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写真コンテスト

【1-3月】studio9の写真コンテスト入選作品を発表するよ

更新日: by 中原 一雄

大変お待たせしました!studio9の写真コンテスト、2017年1,2,3月の3ヶ月間にご応募頂いた作品の中でも特にステキなものを紹介致します。果たしてどの作品が最優秀に選ばれるでしょうか!
次回2017年5~6月ぶんの応募もお待ちしておりますよ!

2017年1-3月の優秀作品を発表します

本エントリーでは2017年1月~3月にご応募いただいたテーマ(1月「白」「透」「太」、2月「赤」「粒」「滞」、3月「桃」「柔」「霞」)の作品の中から特にステキな作品を選出してをご紹介します!

なお、応募いただいた全作品は下記リンクからご参照していただけます。ここで紹介しきれなかった写真もたくさんありますのでぜひこちらも参考にしてみてください。

1月テーマ:「白」「透」「太」
studio9の写真コンテスト 2017年1月投稿作品
2月テーマ:「赤」「粒」「滞」
studio9の写真コンテスト 2017年2月投稿作品
3月テーマ:「桃」「柔」「霞」
studio9の写真コンテスト 2017年3月投稿作品

アルバム提供:30days Album

次回 2017年7月発表ぶんも受付中です!

次回の写真コンテスト発表は2017年7月(4, 5, 6月応募)です。すでに4月分の応募は終了しましたが5月、6月のご応募は受付中です。みなさまのご参加お待ちしております!

5月のテーマは「青」「進」「漂」です!

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それでは1~3月の優秀作品を一挙にご紹介していきましょう!僭越ながら私からのコメントも簡単に付けさせていただいております。

*PCでご覧の方は作品をクリックすると大きなサイズで見ることが出来ます。

評価基準

studio9の写真コンテストでは写真だけでなく撮影時に工夫したポイントなど作品につけられたコメントも写真と同じくらい重視して評価しています。詳しくはこちらをどうぞ。

最優秀作品

ふんわり透明感 / komamenさんの作品

テーマ:「透」

studio9の写真コンテスト(2017年1-3月)

CANON EOS 70D / EF100mm f2.8L Macro IS USM

100mm, F2.8, 1/80, ISO800

工夫したポイント

多重露出(加算)を使って撮影。

一枚目はガーベラの花芯にピントを合わせて撮影。二枚目はあえて全体的にピントを外してふんわり・ぼんやりとした感じで撮影。一枚目の少しかっちりとした印象を、二枚目が和らげて「ふんわりとした透明感」のある感じになったと思います。

自然光で少し光が少ない環境だったので、ISO感度を800まで上げて対応。

多重露出を使わないで、露出補正と絞り開放のボケ感だけでは、こんな感じのやわらかさは私は出せませんでした。

instagram:http://www.instagram.com/komamenflorist/

studio9より

透き通る透明感とお花らしいふわりとした質感、優しい色合いすべてがバランス良くまとまったステキな作品です。ポイントはなんといっても多重露出を使ったことでしょうか。明るいレンズを使えば写真をボカすことは簡単ですがこのようなふんわりとした質感は作りにくいのです。

こういう場合、通常はソフトフィルターを使ったりするのですが、ソフトフィルターはわざとらしくぼんやりした写真になってしまうことも多いんですよね。ピントが来ている写真と全体をピンぼけさせた写真を重ねることで芯があるのだけどふんわりした質感になりました。「加算」のモードを使ったのも良いですね。加算は2枚の写真の明るさも重ね合わせるので1枚の時より全体が明るくになります。ハイキーに仕上げたことでお花のイメージとも良くマッチしました。

komamenさんには副賞としてAmazonギフト券3000円分をプレゼントします!

1月最優秀作品

一期一会 / wasabiさんの作品

テーマ:「白」

studio9の写真コンテスト(2017年1-3月)

