PERGEARの激安レンズは使えるのか?
最近ちょこちょこ目にするPERGEARというレンズブランド。MFレンズを中心にAmazonでめちゃくちゃ安い価格で人気があるようです。ちょうどブラックフライデーセールで安くなっているのを見かけたので35mm F1.6を試しに買ってみました。
なんとこのレンズ、6,986円で買いました。果たして使えるのでしょうか。。
まだ短期間使っただけですが速報的にインプレッションをご紹介していきます。ちなみに12/1まで10~20%オフのクーポン付きセールが開催されてます。
PERGEAR 35mm F1.6 とは
まずはPERGEAR 35mm F1.6の外観から。Amazonで昼頃ポチったら翌日の朝には届きました。中華製品によくある、謎に厳重にテープ貼られたプチプチに入った状態で届きました。ちなみにこのレンズのイメージサークルはAPS-C用ですがフルサイズのα7シリーズでも使えます(後述)。35mm判換算で約50mmなのでスナップに最適。
ソニーEマウントの他に、ニコンZ、富士フイルムX、マイクロフォーサーズ用のラインナップもあります。
箱はわりとちゃんとしている感じ(どこかZEISSっぽいw)。おまけでメタルのレンズフードも付いてました。結構カッコいいと思う。
箱の中には紫のレンズポーチも。紫の使いどころは難しいかもですが、キヤノンとかのレンズポーチよりも実用的な気がする。フックも付いてるけどレンズ入れてフックでぶら下げて使うほどの勇気は無いです。。
セールの10%オフでめちゃくちゃ安かった(6,986円)ので事前情報全く調べずにポチったのですが、なんとオール金属製。質感は確実にお値段以上。ずっしりとした金属とガラスの質感があります。Eマウント用は195g、4群6枚のレンズでマルチコートもされているようです。フィルター径は43mm。
マウント面も金属でしっかりしていますが、私の個体はα7R IVに付けたところ若干緩い感じ(ガタつくほどではない)。めちゃくちゃ高精度というわけではなさそうです。
そしてこのレンズ、10枚絞り。偶数枚絞り好きな私としてはとても嬉しいポイント。
当然このお値段なのでAFは付いていません。ピントも絞りもどちらもマニュアル。電子接点も付いていないので撮影画像にレンズ名やF値のEXIF情報も付与されません(シャッター速度や撮影日などカメラ側で取得できるものは付くよ)。
ピントリングや絞りリングは結構ねっとりした動きで良い感じ。ガタつきなどもありません。絞りリングは無段階調整。
α7R IVに取り付けると散歩レンズとしては最高なバランスでしょう。α6000シリーズでも問題ないバランスだと思います。
上手く使うコツと作例
届いてすぐこの記事を書いているので大して使っていませんが、ちょっと近所を散歩して撮影してみたのでいくつか作例を交えて紹介してみます。
MFレンズだけど絞り優先的に使うとラクチン
まずはこのレンズ、ピントも絞りもすべてマニュアルのレンズなのですが、撮影する時はMモードで撮る必要はありません。レンズのF値情報がカメラで認識されないだけなので、Aモード(絞り優先)でも使えます。AかPモードで使えばシャッター速度はカメラ側で自動で決めてくれるし、露出補正も使えます。ISOもオートにしてしまってOK。
シャッター速度を固定したいならSかMモードにして、ISOをオートにすればマニュアル撮影せずに済むので初心者でも全然使えます。
F値を変えるときはレンズの絞りリングを回せばOK(カメラには表示されないので始めは慣れが必要かも)。
フルサイズ機で使うときはクロップで
PERGEAR 35mm F1.6はAPS-C(またはマクロフォーサーズ)用のレンズなので、フルサイズのカメラに使うと四隅ががっつりケラれます。
ただ、α7やα9シリーズならAPS-Cクロップ(x1.5クロップ)モードに設定する事でAPS-C機と同じように使えます。画素数はある程度落ちますが、このレンズ自体が画素数求められるレンズでもないですしね。ボディ内手ブレ補正が付いている機種なら手ブレ補正も使えます。
2,400万画素のα7 IIIでクロップすると約1,000万画素、α7R IVなら2,600万画素残ります。十分です。
意外と素直な写りをするレンズ
めちゃくちゃ安いのでどんなクセ玉かよと思ったのですが、意外と素直な写りをします。ちゃんと色も乗るし。開放はモヤッとするけど絞れば現代の普通のレンズ並みに解像します。コントラストもシャキシャキではないけど思ったより高め。程よいです。
ここに挙げてる作例はすべてα7R IVのクロップモードで撮影して、Lightroomで未現像のまま書き出したやつです。ホワイトバランスもオート。特に明記がない限り開放F1.6での作例です。おまけのメタルフードは付け忘れました。。
パソコンで見てる人は写真クリックすると1600pxの大きな画像を見られます。
周辺光量落ちはそこそこあるけど落ち方はキレイなので晴れた日は積極的に空を撮りたくなる
もっとヨワヨワなコントラストになるのかなと思っていましたが、特に順光で撮る場合は結構コントラストも高めですね。
ボケがキレイ!
開放F1.6なのでボケはたっぷり楽しめます。10枚絞りなのもあってとてもキレイ。フワッとしてます(語彙力
ある程度収差の残っているレンズなのでボケは滑らかで良い感じです。
解像するのはF2.8~4くらい
開放だとピント面も結構甘めの写りをしますが、F2.8くらいまで絞ると中央部はかなり解像します。(周辺はそこそこ)
上の画像の中央部分を抜き出してくるとこんな感じ。F2.8なら十分解像度でも戦えます。ちょっと色収差は残ってるのでLightroom使ってるなら色収差補正をポチッとしておきましょう。
フレア遊びが楽しい
このレンズ、一応マルチコートがされていてフレアの抑制が図られているようですが、現代のレンズに比べれば圧倒的にフレアが出ます。特に逆光ではフレアは不可避です。
特に室内で逆光の状況が重なるとかなりコントラストの低い画像が出てきます。このへんはレンズの味として見てあげないとこのレンズを使うのは辛いかも。
同じ状況を俯瞰気味で撮影するとこんな感じでちゃんとコントラストがつきます。結構寄って撮れるでしょ。
いろんなフレア、ゴーストを探そう
角度によってフレアの出方が変わってくるのでファインダーでフレア、ゴーストの出方を工夫しながら撮影するのも面白いですね。
まとめ:これで6,000円台なら文句ないでしょう
ということでPERGEARの激安35mmF1.6をざっくりレビューしてみました。
なんの事前調査もしてなかったのでプラスチックのスカスカレンズが届くことも覚悟してたのですが、しっかりとしたレンズで想像以上。MF、電子接点なし、フレアたっぷりと欠点を挙げれば色々ありますが、通常価格でも7,000円台、セールになると6,000円台のレンズとしては十分合格点じゃないかと思います。撮影が楽しいです。
オールドレンズ遊びをするのはハードルが高いなと思っている人でもこれならAmazonでポチッとするだけなのですぐにはじめられそう。楽しい散歩の相棒になるんじゃ無いかと思います。
PERGEARの激安MFレンズは他にも18mmや25mm、魚眼など色々種類があるようなので他の焦点距離が気になる人はチェックしてみましょう。