カミナリを撮るのは意外とカンタン
今日の午後、晴れていた空が一気に暗くなって、遠くからゴロゴロ。。そのうち凄い勢いでカミナリが鳴り始めたので、ベランダから撮ってみました。
とりあえず、一瞬の稲妻を写し撮るということであればそれほど難しくありません。特別な機材を用意しなくても、お手持ちのカメラだけでもなんとかなります。
今回はカミナリの撮り方をサクッとご紹介してみます。
必ず準備するもの
1.Tv(S)かMモードが使えるカメラ
シャッター速度優先モード(TvまたはS)を使うのが簡単です(理由は後述)。普通の一眼レフやミラーレスならどれでも対応しています。
最近のスマホも専用のアプリを使えばTv(S)モードが使えるはず。
2.三脚
絶対という訳ではないですが、あった方が圧倒的に便利。なぜなら雷の撮影は長時間露光になるから。とりあえず撮れればOKというなら安い三脚でもOKです(長く使うなら1万円以上のものがおすすめですが)。
ベランダから撮影する場合は柵を越えられるある程度の高さの三脚があると安心ですね。
周りの景色はブレても、雷だけ写せればいいのなら無くても大丈夫です。
3.広角を撮れるレンズ
キットレンズで十分です。なるべく広い範囲を写せるレンズがベスト。望遠レンズで撮るのは難しいです。
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三脚を使うのがちょっと面倒ですが、それ以外は特別な機材は必要ありません。
出来ればあった方がいいもの
・NDフィルター
レンズに入る光を減少させるフィルターで、これを使えばシャッター速度を遅く(長く)できます。
昼間の雷を撮るならあるととても便利。これがあるだけで撮れる確率がかなり上がります。夜に狙うなら必要ありません(なくてもシャッター速度を長く出来る)。
昼間ならND16(シャッター速度が16倍になる)、少し暗くなってくる時間帯ならND8(シャッター速度が8倍になる)がおすすめ。雷以外にも様々なスローシャッター撮影に応用できるので持っていると何かと便利です。自分のレンズに合った径の物を選びましょう。
撮れる確率は下がりますが、無くても何とかなります。今回の写真の多くはNDフィルター使ってません。
高画質を求める場合にも有効
やや上級者向けですが、無理やりシャッター速度を長く設定するとF値が大きくなりすぎて小絞りボケという現象が起こり少し画質が低下します(スマホで見るくらいなら気にしなくても良いけど)。
NDフィルターを使えばF値を大きくしなくてもシャッター速度を稼げるので画質面でも有効です。冒頭のスカイツリーの写真はNDフィルターを使って撮影しました。
・レリーズ
カメラに装着して、シャッターを遠隔操作できるアイテム。これを使えば雷が鳴っている時間ずっと自動で撮影できるようになります。三脚を使うときはあると便利。
最近はレリーズがなくてもカメラ内で連続撮影(インターバル撮影)ができる機種も増えてきています。これも自分のカメラの端子形状に合ったものを選びましょう。
【ロワジャパン】Canon RS-60E3/PENTAX CS-205 対応 シャッター リモコン コード レリーズ【初心者向け/握...
雷の撮り方 簡単6ステップ!
基本的な考え方はシャッターを開けっ放しにしておいて待つこと
雷を撮るコツはシャッタースピードを長くすることです。
雷を撮るための最も基本的な考え方は、一瞬の稲妻に合わせてシャッターを切るのではなく、長時間シャッターを開けておいて、その間に雷が落ちるのを待つ ということです。
だから、カミナリを撮るときはシャッタースピードを長くすればするほど撮れる確率が高くなります!
0.雷が鳴っている場所に居合わせる
まずはカミナリが発生している所に居合わせることが大前提ですね。雷は局所的に発生することが多いので運の要素もあります。一番簡単なのは運に任せて雷が鳴り出したら準備を始めて窓やベランダから撮るという方法ですw
狙うなら天気予報とアプリを駆使しよう
狙って撮るなら天気予報で雷注意報をチェックしておきましょう。天気予報で「今日は大気の状態が不安定で○○地方では午後から雷雨や突風が吹くところが出てくるでしょう」みたいなことを言ってくれます。あとはWEBで雷レーダーなどの実況を確認しながら準備しましょう。
遠くで雷が鳴り出したなーと思ったら天気予報アプリの「レーダー」を見てみましょう。最近は大抵の天気予報アプリに雨雲レーダ機能が備わっているはず。赤や紫の激しい雨雲が近づいてきたらチャンス到来です。
結構古いスクショですが、こんな感じでリアルタイムに雨雲の動きが見えます(上とは別のアプリ)。
1.安全な撮影場所を確保する
運よく雷雲に居合わせたら、安全な撮影場所を確保します。建物や車の中、自宅のベランダなど雷が落ちてこない安全な場所で撮影します。ここはとても大事。
高いビルの屋上とか、広場の撮影は絶対に止めましょう。カメラは金属の塊です。死にます。
2.シャッタースピードを一番遅くする
Tv(S)モードでシャッタースピード(SS)を一番遅く(長く)します(ISO感度も一番小さく)。
