クラウドっぽくなってきたCreative Cloud
主にフォトグラファーの方が使いそうな新機能を紹介する本レビューですが、前回は手振れ補正機能と機能向上したアップサンプリング(拡大)についてご紹介しました。
フォトグラファーのためのAdobe Photoshop CC 最速レビュー![Creative Cloud] -その1-
特に手ぶれ補正機能はこれまで修復が難しかった機能なので、使いこなせるとかなり有用かな?と思います。
今日ご紹介するのは
・2つのPhotoshop CC同士の設定同期
・CameraRAW8のフィルター対応
の2つの機能です。
設定同期に関してはデスクトップとノート、職場と自宅など2つの環境で作業される方には喜ばれそうです。ようやくAdobe Creative Cloudがクラウドっぽく使えるようになりました!
CameraRAWのフィルター対応もかなり大きな改善点。これまでCameraRAWに慣れてきたフォトグラファーは歓喜しますw
それでは早速各機能を見てみましょう!
2つのPhotoshop CC同士の設定同期
個人的には待ちわびていた機能です。Adobe Creative Cloudファミリーのソフトは、1つの契約で2台のPCにインストールして使うことができます(3台以上はダメ。2人で使うのもNGです)。
例えば自宅のデスクトップPCと外で使うノートPCとか、職場と自宅のPCとか。これまでは、環境設定やアクションやブラシなどを同じ環境で使うには、イチイチ手動で設定するか、環境設定ファイルを書き出して移植。。というような面倒な作業が必要でした。
これがクラウド経由で設定同期出来るようになったのです。異なる環境で作業をされる方にとっては歓喜でしょう!
また、同期ではないですが、同じマシンでPhotoshop CS6 ⇒ CCへアップグレードするときも旧Photoshopからの設定を自動で引き継げるようになったのも嬉しいポイント(これまではできませんでしたよね?)。
Photoshopの導入、管理の手間がずいぶん省けました!
環境の同期はカンタンです。
1.2台のPCにPhotoshop CCをインストール
まずはPhotoshop CCのインストール。Adobe Creative Cloud からPhotoshop CCをインストールします。今回は自宅のデスクトップPCとモバイル用のノートPCにそれぞれインストールしました(いずれもWindows。Win ⇔ Mac間の同期も可能です)
それぞれのマシンでPhotoshopを起動するとこんな画面が出てきます(旧バージョンのPhotoshopを使用していた場合)。まずはお使いのマシン内で旧バージョンからPhotoshop CCへ環境を移行しましょう。これで、ブラシやアクションなど移行が面倒な設定が自動で引き継がれます☆(ワークスペースの設定は移行されませんでした。。)
2.メイン環境のPCの設定をクラウドへ
メイン環境PC(同期させたいPC)から、同期させたい設定を確認します。「編集>環境設定>環境を同期」から、同期させたい内容を確認します。当然ながら、この作業はインターネットに接続した環境が必要です。
同期できる設定は、環境設定、スウォッチ、カスタムシェイプ、ツールプリセット、アクション、スタイル、パターン、ブラシ、グラデーション、輪郭の計10個。それぞれ個別に同期する/しないを選択できます。
『競合の発生時』はサブPC(同期相手のPC)と設定が違ったときに警告を出すかどうか?という事なので基本は”常に確認”でいいでしょう。
何らかのトラブルでCreative Cloudをログアウトした状態だと設定ができません。そのときは、「ヘルプ>サインイン」からログインしなおします。
設定が終わったら、同期しましょう。「編集>(自分のAdobe ID)>今すぐ同期」をクリック。
しばらくすると、”今すぐ同期”の下に最後に同期した日時が表示されるはず。これで、メインPCの設定がクラウドに保存されました!
