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ホントに大丈夫?大切な写真を確実に保存する方法![バックアップ]

更新日: by 中原 一雄

今写真を楽しんでいらっしゃる方のほとんどがデジタルカメラを使って写真を撮っていると思います。デジカメのいいところは写真が”データ”なのでかさばらない所。でも、人間の目には見えない”データ”だから、一歩間違うと簡単に大切な思い出が消えてしまうこともあるんです。 今回はデジタルデータを安全に保存する方法を考えて見ましょう!

一生の思い出をデジタルで残すことの危険

フィルムカメラに取って代わって、デジタルカメラが一般的になってからもう10年は経つでしょうか。多くの方がデジタルカメラを手にされてから(一眼とかではなく普通のデジカメ)10年近く、新しいもの好きな人ならもう15年くらいは経っているかもしれません。

昔のデジタル写真、残ってますか?

では、あなたが初めて手にしたデジカメで撮った写真のデータは今でも残っていますか?ちょっと探せばすぐに見られる状態ですか?

半分までは行かないまでも、結構多くの方がドキッとしたかもしれません。ほとんどの方がデジカメで写真を撮ったらパソコンにデータを保存していると思いますが、10年ならば2~3回パソコンが変わっているはず。きちんとバックアップをとっているか、または毎回データを移行していなければ、10年前の想い出はもう記録として残っていないかもしれません。。

明日パソコンが壊れても大丈夫ですか?

あるいはここ数年前、子供が生まれたのを機にカメラを買って、我が子の成長記録を撮り貯めているお父さん、お母さん、明日お使いのPCのハードディスクが故障してしまっても大丈夫ですか?

パソコンのハードディスクはある日突然、宝くじに当たる確率よりもずっと高い確率で故障します。お子様が産まれて3~4年くらい経っているなら、いつハードディスクが逝ってもおかしくありません。。もしバックアップもプリントもしていない方なら、想像しただけでもゾッとしてしまいますね。。

ちょっと大げさに書いてしまいましたが、実際に起こりうることです。 数年間撮り溜めた我が子の成長記録、日々の思い出 etc. 今回はこれらを確実に保存するための方法について考えてみたいと思います。

本記事は2012年の状況を元にした内容です。2020年版の新しい記事がありますので最新情報は以下の記事を参考にしてください。

写真 バックアップ
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デジカメのデータは当然デジタルデータですから、何かのきっかけで一瞬のうちに消えてしまうことがあります。つまり、バックアッ別のタブで開く


*今回ご紹介する方法は普通の人が、あまり手をかけずに比較的安全にデータを保管できる方法で、完全に安全な方法ではありません。もし、本エントリーの内容でデータの一部またはすべてを失ってしまったとしてもstudio9はいかなる保障もいたしませんのでご注意ください。

データ保管の基本はバックアップ!

デジタルデータ保存の基本はバックアップです。というかこれがすべて!

そんなの分かってるよ!と言われてしまいそうですが、意外とバックアップの意味を誤解している方も多いので、まずはバックアップとはなんぞ?というところから始めてみたいと思います。

バックアップとは??

データのバックアップを取るということは、失われては困るデータを、

  • コピー(複製)して2重(またはそれ以上)に保管し、
  • いつでも元に戻せること

です。

とってもシンプルなことですが、意外と誤解されていることがあるので、上記2点についてもう少し掘り下げてみます☆

誤解その1

まず、「コピーして二重に保管する」というという点は結構誤解されやすいです。ポイントは、”常に”二重以上の状態でデータを持っておく必要がある』ということです。

”常に”というのがポイント。ありがちなのは、バックアップでCDやDVDに保管する場合。

例えば、一度パソコンに落とした写真データをバックアップでCDやDVDに保存してPCのハードディスク(HDD)とDVDで二重の保管をしました。この状態は正しいバックアップの状態で問題ありません。

翌年、PCが古くなったので新し買い換えました。写真のデータはDVDにバックアップを取ってあるから、古いPCのHDDはアンインストールしてそのまま処分。

この時点で、あなたのデータはバックアップが無い、非常に危険な状態です。二重ではなく、DVDだけの状態になってしまっているからです。DVDはキズが入れば読み出せなくなりますし、メディアの品質や保管環境が悪ければ数年で読み出し不能となることすらあります。

もし、HDDとDVDの二重保管であれば、新しいPCにしたときに古いPCから写真のデータを移管するか、DVDから新しいPCにデータをコピーする必要があります。

”常に”二重に保管している状態がバックアップしている状態なのです。

バックアップの誤解その1

誤解その2

もうひとつ、意外と忘れがちなのが、『いつでも元に戻せること』です。

あなたのPCはフロッピーディスクを読むことができますか?10年前ならメジャーだったフロッピーディスクですが、最近のパソコンで読み出しができるものはほとんどありません。

