イルミネーション撮影の大原則はたった1つ!
11月に入って街はあっという間にクリスマスモード。そして、この時期盛り上がってくるのがイルミネーションですよね。
ただ、普通の駅前や商店街にある小規模なイルミネーションって、普通に撮るとイマイチカッコよく撮れません。目で見るとあんなにキラキラしていて綺麗だったのに、撮ってみるとなんだかショボーン。。ってなった方も多いはず。
そこで、今回は小規模なイルミネーションでも、それなりにゴーシャスに、煌びやかに見せるヒントを実例に添えてご紹介します!
上手に撮影するポントは「ボケ」
以前のエントリー、京都駅 大階段のLEDアートを上手に撮る方法 でもご紹介しましたが、カメラで普通に撮ってイルミネーションがショボく見えてしまうのがしょうがないことなのです。人間の目が都合よく解釈して”煌びやかに見せている”だけなんですね。
ですから、カメラで撮るときも忠実に撮るのではなく、”都合よく撮る”という事が大事です。つまり、上記エントリーでもあったように、イルミネーションを「ボカして」して都合良く撮ってあげることが大事なのです。
ボカせばゴーシャスになる!
イルミネーションを綺麗に撮る大原則はこれだけです。この大原則を踏まえて、下記に初級編と応用編に分け、実例と共に写真がどう変わるかご紹介していきます。
今回の写真もすべて手持ち撮影です。この程度であれば手持ちでも全然大丈夫ですね。
初級編:全体をボカして撮る
上記のLEDアートの撮り方でもご紹介した方法です。見えている風景すべてをボカす(ピンボケにする)ことで、一つ一つの光源が大きくなり、豪華に見えてきます。
前回もお見せしましたが、上の写真は設定は同じでピントだけズラしていったときの結果。1がピントが合っている状態ですが、そこから徐々にピントをズラしていくことで、LEDが明るく見えてきました!
この方法は全体をちょっとだけボカしてあげるというのがポイント。大きくボカしすぎるとわけ分からなくなるので。スマホのカメラは原理的に大きくボカすのが難しいのでこの撮影に向いているかも。
大きなイルミネーションに向いています
具体的な例を挙げてみましょう。例えば次の写真。すごくキレイなイルミネーションだったのに、撮ってみたらなんだか暗くて残念な感じです。。こういうのよくありますよね。
ここから少しだけボカす(ピントを外す)とこんな感じになります。
何ということでしょう!電球の一つ一つが小さな玉ボケになったのでキラキラのゴージャスな感じが出てきました。全体を僅かにピンぼけさせているので柔らかな感じにもなりましたね。
例えばこんな感じで1つの被写体に絞ってにボカすのも十分アリです!
でも、全体をボカしただけではイマイチと感じる方も多いですよね。そんな時は次の実践編へどうぞ!
ちなみに、写真のボカしかた(ピントの外し方)は簡単です。
1.まずはカメラをAvモードへ。
できるだけたくさんボケるように、F値を一番小さく設定しておきます。
ISO感度はオートでOK。F値を小さく設定する(光を取り入れやすい設定)ので、手持ちでも十分撮れます。オートがない方はISO800~1600くらいでチャレンジしてみましょう。
2.続いて、カメラをマニュアルフォーカスモード(MF)に設定。
MFにする方法はカメラによってまちまちなので、説明書を見てみましょう。キャノンのカメラならレンズのAF/MFスイッチを変えるだけ。(撮り終わったらAFに戻すことを忘れずに!)
3.そこから、レンズのピントリングを適当にぐりぐり回して(ピントを外す)撮るだけ。
回し具合によってボケ方も違うので数枚撮りながら好みのボケ方をするところまで回してみましょう。
簡単ですね!
