前回のエントリーで紹介したファイル同期ソフトのFreeFileSyncですが、このソフトはスケジュールを組んで完全自動化することも出来ます。完全自動化してしまえばよりバックアップ作業が楽ちんになりますね。
今回はFreeFileSyncを使ってファイル同期の自動化をする方法を2つ紹介します。
バックアップを完全自動化する!
先日紹介したバックアップに便利なファイル同期ソフトのFreeFileSync。無料で使えて高機能、WindowsでもMacでも使えて使うのも簡単というありがたやーなソフトですが、このソフトはスケジュールを組むことで完全自動化してファイルを同期することも出来ます。
FreeFileSyncの概要と基本的な使い方はこちらからどうぞ!
自動化の方法は2つ。今回はこの2つの自動化の方法を順を追ってご紹介します。
*インストールや基本設定などは前回の記事(上記設定)からご確認下さい
*キャプチャ画面はWindows7のものですが、先日Windows10にアップデートした後も快適に動いてます。Windows10での設定方法も今回のものと全く同じです。
FreeFileSyncをスケジュール化して使う
前回は「一括ジョブ」というバッチファイル(.ffs_batch)を作ることでそれを実行(ダブルクリック)すればファイル同期が完了するよ!というところまでご紹介しました。
最初にご紹介する自動化はこの「一括ジョブ」をOSに標準で搭載されているスケジューラーを使って定期的に自動で実行させるという方法です。
Windowsの場合は標準搭載の「タスクスケジューラ」、Macの場合は「Automator」を使えばいいよと本家のヘルプに書いています。今回はWindowsのタスクスケジューラを使う方法をご紹介します。
Macをお使いの方はFreeFileSyncのオンラインヘルプに英語ですがキャプチャ付きで設定方法が書いています。
原理的には一括ジョブファイル(.ffs_batch)を定期的に実行させるだけなので他のスケジューラー系のソフトでも代用可能かと思います(試してはいません)。
Windows タスクスケジューラーを使う
Windowsの場合は コントロールパネル > システムとセキュリティ > 管理ツール からタスクスケジューラ を開きます。Windows10だと左下の検索ボックスに「タスクスケジューラ」と入れたら候補が出てきますね。
左のカラムで「タスクスケジューラ(ローカル)」を選択した状態で右側の「基本タスクの作成...」をクリック。
あとはウィザードに従って好きなスケジュールを組むだけです。
同期頻度を選択する
初めの画面でタスク名を決めましょう。後で見て自分が分かれば何でもOK。説明欄は適当で大丈夫です。決めたら「次へ」
続けてトリガーの項目で同期の頻度を決めます。毎日でも曜日を指定でもお好きなままに。ここでは毎日としました。例えば3日ごとであれば「毎日」、毎週月、水、金に同期したいなら「毎週」を選びます。
毎日とすると開始時間や実行間隔を選べます。
私の場合は基本24時間パソコンは起動しっぱなしなので朝の4時に毎日バックアップを取るように設定しています。
「タイムゾーンにまたがって同期」という謎の表記がありますが、どうやらこれはGMT(世界標準時)基準にするかどうかということみたい。日本時刻でバックアップ取りたいならチェックをつけずにそのまま次へ。
起動プログラムの設定
続いて自動起動させるプログラムを決めます。前回のエントリーでつくった「一括ジョブファイル(.ffs_batch)」を使いますのでまだ作ってない人は前のエントリーを見ながら事前に作っておいてください。
操作の項目は「プログラムの開始」です。
続いて、プログラムを指定します。ここの指定がポイント。
まずはプログラムスクリプトでFreeFileSyncの実行ファイルを指定します。参照から Cドライブ > Program Files > とたどって、インストールしたフォルダの「FreeFileSync.exe」を指定すればOK。Windowsの場合は通常
となるはずです。半角のダブルクオート「"」で囲うこと。
続いて「因数の追加(オプション)」で自分で保存した一括バッチファイル(.ffs_batch)の保存場所を指定します(.ffs_guiではありません)。こちらも半角のダブルクオート「"」で囲います。私の場合はこんな感じ(自分が保存した場所のパスを入力します)。
例えば、「D:DocumentsFreeFileSync_setting」というフォルダにある「standerd_backup.ffs_batch」という一括バッチファイルを使うならこんな感じです。(いずれも私の環境のものです)
正確な場所(パス)は一括バッチファイル(.ffs_batch)を右クリック>プロパティの「場所」で確認出来ます。(下図はGドライブに保存してある例。上とは違う)
「開始」には何も入れなくてOKです。
全部設定できたら確認して完了です!
