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初日の出撮影の撮り方とポイント!今年こそキレイに撮るぞ!

更新日: by 中原 一雄

今年もあとわずかと言う事で、2015年最初の写真イベント、初日の出が迫ってきております。そこで今回は初日の出撮影のポイントをざっとおさらいしてみようと思います!
2014年初日の出

 

初日の出撮影の撮り方とポイント

初日の出の撮影方法については実は昨年末に詳しく書いたエントリーをアップしています。そこで今回は前回の記事を補足するような形でさらにいくつかのポイントをご紹介していきたいと思います。

初日の出の撮り方
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そんなわけで今回は、もう少し細かなポイントを押さえながら日の出撮影のポイントをご紹介していきたいと思います。

初日の出撮影は準備が大事!

初日の出撮影で一番大事なのは事前の準備。意外と軽視してしまいがちですが、これを怠ると大抵撮影に失敗します。。

準備のポイントとしては1.撮影場所の選定、2.完璧な防寒、3.機材の準備、この3つです。

1.撮影場所の選定

いくら早起きしても、西を向いていては太陽は見えません(笑)まずは、日の出がちゃんと見える場所を探しましょう。近所で毎年見れるポイントがあるならそこでも良いですが、これから探そう。。とするなら良く下調べをしておく事です。

アプリを使えば自宅で撮影ポイントを探せる

撮影場所は実際にロケハンをしてみるのが一番ですが、なかなか難しい事もありますよね。

スマホのアプリを使うのがオススメです。「日の出、日の入り」というアプリが無料で使いやすいと思います。日付を指定したらGoogleマップに日出の方角を示してくれます。iPhonne、Androidに対応。月の出月の入りも表示してくれるので入れておくと結構便利。

日の出、日の入りアプリで表示した2021年の初日の出。こんな感じで地図上の行きたい場所を指定すると方角がちゃんと分かる優れもの。広告は出るけど無料で使えるよ。

パソコンの方は日の出・日の入り時刻・方角マップ というサイトで地図上で日の出方向を確認できます。

有料アプリならサン・サーベイヤーが最強

日出の方角を調べるだけなら無料の「日の出、日の入り」で十分ですが、より具体的に調べるなら「サン・サーベイヤー(Sun Surveyor)」が最強だと思います。こちらは太陽、月それぞれの位置や満ち欠けについてGoogleマップやカメラと連動したAR表示、将来予測など何でも出来てしまいます。

ストリートビューと連動した表示を使うと街の中でも太陽が見えるかどうかの予測がある程度できます(完璧ではないと思うけど)。iOS版は1,220円と少々高価ですが普段から風景の写真撮る人なら払う価値は十分あるでしょう。Android版もあります。

例えば、皆既月食となる2018年1月31日夜のスカイツリー周辺の軌道を表示させたところ。地図上に表示させるだけでなく、ストリートビューを使って実際の風景に合成してシミュレーションできるところがすごい!

近所なら前日などに下見をしておくと太陽が出る正確な方角を知ることが出来ますね。

2.防寒はやり過ぎくらいがちょうど良い

初日の出は寒いです。カメラを三脚に据えて陽の昇らない0~5度くらいの場所で1時間ほどじっとしておかなければなりません。風が吹いたら都内でも体感温度は氷点下になりますので、防寒は万全に。

山を登って撮るなど、長時間歩いて汗をかく可能性があるならそれなりにレイヤーを意識して防寒する必要がありますが、通常、日の出の撮影中はあまり動かず汗もかかないので難しい事を考えずに、たくさん着込むのが正解です(笑)

基本はセーターなど暖かい空気を蓄えられるものを着つつ、アウターは風を通さないもの。これをベースにたくさん着込みましょう。カイロはお腹と腰に1枚ずつは必須です^^; ズボンも同じです。また、冷えは足下からくることが多いので靴下を2枚履きしたり、靴下用のカイロを貼るといいですね。

また、手先はカメラを操作する関係上、あまりゴツいのはつけられませんが、指先が出るタイプを用意するのがオススメ。

私はモンベルのネオプレンフィッシンググローブを愛用していますがあまり見かけません。。末端が冷えやすい方は、大きめのサイズを買って、薄手の手袋と2枚履きしたり、小さいカイロを手の甲に入れておくとかなり改善します。

