできます。

まず1番上の切り抜いた人物のレイヤー(さっき人物をコピペして作ったレイヤー)を非表示にします。
*サムネイル左側の目のマークをクリックすると表示/非表示を切り替えられます。

Photoshopマジックを使う

次にツールから「スポット修復ツール」を選択します。選択したら上部のオプションから「コンテンツに応じる」を選択します。*CS4以降

また念の為に背景のレイヤーもコピーしておきます。(背景レイヤーを右クリック > レイヤーを複製)

最初に一気に人物を塗りつぶしてみます。スポット修正ツール(コンテンツに応じる)を使うと塗りつぶした部分が背景に馴染むように消えてくれます。ブラシのサイズを調整しながら人物部分だけ塗りつぶしてみましょう。

ちょっとはみ出すくらいにざっくり塗るのがコツです。背景の種類にもよりますがかなり上手く消えるはずです。

そこであまりにも不自然なら少しづつ修正してみてください。ヒストリーで戻ったり、取り消しを上手く使用しながら修正します。

背景画像を修正する

修正してこのようになりました。Photoshopマジックですね!

少し不自然な所はありますが、後で人物を合成するので上手く隠して誤魔化そうと思います。

背景の修正後

人物を回転させる

背景画像の加工が終わったら、次は人物のレイヤーを表示させます。

人物のレイヤーをサマーソルトキックしているように見せるためにとりあえず人物を回転させます。

人物レイヤーを選択した状態で 編集 > 自由変形 で枠の外側をドラッグして回転するか、編集 > 変形 > 回転 で数値入力してもOKです。

特に自由変形はよく使うのでショートカットを覚えるのもおすすめ。Ctrl [Command ] + T です!

人物を表示させて回転させる

回転しましたが、自分の体が硬い為にサマーソルトキックしているようには見えません!なので少し体を曲げるように加工します。加工のイメージはストリートファイター2のガイルを参考にします。

体を自然に曲げる

自然に曲げるように加工するには『パペットワープ』という機能を使います。メニューから 編集 > パペットワープを選択します。*CS5以降の機能です

パペットワープを選択する

選択するとこのように体が網状になります。

体が網状になる

このように網状になった後に、カーソルを合わせてクリックするとピンを打ち込む事ができます。アンカーを打ち込むようなイメージでピンを打ったポイントはこの後の操作で動かなくなるポイントになります。

また、打ち込んだピンをドラッグするとそのピンの周りが画像全体とバランスをとりながら変形していきます(他のピンを打った場所は動かない)

関節を意識して曲げる

人物にパペットワープを使う場合のコツは『関節』を意識することです。人間の場合は関節を中心に動いています。足を真っ直ぐにしたいのなら、関節のある膝にピンを打ち込むと自然に変形させることが出来ると思います。

ピンを打ち込んだ場所は他のピンを動かしても位置は変わりませんが、回転することがあります(この辺りは実際に操作して体感してみるのがいいです^^;)回転させたくない場合はオプションの回転を自動から「固定」にします。固定にしておくと、あるピンをドラッグさせても他のピンを打ったポイントが完全に動かなくなります。ピンごとに回転の仕方を調整出来るので、画像に合わせて上手く使い分けてもいいと思います。

パペットワープのオプション

ピンを少しずつドラッグして変形してもいいですし、ピンを中心に回転させたい場合は目的のピンを選択した状態でAlt [Option] を押すとドラッグで回転できるようになります(「回転:」に通知を入れてもOK)

パペットワープは慣れないと挙動が掴みづらい機能ですが、慣れてしまうと1枚の写真からどんな形にも変形できてしまう大変便利な機能です。

ガイルのイメージで自分なりに加工するとこのようになりました。腕と腰を曲げて、足を少し真っ直ぐにしました。元の画像が運動不足なのでこれが限界です。スミマセン・・・

ガイルのイメージ

回転のブレを作る

これでも大丈夫ですが浮いているだけに見えてしまうので、もう少し雰囲気を出したいと思います。サマーソルトキックの最中は回転をしていので、回転をしている風な加工をします。

メニューからフィルター > ぼかしギャラリー と進んで「スピンぼかし」を選択します。スピンぼかしは車のスピン等を再現する機能ですが、サマーソルトキックにも使ってみます。※スピンぼかしはPhotoshop CCからの機能です。CCでは無い方は他のぼかしで代用してみてください。

