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写真コンテスト

【Final】studio9の写真コンテスト入選作品を発表するよ!(遅れてすみません)

投稿日: by 中原 一雄

予定よりも大幅に遅れての発表となり申し訳ございません!studio9の写真コンテスト、2017年7,9,10月の3ヶ月間にご応募頂いた作品の中でも特にステキなものを紹介致します。果たしてどの作品が最優秀に選ばれるでしょうか!
studio9の写真コンテストはこの発表をもって定期開催は一旦終了となります。いままでどうもありがとうございました!

2017年4-6月の優秀作品を発表します

本エントリーでは2017年7、9、10月にご応募いただいたテーマ(7月「緑」「浮」「上」、9月「陽」「影」「集」、10月「躍」「赤」「彩」)の作品の中から特にステキな作品を選出してをご紹介します!

なお、応募いただいた全作品は下記リンクからご参照していただけます。ここで紹介しきれなかった写真もたくさんありますのでぜひこちらも参考にしてみてください。

7月テーマ:「緑」「浮」「上」
studio9の写真コンテスト 2017年7月投稿作品
9月テーマ:「陽」「影」「集」
studio9の写真コンテスト 2017年9月投稿作品
10月テーマ:「躍」「赤」「彩」
studio9の写真コンテスト 2017年10月投稿作品

アルバム提供:30days Album

評価基準

studio9の写真コンテストでは写真だけでなく撮影時に工夫したポイントなど作品につけられたコメントも写真と同じくらい重視して評価しています。詳しくはこちらをどうぞ。

最優秀作品

白昼夢 / Mk.Vの作品

9月度テーマ:「陽」

studio9の写真コンテスト(2017年7-10月)

Nikon D800 / AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

105mm, F2.8, SS1/500, ISO400

RAW / LightroomCC,PhotoshopCC

工夫したポイント

通い慣れたフィールドのいつもは気にも留めない小道で、素敵な木漏れ日スポットを発見しました。

今年の夏はすっきりしない天気ばかり。なので、夏らしい一枚を撮ろうと思って撮りました。

中望遠レンズを絞り解放で使用し、柔らかな描写と周辺減光を狙っています。

現像ではホワイトバランスを若干寒色系にふり、夏の爽やかさの表現を目指しました。またモデルの脚を若干レタッチし、肌が綺麗に見えるよう意識しています。

最後に周辺減光をさら強調した上で、白枠をつけて没入感を強調してみました。

「ある夏の日に見た、夢か現実か定かでない白昼夢」

そんなイメージが伝われば嬉しいです。

Twitter(@MkV_jp)

studio9より

Mk.Vさんには写真コンテスト初期の頃からご参加いただいており、毎回素晴らしい完成度の作品を応募いただいていました。普通の”良い写真”から一歩抜けだし、自分の写真をどう見せたいか、どう見てもらいたいのかという狙いが強く感じられます。

モデルを被写体に夏らしい1枚を撮るために足下を狙うという着眼点がステキです。ただ、変わった視点でとったのではなく、足下という限られた情報の中に、僅かに浮いた踵や爽やかな柄のワンピース、強いハイライトなど場の状況を想像したくなるような要素がしっかり計算されているというところが素晴らしいです。

あえて白枠を付けているところにも、作品としての狙いが強く感じられており、全体として高い完成度になっていると感じます。毎回唸ってばかりですが、お見事であります。

Mk.Vさんには副賞としてAmazonギフト券3000円分をプレゼントします!

7月最優秀作品

銀河に照らされて / saijiさんの作品

テーマ:「上」

studio9の写真コンテスト(2017年7-10月)

E-M5MarkII / M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO / 12mm

F2.8, 20秒, ISO2000

Lightroom6

工夫したポイント

奈良県の曽爾高原に天の川を撮りに行った時の1枚です。初めて星景セルフポートレイトに挑戦しました。

天の川がちょうどよく写るようにカメラを設定し、天の川・山の稜線・ベンチがバランスよくなるよう構図を決定しました。

ここまではよかったのですが人物のライティングが難しかったです。まずカメラ付属の外付けストロボを使ってみましたが空気中のホコリがとても多くてハレーションがひどすぎて失敗。次にヘッドランプを地面に置いて照らしてみるとイイ感じに写ったので、位置を調整し人物が影にならないようにしました。たまたまですが白い上着を着ていたので人の輪郭が分かりやすかったです。