まだ、探せば比較的簡単に外付けドライブなどで入手できますが、さらにあと10年後に残っている可能性は???ですね。

同じことがCDやDVDにも言えます。お子様が結婚することになった時に、そのデータはきちんと読み出すことができるのか?ということを考えなければなりません。

---

また、CDやDVDで異常に多くのバックアップを取っている人も要注意です。例えば、非常にマメな人で、撮影のたびにCDにバックアップを取っていて、3年間で焼いたCDの総数はその数なんと1000枚!

とってもいいバックアップな気がしてしまいますが、もしPCのHDDが壊れてしまって、データを復元しようと思ったとき、果たして1000枚のCDから一人でデータを復元できるでしょうか?

この場合は”気合があれば何とかできる”状態ではありますが、現実的ではありません。。私なら50枚でも嫌です。

この状態を回避するためには、定期的に大容量で最新のメディアにバックアップし直すことです。PCのHDDには全データが入っているとして、もしブルーレイ(BD)対応のドライブを導入すれば、CD1000枚分のデータはBD(25GB)なら30枚。2TBの外付けHDDなら1台でもおつりが来ます。

こまめにバックアップを取るということはとてもいいことですが、復元できなければ意味がありません。バックアップを取るときは、いざというときの復元も頭に入れておく必要がありますね!

バックアップの誤解その2

そんなわけで、以上を踏まえて、なるべく面倒にならないような方法を撮りつつ、キチンとバックアップを撮る方法について考えてみたいと思います。

おすすめバックアップ方法!

上記のバックアップの基本を踏まえて、出来るだけ面倒にならず、現実的な私のおススメするバックアップの方法を3つ(+α)ご紹介します☆

その1:メモリーカードを一時的に使用し、DVDにバックアップ

撮った写真をDVD(CDやBDでも)に保存する方法。ポイントはメモリーカードを一時的なパックアップメディアとして使用する点です。

おススメな人:撮る枚数があまり多くない人。撮ってから編集をほとんどしない人。

一般的なコンデジユーザーやデジイチ使っているけど、基本JPEGで撮影していて編集をしない人におススメなお手軽バックアップ方法です♪

まず、大前提として撮った写真は毎回かならずPCに保存する癖を付けること!バックアップはすべてここから始まります。いくら撮る枚数が少なくても数ヶ月間メモリーカードだけに保存しておくのはとってもキケン。その間はバックアップの無い状態ですから、カメラ本体やカードを無くしてしまえばそれで終わり。品質の悪いメモリーカードを使っていれば、その数ヶ月間の間にエラーで読み出し不能になるリスクも高まります。

撮った写真は毎回かならずPCに保存する!

これだけはぜひ習慣付けるようにしてください。

では、実際のワークフローです。

1.始めはメモリーカードとPCの2重状態で!

まず撮った写真は帰宅後なるべく早く、PCのHDDに保存します。

できれば写真専用のフォルダ(Windowsならマイピクチャとか)を作って、その中に”YYMMDD****”のように日付別にフォルダを作って保存すると後で整理しやすいですね。

例えば"121018近所をお散歩"とか”121021○○さん結婚式”とか。

通常ならここでPCからDVDなどにバックアップを取るところですが、撮る枚数が少ない人なら1回の撮影ではDVDがいっぱいになることは無いはずですし、毎回バックアップを取るのは面倒だし、いざという時復元する気力が無くなります。。

そこで、PCにデータを移したら、メモリーカードのデータは初期化せずに、ある程度一杯になるまでそのまま撮り続けます。そうすればデータは

”メモリーカード”と”PCのHDD”の2重状態になっていますね。

2.たくさん撮ったらHDDとDVDの2重状態で!

