studio9写真コンテスト3月のテーマは「黄」「淡」「地」。果たしてどの作品が最優秀に選ばれるでしょうか!今月も季節感の出たステキな作品をたくさんご応募いただきました。
2015年4月のテーマも発表致しますよ!(四月分締め切りは少し延期します)
2016年3月の優秀作品を発表します
桜が一斉に咲いたと思ったらもう散ってしまい新緑の季節になりつつある今日この頃ですが、3月分の応募もたくさんの方にご参加いただきました。発表が大変遅くなってしまい申し訳ございません。。
本エントリーでは2016年3月にご応募いただいたテーマ:「黄」「淡」「地」の作品の中から特にステキな作品を10点をご紹介します!
なお、応募いただいた全作品は下記リンクからご参照していただけます。ここで紹介しきれなかった写真もたくさんありますのでぜひこちらも参考にしてみてください。
次回 2016年4月のテーマは「明」「転」「儚」です
次回4月のテーマは「明」「転」「儚」です!
応募方法などの詳細はこのページの最後でご案内します!
*3月分の発表が遅くなってしまったため、4月分の締め切りはGW後まで伸ばさせていただきます。みなさまのご参加お待ちしております!
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それでは3月の優秀作品を一挙にご紹介していきましょう!僭越ながら私からのコメントも簡単に付けさせていただいております。
*PCでご覧の方は作品をクリックすると大きなサイズで見ることが出来ます。
最優秀作品
機械花火 / 八島颯也さんの作品
テーマ:「黄」
SONY α7 / Nikkor 50mm f1.4
F1.4 / SS1/125 / ISO100
JPEG Lightroom CCにてレタッチ
工夫したポイント
高校の機械実習中に撮った一枚です。
ハンドグラインダーという鉄を研磨する工具から出る火花をシャッタースピードを変えて何枚も撮りました。露光も炎に合わせ、手や背景はアンダーにすることで、線香花火のような一枚に仕上がりました。
このためにレンズプロテクターをダメにする覚悟で近づいて撮影に挑みました。
今回が初めての応募です。
失礼ながらこのサイトをつい最近拝見しました。4月から写真の専門学校へ通う予定です。
次回以降、積極的に取り組んでいく予定です。どうかよろしくお願いします。
Twitter @FuyaApple
studio9より
工具から出る火花を見事に捕らえましたね。50mm開放で撮影したことで火花が勢いよくはじけ飛ぶ様子をボケを交えて臨場感たっぷりに描写しています。そのボケが適度にブレるシャッタースピード1/125秒というのベストな選択だったのだと思います。
しっとりとアンダー目の露出と中央付近から放射状に伸びる火花、そこに向かって徐々にボケていくぼけのグラデーションが相まってどっぷりと画面内に没入していける作品です。コメントにもあるように火花がカメラに当たるくらい近づかないとこのぼけ感は表現できないでしょうから攻めた甲斐がありましたね^^
また、ぼけの形を良く見ると円形ではなく七角形なのも機械などの無機的なイメージとマッチしていて良いと思いました。最近は円形絞りのレンズばかりとなってしまいましたがこうやって開放でも絞りの形が出てくるレンズも場面によっては有効だなぁと思った次第です。
この4月から専門学校で写真漬けの日々が始まるとのことですが、ぜひ精力的に様々な表現にチャレンジしてみて下さいね!今後が楽しみです。
八島颯也さんには副賞としてAmazon商品券1000円分をプレゼントいたします☆
特別賞
旅立ちの日の記憶 / Mk.Vの作品
テーマ:「淡」
Nikon1V3 / 1NIKKOR 18.5mm
f/1.8 / 18.5mm, F1.8, SS1/100, ISO800
RAW / LightroomCC, PhotoshopCC
工夫したポイント
先日、中学校卒業式で娘の襟元に彩りを添えてくれた造花のブローチです。
多くの出会いに恵まれ、無事卒業してくれた娘の姿にこみ上げるものがありました。そんな旅立ちの日の記念にと撮影した一枚です。
目指したイメージは「日常生活の中のほんの1ページ。でも決して忘れることの無い大切な記憶」
カメラはフルサイズ機は使用せず、日常スナップ的にニコン1を選択。レンズも50mm相当の単焦点一択です。
テーブルに置いたりいろいろ試した結果、「手持ち&日の丸構図」が一番しっくりきました。
背景には部屋の白い壁を選択。
窓から差し込む日差しを利用し、さらに絞り開放で柔らかなイメージに。
現像ではWBを暖色系に振る事で、柔らかさ&優しさをプラス。さらにコントラストと彩度を若干下げました。
その上でHSLにて、花部分のピンクをアイキャッチ的に彩度を上げています。また周辺減光を軽くかけ、視線の誘導も狙っています。