露出時間の20秒間動かないようにするのとシャッター切り終わったタイミングを計るのも地味に難しかったです。

LightRoomでRAW現像。ホワイトバランスで空の色を調整。白い服が白飛びしかけていたのでマイナス補正し諧調を再現。段階フィルターで空の部分をプラス補正し、明瞭度・コントラスト・彩度をいじり天の川をくっきりさせました。

初めての撮影の割には満足できる作品になったと思います。

studio9より

最近はカメラの高感度性能が非常に良くなってきたので条件さえ良ければ天の川を撮ることはさほど難しくなくなってきましたが(このようなハッキリした天の川を見られる環境を探すのは相変わらず大変ですが)、人物を絡めるとなると撮影の難易度はぐっと上がりますね。

コメントにもあるように真っ暗な闇から人物を浮かび上がらせるライティングがなかなか難しいですが、うまく人物に光を当てることが出来ていると思います。空の色とヘッドライトの色は釣り合わないことも多いので、Lightroomの段階フィルターなどで人物の色をもう少し空の色とバランスが取れるように調整するとさらに良かったかも知れません。

今年はなかなか満天の星空に巡り会えなかったので羨ましい限りです。

saijiさんには副賞としてAmazonギフト券1000円分をプレゼントします!

9月最優秀作品

雨の日も晴れの日も / みつまめさんの作品

テーマ:「集」

studio9の写真コンテスト(2017年7-10月)

NIKON D300

90mm, F5.6, 1/125, ISO200

Lightroom6

工夫したポイント

テーマパークの1エリアのコンセプトが傘でした。

この光景を見るため、撮影するために多くの人が「雨の日」も「晴れの日」も「昼」も「夜」も集まってきます。

みんなが下から見上げている感じを出すために少し斜めに撮影しました。

studio9より

これは上手い切り取り方だと思いました。これだけの傘が密集していることの非現実感を望遠で圧縮効果を効かせながら高密度に切り取ることができましたね。

恐らく頭上に傘がいっぱいに吊り下げられている状況なので、普通に撮ると横構図で撮りたくなるシーンかと思いますが、縦構図にすることで奥行きと凝縮感を感じやすくなっていますね。斜めに傾けたのも絵にに動きが出てきてよい選択だと思います。

勇気を持って一部を切り詰めたところが良い効果になっていると感じました。

みつまめさんには副賞としてAmazonギフト券1000円分をプレゼントします!

10月最優秀作品

通りゃんせ / AMEMANさんの作品

テーマ:「彩」

studio9の写真コンテスト(2017年7-10月)

F9, SS1/60, ISO200

Lightroom6

工夫したポイント

昨年の秋、とある山間の吊橋を撮影しました。

まだ紅葉には早く、緑が多かったため、色温度を極端すぎるほど上げ、自然な彩度、彩度も上げ、レッドやオレンジなどの色相などを調整して仕上げました。山間の寂しい吊橋の雰囲気を出せたかなと思います。

定例のフォトコンが今回で終了ということで、一抹の寂しさを感じています。まだ続けて欲しいなとは思いますが、やむを得ないですね。

ここのフォトコンではいろんなことを教えていただきました。まがりなりにも何とか写真が撮れるようになったのもこちらのおかげです。今回は感謝の意を込めて、出させていただきます。

Instagram:https://www.instagram.com/amemanda

studio9より

吊り橋を中心に左右のシンメトリーで撮影しつつ、輝度は下から上に向かって徐々に上がっていく構図のバランスがステキだと思いました。吊り橋の向こう側のハイライトが、橋のイメージと合わさって明るい未来を暗示しているようにも感じます。

色温度を極端に上げて葉の色を調整したとのことですが、全体的にバランスが取れていてそれほど違和感なく仕上がっているので良い演出と思いました。ややアンダーでコントラストもしっかり付けた仕上げがこの色と良くマッチしているのかなと思います。

AMEMANさんには副賞としてAmazonギフト券1000円分をプレゼントします!