Nikon D7200 / SIGMA17-50 f2.8

27mm, F16, 1/250, ISO100

LightroomCC

工夫したポイント

元日に四国へ初日の出を見に行った帰り道に出会った景色です。

車で走りながら、あっ撮りたいと思い急いで路肩に停めて撮りました。水墨画のような景色だなぁと思って撮ったのでそんなイメージにより近づけるように現像しました。

とりあえずモノクロにして見るとセンサーのゴミが目立つ目立つ・・・

スポット修正で目立つものは修正してあとは太陽の光条が目立ちすぎずかつはっきり見えるぐらいに、手前から奥にかけ薄墨になってゆく雰囲気をより出せるように、コントラスト、ハイライト、シャドウ、白レベル、黒レベル、明瞭度、かすみの除去、あれこれやってみましたがどれ位がちょうどいいのか判らなくなってしまいましたw

studio9より

太陽からの力強い光条と黒の濃度がそれぞれに違う重なるように続く山並みが印象的なステキなモノクロ写真です。コメントにもあるように手前から奥に向かって山並みの濃度が変わっていくのでとても奥行きを感じます。

また、うまく左右シンメトリーとなった構図もステキですね。太陽の光条はF16にしたことによるもの(F値が大きいほど良く出る。参考ページ)ですが、ここまで絞ると確かにイメージセンサーのゴミが目立ってきます^^; もちろん後で消すことも可能ですが絞って撮影することが多い場合は定期的にセンサーのクリーニングをしておきましょう。

wasabiさんには副賞としてAmazonギフト券1000円分をプレゼントします!

2月最優秀作品

portrait / ちかPhotoの作品

テーマ:「赤」

studio9の写真コンテスト(2017年1-3月)

NIKON D610 / SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD

15mm, F2.8, 1/1600, ISO100

ストロボ(AD360)使用

工夫したポイント

今回はつり橋での撮影を行いました。

揺れるつり橋の上でストロボを使っての撮影は、初めてでモデルさんもちょっと怖かったようです(T_T;)

こちらの写真の工夫したポイントは、TAMRON SP 15-30mm F2.8 Di VC USDの広角15mmで撮影しました。モデルさんの顔に目一杯寄ることによって、顔の表情に見ている人の視線を誘導できたかな?と思います。

また、広角レンズの特徴である歪みを利用して、体のラインや身長を大きく見せているところも工夫した点です。

撮影した時間が夕方で非常に明るい西日入ってきており、つり橋の杭の影が顔を隠したりして邪魔になっていたので、ストロボ(AD360)を使用して影を起こしています。

Twitter:@ChikaPhotograph

studio9より

超広角レンズによる強烈なパースが印象的なポートレートですね。超広角レンズを使うと手前から奥に向かって吸い込まれるようなパースペクティヴが得られるのですが(参考ページ)、副作用として手前の被写体が伸びてしまいます。ポートレート撮影で広角を使う場合、モデルの顔が歪んでしまうために端に置くのは御法度というのが一般的ではありますが、一本橋のようなパースを付ける事で生きるシーンなら積極的に使うのもアリだと思います。モデルさんの表情もこの場面に良くマッチしています。

日中の撮影でもストロボを使い光と影のコントロールをしたこともステキですね。

ちかPhotoさんには副賞としてAmazonギフト券1000円分をプレゼントします!

3月最優秀作品

和みのあかり / NAOKOさんの作品

月度テーマ:「柔」

studio9の写真コンテスト(2017年1-3月)

EOS 70D / EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM

29mm, F4, 1/30, ISO2500

工夫したポイント

熊本県山鹿市で2月の金曜土曜に開催される、地元民手作りのお祭り百華百彩を撮影しました。

三脚や一脚などの使用が禁止されている為、手持ちでの撮影で、かなり緊張して撮影したのですが建物の壁やガードレールに体を預けしっかりホールドすることで、何とか手ぶれや被写体ぶれを凌ぐことができました。

そうやってピントをキッチリ合わせた物と、わざとぼかして撮影した物をフォトショップで2枚合成した写真が応募作品となります。

実際に見る色とりどりの灯りは見る人を虜にするほど柔らかくて暖かいのですが、写真だとどうしても陰影の濃い妖艶な雰囲気だけが印象として伝わりがちだと思い、この手作りのお祭りの暖かさを表現したくて、敢えて2枚合成にしてみました。少しでも百華百彩に込められた、地元の人達の思いや温かさが伝われば嬉しいです。

Facebook

studio9より

カラフルで幻想的な玉ボケが散りばめられた印象的なシーンになりました。こちらの作品も多重露出によるもので、カメラ内ではなく撮影後にPhotoshopで多重化しています(単なるプロセスの違いなのでどっちが優れているという話ではありません)。カメラ内で合成を行う場合は設定できる項目が数個と限られますが、Photoshopならレイヤーモードがたくさん用意されていますし、不透明度のコントロールもできるのでより細かな調整が行えますね。

コメントにもあるようにイルミネーションなどこのようなシーンでは普通にピントを合わせて撮影すると見た目よりも貧相に映ってしまうことがよくあります。ここでわざとボカした1枚を重ねることでピントとボケの両方をいいとこどりしているわけですね。まさに百華百彩になりました。

NAOKOさんには副賞としてAmazonギフト券1000円分をプレゼントします!