とにかく、撮影中はものすごく寒いので、「防寒はやり過ぎくらいがちょうど良い」と覚えておきましょう。暑ければ脱ぐなり、アウターのファスナーを開けるだけで調整できますから。

3.機材:望遠レンズと寒さ対策

望遠レンズも持っていこう

日の出撮影はなぜか広角をイメージされる方が多いのですが、よほど開けた条件の良い場所じゃないと超広角~広角域は使いにくいかもしれません。広角で撮ると太陽は豆粒くらいでしか写らないので、周りに建物がある市街地周辺では使いにくいです。

好みもありますが、個人的には35mm換算で50~100mmの標準から望遠域がおすすめ。

35mm換算??というかたはコチラのエントリーをどうぞ!

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焦点距離による見え方

こちら今年(2014年)の近所の公園から撮った初日の出ですが、これで70mm(35mm換算)です。↓

2014年初日の出

 

広角で撮りたいならこのくらい開けた場所で撮る必要があります。こちら16mm。

モニュメントバレー日の出

バッテリーの消耗が激しい事を覚えておく

意外と落とし穴なのがバッテリー。電池は寒いと急激に消耗が激しくなるのでいつもより早く電池がなくなります。特にミラーレスユーザーは電池の消耗が早いので気をつけましょう。

最善は予備バッテリーを持っていく事ですが、もし1つしか持っていないなら必ず満タンに充電しつつ、使う直前までポケットなどに電池をいれて暖めておく事。これだけでも多少電池の持ちが良くなります。

現場には早めに、そして慌てずに

しっかり準備できたら、あとは天気が良くなる事を祈りながら家を出ます。が、なるべく余裕を持って家を出ましょう。

現場へは1時間前に

よく見えるポイントというのは大抵、近所の人が日の出めがけて大勢集まりますから、日の出30分前くらいだと既にめぼしい撮影ポイントは無くなっている可能性があります。

できれば1時間前には現場に到着して準備を始めたいところ。当然あたりは真っ暗なので、ヘッドライトなど明かりは必要です。最悪スマホのカメラに付いているライトで代用しましょう。

現場に着いたらまずは太陽の昇る方角を確認します。スマホの方なら事前に太陽の昇る方角を調べておき、現場でスマホに付いているコンパスで方角を調べたり、上記の『Sun Seeker』ならカメラをかざすだけでOKです(GPS、コンパスのキャリブレーションをするために、使用前にスマホを八の字を書くように大きく動かしてやると精度が良くなります)。

そこそこ人気のポイントなら良いポイントには大きな三脚を持った"ガチ勢"がいるとおもいますので、その近くで撮らせてもらうのも良いかも知れません。

ブルーアワーは必ず押さえたい

日の出撮影は太陽が出る瞬間ばかりが注目されますが、個人的には日の出前のブルーアワーの方が好きだったりします。だいたい日の出の1時間~45分前から、地平線あたりがオレンジ色に染まりつつ、でも上空は濃い藍色という大変美しい時間帯が訪れます。これをじっくり撮影するためにもやはり早めの現場到着がオススメです。

2014年初日の出ブルーアワー

こちら今年(2014年)の初日の出前のブルーアワー。この美しいそらのグラデーションを撮るために早起きしたといっても過言ではありません^^

太陽が出てきたらブラケット撮影がオススメ

太陽が出てくると、一気に強烈な逆光状態となるため、カメラの内部露出計では適正な露出が得づらくなってきます。撮影結果を見ながら露出補正を細かく調整して撮影しましょう。カメラの白飛び(クリッピング)警告をONにしておくと良いです。

画面内に太陽が入る限り必ず太陽の中心は白飛びするのでそこは仕方がありませんが、太陽の周りや、周囲の雲まで白飛びしてしまうと作品のディティールが大きく損なわれてしまうので、夢中になってシャッターを切るだけでなく、数枚ごとに撮影結果を確認するのがおすすめです。