そしてある程度撮影を重ねて、1ヶ月とか2ヶ月のキリの良い期間が経ったり、メモリーカードの容量が一杯に近づいてきたら(この間も毎回PCへ保存するのは忘れないこと!)、DVDなどにバックアップを取ります。

DVDにバックアップが終われば、HDDとDVDの二重保存状態が出来上がったので、メモリーカードのデータは初期化してもOK。またそこから新しく撮り続けます。

撮る枚数が少なくて、2ヶ月に一回、DVD1枚分のバックアップで済むなら一年間に6枚のDVDを焼くだけなので、それほど手間もかかりませんね☆

おススメバックアップその1

注意点、デメリット

・この方法だとDVDに保存した後に編集した写真は当然バックアップされません。。編集後の写真が必要なら別途バックアップしておく必要があります。

・CDやDVDは経年で劣化していきます。特によく分からない海外メーカーの激安メディアをバックアップに使うのはやめた方がいいです。運が悪いと1~2年で読み出し不能になることも。。長期保管するときはしっかりしたメーカーの物を使うべきです。

・1年間に6枚でも、5年なら30枚と結構な量になることと、年数が経つにつれて劣化のリスクが高まります。きっと5年後ならブルーレイや他の大容量メディアがもっとメジャーになっているはず。そんな時は30枚分のデータを1枚に保存しなおしましょう。
そうすればデータは3重。もしものときの復元も1枚からなので簡単ですね!

記録面が硬く傷が付きにくいメディアも売られています。

その2:2台のHDDで楽々バックアップ

HDDを2台使ってデータを保管します。ポイントはソフトを使って自動で2つのHDDを同期させること。

詳細な導入方法を記事にしました!こちらもご覧ください。

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おすすめな人:写真をたくさん撮る人。編集をよくする人。めんどくさがりな人。

撮る枚数が少ない方なら、DVD(4.7GB)をバックアップメディアとして使うのもいいですが、たくさん撮る方やRAWで撮る方にはちょっとDVDでは容量が少なすぎます。。私の場合だと1回の撮影で普通に10GB超えてしまいますからDVDをバックアップメディアとして使うのはちょっと厳しいです

1層のBDなら25GBですからまだいいかもしれませんが、やっぱりチョッと物足りません。しかもまだ比較的高価ですし、なにより焼くのが面倒です。。

また、RAW現像など後で編集をよくする方なら、DVDに焼いた後に編集した内容はまた新しくバックアップを取る必要もあるので、自由に追記、変更ができない光学メディアのみでバックアップを取るのはあまりおススメではありません。。

そんなちょっとヘビーなユーザーさんにはHDDを2台使ったバックアップをおススメします☆ また、これからご紹介する方法を使えば、PCが自動でバックアップを取ってくれるので、めんどくさがり屋のユーザーさんにもおススメな方法です♪

さらにもしものときはバックアップのHDDをPCに繋ぐだけでOKなので復帰も簡単です。

ただし、HDDが2台必要という点で、チョッとだけ初期投資が必要になるというのが難点。。

準備するものは2台のHDDだけです。内蔵型でも外付けでもどっちでもOK。1台をOSの入っているHDD(通常はCドライブ)にしてしまってもいいですが、HDDが満タンになった時に、移行するのが大変なので出来れば2台用意した方がいいと思います♪容量は現在だと2TBのものがお手軽かな?と思います。HDD⇒HDDのデータ移動を伴うのでUSB3.0など転送速度の速いものがおススメ。

また、可能ならメーカーや型番が違うものを揃えられるとベスト。まったく同じものだと故障する時期も同じになることが多いのでちょっとだけリスクが高まります。個人レベルではそこまで気を使わなくてもいいかもしれませんが。。

おススメバックアップその2

では実際の導入方法です。

準備1.HDD2台をPCに接続

基本的に2台のHDDはPCに接続したままです。1台は作業用HDD、2台目はバックアップ専用HDDと用途を完全に分けてしまうのがポイント。メモリーカードからのコピーや写真の編集はすべて作業用HDD内で行います。バックアップ用HDDはあくまでバックアップのためだけのHDDなので普段は触りません

準備2.RealSyncをインストール

これが2台のHDDでバックアップを取る肝となる部分。RealSyncというフリーソフト(Windows専用。。Macに同様のソフトがあるかどうかは不明。。)を使って2台のHDDの中身(フォルダ単位で選択可)を常に一緒にしておきます。

RealSyncを導入することで、作業用HDDの中身とバックアップ用HDDの中身を自動で同期してもらうことが可能になります。同期の頻度も設定できるので一度ソフトを立ち上げてしまえば、あとはPCが自動でバックアップを取ってくれます。
上図の3.の部分をPCが自動でやってくれるのです☆

バックアップを意識することがなくなるのでとにかく楽チンですし、後で編集した内容もキチンとバックアップに反映されます!私はもうこれがないと生きていけませんw

上記の準備を済ませたら、あとは撮影ごとにメモリーカードから作業用HDDにデータをコピーするだけ!作業用HDDに変化があれば自動でバックアップを取ってくれるのですから。