テーマ別優秀作品

続いて各月のテーマ別優秀作品の発表です!月別の最優秀作品以外のテーマにおける優秀作品を紹介します。

シンボル / ゴンゴンさんの作品

1月度テーマ:「太」

studio9の写真コンテスト(2017年1-3月)

EOS 7D / TAMRON AF18-270mm F/3.5-6.3 Di II VC (B003)

218mm, F6.3, 1/800, ISO1600

撮影モード:絞り優先, 露出補正 :-1

PhotoshopCS5 camera raw

工夫したポイント

立派な角ということで、若干こじつけですがこのテーマにさせてもらいました。

紅葉を際立たせるため、赤、オレンジ、黄、をそれぞれ強めてあります。加えて、中心に被写体がいたので周辺減光を加えました。

ちなみに、右手前に写り込んでしまったメスは、このオスが追い回しまくっていたメスの内の一頭です。

studio9より

紅葉の色を強調するためにあえて牡鹿の姿をシルエットにしたのは面白い発想だと思います。角のない牝鹿をシルエットにしてしまうとなんだかわからなくなってしまいますが、たくましい角を持った牡鹿ならシルエットでも十分鹿であることがわかりますね。

少し惜しいのは角の間に背景の木の枝が入ってしまったことです。ちょうど角っぽい形をしており角が4本あるような面白いシーンでもありますが、鹿の存在感に着目すると枝に気を取られて角の力強さが弱くなってしまっているようにも感じます。

物思いに耽る豹 / ましろうさんの作品

2月度テーマ:「粒」

studio9の写真コンテスト(2017年1-3月)

EOS 8000D / EF 24-70mm F2.8

F2.8, 1/40, ISO800

工夫したポイント

天気が良かったので写真の練習がてらに行った動物園での写真です。

表情がよかったので顔を三分割法の交点に入れることを意識しつつ全身を写し画面右側に空間を作り想像力を掻き立てるような構図にしてみました。

しかし構図を考えることに夢中でおざなりになっていた露出がえらいことに・・・帰宅してからLightroomにて編集しなんとか形にすることができました。

大失敗した露出を下げることでとりあえず使える形にし、色温度を上げることで画面の色をなんとなく統一、
周辺減光を上げることで被写体である豹に目線を持っていけたらなと考えて現像しました。

studio9より

三分割構図の基本をキチンと抑えたヒョウになりました。動物やヒトに限らず大抵のモノには「向き」がありますから三分割構図で空いた2/3のスペースは「向き」方向に空けるのが基本です。今回も目線方向にゆったりとしたスペースがあるため、「何を見ているのかな?」という想像ができます。

暗いシーンで良く見ると手ブレを起こしているのと、撮影後に大幅な露出調整をしたことで全体的に甘い感じがしますが、今回に限って言えばヒョウのアンニュイな表情やシーンともマッチしている気がします^^; 手ブレ補正の付いていないレンズの場合は特に望遠端での使用時は手ブレしないように注意しましょう。

川面を埋めるサガリバナ / newtonlingさんの作品

月度テーマ:「滞」

studio9の写真コンテスト(2017年1-3月)

Canon EOS 60D / EF70-200mm f/2.8 L ISⅡ USM

200mm, F2.8, SS1/400, ISO400

撮影場所:沖縄県八重山郡竹富町 仲良川

工夫したポイント

沖縄では6月~7月の期間、早朝にしか咲かないサガリバナを見ることができます。特に、西表島の仲良川では、早朝に咲いたサガリバナが上流から流れてくる光景を見ることができます。しかし、その光景が見られるのは6時頃のため、4時に起きてカヤックを1時間程度漕ぐ必要があり、見るにはなかなか苦労します…

撮影当日は、ちょうど朝の時間帯が干潮だったため見られるかどうか途中まで心配でしたが、カヤックを漕ぎ進めて行くと、上流からちらほらサガリバナが流れてくるのが見え出し、気付けば川面がサガリバナで埋め尽くされていました。