スピンぼかしを選択

WEBの画像では少しわかりにくいですが、円形上の枠が出てきてスピンぼかしの範囲を設定できます。画像の大きさや雰囲気に合わせて調整してください。ぼかしの角度でぼかしの具合を調整します。今回は2°にしました。これも自分のサマーソルトキックのイメージに合わせて調整してみてください。

スピンぼかしの調整

脚にさらに動感を加える

ぼかしをかけたら、次は蹴っている脚にだけ多めのぼかしをかけます。ガイルの脚もそうなっていたので・・・

先ほどぼかしをかけた人物レイヤーをコピーします。

人物のレイヤーをコピーします

コピーしたら重なっている人物レイヤー(上にある方)の脚以外の部分を消しゴムなどで消してしまい脚だけにしてしまいます。

人物のレイヤーを足だけにする

先ほど同じようにスピンぼかしをかけます。今回はすこしキツめにぼかしをかけます。すると蹴り足のブレが激しくなり、蹴っているようになりました。

足だけにスピンぼかしをかける

次は影を作ります。

影を作って自然に見せる

サマーソルトキックをしてるので浮いています。ゲーム上では浮いているキャラクターの下には影ができます。なので今回も影を作りたいと思います。※実際は日陰で撮影しているので、照明などが無い限り影は出来ないはずです。

今回はそこまでこだわらずに、簡易的な影を作ります。

まず楕円形選択ツールを選びます。選んだらオプションからぼかしを30pxにします。画像の大きさに合わせてぼかしを調整してください。

楕円形選択ツールを調整する

新しいレイヤーを作成します。円の選択範囲を好みの位置に作成して、黒い色で塗りつぶします。

選択範囲を黒い色で塗りつぶす

次にレイヤーの描画モードをソフトライトにします。影が自然に感じになりました。もし影の色が濃いと感じたり、黒すぎると感じたら塗りつぶす色を調整したり不透明度を調整してみてください。

描画モードをソフトライトにする

次はサマーソルトキックの衝撃波?のようなものを作成します。

衝撃波を作る

サマーソルトキックには蹴った時に出てくる衝撃波があるので、それを作ります。

先ほどと同じように楕円形選択ツールを使用します。
衝撃波の色が微妙に緑がかっているので、描画色を緑色にします。そしてぼかしを今度は15pxにします。これも自分のイメージに合わせて適当に決めて下さい。

楕円形選択ツールを使用する

新しいレイヤーを作成したら、選択範囲を作成して塗りつぶします。人の大きさぐらいの円で大丈夫だと思います。選択範囲を作成したら、そのまま選択範囲を右に移動します。

選択範囲を塗りつぶす

メニューからカットを選びます。そうすると丸い形が、衝撃波のような三日月になりました。

メニューからカットを選ぶ

大きさや位置に問題があれば微調整します。そしてレイヤーの不透明度を少し下げておきます。

レイヤーの調整をする

衝撃波の色を調整する

個人的に衝撃波の緑がキツく見えたので、色を調整したいと思います。メニューから色相・彩度を選びます。

色相と彩度を選ぶ

色相を少し調整しました。

色相の値を動かすと、赤から緑に変えるように色そのものを変える事ができます。彩度の場合は画像の色の濃さを調整するイメージだと思って下さい。

明度の場合は色の明暗を調整するイメージです。

色味を調整する

以上で完成です!簡易的ではありますが、サマーソルトキックの再現をする事が出来ました。

サマーソルトキックの完成

まとめ

サマーソルトキックを再現することで、意外にもPhotoshopの勉強になったかと思います。

選択範囲を使った切り抜きはPhotoshopの必須スキルの1つですし、コンテンツに応じる、パペットワープ、スピンぼかしあたりは比較的新しいPhotoshopの便利機能です。

使う機会がほとんど無い画像ではありますが、皆さんもPhotoshopの勉強がてらサマーソルトキックを再現してみてはいかがでしょうか?

失礼します。

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この記事を書いた人
村上 圭 / 専門ライター
現在は広島県でWEBディレクターをしています。 趣味はギター弾くこと、ギターの修理、音楽制作、子供の写真を撮影などです。 村上 圭のプロフィールページ

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