*同期の頻度によっては数時間の間、バックアップが無い状態になりますので、不安な場合はRealSyncの”今すぐ更新”ボタンを押すか、次の同期のタイミングまでメモリーカードを初期化しないで置いておくとより安全です。

詳細な導入方法を記事にしました!こちらもご覧ください。

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その3:「おもいでばこ」を使ってバックアップ(13/3/14追記)

上記はパソコンが手元にあって、パソコンを使える人には便利ですが、パソコンが苦手だったり、スマホやタブレットばかりでパソコン使っていない人も多いですよね。

そんな方には「おもいでばこ」という製品がおススメです。

パソコン要らずで(テレビに繋ぐ)、カメラのSDカードを本体に差し込んでボタンを押すだけで写真の整理、保管、閲覧環境が整います。Wi-Fi経由でスマホからの取り込みも可能☆

バックアップ専用のUSB端子がついているので市販の外付けHDDを付けておけば自動でバックアップを取ってくれます。

その2:2台のHDDで楽々バックアップ のライトユーザー向け解決策です。

こちらのページで特集を組みましたのでぜひご覧下さい!

おもいでばこの大きさ
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”写真を撮る”ということは多くの場合、”思い出をカタチに残す”という事になります。でも、撮った後に整理して保存することは別のタブで開く

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いかがだったでしょうか?

あなたの用途に応じて上記2つの方法を選んで大切な思い出を安全に保存していただけると幸いです。

なお、上記方法はあくまで普通の人があまり手をかけずに、比較的安全にデータを保存しておくための方法であり、完全に安全な方法ではありません。(といってもバックアップを取らない人に比べれば格段に安全です)

お写真の中にはどうしても大切なものも含まれると思いますので、大事なデータははさらに3重、4重のバックアップを取って実家に送っておくなど、保管する場所も変えておくと大規模災害などに見舞われてもデータが残る確率が高まります。

お子様の成長記録なんかは、保管場所の分散もかねて実家に送っておけばおじいちゃんおばあちゃんも喜んで一石二鳥かもしれません♪

☆また今回も長くなりそうなので、ちょっとブレイク。。☆

今回はデジタルデータの保存という観点でお話を進めていますが、写真を確実に保存するならプリントという選択肢もありです。
データの場合は読み出し機と表示する機器が無ければ見ることは出来ませんし、物理的なダメージにも弱いです。
一方、プリントであれば特別な機器は一切不要で、たとえ折れ曲がったり、一部が欠けてしまっても見ることは可能。物理的なダメージに強いのです。

実際に、東日本大震災の津波で濡れてしまったり、流されてしまったりした写真(アルバム)をボランティアの手で一枚一枚洗浄し、元に戻すプロジェクトが行われています。
すべての写真をプリントで持っておくことは難しいですが、本当に大事な写真はデータだけでなく、プリントとして持っておきたいなと思う今日この頃です。

その他の選択肢+α

通常は上の二つの方法を使えばOKだと思いますが、最近は他にも異なるバックアップ方法が出てきているので簡単にご紹介します。

・クラウドでバックアップ

ここ数年一気に盛り上がっているクラウドを使ったバックアップです。

Dropboxなどさまざまなサービスがひしめいていますからチョッと探せば無料で使えるサービスにたくさん出会えると思います。最近のモバイルPCなどは光学ドライブを備えていないものも多くなってきているので、CDやDVDを焼けない。。という方はクラウドでのバックアップもひとつの選択肢になるかもしれませんね。

ただし、無料で使おうとした場合、その容量は数GB程度のものが多いので、写真を保存するにはちょっと物足りない容量です。また、あくまで外部サービスなので、いつまでそのサービスが続くのかは分かりません。。

突然潰れてデータを取れなくなることはまず無いでしょうが、10年後に現在のクラウドサービスがそのまま残っているとも思えませんので、私としては長期保管というよりは、一時的な保管やデータの受け渡し用に使うのがいいのかなと思っています。

追記:最近では無料でも数十GB、有料版だと1TBクラスのクラウドストレージが出てきたので、JPEGで撮っている方なら有力な選択肢になり得そうですね!

