動物園を撮るのに必要な7つのこと
水族館に比べるとかなりお手軽料金で楽しめ、普段目にすることのできない様々な動物たちと楽しめる動物園。その姿を残そうと写真を撮ってみよう!とチャレンジしてみる方も多いと思いますが、動物撮影って初めてだとちょっと大変かもしれません。
そこで今回は動物園で上手に写真を撮るポイントを7つご紹介しようと思います!
まずは準備のコツからいってみましょう!
準備のコツ
動物を撮るにはそれほど特別な準備は必要ありません。
コツ1:望遠レンズを用意する。
動物を大きく写したいなら必須です。
いくら珍しい動物が近くで見れるからといっても、動物とカメラの間には結構な距離があります。最低でも35mm換算で300mm程度の望遠レンズを用意したいです。できれば400~500mmくらいは欲しいところ。
APS-Cタイプのカメラは焦点距離が1.5倍になるので200mmくらいのレンズがあれば何とかなります。ダブルズームキットなんかだと、55-250mm程度のレンズがついていると思うのでこちらを使います。もし望遠レンズを持っていない or 新しいものを買おうと思うなら70-300mmくらいの中級クラスのレンズがおすすめ。
たとえば、タムロンのSP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USDは手振れ補正、高速AF対応で写りもなかなか良い割りに実売4万円前後と非常にコストパフォーマンスに優れたレンズです。これよりワンランク上のレンズになってくると、10万円を軽く超えてきます。。
マイクロフォーサーズ規格のカメラなら、35mm換算で2倍の焦点距離になるので、100mm~200mm程度のレンズがあると良いですね!
今回の撮影はすべてAPS-CタイプのEOS 7Dで撮影しました。レンズは70-200mmに焦点距離が1.4倍になるエクステンダーという魔法のアイテム(笑)をつけて98-280mmで撮影しています。(ほとんど280mmばっかりでした)
撮影のコツ
ここが一番重要ですね!
コツ2:シャッタースピードを速く!
カメラは望遠にすればするほど手振れを起こしやすくなります。また相手は動物なのでじっとしてくれません。できれば1/300秒以下で撮りたいところです。設定はAvにして、F値を一番小さく(絞り開放)するのがおススメ。P(オート)だとシャッタースピードが遅くなってしまうかもしれません。
シャッタースピードが足りないようなら感度を上げて対応します。
コツ3:できるだけ檻、柵に近づく
動物とカメラの間には当然、檻(おり)や柵があります。できればこれらは写したくありません。そんな時は檻にできるだけ近づいて撮ってみましょう。不思議と檻が消えてしまうことがあります!
これは檻をボカして消してしまうテクニック。
”望遠レンズを使って、F値を小さくして、ボカしたいものを近くまたは遠くに置く”
これって、写真をボカすテクニックでしたね!(過去エントリー:すぐにボケた写真を取れるようになれる4つの方法。)檻や柵をめちゃくちゃ”前ボケ”の状態にしてやることで、目立たなくなります。
たとえばこの写真、猿と私の間には檻があるのですが、ぜんぜん目立たないですよね。細い檻ならほとんど完全に消し去ることが可能です!でも、太い檻や動物と檻との距離が近い場合には消えないこともあるのでご注意を。
また、オートフォーカス(AF)を自動選択にしていると手前の檻にピントが合ってしまうことがあります。そんな時は、1点AF(任意選択)やちょっと大変ですが、マニュアルフォーカス(MF)にして対応します。
EOS 7D / EF 70-200mm F4L IS USM + EF 1.4xII / 280mm f5.6
コツ4:思い切ってアップで切り取る
動物園で動物の写真を撮るときは動物全体を入れるよりも、思い切ってアップで撮ったほうがスッキリします。もちろん、全体を入れてとっても悪くはないのですが、余計な人工物が背景に入ったりして、いかにも素人の記念写真っぽくなってしまうことが多いです。
それに、動物の顔ってアップで見ると、とても個性があってかわいいです☆
EOS 7D / EF 70-200mm F4L IS USM + EF 1.4xII / 280mm f5.6
長いまつげがセクシー(笑)
EOS 7D / EF 70-200mm F4L IS USM + EF 1.4xII / 280mm f5.6
むちゃくちゃ気持ちよさそうですね!