テーマ別優秀作品

続いて各月のテーマ別優秀作品の発表です!月別の最優秀作品以外のテーマにおける優秀作品を紹介します。

紫陽花の葉の上に / kusinadaさんの作品

テーマ:「緑」

studio9の写真コンテスト(2017年7-10月)

OLYMPUS STYLUS1s

F2.8, SS1/250, ISO160

RAW/OLYMPUS Viewer 3, Adobe Photoshop CS 6

工夫したポイント

緑といえば大好きな被写体アマガエル。

紫陽花の葉の上に佇む姿をクローズアップレンズをつけて横から狙いました。

あえて紫陽花の花は入れず全体を緑で構成し、最小F値でアマガエル以外の部分をぼかし、明るさとコントラストを調整して、アマガエルが浮き上がるように仕上げました。

studio9より

7月の応募のお写真を拝見して、これを見たときにあ、kusinadaさんかな?と思いました(笑)何度かstudio9の写真コンテストにもアマガエルの作品を応募されていますが、私の記憶にも残っており、これはアマガエル愛によるものなのかなと思いました。

構図的にはシンプルなのですが、アマガエルが好きなんだなぁと感じる距離感というか、空気感を感じます。彩度を上げずぎず、ちょっと浅めのコントラストがカエルの抜けた表情ともマッチしていますね。余計なものを入れず、アマガエルだけというのもステキな割り切りだと思います。好きな被写体を持っている人は強いなぁと思います。

夏休み / wasabiさんの作品

テーマ:「上」

studio9の写真コンテスト(2017年7-10月)

Nikon D7200 / Tamron70-200 f2.8 (A001N)

70mm, F11, 1/500, ISO250

LightroomCC

工夫したポイント

最近なかなか撮影に出かけられなかったので昨年撮ったものから。。

この連日の猛暑、そんな暑い夏を連想させるようなものをチョイス。

青空と向日葵。これだけで子供だった頃の夏の思い出がたくさんよみがえって来ませんか?

現像で右下にあった別の向日葵の葉を消しすっきりさせました。

余計な要素を排除したことで向日葵と空がややアンバランスになったようにも思いましたが、この方が私が描く夏のイメージに近いように思いました。

基本調整ではコントラスト、明瞭度、自然な彩度を高めにし暑い夏を表現しました。

studio9より

審査が大幅に遅れてしまったため真冬になってしまいましたが(すみません。。)、写真はシンプルで少ない要素であるものの、夏の日差しを感じます。

コントラストを高めたことで強い日差しによる陰が強調されており、濃い青空と白い雲が夏らしさをかき立てます。確かに構図のセオリーから行けば、ヒマワリがちょっと左下に寄ってアンバランスな感じもしますが、下から見上げる子供の頃の記憶と絡めるならこのくらいシンプルでも良いかと思いました。恐らく、暑い夏に向日葵を見上げた記憶には現像時に消した右下の葉は残っていないのではないかと考えられるからです。

ティファナの路地裏 / わだのたけしさんの作品

テーマ:「陽」

studio9の写真コンテスト(2017年7-10月)

フィルム

工夫したポイント

海外旅行でメキシコに行き、メインストリートから一本入った少しローカルな道。

日本では使ったことがなかった父のフィルムカメラ。使い方もわからずとにかくATのみで撮影しまくる。なんとなく画になりそうと思い、シャッターを切った奇跡の一枚。

これ以来、写真が好きになりました。

studio9より

フィルムカメラで撮影した偶然の一枚とのことですが、偶然にしては良くできすぎているまさに奇跡の一枚かも知れません^^

屋根の透過部分と地面に差し込んだ光がうまくバランスが取れているシンメトリー構図であり、中央にアクセントのハイライト。表情は陰になって見えないけれどもどこか異国を感じさせる人物の明るいエッジ。逆光撮影の良いところが全部詰まったような作品です。

計算高く狙って撮るのも良いですが、こうして何気なく撮ったものの方がずっと良い写真になることもあるというのも写真の面白さのひとつですね。

月陽(つきあかり) / かっしーさんの作品

テーマ:「陽」

studio9の写真コンテスト(2017年7-10月)

Canon EOS 6D / EF17-40mm f/4L USM

17mm, F4.0, 10sec, ISO800

Digital Photo Professional 4

工夫したポイント

「パール富士を撮ろう」ということで職場のカメラサークルの仲間たちと一緒に撮影に行きました。

撮る際に、星と月、富士山とその裾野を一緒に入れて、自然の雄大さを感じられる一枚を目指しました。

月と雲が流れてしまわないシャッタースピードを探した後、出来るだけ星が写る露出になるようにISO感度を調整しながら撮影しました。

さすがに月の周辺は明るいため星が見えなくなってしまいましたが、広角で撮ることで出来るだけ月から離れた星を写すことができ、月と星を一枚に収めることができました。

現像で色温度を2500Kまで下げグリーンを足しました。空が優しい雰囲気の色になったかと思います。

studio9より

太陽と富士山を絡めるダイヤモンド富士と並んで人気がある、月と絡めたパール富士ですね。しっかりと狙い通り山頂に月が掛かったタイミングで撮影出来た良い作品だと思います。