撮影は自分でカヤックを漕ぎながらだったので、川の流れもあり良い撮影ポジションに着くことが一番苦労しました。なんとか川の真ん中にカヤックを移動させてて川の上流から流れてくる花を待ち構えるポジションで、一番手前ではなくて少し奥の花にピントを合わせて、上流側と下流側のサガリバナをボケをさせることができました。

studio9より

神秘的な光景ですね。こういった期間や場所が限られる自然現象はそれ自体が貴重なことに加えて、写真作品としてさらに魅力ある1枚にしている点がステキです。

200mmの望遠でこれだけの密度でお花が写ると言うことは本当にたくさんのお花が流れてきていたのでしょう。フワフワとしたお花とそれをボカした玉ボケの印象も良くマッチしています。ピントの位置も下1/3くらいで手前の適度な前ボケと奥に向かって大きくボケていくグラデーションがいいですね。私も一度この光景を目にしてみたいなと思いました。

春よ恋 / wasabiさんの作品

月度テーマ:「桃」

studio9の写真コンテスト(2017年1-3月)

Nikon D7200 / SIGMA17-50 f2.8

50mm, F2.8, 1/125, ISO125

Lightroom CC

工夫したポイント

今年は春が足踏みしているみたいですね。

テーマ「桃」のイメージはやはり春。去年撮った桜ですがテーマに合わせて現像してみました。

基本イメージはハイキーでやわらかく。桃色というより桜色というイメージに近くなるようにHSLの色相、彩度、輝度を試行錯誤してみました。

studio9より

今年の桜は特に関東では天候不順などでなかなか思うように撮れなかった。。という方も多かったのでは無いかと思います。この桜も難しい曇りの日に撮影されたのでは?と思いますが丁寧に仕上げていると感じました。

曇りの日(背景が白っぽいシーン)では桜の花と空の色が近くなってしまい、思うような桜の色を出すことが難しいのですが、こうして色の濃い木の幹を背景にすればしっかりとお花のイメージを表せますね。ホワイトバランスや色かぶり補正で花の色を補正しようとおもうと花以外の色まで影響を受けてしまいますが、LighroomのHSLなど特定の色を狙って補正する機能を使った事でうまく色も印象的に表せていると感じました。

朝の散歩。 / komamenさんの作品

テーマ:「霞」

studio9の写真コンテスト(2017年1-3月)

CANON EOS 70D / EF100mm f2.8L Macro IS USM

100mm, F5.6, 1/2500, ISO200

工夫したポイント

多重露出を使って撮影。

一枚目は、左半分にナズナの生えた斜面を撮影。二枚目はピントリングをMFにして、あえてピントを外して撮影。その際、右半分から左半分に向かって光が入り込むように光の強弱が有るところで撮影しました。

二枚を重ねることで、ふんわりとした霞がかった雰囲気が作れたかと思っています。

仕上げに少し露出を上げています。

instagram:http://www.instagram.com/komamenflorist/

studio9より

最優秀賞に選ばせていただいたkomamenさんの多重露出作品ですがこちらも大変よくできているなぁと思って選出させてもらいました。こちらは多重露出することで上手に太陽のフレア感を調整していますね。

レンズのフレアはレンズのクセのようなものでコントロールすることが非常に難しいですし、最近の高機能なレンズはそもそもフレアがほとんど出ない設計になっているためこういうシーンでも結構パキッと映ってしまいます。ピンボケ写真を使ってフレアの柔らかさを生かしつつ、奥には芯のある写真というバランスがとてもこのシーンとよくマッチしているなぁと思いました。

入選作品

川霧に包まれて / tana-fineさんの作品

1月度テーマ:「白」

studio9の写真コンテスト(2017年1-3月)

EOS 6D / EF 24-105 mm f/4L IS USM

F4.5, 20s, ISO4000, 撮影モード:マニュアル

Lightroom camera raw

工夫したポイント

星空の撮影をしていたところ、気温が下がり川霧が発生してきたので、川霧と星空を撮影しました。

川霧をただ白く写すより、何かあかりを入れた方が面白いと思い、大通りに向かって撮影をし、霧の中に信号や街の明かりを入れて撮影しました。

instagram: tana-fine

studio9より

川霧と街明かりを合わせたのが良いですね。街の様々な色の明かりが川霧に拡散してぼんやり、ふんわりと幻想的な情景を醸し出しています。

青くマゼンタに寄せた空の色も街明かりとよくマッチしていて素敵です。空と陸地のバランスも良いですが、右側に大きく見える雲の主張が大きいのが惜しいかなと思います。もう少し雲がよい位置に見えるシーンを粘ってもよかったかもしれません。