2.サブPCへ環境を移行する
メインPCから設定したい環境をクラウドへ保存できたらサブPCでそれを読み取ります。(チョッと前までは2台のPCにインストールしたソフトは同時起動NGでしたが、最近緩和されて同時に起動させて作業しても大丈夫になりました)
同じくサブPCから同期したい設定を確認して、「編集>(自分のAdobe ID)>今すぐ同期」をクリック。
すると、クラウド上の設定情報とローカル(サブPC内)の設定が違うよ!と警告が出るはずです。
今回は先ほどクラウドに保存した設定をサブPCへ移行したいので『Cloudで同期』を選択しましょう。『ローカルで同期』を行うと、現在のサブPCの設定がクラウドに上書き保存されるはずです(未検証)。
これで移行作業は終了。メインPCと同じ環境で作業出来るようになります☆
ただし、ローカルファイルを参照するような設定(アクションで”配置”コマンドを使うとか)は残念ながらファイルの同期はされませんので別途手動で移動が必要になります。
また、ワークスペースやショートカットの設定はそもそも同期できないため、こちらも手動で移行が必要ですね。
ともあれ、これまでよりも随分と作業環境を管理するのが楽チンになりました。この機能、是非ともLightroom 5 にも対応させて欲しいです。
CameraRAW8のフィルター対応
Photoshop CCから、ついにCameraRAWがフィルターとして使えるようになりました!
これまで(CS6)、CameraRAWによる調整は画像を開くときにしか適用できませんでした。適用後に色補正やゆがみ補正などをしたい場合はトーンカーブやPhotoshopのフィルターを駆使して調整する必要があったのです。
私はもうすっかりLightroom(中身はCameraRAWです)に慣れてしまったため、Photoshopでの作業中にもCameraRAWと同じ感じで調整できたらなぁーと思っていました。そっちのほうが、トーンカーブを使うよりも短時間で思い通りの仕上がりになるので。
待ちに待った機能といったところです☆しかも、ただのフィルターではなく、スマートフィルターに対応しています。スマートフィルターというのは、スマートオブジェクトに対して何度でも変更が出来る非破壊のフィルター。何度でも、いつでも、自分の納得いくまで調整をかけられます!
なにはともあれ実際の画面を見てみましょう。フィルターをかけるには 「フィルター>Camera RAW フィルター」です。「Shift +Ctrl + A」のショートカットが用意されているので覚えておきましょう。
適用するとおなじみのあの画面が出てきます。通常のCameraRAWと同じ調整項目が選択可能。(切り抜きや角度調整は別途Photoshopの切り抜きで指定します)
ただし、普通のレイヤー(スマートオブジェクトでない)に適用すると再編集できません。。
そこで、レイヤーを「フィルター>スマートフィルター用に変換」を適用します。レイヤーを右クリックして、スマートオブジェクトに変換してもOKです。
レイヤーのサムネイルが変化したら、スマートオブジェクトになっているということ。この状態でCameraRAWフィルターを適用すると。。
レイヤーの下にCameraRAWフィルターが見えましたね!ここをダブルクリックするか、右クリックで編集を選択するといつでも、何度でも画質の劣化を気にすることなく再編集ができます♪
マスクも調整できるので、段階フィルターや円形フィルターで対応しきれない複雑な形のフィルターを作ることもできます。
また、フィルターなので、同じレイヤーに2度掛けしたり、複数のレイヤーに対してそれぞれ適用させることもできます!(それぞれスマートレイヤーに変換しておく必要があります)
あまり実用的ではないですが、文字や図形に対してもCameraRAWを適用できます(笑)(図形は新しくなった角丸長方形ツールを使ってみました)
Photoshopでの詳細な写真の調整が格段にやりやすくなりましたね。「Shift +Ctrl + A」を押すのが習慣になりそうです☆
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ということで、2回にわけてフォトグラファー向けのAdobe Photoshop CC (Creative Cloud)の新機能をご紹介しました!
ホント、年々便利になっていきますねー!
個人的にはアマチュアで、これから本格的にデジタル現像をしようと考えている方にはLightroomをおススメしたいですが、そこからさらにステップアップしたいと言う方にはぜひ使ってもらいたいなぁと思います。
今までは8万円くらいかけて導入しなければいけなかったソフトが2200円/月~で使えるようになるので導入の敷居もグッと下がります(その代わり毎月払わないといけないですが。。)。
1ヶ月間、全ての機能を使える体験版も先日リリースされましたので、気になる方は一度使ってみるのもいいかもしれませんね^^
http://www.adobe.com/jp/downloads/ (CreativeCloud体験版ダウンロード)
また、便利な使い方など見つかったらご紹介しようと思います☆