その後Photoshopにて虹彩絞りを適用し、印象的に見せるため白色でフレームを追加。
「娘の旅立ちを祝福して」
そんな気持ちが伝われば嬉しいです。
連絡先:Twitter(@MkV_jp)
ブログ : http://markfive.blog.fc2.com/
studio9より
娘さんの卒業を祝福した1枚とのことですが、見ている私までなにか勇気づけられ、暖かな気持ちになる1枚です。Nikon1というコンパクトなカメラを使い、日の丸構図でシンプルに撮る。撮影だけを考えるならだれでも撮れてしまうような1枚ですが、ストーリーやイメージをしっかりと持っていたからこそ「魅せる1枚」に仕上げられたのだと思います。
柔らかさ&優しさを表現するためにWBを暖色系にし、コントラストと彩度を下げる、花の色をアクセント的にHSLでサイドアップ、中央への視線の誘導のために周辺減光を。。と作品イメージに対して的確な調整がなされているのもステキです。
派手な魅せる写真ももちろん素晴らしいですが、身近にカメラがある今だからこそ何気ない日常のシーンを切り取って作品に仕上げることも大事にしたいですね。
Mk.VさんにはAmazon商品券500円分をプレゼントいたします☆
優秀作品 テーマ:「黄」
続きまして、優秀作品の発表です!(順不同、投稿日順)
好奇心 / zackforさんの作品
PENTAX K-5 II S / smc PENTAX-D FA マクロ 100mm F2.8 WR
100mm, F2.8, SS1/200, ISO200
RAW / Lightroom6
工夫したポイント
宮城県、蔵王キツネ村に行った際に撮影したものです。
餌場から見下ろすと、キツネがこちらを見上げてくれるので撮影がしやすくて助かります。
その反面、キツネと土しか写らない構図になってしまうので、ハッキリと主役のキツネのみに焦点を合わせるように努力しました。
Twitter(@zackfor)
studio9より
キツネのモフモフ感がとても伝わってくる作品です。一緒に布団に入って寝たいくらいですね^^
小さな画面では少し分かりづらいかもしれませんが(ぜひオリジナルの大きな写真も見てみて下さい)、両目にガッチリとピントが合い、体は柔らかにボケていく感じがモフモフ感を増強させているのでしょう。ぼけがキレイに出るマクロレンズを使ったのも良かったのかも知れません。
また、キツネが上を向いているお陰で目とヒゲがカメラから等距離となり、ヒゲにもしっかりピントが合っているのもキツネの顔をより印象的に見せる事に影響していると思います。
欲を言うならキツネは右方向を向いているので地面の余白は右側に作った方が自然だったかもしれません。
優秀作品 テーマ:「淡」
春を感じて / EVELLFOSさんの作品
Canon EOS-1D X / EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM
300mm, F5.6, SS1/1600, ISO5000
RAW / Lightroom CC
工夫したポイント
2月半ばの雨の日に、温室の蝶を撮りに行ってみました。
飛んでいる蝶はファインダーにおさめるだけでも難しく、ピントを合わせるのはとても大変でした。中央の領域拡大、AIサーボで何度もトライし、なんとか撮影できたものをトリミングしたのがこの写真です。
動きの速い蝶を撮るためにSSを上げると感度も上がってしまい、ブラさずに撮れて画質も許容できる妥協点を見付けるのにも苦労しました。
雨の日の自然光と、温室内の蛍光灯と白熱電球が入り交じりWBを決めるのも難しく…RAW現像時に少し大きめにWBを動かして、ちょっぴり淡くてノスタルジックで、少し春を感じられるような雰囲気に仕上げてみました。
studio9より
ハイキーで前ボケが入りつつ、独特なマゼンタに寄せた暖色系の色がなにかフワッとした幻想的な印象を強くしていて、蝶のイメージにもよく合いますね。
ISO5000を見て驚いてしまいましたが、なるほど雨の日の温室なら高感度が必要なわけです。飛んでいる蝶や蜂、トンボなどはなかなか撮るのが大変ですが、動体を撮る良い練習になると思います。蝶は羽ばたく回数が少なめですので高速シャッターで完全に動きを止めるだけでなく、この半分くらいのシャッタースピードで羽根にブレ感をだしてみるのも面白いかなと思いました。
千はいずこ / AMEMANさんの作品
EOS 5D MarkIII / EF 24-70mm F4L IS USM
絞り優先モード、F9.0、SS15秒、ISO200、47㎜
Lightroom
工夫したポイント
前から見たかった冬の銀山温泉です。冬の凍てついた空気の中、ガス灯や温泉宿の灯りが湯煙で朧となっている様を撮ろうと思いました。
レトロな雰囲気を出すため、WBは昼光にしました。