透ける羽 / kusinadaさんの作品

1月度テーマ:「透」

studio9の写真コンテスト(2017年1-3月)

OLYMPUS STYLUS1s

21mm, F2.8, SS1/160,ISO200

RAW/OLYMPUS Viewer 3, Adobe Photoshop CS 6

工夫したポイント

細い枝先に止まったトンボをクローズアップレンズをつけて撮りました。

羽の網目が目立つ様に背景の明るい部分がくるように撮り、photoshopでコントラストを調整し、明暗差を強調しました。

羽の透け具合と蜻蛉の立体感が表現できたと思います。

studio9より

トンボの緻密な羽の構造と透き通った感じがよく表現できていますね。センサーサイズが小さなカメラですが一眼レフ並みのしっかりとした解像感が得られています。

また、ここまでクローズアップして撮影すると一眼レフでは被写界深度が浅すぎて羽の一部にしかピントが合わないといった場合もありますが、センサーサイズの小さなカメラなら被写界深度も稼げるため羽の様子がよく分かるようになっているのだと思います。トンボの目線方向にきちんと空間がある構図もステキです。

太古の沼 / AMEMANさんの作品

1月度テーマ:「透」

studio9の写真コンテスト(2017年1-3月)

EOS 5D MarkIII / EF 24-70mm F4L IS USM

70mm, F13, SS1秒, ISO100,

Lightroom6

工夫したポイント

青森の深浦、白神山系にある十二湖の中の沸壺の池です。十二湖の中では、独特な青い色の青池が有名ですが、この沸壺の池も透明度が高く、池の中の枯木も見ることができてとても神秘的です。

撮影した日には、朝靄が出てさらに神秘的な雰囲気が漂っていました。

現像では、靄がかかっている中にも朝の透明感を出そうと明瞭度をやや上げ、くっきりとした印象にし、池の中にある枯木が分かるようにシャドウ部分も持ち上げてみました。

Instagram: https://www.instagram.com/amemanda
WEB: http://ame-photo.com/

studio9より

透明度の高い池に沈んだ倒木、鬱蒼と茂った新緑と朝霧が太古の1シーンを想像させます。水面への地上の現在の木々の映り込みと沈んだ過去の木々が重なるようなイメージも時の流れを感じます。

ただ、霧が少し薄いせいか全体的にクリアすぎる印象にもなりました。例えば周辺光量落ちを意図的に作ってみたり、少し彩度を落としてみたりするとより一層太古のイメージが出てくるのかなと思います。もう少し広いシーンも見てみたいなと感じました。

Under the sea / wasabiさんの作品

1月度テーマ:「太い」

studio9の写真コンテスト(2017年1-3月)

Nikon D7200 / SIGMA17-50 f2.8

17mm, F4.5, 1/1250, ISO100

LightroomCC

工夫したポイント

冬のある晴れた日、目の前の木を見上げると吸い込まれるような何か不思議な感じがしてシャッターを切りました。空を見上げてるのに水の中から見上げているような、そんな感じになればと思いながら現像しました。

水中のような深い青を出そうと色温度を少し下げ、力強さを強調するためコントラストは高めにし明瞭度も上げました。

studio9より

透き通るような快晴の青空に大胆に木を日の丸構図というのが木の力強さを一層強調しているように思います。枝だけの木をコントラストを上げてバキバキにしたのもいいですね。そして、タイトルを見てもう一度見てみると、確かに水の中に吸い込まれていくようなそんなイメージににもなり面白いです。

今回もたくさんの作品を応募して下さったwasabiさんですが、作品ごとに硬軟違った表情で仕上げていて見る側も楽しいです^^

平等院鳳凰堂の朱 / tommy-yuさんの作品

2月度テーマ:「赤」

studio9の写真コンテスト(2017年1-3月)

EOS 6D / EF 24-105mm F4L IS USM

24mm, F8, 1/400, ISO200

Lightroom 6

工夫したポイント

今回、初めて投稿させて頂きます。この写真は、京都の平等院鳳凰堂へ行った際、撮影したものです。

苦労した点は、平等院の「赤」を表現しようと、lightroomで現像したのですが、なかなか、イメージした「赤」が出せなかった事です。

試行錯誤した結果、ホワイトバランスや自然な彩度だけでなく、「HSL」で平等院の「赤」、空の「青」を強調してみました。lightroomの使い方の勉強になった作品です。

studio9より

冬期や陽が傾いてからのオレンジ色が強い太陽に照らされた朱色はコントロールするのが難しいですよね。ホワイトバランスでやろうとすると全体の色のバランスが崩れてしまったり、彩度を上げると飽和してしまったり...