裾野に1本ある立木のシルエットも良いアクセントになっていますし、2500Kまで下げて全体を青白く仕上げたのも月のイメージとマッチしているかと思います。

欲を言えば開放で撮影したことで月のまわりから出る光条がやや中途半端な形となっているため、F8程度まで絞って光条の形を安定させるとより印象的なパールになったのではと感じました。

のびる影 / yumikoさんの作品

テーマ:「影」

studio9の写真コンテスト(2017年7-10月)

canon EOS Kiss X5 / tokina 11-20mm

11mm, F8, 1/500, ISO100

Lightroom

工夫したポイント

海岸で遊ぶ子供たち。日が沈む少し前、影がびよーんと伸びてて可愛かったので、影も含めて撮影しました。
Ligteroomで少し色味を足し、影と夕景を強調してみました。

studio9より

海岸に並んでいるのは家族でしょうか。逆光により作られた人物のシルエットもそれぞれで面白いですが、そこから伸びた長い陰が身重差を増幅させており、人々の関係性を強めているような印象を感じました。

しっかりコントラストを付け、ホワイトバランスをマゼンタに寄せて作り出した独特な色合いの空のグラデーションも美しくてステキです。

Dolphin Jump / かっしーさんの作品

テーマ:「躍」

studio9の写真コンテスト(2017年7-10月)

Canon EOS 6D / Canon EF 17-40mm f/4 L

17mm, F4, 1/500, ISO6400

Lightroom CC

工夫したポイント

アクアパーク品川で行われた夜のイルカショーの一コマです。

肉眼では綺麗なのですがカメラにとっては暗く、また早いシャッタースピードも必要なため、思い切ってISOを6400まで上げています。しかしながら、高感度に強い6Dのおかげでノイズを抑えられたかと思います。

高角レンズで広く写した後、上部を切り取り台形のパースを付けることでイルカの高いジャンプを強調しました。

studio9より

イルカのショーは日中の屋外プールが多いのでそれほどシャッタースピードに苦労することはありませんが、新しくなったアクアパーク品川のイルカショーは暗い室内でライトアップもされるため、シャッタースピードと感度の関係に苦労しますよね。

イルカや水しぶきを止めるためには1/500秒は欲しい所なのでISO6400に上げた判断は良かったのではないでしょうか。ノイズを気にしてISO3200(1/250)、ISO1600(1/125)で撮影していたら結構ブレていて使えないカットになったかもしれません。ノイズは後である程度調整出来ますが、ブレは後で調整する事はできないですからね。

仕上げの色も月明かりで撮影したような幻想的な色合いが良くあっていると思いました。

朝飾り / ゴンゴンさんの作品

テーマ:「赤」

studio9の写真コンテスト(2017年7-10月)

EOS 7D / EF100-300mm F4.5-5.6 USM + Kenkoクローズアップレンズ No.5

100mm, F5.0 ,1/2000, ISO400

Photoshop camera raw

工夫したポイント

朝露をたっぷり蓄えた彼岸花を撮りに行きました。

朝日が反射して煌めく雫がとてもキレイで、その爽やかさが出るように現像しました。

studio9より

今年は夏から秋にかけて雨の日が多かったので彼岸花のシーズンに苦労した人も多かったのではないかと思います。こちらの作品は雨ではなく朝露ですが、彼岸花と水の相性もなかなか良いなと感じました。

中央の水滴の中を良く見てみると他の水滴が映り込んでいる様子も分かりますね。

前後の水滴による玉ボケのバランスも良く爽やかで彼岸花の新たな一面を見たような感じになりました。

曼珠沙華 / Mk.Vさんの作品

テーマ:「赤」

studio9の写真コンテスト(2017年7-10月)

Nikon D800 / AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

105mm, F3.0, SS1/1250, ISO200

RAW / LightroomCC, PhotoshopCC

工夫したポイント

今年も地元の河川敷が赤く染まり上がりました。

振り返れば3年前。通い慣れたフィールドで撮った曼珠沙華で、こちらで賞をいただけました。

当フォトコンテストの定期開催がひとまず終了と聞き、寂しく感じると共にもう一度この被写体で応募しようと思いました。

前回は一輪を大写しにしましたが、今回は少し引き気味で撮ろうと考えました。ただ、密集しているところではストーリー性が乏しくなりそうだったので、前回同様散発的に咲いているところを探しました。