できれば1秒以上が欲しいところ
夕方なら0.5~2秒くらいにはなると思います。NDフィルターを持ってるならSSをより長く出来るので有利です。例えばND8ならこの8倍のシャッタースピードに設定できます。
Tv(S)で注意するのは、シャッタースピードを長くしていくと、F値の値がピコピコしてこれ以上大きくならないポイントがあります。それがカメラの限界です。
それより長くシャッタースピードを設定してしまうと、写真が真っ白になってしまうので注意。よく分からない場合は日中なら1/2~2秒くらいにセットして結果を見ながら調整すればOK。
夜の場合はNDフィルターが無くてもシャッタースピードが長く出来ますね。夜だとマイナス1~2くらい露出補正した方がいいです。
3.できるだけ広角で撮る
カミナリはどこに落ちるか分かりません。だから出来るだけ広角で撮っておいて、運よく写ったらそこを中心にトリミングするのが確実に撮るためのコツ。極端な例ですが次の写真の様なイメージ
これを雷の部分だけトリミングして・・・
こうなりました!これならヤマカンで狙いを定めなくてもOKですね。
もちろんトリミングしすぎれば画質は低下するので、慣れてきたらある程度構図を絞って狙うのもありです。
4.ピントは一番遠くに設定してMFへ
ピントは遠くの建物や雲に合わせておきましょう。シャッター速度が大きな時はF値も大きくなっているのである程度適当なピントでもピンボケになりにくいです。
夜も遠くの街灯などに合わせておけばOKです。合わせたらそこから動かないようにMF(マニュアルフォーカス)モードに設定しておきます。星を撮るときの様にピントリングをテープで固定してしまってもいいです。
三脚を使う場合は手ぶれ補正もOFFにしておきます。
5.あとはひたすら撮る!
セットできたら後はひたすら撮りまくります。NDフィルタを持っていてシャッタースピードが10秒くらいにセットできれば、その間に光ればいいのでかなり確率が上がります。
NDフィルタが無く、0.5秒くらいのシャッタースピードしか稼げない場合は、ひたすら撮る枚数を増やして確率を上げます。ここが雷を撮れるかどうかの確率に効いてきます。
雷のタイミングに合わせなくてOK
上でも言ってますが、雷の撮影は落雷のタイミングに合わせてシャッターを切ってはいけません。人間の反射神経より雷の方が速いから。スローシャッターで闇雲に連写しまくり、雷が運良く映る戦法が最も確実です。
ただ、30分や1時間連写しまくるとデータ容量や後処理がとんでもない事になるのでシャッター速度を落とし、撮影枚数を少なくするのです。シャッター速度10秒なら30分の撮影でも180枚で済みますが、1/10秒なら18,000枚に膨れ上がります。。(10コマ/秒以上のカメラなら。連写が遅いと撮影と撮影のタイムラグに雷が落ちることもある)。
夏の雷は短時間に集中するのでシャッター速度0.5(1/2)秒くらいまで稼げれば数百枚連写すれば何とか写せるようになるはず。
レリーズやインターバル撮影を使おう
レリーズがある場合はカメラを連写モードにしておき、レリーズのシャッターボタンをロックしてしまえば永遠に連写してくれます(ニコンなどの一部機種は100枚で止まるものもある)。
最近のカメラだと、カメラ内でインターバル撮影ができるものもあります。この場合はメニューから設定すればレリーズなしで連続撮影することが可能。ただ、設定がちょっと分かりにくいもの多いので事前に練習していた方が良いです。
三脚がなくても雷はブレない
もし三脚がなく手持ちで1秒くらいのスローシャッターをしても雷はブレません(周りの風景はブレるかも)。なぜならカミナリは一瞬の光だから。周りの背景はブレてしまいますが、カミナリだけ撮りたいなら三脚を使わず、ひたすら手持ちで連射していてもカミナリを撮ることができます♪
今回撮れたのはこんな感じ。ベランダから三脚を使いました。特に現像などせず撮りっ放しだとこんな感じです。
無事に撮れましたね!
6.現像する
昼間の雷だとシャッタースピードを優先して、空が明るくなってしまうためRAW現像で調整するとさらに良いです。NDフィルタを使えるなら上記の写真よりも暗めに撮っておいたほうが雷がしっかり写るはず。
上記の3番目の雷をLightroomを使ってトリミング、明るさ、コントラスト、色温度の調整などRAW現像をしたのがこちら。
だいぶ稲妻の様子が分かるようになりましたね!
雷は一瞬なので写真で撮るには高い技術と運が必要だと思われる方がいるかもしれませんが、ポイントさえ抑えればかなり高い確率で写し止めることが出来ます。
もし、家にいるときに空がゴロゴロしてきたら、一度挑戦してみるといいですね!ただし、雷に打たれて亡くなる方が毎年出ているように、甘く見ると大変危険ですので、危険な場所での撮影は決してしないようご注意ください。
まとめ
ということで簡単な雷の撮影方法をまとめてみました。狙って撮影するのはそれなりに大変ですが、稲妻が映ればOKという程度ならゴロゴロと雷が鳴り始めてから準備して、お家から撮影することも十分可能です。
安全に気をつけて雷撮影を楽しんでみましょう!