*[完了]をクリックしたときに、このタスクの。。。はチェックつけなくてOK。
タスクを確認してみる
作ったタスクを念のため確認してみましょう。
「タスクスケジューラライブラリ」で右クリックして「最新の情報に更新」を選択します(大事)。
その状態で真ん中の項目を見るとさっき作ったタスクが並んでるはず。内容は下のタブから確認できます。
更新時間の変更とか無効化、タスクの削除などは自分のタスクを選択した状態で、右側カラムの「選択した項目」の中でプロパティや削除をすればOKですね。
これでパソコンを起動している間はずっと「毎日午前4時」に指定したファイルの同期をしてくれます。
手動同期と絡めることも可能
上記設定では1日1回しか同期(バックアップ)されないので、私の実際の運用では写真を撮ってきてパソコンに保存したら手動で一括ジョブを走らせて(ショートカットをダブルクリックするだけ)すぐに最低限のバックアップをとってしまいます。
その後いろいろ作業を進めて微妙な変化があったりした場合やうっかりミスを防止するために強制的に1日一回の同期をさせるといった感じで運用させています。
RealTimeSyncを使いフォルダ監視して自動化する
上で紹介した方法はOS標準のスケジューラーを使うので一度設定してしまえばユーザーは特に何もすることはありません(定期的にうまくいっているかどうかの確認は必要)。
でも最初の設定がやや面倒です。また、1時間とか30分ごとといった間隔では同期できません(うまくやればできるかな?)。
そんな時はFreeFileSyncに同梱されてきた RealTimeSync.exe(赤いほう) を使うと簡単です。
秒単位でフォルダを監視する
使い方は簡単です。こちらも「一括ジョブ」が事前に必要ですから作っていない人は前のエントリーを確認して事前に作っておいてください。
RealTimeSync の特徴はただ「**時間」経った後に実行というような単純な動作では無く、
という動きをします。
30分おきに監視する設定をしていても、そのフォルダになんの変化も無ければ同期は実行されないというスマートな動きをします。
*実際使ってみるとファイルが追加/削除されていなくても、フォルダにアクセスがあり何らかの変更(隠しファイルとか?)があれば動作を開始する模様。
RealTimeSyncの設定
デスクトップなどにできてる赤い矢印の方をダブルクリックするとこんな画面が立ち上がります。
ここから設定していきます。
監視フォルダの設定
まずは変化を監視するためのフォルダを設定します。ここは通常同期対象のフォルダを指定すればOKですが、同期対象でなくても大丈夫です。
また、二つのフォルダを同期するような一括ジョブを使う場合はどっちか1つのフォルダを指定するだけでもOK。(もちろん両方指定してもいいです)
例えば私の場合、写真フォルダとメールのフォルダを一度にバックアップする一括ジョブを使っているのですが、メールフォルダは頻繁に変化がありすぎるので写真フォルダのみ指定してました。
*現在はスケジューラで同期しています
監視頻度の設定
監視頻度はデフォルトで10秒となっていますが、普通のバックアップが目的なら頻度が高すぎかと思います。秒単位で指定できるので3,600秒 = 1時間 と考えて適度な時間を指定するといいでしょう。24時間なら86,400秒です。
例えば私の場合、1日3回監視することにして8時間ごと28,800秒を設定してました。
頻度が高すぎると前回説明した削除ファイルをバージョン管理したりゴミ箱を指定している場合、削除ファイルだけでHDDがいっぱいになる恐れもあるので初めは削除ファイルの方も注目しておいて下さい。
コマンドラインの設定
ここがちょっと戸惑うかも知れませんが、やることは簡単です。公式のヘルプにも書いていますがタスクスケジューラーの設定と同じく、FreeFileSync.exe(RealTimeSyncではない)と一括ジョブファイルのパスをダブルクオートで囲んで並べるだけです。間の半角スペースも含めもちろん全部半角ね。
私の場合はこんな感じ
↑勝手に改行されてて分かりづらいと思いますが、FreeFileSync.exeと一括ジョブの間は半角スペースが空きます。
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ということで私はこんな感じになりました。
よければ「開始」を押して待つだけ。タスクバーに隠れて常駐するようになります。
これで8時間ごとにIドライブ(写真が入ってるドライブ)を監視し、変化があれば同期を実行するという環境になりました。
起動してなければ同期されない
RealTimeSyncを使うとスケジューラよりもスマートに同期が出来るようになりますが、RealTimeSyncを起動して開始させないと同期が始まりません。
ここだけがちょっと面倒なポイントとなります。最初に開始を押すだけですが。。^^;
まとめ
ということでFreeFileSyncを使った同期の自動化の方法をご紹介しました!
まぁ正直なところ前回紹介した「一括ジョブ」さえ作ってしまえばショートカットダブルクリックだけで同期が出来ちゃうのでよほどのことでない限り設定しなくてもいいかなとは思いますが、私のような面倒くさがり屋さんやうっかり忘れが多い方は設定しておいても良いかと思います。
ただし、途中でもチラッと言いましたが自動であることに安心していると結果的に重大なミスに繋がることもありますので、定期的にキチンと動いているかどうかの確認は必要です。
また、削除対象ファイルを溜める設定にしている人はそこの容量も気にしながら定期的に削除するようにしましょう。
以上、便利なFreeFileSyncの活用方法でした!