そういうときにLightroomのHSLが活躍しますね。柱の部分などややのっぺりしてしまっているためもう少しマイルドに立体感を意識して調整されると良いかも知れません。レンズの色収差も端の方で盛大に発生しているためLightroomのレンズ補正を使って見ると良いかと思います。

彼岸 / ゴンゴンさんの作品

3月度テーマ:「柔」

studio9の写真コンテスト(2017年1-3月)

EOS 7D / SIGMA 18-50mm F2.8 EX DC

F2.8, 1/800, ISO400

CameraRAW

 

工夫したポイント

今頃になって現像した去年の彼岸花です。

日陰でとった柔らかめのイメージの彼岸花の写真でしたが、柔らかさは残しつつ重厚感を出すイメージでとことん弄り倒しました。

色もイメージ通りのものが出たように思います(我が家のモニターでは)。しかし投稿したら若干彩度が落ちたような気がします。

Twitter:@GxGx_photo

 

studio9より

 

闇の中に浮かび上がる妖艶な彼岸花になりましたね。柔らかい光で撮影した花はうまいこと現像すると生っぽい質感が出てきます。

投稿後に彩度が落ちてしまったように見えたのはAdobeRGBで書き出したためだと思います。studio9で使用している30daysAlbumなど殆どのサイトはオリジナルの画像に対して縮小したサムネイルが表示されるのですが、このサムネイルからは画像のICCプロファイルが削除されてしまうため普通のモニターではsRGBと認識され彩度が落ちてしまいます(広色域モニター使っていてプロファイル無しの画像は彩度が高くなる)。

WEBベースで多くの人に狙った色を見てもらいたい場合はsRGBでの出力がいいですね。studio9でいただいた作品を選出するときはオリジナルのプロファイルに準じた色で見えているのでご心配なく^^ こちらに表示されているものもオリジナルからsRGBに変換した色なので概ね正しい色に見えているかと思います。(サイトの仕様上、クリックした拡大画像でないとプロファイルつきの画像が見えないので広色域モニター使っている人は彩度が高く見えているかと思います。ブラウザによりますが。。

桜と思い出 / blue_mangoさんの作品

3月度テーマ:「桃」

studio9の写真コンテスト(2017年1-3月)

α7 II / FE 24-70mm F4 ZA OSS

54mm, F4, 1/250, ISO100

RAW, Lightroom CC 2015

工夫したポイント

松田山の河津桜の中をくぐる滑り台とそこで遊ぶ子供達です。

桜の雰囲気を柔らかくするため、ソフトフィルターを利用しています。また広がりをもたせる構図になるように気をつけました。

撮影場所:神奈川

instagram:blue_mango_jp

studio9より

滑り台、桜だけでなく遠くの街並みも入ったことで奥行き感や広がりが出てきました。欲を言うなら桜が対角線上に斜めに入っているのに対し、滑り台が画面に水平に入っているのですが、滑り台も画面右下に斜めに入るような構図になるとよりバランスの良い1枚になったかと思います。

今回は「やわらか、ぼんやり」といったイメージを作るために多重露光や霧など様々方法が出てきましたが、ソフトフィルターを使うというのもアリですね。ノスタルジーを感じさせるようなシーンにはよくマッチしているかと思います。

「やわらか、ぼんやり」が好きな人にとっては今回の入選作品の撮り方はいろいろ参考になる点が多いかと思います^^

今月の『惜しい!あとちょっと!』

*あくまで私の独断と偏見によるものでこれが絶対と言うわけではありません。参考程度にふーんと見ていただければ幸いです。

*ここに挙げた作品だけが入選の次点というわけではありません。解説するうえで撮影者や読者の方に分かりやすい作品を主に取上げていく予定です。

ではいってみましょう!

