雪ってどう撮ったらいいの?
雪国に住んでいるなら冬は毎日撮り放題の雪ですが、そうで無ければめったに降らないためいざ雪が降ってもどう撮ったらいいのか分からない。。という場合がありますよね。
今日は急に雪が降った時でも簡単に、上手に雪が撮れる方法を10個のポイントに分けてご紹介してみます。
降っている雪を撮りたい時のポイント
関東以西で雪があまり降らない地方の場合は降ってもすぐにベチャッと溶けてしまうので、できれば雪が降っている場面を狙いたいところ。
降っている雪を撮る場合は実は驚くほど簡単で、カメラのフラッシュ(ストロボ)をONにして撮るだけでOKです。フラッシュが付いているならコンデジやスマホ(iPhone)でもOK。
*スマホのフラッシュは光量が小さいため過度な期待はしない方が良いですが、夜ならある程度効果があるかも
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1.フラッシュONで撮る!
雪が降っている場合、見た目ではしっかりと雪が見えるのですが、そのまま写真に撮るといまいちパッとしないモヤッとした感じの写真になってしまいます。
ところがフラッシュを強制発光させるとどうしょう。。
上の写真と同じ設定でフラッシュを強制発光させただけ。
何ということでしょう。。雪がきれいに写りましたね!全然雰囲気が違います!
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雪の粒は目で見て感じるほど大きくは無く、しかも上から降ってきているので普通に撮っただけではブレてなおさら写りにくくなってしまいます。
フラッシュ(ストロボ)を強制発光させると、フラッシュの光が届く範囲(通常はカメラから数メートル)の雪がより明るく、止って見えるので写真にもしっかり写るわけです。
しかも遠くにピントを合わせた場合、カメラから数メートルの近距離はピントが合っていな距離なので、雪の一つ一つが玉ボケのようにキレイに写ります(特にミラーレス、一眼レフの場合)。
フラッシュの強さはガイドナンバーで判断する
雪がしっかり降っていればカメラの内蔵ストロボ(フラッシュ)でも問題ありませんが、もっとたくさんの雪を写したいなら外付けストロボ(クリップオンストロボ)を使いましょう。
外付けストロボなら威力が強く、光が遠くに届くためよりたくさんの雪が写ります。
外付けストロボの光の威力はガイドナンバー(GN)で表されます。詳しい説明は省きますが、一覧レフの内蔵ストロボのガイドナンバーは12程度。一方、外付けストロボ(クリップオンストロボ)のガイドナンバーは30~60くらい。GN12と60では光の到達距離が5倍も違います。
最近はAmazonなどで数千円から外付けストロボが買えますよ!外付けストロボ選びについては以下の記事も参考にしてみてください。
2.フラッシュを使うならF値は小さめがおすすめ
フラッシュに照らされる雪は、レンズの至近距離にあるボケて写った雪です。この前ボケが大きければ大きいほど、写真に写る雪の粒は大きくなります。
ですから、雪の粒を大きく撮りたいなら前ボケが大きくなる設定、すなわち、F値を小さめに設定して撮ると良いってことが分かりますよね!上の写真は使ってたレンズで一番小さな値のF4.0で撮影しました。
ボケの作り方はコチラのエントリーを参考にしてみてください
3.外に出て撮りましょう
雪が降ると雪が当たらないように屋根のある場所で撮ろうとしてしまいますが、ここまで読んできた方なら、それでは上手に撮れないことが分かりますよね。
フラッシュで写る雪はカメラの手前数メートルの距離。ここに雪が入ってこなければどんなにフラッシュを発光させても雪は写りません。。雪を撮りたいなら外に出るか、屋根のある所ならギリギリまで近づいて撮影しましょう。
雪が降っていればカメラが濡れてしまう恐れもありますが、そちらは後半のカメラと雪対策で紹介します。
4.フラッシュ(ストロボ)が無いなら、暗い背景で!
通常はカメラの内蔵フラッシュを使えば十分なわけですが、それも無いよ。。と言う場合は、暗い背景を狙って撮影してみましょう(昼の場合)。明るい空はなるべく入れず、暗めの建物などを背景にすると比較的写りやすくなります。
夜なら逆に街灯の下など雪が明るく照らされるシーンで撮れば背景の闇に雪が映えます。要は雪と背景の明暗差が大きな場所で撮ればOKということ。
例えば上の写真、大雪の日(東京)にベランダから撮影しただけですが、明るい空をなるべく入れずに撮影してみました。背景が多少暗くなった分、雪が多く見えますよね。
また、フラッシュを使わない場合は雪は止って見えないので、シャッタースピードでブレの量を調整します。早すぎれば完全に止ってしまい雰囲気が無くなるし、遅すぎればブレ過ぎて見えなくなってしまいます。
焦点距離にも寄りますが、1/50~1/100秒くらいの間(SやTvといったシャッタースピード優先オートがオススメ)で、多少雪がブレている感じになると雰囲気が出て良いですね!