実践編:2つの被写体を使って、ボケを作り出す
全体ボカし法が効果的な場面というのは実はあまり多くはありません。というのも、もともと暗い所はいくらボカしても、明るくならないから。全体をボカして有効なのは画面いっぱいに電球が入るような大規模なイルミネーションの時です。
2つの役割に分けて考えてみよう
では、小規模のイルミネーションの時はどうするか?この時おススメなのが、2つのイルミネーションを使って、ボケを意図的に作り出す方法です。
1つのイルミネーションにはピントを合わせておいて、もう一つのイルミネーションは”ボケ担当”にすることです。ピントをしっかり合わせてしまうとショボくなるイルミネーションを、もう一つの”ボケ担当”イルミネーションで引き立ててあげるのですね。
上記の元町商店街のイルミネーションだとこんな感じです。
手前のイルミネーションをボカして、奥のイルミネーションにピントを合わせます。ボケ部分をなるべく多く入れてあげることが重要です。これを意識して撮ったのがこちら。
ゴージャスになりました!
この方法は手の届く範囲に何かしらイルミネーションがある時によく使えるテクニックです。こんな感じとか。
よくある光のトンネル的な所から外に向かって写真を撮ってみました。
写真を意図的にボカす方法も実は簡単。以下の3つの手順を踏んでみましょう!
1.AvモードにしてF値を一番小さく
全体ボカしと同じですね。お手持ちのレンズで一番小さなF値に設定します。高価なレンズでなくても、入門用キットレンズで十分です!
ISO感度はオートでOK。F値を小さく設定する(光を取り入れやすい設定)ので、手持ちでも十分撮れます。オートがない方はISO800~1600くらいでチャレンジしてみましょう。
2.できるだけズームする
ズーム(望遠)にすればするほど写真は良くボケるようになります。被写体(ピント担当)が入るギリギリまでズームします。
3.ボケ担当に出来るだけ近づく
ボケ担当がレンズにぴったりくっつくくらいの気持ちで近づきましよう。近づけば近づくほどピントが合わなくなるので良くボケます。で、奥のピント担当にピントを合わせます。
もし奥に合いづらい時は、カメラの背面液晶をタッチしてもOK。最近のカメラが画面タッチすればピント合うものが多いので。(タッチしても合わないものもあるけども)
奥をぼかしてももちろんOK
奥をボカしたい時は奥がボケ担当、手前がピント担当ですよね。このときは、手前のピント担当にピントが合うギリギリまで近づきます。そうすれば、奥のボケ担当はしっかりボケてくれているばずです!
ただし、近づきすぎるとピントが合わなくなるのでギリギリを攻めるのが大事。
ボケの作り方についてもっと詳しく知りたい方は以下の記事も参考にどうぞ!
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イルミネーションのボケを装飾に使うと考えれば、地味に見えるイルミネーションも豪華に見えます。
以下、上と同じイルミネーションをさまざまな角度から撮った例を載せておきます^^ 街角のちょっとしたイルミネーションも工夫次第でキラキラ輝いて見せることができますね!
初めの方にあった道路の両脇の控えめイルミネーションがこんなに変わりました☆
作例:様々なボケ担当の使い方
手前のボケ担当越しに奥のピント担当を撮りました。イルミネーションは奥が透けて見えることが多いので、完全にボケ担当をかぶせてしまってもOKです。
塔の足元にある丸いオブジェ越しに、奥のイルミネーションを撮りました。真ん中にピントを合わせて、手前と奥にボケ担当を配置した、ダブルボケスタイルです(笑)
塔の根元から見上げる感じで。この場合は一本の中に、根本⇒ボケ担当、先端⇒ピント担当 と一人二役スタイル。
まとめ:イルミネーションはボカすとゴージャスになる
ということでイルミネーションの上手な撮り方についてまとめてみました。上級者なら構図をしっかり工夫して全体にピントを合わせながら上手く見せる事もできますが、手っ取り早いのはぼかすこと。
イルミネーションはボカせば簡単に明るくキラキラして撮れます。まずはこの方法にチャレンジしてみましょう。他にもソフトフィルターやクロスフィルターという特殊なフィルターでキラキラさせる方法もありますよ。
夜の撮影が寒い季節になってきましたが、寒さに負けずキラキライルミネーション撮影を楽しんでみてください♪