不思議の国の入り口 / mochiさんの作品

3月度テーマ:「霧」

studio9の写真コンテスト(2017年1-3月)

EOS70D / EF-S 18-135mm F3.5-5.6 IS STM

35mm, F8, 1/250, ISO100,

 

工夫したポイント

ひまわりを撮りに遠征したのですが高原には深い霧が立ち込めていました。

夏の日差しに輝くひまわりをどうやって撮るかをイメージして行ったのでがっかりしましたが、これはコレで悪くないなと思い直して撮影しました。

遠近感を出すために左端に巨木を入れて、右奥に遠くの木々を配置しました。

彩度を上げてひまわりの印象を増してシアンを強めて幻想的な雰囲気を強調しました。

ここが『惜しい!あとちょっと!』

太陽のイメージがあるヒマワリを深い霧と対比させたシーンはとても印象的で狙い通りかと思います。寒色系にまとめたのもヒマワリとは逆のイメージでこのシーンによくマッチしていますね。

ちょっと惜しいなと感じたのは霧に気を取られたためか、空の部分が広すぎて全体のバランスが崩れてしまっていることです。霧に包まれた空の部分は情報量がとても小さいのに対し、下部のヒマワリは情報量の多い部分です。もう少しヒマワリの部分を多くして、空を少なくするとバランスが良いはずです。地平線を3分割構図の下1/3近辺にしてみたのがこちら。

studio9の写真コンテスト(2017年1-3月)

少し目線を変えただけですが、こうすることでバランスが良くなったかと思います。

さらにヒマワリを強調したければ16:9くらいにトリミングしてみると良いかと思います。

studio9の写真コンテスト(2017年1-3月)

このくらい空を削っても十分濃霧の状況が伝わってくるはずです。

 

Dreamin' / ake*さんの作品

テーマ:「霧」

studio9の写真コンテスト(2017年1-3月)

K-3 II / smc PENTAX-DA★ 50-135mmF2.8ED[IF] SDM

55mm, F3.5, 1/25, ISO800

Lightroom6

 

工夫したポイント

夕焼けを期待して撮影に行ったものの、どんどん雲が暑くなり、夕焼けの気配は全くなし。でもそれほど暗くなく、水面には空が映り込んでなんだか幻想的に見えたので、出来るだけシンプルに切り取ってみました。

現像ではハイライトと明瞭度を下げ、更にふんわりとした雰囲気を目指してみました。

 

ここが『惜しい!あとちょっと!』

曇りの日の夕暮れが終わる一瞬は、目をこらすとうっすらと空のオレンジ色が見える幻想的なシーンです。夕焼けのように激しくはないけれどゆっくりと夜がやってくるような感じがしますよね。この作品もそんな静かに夜がやってくるシーンを水面の映り込みを通してよく表しているかと思います。

ちょっと惜しいなと思ったのは水平線の位置。セオリー通りなら3分割構図をイメージして1/3のラインに持ってくる所ですが、鏡のような水面、静かなイメージとマッチするのは水平線をど真ん中に持ってきたシンメトリー構図かと思います。

ちょっとお写真を調整して中心に持ってきたのがこちら。

studio9の写真コンテスト(2017年1-3月)

僅かに目線をずらしただけですが、より静かで映り込みが強調されました。

さらに16:9で横長にトリミングしてみるとこんな感じです。

studio9の写真コンテスト(2017年1-3月)

中心の映り込みを強調したいなら16:9、うっすら残る空の印象を出したいなら2:3あたりのアスペクト比が良い気がします。

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ということで今回のあとちょっとは2作品とも写真の横のラインがとても重要な作品でした。横のライン、結構大事なのです^^

 

 まとめと次回のご案内

以上、2017年1、2、3月の応募作品から特にステキなものを選出させていただきました。常連の方も初めての方も、たくさんのご応募ありがとうございました!

ここに紹介できなかったステキな作品もたくさんありますのでぜひ下記のオリジナルアルバムにも足を運んでみて下さいね。

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1月テーマ:「白」「透」「太」
studio9の写真コンテスト 2017年1月投稿作品
2月テーマ:「赤」「粒」「滞」
studio9の写真コンテスト 2017年2月投稿作品
3月テーマ:「桃」「柔」「霞」
studio9の写真コンテスト 2017年3月投稿作品

アルバム提供:30days Album

毎月ご応募頂いている方も、初めての方もご応募心よりお待ちしております!