全体としてくっきり感を出しつつも淡いイメージを出そうと絞りは9まで絞り、Lightroomでコントラストと明瞭度を大きく下げてみました。
満足いくものではないですが、少しはイメージに近づいたかなと思っています。
なお、タイトルは、銀山温泉のとある宿が、千と千尋の神隠しのモデルとなったと言われていることからです。
studio9より
「千と千尋の神隠し」のモデルとして有名な銀山温泉での1コマ。全体的に大きく暖色に寄せたことでノスタルジーを感じる1枚です。
15秒というスローシャッターで、川面に映る街灯りが滑らかに描写され、湯煙の幻想的な描写もスローシャッターならではでしょうか。普段川面への映り込みになかなか意識が回らない人も多いですが、スローシャッターにすることで映り込みが柔らかく浮き出てくるのです。なにか映画の1シーンにタイムスリップしたようです。
ただ、大きく暖色に寄せたことで画面から冬や雪といった情報がやや感じにくくなっているかな?と思いました。もう少し注意深くWBを調整して温泉街の暖かみと雪の白さを両立できるポイントが探れるとより素晴らしいのではないかと思います。
梅広場 / ERIさんの作品
Canon EOS 6D / EF 24-105mm F4L
105mm, F8, SS1/500, ISO1250
RAW / Lightroom6
工夫したポイント
広大な38haの公園いっぱいに、優しい香りとともに、色とりどりの梅の花が匂い咲きます。
高台からの撮影をし、公園一面を収めました。
Lightroomにて、淡いソフト感が出るよう彩度、明るさや明瞭度を調整しています。
studio9より
むせかえるような画面いっぱいの華やかな梅林ですね。ここはかなり有名なスポットでいろいろな所で写真を目にしますが盛りを迎えたカットはいつ見ても素晴らしいです。
ソフトフィルターを掛けたようにLightroomで大きく明瞭度を落とし全体にフワリとした仕上がりになっている点もこのシーンに良くマッチしていると思います^^
梅林の中にぽつんと見える東屋も良いアクセントになり、構図的にも良い位置に配置されていますが、東屋の中に見える人影にどうしても視線を持って行かれてしまいます。このカットではそれほど重要な人物ではなさそうに感じるので思い切って人影を消してしまうとより画面内に集中できるのではと思います。
以前ここの比較的近くに住んでいたにもかかわらず一度も行かなかったことに後悔している今日この頃です(笑)
曼珠沙華 / sumichanさんの作品
NikonD5000、Tamron 90mm F2.8 Macro
f/4, SS1/250, ISO400
工夫したポイント
以前は彼岸花って「家に持って帰ると火事になる」という言い伝えがあったりして、気味の悪い花だと思っていました。
でも写真を撮るようになって、いろいろな人の作品をネットとかで見るうちに、そのミステリアスというか妖艶というか仏教的な雰囲気に魅力を感じるようになりました。
今回はホワイトバランスを電球にしてみたら、彼岸花のはかない感じが出たようで気に入りました。後ろは水色、前はピンクの淡いボケが入るように構図を考えました。
studio9より
すこし時期はずれますが今回のテーマ「淡」にピッタリの1枚です。写真家の山本まりこさんの言葉を借りるなら「airy (エアリー)」な空気感や透明感を感じる作品ですね。手前の前ボケもボケ具合、位置ともにステキです。
彼岸花は真っ赤なお花なのでホワイトバランスを電球など大幅に寒色に振ってもお花は赤いままだったりします。一方で背景はその分青くなるのでハイキーと合わせて独特の透明感を出しやすいのです。
私も彼岸花のミステリアスな感じはとても好きです^^
純潔 / さいじさんの作品
E-M5MarkII / M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
F2.8 / 1/320sec / ISO250 / 150mm
工夫したポイント
群生しているスノーフレークの花で白い大きな前ぼけを作りたかったので、ベストなアングルを探すのにまず苦労しました。
背景もぼかしたかったので望遠レンズで絞りは解放で撮影しました。
編集で、ホワイトバランスで緑が濃くなるように調整。プラス補正で全体を明るく淡いイメージにしました。
プラス補正で白とびした花の色をハイライトを下げて諧調を出しました。
studio9より
全体の爽やかなグリーンの色味とスノーフレークの花の質感表現がとてもステキです。
手前のうっすらとボケているスノーフレークの白い前ボケと背景の濃淡2つのグリーンのボケのグラデーションが本当に爽やかです。定評のあるレンズで撮影したというのもあると思いますが、しっとりしたお花の生っぽい質感もいいですね。