2020年版の新しい記事も書きました。クラウドはこちらが詳しいです。

写真 バックアップ
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デジカメのデータは当然デジタルデータですから、何かのきっかけで一瞬のうちに消えてしまうことがあります。つまり、バックアッ別のタブで開く

・RAID環境でバックアップ

もうひとつはRAID環境でバックアップです。

RAIDというのは複数のHDDを組み合わせ、1つのHDDと見せかけて使用する技術のことです。詳しい説明をしだすとさらにエントリーが増えてしまうのでやめておきますが、使い方によってはとてもいいバックアップ方法になりえます。

しかし、自分でRAIDの仕組みを理解し、自分に適したRAID環境を構築しなければならないので、技術的なハードルがグッと上がります。PCに詳しくない人にはおススメできません。。

特に、RAID5と呼ばれる、複数台のHDDを使った分散保存では1台のHDDが故障しても、データが復旧できるためバックアップに最適な感じがしてしまいますが、使用するHDDのメーカーや型番が同じでないといけなかったり(数年後に壊れても同じものを探さないといけない)、リビルドと呼ばれるデータ復旧の失敗も多く聞かれるので、素人が簡単に手を出すものではないと思います。

いざというときに復旧できないのはバックアップとは呼びません。

ただ、同じRAIDシステムでもbeyondRAIDと呼ばれるシステムを搭載しているDroboという製品ならば初心者でも手軽に、RAID5よりもずっと安全にデータを保存できそうです。異なるメーカーでも異なる容量のHDDでもOKの分散保存を構築できる優れもの。

実際に使ったことがないので詳しい説明は省略しますが、以前展示会で実際にデモ機を見た感じではかなり使い勝手が良さそう。導入してもいいかなーと本気で思いました。官公庁や企業での採用実績も多いので信頼性も高そうです。

ただし、初期投資が(Drobo本体の3~4万+HDD台数分)必要になるので、あくまでヘビーユーザー向けですね。。

興味がある方はDroboでググってみて下さい☆

もしものときは?

もしも2重に保存してあるデータのうち、片方に障害が起きたときは、すぐにもう片方のデータを使って、新しくバックアップを作り直しましょう。

特にHDDは3~4年使えば、突然故障する確率が高まります。慌てずに新しいHDDを入手してデータの保存状況を2重状態に戻します。よほどのことが無い限りは2つのデータが同時に失われるということは無いでしょうから、障害が分かった時点で対処すれば大丈夫です。

また、CDやDVDは見た目では劣化しているかどうか分かりません。。1~2年に一度、一部を実際に読み出してテストしてみるといいと思います。

万が一、うっかりバックアップを忘れていた状態でHDDが故障したり、非常に運が悪く同時にHDDに障害が発生した場合は外部の専門業者に復旧を依頼することも出来ます。HDDに障害が起きて起動不能になった場合でも、内部のディスクさえ無事なら比較的高い確率でデータ救出が可能なようです。

ただし、特殊な技術を必要とするため復旧料金も高額です。。HDD1台あたり20~30万円は覚悟しておいた方がいいです。どうしても大事なデータであれば、それだけのお金をかける価値があるかもしれませんが、それでも100%データが戻ってくる保障はありません。

まとめ

大事な写真データを確実に保存するための方法として、2つ(+α)の方法をご紹介しましたが、あなたはキチンとデータをバックアップできていましたか?

今回もまた長くなってしまったので、ポイントをまとめてみますね。

まずは、

バックアップとは、失われては困るデータを、
・コピー(複製)して2重(またはそれ以上)に保管し、
・いつでも元に戻せる状態にすること

でしたね!

この二つの要素を満たさなければバックアップを取ったとはいえません。

また写真のバックアップの大前提として、

撮った写真はすぐにPCにコピーする!

ということを習慣付けましょう。どんなバックアップをするにしてもまずはこれが基本です!

その上で、あまり写真を多く取らないライトユーザーなら

メモリーカードを一時的な保存先に使い、DVDなど光学メディアでバックアップを取る方法

がおススメ。

写真をたくさん撮ったり、編集をするミドル~ヘビーユーザーやめんとくさがりなあなたなら、

HDDを2台使い、自動で同期させる楽チンバックアップ

がおススメです。

また、どうしても失っては困る大事な写真は、

・3重、4重のバックアップで保管場所も分ける
・ プリントして持っておく

ということも考えておきましょう。人生何が起こるかわからないのですから。

---

デジタルの時代になってから、私たちの生活はずいぶん便利になりましたが、一度障害が起きたときに失うものも大きくなりました。

今回示した方法は、なにも写真だけでなく、デジタルデータ全般に言えるバックアップの方法です。ぜひ日常生活にもお役立てください!

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この記事を書いた人
中原 一雄 / カメラマン・中の人
普段はカメラマンとして活動しながらstudio9(すたじお・きゅう)の管理、運営をしています。「写真をもっと、あなたのそばに」をテーマに、カメラに使われるのではなく、カメラと友達になる方法を広めるために活動中のフォトグラファー。 中原 一雄のプロフィールページ

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