**ご注意**

studio9の写真コンテストの必須項目は、「お名前(ハンドルネーム可)」「テーマ」「作品タイトル」「工夫した点」の4つです。どれか一つでも抜けているとせっかく良い作品でも審査対象外となってしまいますのでご注意下さい。

受賞者の方へ

副賞付き受賞者で連絡先が不明な方へは応募アルバムのコメント欄にメッセージを残しております。お手数ですがご確認頂きますようお願い致します。

5月ぶんのご応募受付中!

次回の写真コンテストは2017年4、5、6月の応募分を2017年7月に発表いたします。

すでに4月ぶんの応募は締め切っておりますが、5月の応募は絶賛受付中です!

5月のテーマは「青」「進」「漂」です!

次回5月のテーマは「青」「進」「漂」。

たくさんのご応募お待ちしております!

詳しくは下記の写真コンテスト応募ページをご覧下さい。

写真コンテストの詳細、応募はこちら!

コンテストタイトル
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30days Albumについて

投稿用アルバムの30days AlbumはGMOペパボ株式会社が運営する写真共有サービスです。

友達とパスワード付きのアルバムが簡単にシェアできたり、写真のストレージ機能が無料で使えるサービスです。私もワークショップ後に参加者のみなさんと写真を共有したりするのに使っております^^


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【3/23発売】カメラの入門書、写真のことが全部わかる本が完全版になりました!

私が執筆した「写真のことが全部わかる本」が大きなパワーアップをして完全版となりました!ミラーレスに完全対応させたほか、RAW現像のボリュームを大幅増強。3/23発売なのでぜひお手に取ってみてください カメラの気持ちに寄り添う本 2018年に執筆した「写真のことが全部わかる本」がこの度、最新の内容に改訂され、新たな内容も追加されて「写真のことが全部わかる本 完全版」として発売されることになりました! 写真のことが全部わかる本 完全版 (上達やくそくBOOK)中原一雄1,980円(03/29 15:24時点) ...

2 Enduranceed ビジネスリュック

大容量なのにスマートなEnduranceed ビジネスリュックを作ったよ!カメラバッグの経験を活かした超高機能バッグ

Enduranceでこれまで培ってきたカメラバッグの知見をふんだんに取り入れたビジネスバッグ、Enduranceed ビジネスリュックを作りました!ガジェット類、パソコン、書類、小物類など通勤、通学に必要なものを効率的に収納でき、取り出しやすくて分けやすい、そんなコンセプトのオシャレで高機能なバッグです。 大容量なのにスマートなバッグを作りました! バッグの中でもとりわけ高機能で多くのギミックを搭載しているのがカメラバッグの世界です。私が監修しているEnduranceカメラバッグシリーズでも、小物が多く、 ...

3 Endurance 比較

プロカメラマン監修のカメラバッグ”Endurance”全製品の特徴や選び方を開発者が紹介するよ!!

カメラバッグ沼に陥っていた私が、「ぼくのかんがえたさいきょうのカメラバッグ」として作ったのがEndurance カメラバッグシリーズです。現在販売しているバッグやアクセサリ全種類の特徴とおすすめの選び方を開発者である私がご紹介してみます! 自分の理想とするカメラバッグがいくら探してもない。。とカメラバッグ沼に陥っていた私が、「ぼくのかんがえたさいきょうのカメラバッグ」として作ったのがEndurance カメラバッグシリーズです。 一番はじめに出た「Endurance カメラバッグ」では他の人が使う事なんて ...

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【2022年】カメラマンが教える、快適な写真編集向けパソコン環境とは?![Lightroom, Photoshop]

デジタル写真を高いレベルで扱うにはそれなりに高機能なスペックのパソコンが必要です。この「それなり」というのが意外と難しいところ。写真を快適に扱うために適したパソコンのスペックって何??という方向けに、オススメのPCスペックとデータを安全に運用するための方法についてまとめました。結構長めです。 写真編集に快適なパソコンを選びたい デジタル写真の完成度はカメラの撮影で5割、後の編集で5割くらいの比率で重要だと思っている私です。そんなに編集しないよという人でも大量の写真を管理するならパソコンは必要です。でも、現 ...

-写真コンテスト

この記事を書いた人
中原 一雄 / カメラマン・中の人
普段はカメラマンとして活動しながらstudio9(すたじお・きゅう)の管理、運営をしています。「写真をもっと、あなたのそばに」をテーマに、カメラに使われるのではなく、カメラと友達になる方法を広めるために活動中のフォトグラファー。 中原 一雄のプロフィールページ

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