右側にメイン以外のお花が集まってしまいややバランスが崩れているような気もしますので、もう少しシンプルな構図を探してみるとさらにステキになったのではと思います。
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優秀作品 テーマ:「地」
迫り来るダイヤの光 / newtonlingさんの作品
撮影場所:東京都千代田区 東京国際フォーラム
Canon EOS 60D / EF-S10-18mm f4.5-5.6 IS STM
10mm, F8.0, SS1/50, ISO100
工夫したポイント
東京国際フォーラムのガラス棟の中をメインに撮影しに行った際に、中庭広場でフリーマーケットをしていたので少し覗きに行くと、ガラス棟に反射した日差しが地面にダイヤ型で写っているのに気付きました。
広角レンズで撮影する場合は、大体はカメラを地面に近づけて撮影するのですが、今回は反射した光がこちらに迫ってくる感じを出すために、目線の高さから撮影しました。
また、AEBで撮影した写真をHDR合成して、光と影のコントラストを強調しつつ、フリマの様子、またガラスの写り込みが明るく見えるように編集しました。
studio9より
格子状のビルの窓ガラスに反射した光を上手く捕らえましたね。大都市のビル街ではこうしてビルに反射した光を上手く使うと面白い作品になりますね。ビルに反射した光は太陽の動きと共に刻一刻と大きく変化していきますので今だ!と言うときに撮っておくのも大事です。
超広角+ハイアングルで撮影したことで地面とその影に大きなパースが付き、まさにこちらに迫ってくるような迫力が出ました。
少し惜しいのは左側の陰になっている部分で、インパクトが弱いため多少左右のバランスが悪くなっている気もします。もう少し左側のスペースをカットするアングルを試したり、人が通りがかるまで待ってみるなど工夫をするとより良かったのかなと思いました。
洋上の貴婦人 / wasabiさんの作品
NikonD7200 / SIGMA17-50mm F2.8
20㎜ / F2.8 / SS1/10sec / ISO1600
Lightroom CC
工夫したポイント
大阪港にクイーンエリザベス号が寄港とのこと、滅多に見れるものではないので見に行きました。 いや、撮りに行きましたw
さすがにでかいです。接岸した状態ではいくら広角でもほんの一部しか写らずマンションを撮ったみたいになります。今更対岸に移動するのも面倒、、、なので離岸するのを待ち全体を撮影しました。
しかし出港時間は23時。あたりは真っ暗。人が多く三脚は立てられず、立てたとしても移動する船なので極端なスローシャッターは切れませんのでISOを上げ絞り解放の手持ちで撮影。
被写界深度が浅くなるけどブレるよりはマシですから仕方がない。低ISOで絞れば光条も解像感も出てよさそうなんですが・・・
だんだんと離れてゆく船を17㎜~50㎜まで焦点距離を伸ばしていきながら撮りましたが17㎜では船体が細長すぎ、30㎜以上だと高さが出てずんぐり、20㎜位で撮ったものが一番カッコいいと感じました。
現像でのイメージは豪華で煌びやかさ。
露光量を0.9EV上げ、ハイライトを目いっぱい下げ、シャドウ白レベル黒レベル大きく上げて明瞭度も上げています。元々高感度撮影な上ここまで大きくさわるとさすがにノイズがひどいのでノイズ軽減とシャープの項目は試行錯誤しました。
あと水面の反射と岸壁が目立ったので段階フィルターを2段にかけて目立たなくさせ船体に視線が集中するようにしました。
P.S
テーマの「地」ですが、客船→寄港→地上へ→出港 ということで・・・
studio9より
超大型客船は横浜で撮影されることが多いイメージでしたが、大阪でも撮れるのですね。暗い難しい状況の中で細部までしっかりと捕らえました。コメントにもあるようにマンションが海に浮かんでいるような巨大な船なわけですが、このサイズ感を写真で表現するにはなかなか大変です。
このサイズ感や迫力を表現するためにはいくつか方法はあるのですが、コメントにもあるように焦点距離を変えてみるというのは大変重要です。レンズをズームさせるのはただ被写体の大小をコントロールするだけでなく被写体のパースペクティブ(遠近感、被写体のすぼまり感)をコントロールする役割もあります。
今回はズームレンズの利点を生かして焦点距離を変えながら船のパースが左奥から右手前に迫ってくるような最適になるポイントを探ったのも良かったのだと思います。
今月の『惜しい!あとちょっと!』
*あくまで私の独断と偏見によるものでこれが絶対と言うわけではありません。参考程度にふーんと見ていただければ幸いです。
*ここに挙げた作品だけが入選の次点というわけではありません。解説するうえで撮影者や読者の方に分かりやすい作品を主に取上げていく予定です。
ではいってみましょう!
