3ヶ月ほど前に記事にしたelinchrom(エリンクローム) D-Lite-it 4 To Go Set(B&Hでモノブロックを買ってみた。-その1- [自宅スタジオ化計画])。意外にも(?)このストロボに興味を持っていらっしゃる方が多く、直接のお問い合わせも何件か頂きました。そのうち使用感をレビューしまーすとか言いながらしばらく放っておいてごめんなさい。。
今回はelinchrom D-Lite-it 4のざっくりレビューをお届けします!
はじめに
有名メーカー製でありながら、格安のモノブロックですよ!と記事(B&Hでモノブロックを買ってみた。-その1- [自宅スタジオ化計画])にしてから3ヶ月以上経ってしまいましたが、サーチエンジンの検索ワードを見てみると非常に多くの方が「elinchrom D-Lite-it 4 To Go Set」で訪れてくださっております。
魅力的なモノブロックなわりにelinchrom(エリンクローム)があまり日本では浸透してないためか、日本語の情報がWEB上にほとんどないみたい。。直接のお問い合わせも何件か頂いており、そろそろレビューしておかないと怒られるかも・・・と思ったので簡単にレビューしてみようと思います!
個人的にはいい買い物をしたなーと思いますが、用途によってはすべての人におススメできるものでもないかな?と思える注意ポイントもいくつか。。
現在のメイン用途
現在、このモノブロックのメイン用途は自宅に作った簡易スタジオ(6畳間)でのブツ撮り。人物や大きなモノには使っていません。また、使用頻度は数回/週くらいで、一回あたりの使用時間は通常1~2時間とそれほどヘビーに使ってるわけではありません。
そんな状況を踏まえつつ、読んでいただけると幸いです。
D-Lite-it 4のいい所、わるい所
まずはクリップオンストロボでのスタジオライティングと比較した時のいい所、悪いところを箇条書きにして書き出してみます。
いい所
- とにかく設定の自由度が高い(クリップオンに比べて)。
スタジオライティング専用に作られたものだけあって、光量の設定や照射角の設定なんかがとてもやりやすいです。 - 光量の設定幅が1/10段刻み。
クリップオンでは1/3段刻みなので、ライティングを追い込みたい時は便利です。 - アクセサリが豊富。
大手のストロボメーカーのものなので、ソフトボックス、アンブレラ、グリッドなどのアクセサリが豊富です。クリップオンタイ プでも多少アクセサリは出ていますが、種類が少なかったり、使い勝手が悪かったりします。 - EL-Skyportという、無線トリガーがとにかく便利。
カメラ側 のホットシューに取り付けるとシンクロコード無しで同調してくれます。 - モデリングライトがついている。
クリップオンにもモデリング機能が付いているものもありますが、常時点灯は出来ませんよね。モノブロックは常時点灯が可能。
悪い所
- 大きくて場所を取る。
モノブロックの宿命ではありますが、高機能な反面やはり大きいです。。6畳間で3灯使用するとけっこうギュウギュウです。 - 上に関連することですが、ロケやスタジオを色々変えて撮影する場合は持ち運びが不便。クリップオンには敵いません。
- 光量が1/16までしか絞れない。
狭いスタジオで絞りを開けて(F2.8とか4.0とか)撮ろうとすると、400Wの 1/16では光量オーバーです。。NDフィルタ装着で回避可能。 - アクセサリを日本で揃えるのがちょっと難しい。
代理店経由で買うと非常に高いですし、種類も限られます。B&Hなどで買うことに抵抗が なければ問題ないと思います。
こんな感じでしょうか。
結局のところ、ストレスなく、しっかりとライティングを追い込んで撮影したいという目的であればこちらを。当然ながら、電池切れなどの心配もないので、お仕事やWEBショップさんなどたくさん撮影される方もこちらがおススメ。
とはいえ、ストロボライティングの基本的な知識、技術は必須です。カメラに装着して自動で光量調整してくれるクリップオンとは別次元なのでその辺はある程度覚悟が必要です。ただし、クリップオンストロボだって多灯ライティングするなら、モノブロックと同じだけの知識、技術は必要ですのでお間違いなく。。
一方、頻繁にロケでも使いたい、自宅のスペースが非常に限られる。。という場合にはモノブロックはストレスが大きいです。クリップオンを工夫して使いこなす方が幸せになれると思います。
他社ストロボと比べると。。
すでにジェネタイプや他のモノブロックを使っている方向けにポイントとなりそうな点をいくつかと。。(使ったことあるのはSUNSTAR、COMET、PROPETの一般的なもの)
- 光量調整が分数表示でなくEV表示
これまで数社のストロボを使ってきましたが、このタイプは初めてだったので最初は戸惑いました。