不安な方はカメラの露出ブラケット機能を使って±1EVくらいで撮影をしておくと安心ですね。後でHDR用の素材にも使えます(HDR専用素材にするなら±2EVくらいがおすすめ)。

私も日の出のタイミングは基本、ブラケット撮影をします。

ホワイトバランスは暖色系と寒色系を使い分け

ホワイトバランスの基本は朝焼けを強調しやすい「くもり」や「日陰」といった暖色系です。ただ、あまりオレンジ色を強くしてしまうと、夕日なのか朝日なのか分からなくなってしまうので、注意しましょう。後で任意にホワイトバランスを調整できるRAWで撮っておくのがおすすめ。

2014年初日の出

↑オレンジ色にしすぎると朝だか夕方だか一枚ではわかりずらい。。

朝っぽい雰囲気を出したいなら寒色系のホワイトバランスを使ってみるのも良いかもしれません。個人的におすすめは「白色蛍光灯」。これだと、寒色系で青みが強く出つつ、マゼンタ(赤紫)が他に比べて少し強めに出るモードなので赤みもワリと残ります。

特にブルーアワーの終わりかけの時間帯はおすすめ。上記ブルーアワーの写真も白色蛍光灯で撮っています。

フレアが気になるならフィルターを外してみる

私は基本保護フィルターは付けっぱなしで撮影していますが、強い逆光状態ではレンズによっては画面全体がモヤッとする「フレア」という現象が起こってしまうかも知れません。

これはレンズ内で強い光が反射して起こってしまう現象なので、保護フィルターを外すとやや改善する可能性があります。ただ、根本的に解決するならフレアが起こりにくい高級なレンズを使う必要がありますが。。^^;

フレアも”レンズの味”として楽しむことも大事ですね。

余裕があったらタイムラプス動画を撮ってみよう

初めての方はあまり欲張らない方が良いと思いますが、技術的にも場所的にも余裕があるならタイムラプス(微速度)動画を作ってみるのもいいかも知れません。

ブルーアワーからの空の色の写り変わりなどたいへん美しい動画になります。

三脚にタイムラプス用のカメラをセットし、カメラ内蔵のインターバル撮影機能や、外付けのインターバルタイマーレリーズを付けて、5~10秒ごとに撮影すればOK。

親指AFじゃない人はAFを切ってMFにしておきましょう。そうしないと撮影中にピントがずれてしまいます。

親指AFって??という方はこちらをどうぞ!

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タイムラプス動画にするときはマニュアルにして露出固定して撮るのが一般的ですが、日の出のタイミングは露出変化が大きすぎるため絞り優先オート(Av、A)モードがおすすめ。

今年の初日の出撮影の横で撮ったタイムラプス動画はこちらです。

この動画を撮った手順はパーソナル記事の方にアップしていますので良かったら参考にしてみて下さい。(やや専門的なソフトを使ったりする内容なので初心者向けではないかも)

フリーソフトを使っても作成できます。日の出タイムラプスは露出が固定されてないためにどうしてもフリッカーが出てしまうのですが、こちらのサイトで紹介されているソフトだとフリッカー軽減機能も付いているので使えるかも知れませんね。

(参考)フリーソフトPanolapseを使ってタイムラプスを作成しよう!簡単でおすすめです!(hueblueblue.net)

スペース的に余裕があってカメラが2台あるなら一台はタイムラプス用に放置して、もう一台は隣で普通に写真撮影としておくとはかどります。ただし、非常に混み合っている場所などでは周りに迷惑を掛けないように空気を読みながら撮影をして下さいね。

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以上、初日の出撮影のポイントをまとめてみました。全体的な撮影の流れは昨年の記事、『【保存版】初日の出を上手に撮るための7つのポイントとコツ!』も参考にしてみてください。

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この記事を書いた人
中原 一雄 / カメラマン・中の人
普段はカメラマンとして活動しながらstudio9(すたじお・きゅう)の管理、運営をしています。「写真をもっと、あなたのそばに」をテーマに、カメラに使われるのではなく、カメラと友達になる方法を広めるために活動中のフォトグラファー。 中原 一雄のプロフィールページ

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