黄色の冠 / kusinadaさんの作品
テーマ:「黄」
OLYMPUS STYLUS1s/f3.2,SS1/500,ISO100
RAW/OLYMPUS Viewer 3、Photoshop cs6
萩往還梅林園に梅の花を撮影に行ったときに咲いていた黄色水仙です。副冠が印象的だったので、クローズアップレンズをつけて撮影。
日陰で少し暗かったのでRAW現像時に露出補正+1.5、仕上がりvivid、色温度7500Kを適用して明るく濁りのない黄色を目指しました。全体を黄色のイメージにしたかったので、花びらの隙間から見えていたグレーの背景部分はphotoshopでレタッチしました。最後に画像を90度回転して黄色の花びらに浮かび上がる冠を演出しました。
ここが『惜しい!あとちょっと!』
スイセンの花の中央部分に着目して大胆に黄色の部分だけ切り取ったことでどこか不思議なミクロの世界を感じます。マクロレンズやクローズアップレンズではこのように良いと思ったところだけを切り取るのも大事ですね。
ここを気をつければさらに良くなるかも。。と思った点は1つは黄色のトーンの出し方。画面全体が黄色系の色で占められるようなこのような写真は色の調整が結構大変です。仕上がりvividという高彩度のモードで鮮やかな花を画面いっぱいに写してしまうと彩度が高すぎてお花のイメージが強すぎてしまうことがあります。
また、明るく濁りのない黄色を狙ったとのことですので、もう少しハイライト側を明るくしても良い気がします。(黄色はハイライト側のコントロールが特に難しいのです)
彩度を少し下げマイルドにしてから、ハイライト側を少し明るくしてみるとこんな感じになりました。
黄色は彩度とハイライト側のトーンのコントロールが難しいので、ヒストグラムなどを見ながら丁寧に調整してみると透明感が出せるかと思います。
ピント位置を工夫しても良いかも
また、ピントの位置についてですが、スイセンやユリなどしべに花粉がたっぷりついているお花はしべの存在感が大きく生々しい印象になってしまうことも。またそこにピントが合ってしまうと視線が持って行かれてしまいがちです。この場合なら副冠の下側(手前)にピントを合わせるとしべがうっすらとボケて花全体に意識が回るかも知れません。
また、このような中心部を思い切って切り取る撮り方なら、キッチリ正面から浅い被写界深度で日の丸構図で切り取ってみるのも印象的になるのでオススメの撮り方です。こんな感じ。
まとめと4月のご案内
以上、41作品の中から10点を選出させていただきました。春の訪れと共にみなさんの応募作品にも華やかな色が多くなってきましたね。1枚ずつ見ているだけでもわくわくした気持ちになってきます。ぜひ下記のオリジナルアルバムにも足を運んでみて下さい。
今月もたくさんの力作をご応募頂きありがとうございました!
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今月もこちらに載せられなかったステキな写真がまだまだありますので、もっと良く見たい!という方はオリジナルの投稿アルバムにもぜひ足を運んでみて下さい。
毎月ご応募頂いている方も、初めての方もご応募心よりお待ちしております!
**ご注意**
studio9の写真コンテストの必須項目は、「お名前(ハンドルネーム可)」「テーマ」「作品タイトル」「工夫した点」の4つです。どれか一つでも抜けているとせっかく良い作品でも審査対象外となってしまいますのでご注意下さい。
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2016年4月のテーマは「明」「転」「儚」
次回4月のテーマは「明」「転」「儚」です。
テーマはあくまで目安なのでなんでもOKです。
うっすらと(こじつけでも?)上記3つのうちいずれかと関係しそうなお写真のご応募をお待ちしております!
作品のご投稿や応募要項は下記リンクからどうぞ!
写真コンテストの詳細、応募はこちら!
締め切りは【2016年 5月8日】 までです。
*3月分の発表が遅くなってしまったため、4月分はGW後に締め切りを設けています。GW中に撮影した写真の投稿もOKですよ!
30days Albumについて
投稿用アルバムの30days AlbumはGMOペパボ株式会社が運営する写真共有サービスです。
友達とパスワード付きのアルバムが簡単にシェアできたり、写真のストレージ機能が無料で使えるサービスです。私もワークショップ後に参加者のみなさんと写真を共有したりするのに使っております^^
– フリーランスカメラマンの私が普段使っているWEBサービスとかいろいろ10選!