普通は光量調整ダイヤルで1、1/2、1/4、1/8・・・という感じで調整するものが多いと思いますが、このストロボは6.0(400W)、5.0(200W)、4.0(100W)、3.0(50W)、2.0(25W)というように1EV刻みの数字を背面の光量調整ボタンで操作します。
でも慣れてしまえばどうってことはないです。ちなみに、D-Lite-it 2(200W)タイプでも、400Wと同じように、5.0(200W)、4.0(100W)、3.0(50W)、2.0(25W)、1.0(12.5W)と数字が出力に対応しているので、出力の違うストロボを組み合わせて使用する場合はこちらの表示のほうが計算しやすくて便利。
- チャージ時間は他社品とだいたい同じくらい
テンポ良く撮影を進める場合にはチャージ時間もポイントだったりするわけですが、他の有名メーカーエントリーモデルと大体同じくらいかと思います。実測したところ400Wで2.2秒、200Wで1.4秒、100Wで0.8秒。
2.2秒だとモデルをバンバン撮っていく時にはちょっと遅いかな。。と思いますが、200W以下での使用ならストレスなく撮影できるはずです。
- モデリングが調光対応
これも他社のエントリークラスには無い機能かと。設定した出力設定にあわせて、モデリングの光量も変化させることが可能です。設定で常にフル点灯や控えめ点灯にさせることも可能。ライティングを追い込む時に便利です。
- 温度上昇に合わせてファンがON/OFF
常にファンがONではなく、内部の温度にあわせて自動で回ります。モデリングOFFや控えめに点灯しているとあまりまわらないので、狭い室内で撮影している場合はうるさくなくて結構ありがたい機能。
- ワイヤレス標準装備
上でも書きましたが、ワイヤレス発光に標準対応。セットの中にEL-Skyportという無線トリガー(送信機)が入っていて、カメラのホットシューに装着することで、簡単にワイヤレス発光ができます。単体で買ったD-Lite-it 2には送信機が付いていなかったのでTo Go Setじゃないと標準では付いていないと思います。
こちらも他社品だとミドルクラス以上じゃないと対応していないと思います。シンクロコード無しはめちゃくちゃ快適!
- 付属のソフトボックスが小さい
これは良くない点ですが、付属のソフトボックスは65×65cmとやや小さいです。机に乗るくらいのブツを撮るならちょうどいい大きさですが、これでモデルの全身を撮ろうとするとちょっとサイズ不足になるはずです。。
モデルや大きなブツを撮る予定でソフトボックス大好きな方は購入時に大きめのものも用意しておいた方がいいと思います。
だいたいこんな感じかな?他にも赤目防止機能(使ったことないです)とかいろいろ便利な機能が搭載されてます。やっぱり、他社品と比べると、D-Lite-it 4 To Go Setのコスパは尋常じゃない気がする。。
ちなみに、良くある怪しい中国製のモノブロックと比べると(使ったことはないですが。。)、価格含め、劣ってるところはほぼ無いと思います(笑)
写真で見るD-Lite-it 4
いくつか写真も撮って見ましたのでご参考になれば。
リフレクターを含まない横幅は約165mm(取っ手含まず)、標準のリフレクターを入れると約232mm。高さが約100mm(中央部分)、奥行きが約125mmと、ちょっと平べったい感じのイメージ。他社モデルよりも一回り大きいかも?
操作はダイヤルではなくすべてボタンです。液晶に表示されてる数字が出力。この場合は4.0なので100W。0.1刻みで調節可能。モデリング、強制発光、シンクロ、音のボタンがあります。シンクロソケットはミニジャックです。
モデリングはハロゲンではなく、白熱球。E27という謎の規格(欧州規格?)ですが、日本のE26規格でも使えるという噂(未確認)。
予備のヒューズは持ち手の裏に隠れています。本体一体型ならいざという時も安心ですね。
EL-Skyport。ワイヤレス送信機です。ホットシューに付けるだけでOKなので簡単。4chまで対応です。
まだすべての機能を使いこなしているわけではないですが、ストロボに求められる基本的な機能はすべて搭載されてるはず。
低予算でモノブロックを導入したいならマジおススメ。
作例
何個かD-Lite-it 4を使って撮った作例も載せておきますね。そんなに凝ったライティングでもないですが、自宅でもこのくらいならワリと手軽に撮れます。何のことは無い、私の普段の食糧を撮っただけですw
使ってるのは1灯だけとは限りません。。
納豆TKG。逆光を強めに朝っぽく。夜ごはんでしたがw
山盛りミートソーススパ。天トレ越しのグリッドから1灯。ちょっと夜っぽい雰囲気で。
いただき物のお菓子。全体に光をまわして柔らかく。
その他、細かな付属品や購入については過去エントリーをご参照ください!
*現在はD-Lite RX 4 To Goとして販売されているようですね。