この写真は67mm, 1/60秒で撮りました。広角よりもちょっと望遠気味で撮影した方が雪の粒も大きく見えて分かりやすいです。
ただし、フラッシュ無しで撮る場合は見た目で「かなり降ってるなぁ~」と感じるくらいの量で無いとなかなか難しいです。
5.被写体からは離れて撮ろう
降っている雪を写すためには被写体とカメラとの間に雪がたくさん入っている必要がありますよね。被写体に近づきすぎてしまうと、カメラとの間に雪があまり入らないため、物理的に雪は写りません。
また、近づきすぎるとフラッシュも被写体に届いてしまうため、陰が強く出たイマイチな結果になってしまう事も。
アップで撮りたい場合は近づくよりも、離れて望遠レンズで狙った方が効果的な場合が多いです。
6.夜景も狙ってみよう
ストロボを使えば雪が玉ボケのように写るので、この撮影方法は夜景との相性も抜群です。みなとみらい地区の夜景とセットに撮ってみましたが普段の夜景とは違う幻想的な写真になりました。
夜間はストロボを普通に発光させると強すぎる場合もありますので、やや応用テクニックではありますが、内蔵ストロボや外付けストロボの光量を下げて発光させるとしっとりとした明るさで雪が写ります。
*マニュアルで「調光補正」という項目を調べてみましょう。使い方は露出補正と同じでマイナスにすれば光量が下がります。
マニュアルで撮れる方なら、夜景が写る露出をマニュアルで固定し、ストロボ側は雪が狙い通りになる光量を同じくマニュアルで設定するとより良いです(上級者向けなのでよく分からない方はスルーで。。)
クリップオンストロボ(外付けストロボ)の使い方はこの記事で特集しています。雪に限った話ではありませんがよかったら合わせてご覧下さい。
積もった雪を撮りたい時のポイント
大雪の翌日にまだ雪が残っている、あるいは北国で撮影する場合は雪が降っていない積もった雪を撮れる場合がありますよね。
7.プラス補正で撮ってみよう
眩しいほど一面の銀世界、普通に写真を撮るとなんだか思っていたのと違う、暗い写真となることがあります。
暗くなった原因は露出補正をしていないから。カメラは真っ白はものはグレーに近い暗めの明るさで撮るように設計されているため、普通に撮ると真っ白な世界はグレーのどんよりした世界になってしまいます。
最近のカメラは補正をせずオートでもある程度いい感じの明るさにしてくれますが、それでも一面の雪景色の場合は1EV程度プラス補正して撮ってみると見た感じに近くなります。
雪の白い感じが出ましたね!
ただし、やり過ぎると雪が白飛びしてしまう可能性もあるので、不安なら露出ブラケットで何パターンか撮っておくと安心です。RAW現像するなら撮影時に1/3~2/3EVほどアンダーで(暗く)撮っておき、現像時に明るく調整するというのもアリです。
8.逆光で雪面を見てみよう
雪は氷の結晶なので、北国の乾いた雪なら逆光気味に雪面を狙ってみるとキラキラして見えるポイントがあるはず。
寒い地方に行ったら雪面に顔を近づけて見ると良い事があるかも!
画面下の部分にある雪が太陽の光を反射してキラキラ輝いています。
雪撮影時のカメラの対策
雪は溶けると水になるのでカメラが壊れないかどうか心配ですよね。。
9.シャワーキャップで雪を防ごう!
カメラは精密電子機器なので水には注意する必要がありますが、雨と比べればまだ良い方です。
基本は雪をカメラに侵入させない事。便利なのは以前のエントリー(「【梅雨直前!】実質20円以下で作る、最強のカメラ用レインカバー!」)でも紹介したシャワーキャップ。
これを被せて撮影すれば吹雪の中でもかなり安心です。
透明のものならカバー越しにストロボを打っても大丈夫。
また、雪が侵入してきたとしても、べちゃべちゃになる前にタオルで水気を拭いたり、ボタン周りはティッシュのこよりで水分を吸い取ったりすれば通常は大丈夫です。
ただし、大雪のなかでレンズ交換するのは避けましょう。ミラーボックスの中に雪が入って濡れると大変です。雪の撮影はズームレンズが便利ですね(ビショビショに濡れた状態でズーム操作すると、全長が変化するタイプのズームレンズは内部に水が入る可能性があるので注意)。
カメラ、レンズ、ストロボが防滴仕様ならこのくらい濡れても、このまま放置しなければ(タオルなどですぐ拭けば)大丈夫。(あくまで私の場合なので保証はできませんが。。)
10.結露に注意!
撮影が終わった後はカメラが冷え冷えなので、暖かい室内に入るとカメラは一気に結露します。
そのため、撮影後のカメラはいきなり暖かい部屋に入れるのでは無く、玄関など涼しい場所で段階的にカメラを暖かくしながら室内に入れる事ができるとベスト。
レンズが曇る程度の結露なら殆ど問題ないですが、この状態でレンズ交換はしてはいけません。レンズをはずすとミラーボックス内やセンサーまで結露してしまう恐れがあるからです。
結露が収まるまではレンズを外すのはやめましょう
ゆっくりなじませる時間が無い場合は、大きめのジップロックなど密閉できる袋にカメラを入れてから室内に入れると結露しにくいです。その時、レンズの乾燥剤も一緒に袋に入れてあげるとさらにGood。
防湿庫がある方は、冷たいカメラごと防湿庫に突っ込んでしまう荒技もあります。
レンズが曇るくらいの結露なら心配する事は無いですが、水滴が出てしまうくらいの結露は故障の原因になる事もあるので注意しておきましょう。
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まとめ:安全に気をつけて楽しく雪撮影をしよう
ということで雪の撮り方のポイントを10個まとめてみました。
最も簡単に雪を撮るのはストロボを使う事です。最近は安価な外付けストロボも増えてきましたし、もちろん雪の日以外にも活用できるものですので1つ持っていると急な雪の日でも対応できますね。
また、普段雪に慣れていない方は足下など身の回りの安全にも十分気をつけて撮影してください。大雪の際は自分が気をつけていても、滑ったクルマが歩道に突っ込んでくる恐れもあります。また、珍しいからといって車道や立ち入り禁止の場所に入るのは厳禁です。十分ご注意を!
冬はいつ雪が降っても良いように準備しておきましょう。