今回目をつけたのは、この4本の組み合わせ。中心の一本はほぼ真っ盛りの状態ですが、残りの3本は見頃をすぎて枯れ始めています。

「夏が終わり秋が一気に駆け抜け始めた」

そんなドラマチックな季節の移ろいを表現しようと思いました。

・背景が暗いところに散発的に咲いている被写体を探す
・背景を単純化するために絞り開放
・風が強かったため高速SSを使用
・ローキー&彩度高めで撮影
・現像にてコントラスト及び彩度を更に上げる(HSLで赤を強調)
・周辺減光をかけて被写体を強調

3年前とコンセプトはほぼ同じですが、この手法は自分の引き出しの一つとなっており、敢えて自分らしい作風で最後の応募をさせていただきます。

instagram : https://www.instagram.com/mkv_jp/

studio9より

3年前の作品、今でも記憶に残っています。漆黒の闇に咲いた真っ赤な彼岸花が印象的でした。今回も類似の手法とはいえ、屋外で撮影したとは思えない完成度に仕上がっていると感じました。

コメントに書いてある通り、特に彼岸花のような群生している花を撮る場合は、「どう撮る」か以前に、「どれを撮るか」がいかに重要である事を再認識させてもらえます。

3年前は赤色が力強かったですが、今回の作品は輝度をやや抑えめに整えている点も作品コンセプトに良く合っていると思いました。

休息 / okituneさんの作品

テーマ:「赤」

studio9の写真コンテスト(2017年7-10月)

Nikon D5500 / AF-S DX Nikkor 55-300mm f/4.5-5.6G ED VR

100mm, F5.0, 1/200, ISO100

Capture NX-D / GIMP

工夫したポイント

赤毛の狐ですw

カメラを買って最初に撮りに行った時の1枚を現像してみました。ややローアングルでフェンス等を排除し、望遠レンズでボケを確保しています。

やわらかい雰囲気にするため、毛の質感を損ねない程度に明瞭度・輪郭強調を下げました。

また、周辺減光をつけてみるとやや硬い印象になったため、GIMPでその逆っぽいフィルターを作ってみました。

studio9より

なんとも癒やされる表情がステキです。狐は通常私たちの目線よりも低いところにいることが多いので、見上げるようなローアングルでの視点にも新鮮味を感じます。なんとなく、木の上で寝ているレッサーパンダのようなユルさ感じました。

背景の空が白く、狐の印象とも合わさって、なんとなく寒々しいシーンに感じますが、全体に柔らかくし、周辺を明るく仕上げることでホンワカさを感じる暖かみのある一枚になったのではないかと思います。

あたしキレイ? / ももこさんの作品

テーマ:「彩」

studio9の写真コンテスト(2017年7-10月)

Canon EOS 70D / EF-S55-250mm F4-5.6 IS

F5.6, 1/2000, ISO6400

Lightroom CC

工夫したポイント

オーストラリアに在住しています。家の裏庭にとってもカラフルなロリキートというこちらのインコが毎朝餌を食べにやってきます。

テーマが ”彩” ということでこちらのカラフルな鳥で応募させていただきました。

野鳥ですので動きがとても早いので連続撮影で撮影したところ、可愛く首をかしげてポーズをとっているような写真がありました。くちばしに餌がついていますが!

できるだけロリキートに近づいてズームで撮り背景をぼかすように撮影しました。日の出間近の時間帯でしたのでISOは半端ない数字ですのでLightroomで明るさとコントラストと明瞭度とノイズ除去を編集しました。

Instagram: @kaorigj

studio9より

動物園で撮影したと思いきやお庭で撮影されたとは、さすがオーストラリアですね。こんなカラフルな鳥が遊びに来てくれるなら毎日カメラを構えて待ってしまいそうです(笑)

表情も可愛らしい瞬間を撮影出来ましたね。これだけカラフルな鳥だと現像時に彩度をもっと上げてしまいがちですが、全体的に落ち着いたトーンで色も抑えめに出している点もステキだと思います。

右側のスペースが空いているため、左側の鳥がやや窮屈に感じてしまうため、右を詰めてさらに寄るか、逆にもう少し全体を写してみるとよりバランスが良くなったかも知れません。

今月の『惜しい!あとちょっと!』

*あくまで私の独断と偏見によるものでこれが絶対と言うわけではありません。参考程度にふーんと見ていただければ幸いです。

*ここに挙げた作品だけが入選の次点というわけではありません。解説するうえで撮影者や読者の方に分かりやすい作品を主に取上げていく予定です。

ではいってみましょう!