EOS 7D / EF 70-200mm F4L IS USM + EF 1.4xII / 280mm f5.6
かわいいペンギンも正面からアップで見るとなかなか精悍な顔つき。
コツ5:パーツを切り取る
動物の写真というと、どうしても正面の姿を撮ってしまいがちですが、動物たちにはそれぞれ体に特徴があります。他の動物とは変わったところ、かわいいなと感じたパーツだけをアップで撮ると面白いです。
これらはなんの動物かわかるかな?
EOS 7D / EF 70-200mm F4L IS USM + EF 1.4xII / 208mm f5.6
EOS 7D / EF 70-200mm F4L IS USM + EF 1.4xII / 280mm f5.6
コツ6:動物に密着する
動物は気まぐれです。常にいい表情を見せてくれるとは限りません。これだ!と思った動物にはいい表情を見せるまで密着してみましょう。一匹(頭)の動物をしばらく追っていると思いがけないいい表情を見せてくれることがあります。
また、どうしても動きそうにない動物は時間を変えてまた来てみるとか、ご飯の時間を狙うとかしてみましょう。パパラッチ並みの粘り強さも必要ですw
たくさんシャッターを切ることも重要です。いい表情を見せるのはホントに一瞬の場合もあります。ひとつの場面で何枚も、時には何十枚も撮ることを恐れてはいけません。
EOS 7D / EF 70-200mm F4L IS USM + EF 1.4xII / 280mm f5.6
日光浴中のミーアキャット。「ちょっとジロジロ見ないでくれる?」って表情がかわいいですね! このシーン、他にも数枚撮りましたが、目が合ったのはこの一枚だけ。
EOS 7D / EF 70-200mm F4L IS USM + EF 1.4xII / 280mm f5.6
「葉っぱ見つけたよ!」
このビーバーも始めは泳いでるだけで、なかなかいい表情を見せてくれませんでしたがしばらく密着していたらなにやら水中でゴソゴソ。葉っぱを持ってきてくれました!
EOS 7D / EF 70-200mm F4L IS USM + EF 1.4xII / 280mm f5.6
サルの赤ちゃん。「うわー!すごいモン見ちゃった。。」みたいな驚きの表情を見せてくれました(笑)この子もかわいかったのでしばらく追っていて、この表情を見せたのはまさにこの一瞬だけ。
帰ってからのコツ
コツ7:トリミングしてみる
望遠レンズで撮影しても、動物が遠すぎて大きく写せないこともあります。そんな時は諦めるのではなく、帰ってからトリミングしてみましょう。最近のデジカメは高画素なので、多少トリミングしたくらいじゃ画質は低下しません。ただし、ピントがズレていたり、手振れしてる写真はトリミングすると非常に目立つので注意しましょう。また、撮影するときはカメラの最高画質に設定しておくこと。
たとえばこのライオン、実は結構トリミングしています。
EOS 7D / EF 70-200mm F4L IS USM + EF 1.4xII / 280mm f5.6(トリミング)
トリミング前はこちら。手持ちのレンズで目いっぱい寄ってもここまでが限界でした。。これはこれで周りの雰囲気も悪くないのでNGって訳ではありませんが、ちょっと迫力に欠けますよね。
EOS 7D / EF 70-200mm F4L IS USM + EF 1.4xII / 280mm f5.6
もしこのライオンをトリミング無しで上の写真と同じくらいの大きさで撮るなら500mm~600mmのバズーカレンズが必要なはず。重たいですし、なによりむちゃくちゃ高価なレンズなので気軽に手に入れられるものでもありません。
困ったときは帰ってからトリミングしてもいいのです。
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以上、動物園で写真を撮るコツを7つにまとめてみました!
生き物はじっとしてしていてくれないので、なかなか大変ですが、刻々と変わる表情に癒されます☆
カメラを持って動物園に出かけてみましょう。