人間の考えることはわからん / あまんさんの作品

9月度テーマ:「陽」

studio9の写真コンテスト(2017年7-10月)

Canon EOS 70D

64mm, F5.0, 1/2000, ISO100

工夫したポイント

ずっと行きたかった竹富島にこの夏行きました。

熱中症になりそうな暑さで、たくさんの猫がお腹をだしてごろ寝していたなか、この猫は暑くてもビーチで遊ぶ私たちをぼんやり見ていました。

猫の目線の先に海が入るよう猫を右に寄せ、画角に海を大きく入れました。

逆光に撮れてしまった猫の部分が浮き出るよう補正しましたが、海が非常にきれいな場所でしたので、海はほぼ見た目通りの色を出すことが出来ました。

ここが『惜しい!あとちょっと!』

南の島ではしゃぐ人たちを感じさせるビーチパラソルと日陰でぼんやりとしている猫の冷静さとの対比がとても面白いと感じました。かなり輝度差があるシーンだったと思いますが猫の表情が分かるようにシャドウを調整している点も良かったと感じます。

惜しいと感じたのは背景の左にいる2人の人物が入っていたこと。ビーチパラソルと猫の対比だけであればこのシーンの面白さがストレートに伝わってきたと思いますが、水着ではない普通の人が映り込んでいることで、背景の南の島感が少し薄れているようにも感じます。

もし左に移動できるシーンであったのならあと一歩左に移動して左の人物を切れる構図を考えても良かったかも知れません。お写真お借りして強引にビーチパラソルを左に持ってきてみました。

studio9の写真コンテスト(2017年7-10月)

ここまで持ってくると、猫とビーチパラソルとの距離感が空きすぎてしまうためもう少し詰めたいところですが。。4:3のフォーマットに詰めてもまとまりが良かったかも知れません。

もしこの写真だけでまとめるのなら思い切って左側をトリミングしたこんな感じでも良いかもしれません。

studio9の写真コンテスト(2017年7-10月)

対比の狙いが非常に面白かっただけに、もう少し背景のバランスを考えてみると良かったのではないかと感じました。

 まとめ

以上、2017年7,9,10月の応募作品から特にステキなものを選出させていただきました。11月発表のところ、大晦日ギリギリの公開となってしまい申し訳ございませんでした。

常連の方も初めての方も、たくさんのご応募ありがとうございます!

ここに紹介できなかったステキな作品もたくさんありますのでぜひ下記のオリジナルアルバムにも足を運んでみて下さいね。

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7月テーマ:「緑」「浮」「上」
studio9の写真コンテスト 2017年7月投稿作品
9月テーマ:「陽」「影」「集」
studio9の写真コンテスト 2017年9月投稿作品
10月テーマ:「躍」「赤」「彩」
studio9の写真コンテスト 2017年10月投稿作品

アルバム提供:30days Album

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これにて定期開催は一旦終了となります

この1~2年なかなか他の仕事とのバランスをとるのが難しく、3ヶ月に1回開催にするなどいろいろ空諷してみましたが、作品をお預かりしながら発表をお待たせしてしまうことも多くなってしまったため、事前のアナウンス通り一旦ここでstudio9の写真コンテストの定期開催を終了させていただきます。

2014年の7月から応募いただいた作品数は1000枚をゆうに越える数で、皆さんの作品やコメントを見る度に、恐らく読者の方以上に私自身がいろいろ気付きを得られた貴重な場であったと思います。

毎月欠かさずご参加いただいた方も、気の向いたときに気軽にご参加いただいた方も本当にありがとうございました!

今後も一方的に情報を発信するだけでなく、なにか読者の方と双方向で関われるコンテンツがないかと考えながらstudio9を運営していこうと思いますので今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

(一応、定期開催が終了というだけですので、今後も不定期で写真コンテスト的な場は作って行きたいなと考えています!)

30days Albumについて

投稿用アルバムの30days AlbumはGMOペパボ株式会社が運営する写真共有サービスです。

友達とパスワード付きのアルバムが簡単にシェアできたり、写真のストレージ機能が無料で使えるサービスです。私もワークショップ後に参加者のみなさんと写真を共有したりするのに使っております^^


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この記事を書いた人
中原 一雄 / カメラマン・中の人
普段はカメラマンとして活動しながらstudio9(すたじお・きゅう)の管理、運営をしています。「写真をもっと、あなたのそばに」をテーマに、カメラに使われるのではなく、カメラと友達になる方法を広めるために活動中のフォトグラファー。 中原 一雄のプロフィールページ

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