羽田空港でうまく撮影するためのポイントとは?
日本最大の旅客数を誇る東京国際空港(羽田空港)。
空港は飛行機を乗るために利用するだけ。そんな方がほとんどではないでしょうか。実は空港は遊べる場所でもあるのです。近年のカメラブームでデジタルカメラが身近な存在になりました。カメラ愛好家が増えるとともに撮影ジャンルも増え、様々なものを被写体として考える方が増えています。その内の一つが「飛行機」です。
近年では幅広い年齢層から「飛行機撮影」が支持されるようになりました。「飛行機撮影」のメインは空港で撮影することです。実は日本の大半の空港では「展望デッキ」が存在し、飛行機を見学することや撮影するための施設があるのです。
東京都心から一番近い羽田空港にも各ターミナルに展望デッキが存在し、撮影を楽しむことができます。また空港の敷地外から飛行機を撮影できる場合もあります。羽田空港の場合、周りが海ですが、空港外周の撮影ポイントも多数存在し、飛行機を撮影することに向いていると言えるでしょう。
今回は羽田空港のオススメ撮影ポイントをご紹介していきます。
飛行機撮影に必要な機材や技術
羽田空港には展望デッキがあるとはいえ、滑走路上の飛行機までは結構な距離があります。飛行機撮影では「望遠レンズ」を用意することを忘れないようにしましょう。カメラボディについては動く被写体に強いモデルを選ぶようにしましょう。動くものにはAF性能が重要となるため、高速AFを特長とするボディを選ぶと良いでしょう。
大雑把にいえば、中級クラスの一眼レフやミラーレスカメラと70-300mmや100-400mmクラスの望遠レンズがあれば快適に撮影をすすめることができます。飛行機撮影に関する機材選びについては下記記事で詳しくご紹介しているので、是非ご覧ください。
機材だけでなく技術もある程度必要
飛行機撮影に必要となる技術は動体撮影に対応できる能力です。
旅客機を撮影する場合は、動く大きな被写体をどれだけ正確にフレーム内に収めるかがポイントになります。また被写体が動くものとなり、画角が固定できません。そのため夜間を除き、手持ちでの撮影が基本となるため手ブレにも気をつける必要があります。
シャッタースピードを意識して撮影することも重要な設定技術の一つになります。飛行機撮影の基礎については下記記事で詳しくご紹介しているので、是非ご覧ください。
知っておきたい滑走路の運用方法
羽田空港は日本最大級の空港ということもあり、一日中いて飛行機の数に困ることはありません。近年では海外航空会社も就航を進めており、航空会社のバリエーションも増えました。
そんな沢山の飛行機を見ることができる羽田空港ですが、狙いの機体を撮るためには少し知識が必要です。実は飛行機は風向きによって飛ぶ方向を変えたり、使う滑走路を変えたりするのはご存知でしょうか。
滑走路には番号が付いている
羽田空港には4本の滑走路が存在し、風向きや行先によって使う滑走路が変わってきます。
一般的には羽田空港の滑走路はA~Dの4つのアルファベットで識別されることが多いですが、飛行機が離陸、着陸する方角まで含めたより詳しい名付け方が国際的に決められています。
例えば第二ターミナル(ANA)の横にある滑走路は一般的には「C滑走路」ですが、南から北方向に離陸、着陸する時は「RW34R」という文字で表記されます。
RWはランウェイ(滑走路)で、34は滑走路の方角。羽田空港の「RW34R」の場合、正確には337度の方位ですが四捨五入されて一の位が省略されるので34となります。
さらに羽田空港では第一ターミナル側にもう一本平行な滑走路があります(A滑走路)。これを区別するためにR(Right)が付くというわけです。もし平行に3本の滑走路があればL(Left=左)、C(Center=中央)、R(Right=右)で区別します。
B滑走路やD滑走路は平行ではないのでRやLはつきません。
羽田空港の場合、西側と東側に平行する滑走路があるため、西側をRW34L、東側を34Rと名付けています。
もし、風向きなどが変わり、北から南へ侵入する場合はそれぞれ、RW16R、16Lということになります。
できれば命名規則を覚えておこう
はじめはA~Dの滑走路名で覚えておいても良いですが、この命名規則を知っていると他の空港へ撮影に出かけたときもすぐにどのような滑走路かが分かるので便利です。
これを踏まえて滑走路運用の知識についてのご紹介となりますが、風向きに関しては基本的に「北風時」と「南風時」に分かれます。ここでは北風時と南風時の運用方法について図を使ってご説明していきます。
北風時
北風時は北から南に向かって風が吹いている状態を示します。
飛行機は風が吹いてくる方向に向かって飛ぶことが一般的です。そのため北風時は南から北へ向かって飛ぶ運用方法になります。
羽田空港の場合、北風時に離陸で使う滑走路は2つあり、第二ターミナル側に存在するC滑走路(RW34R/RW16L)と2010年に使用を開始した沖合にある島の滑走路であるD滑走路(RW05/RW23)を使用します。
北風時の離陸パターン
北風の場合、北へ向けて離陸するため、使用する滑走路はC滑走路でRW34R、D滑走路はRW05となります。
C滑走路は主に北や東方面への出発便の離陸に使われる滑走路で、北海道や東北、北米路線などで使用されます。例外も少しあり、C滑走路は西方面のヨーロッパ行の便にも使用されます。
C滑走路は羽田空港で最長の3,350mの長さを保有する滑走路で、長い距離の滑走が必要な長距離便は必然的にC滑走路を使うことになります。D滑走路は主に西方面や南方面の便に使用されます。
羽田空港から離陸する飛行機の割合を見ると、7割方は北風時にRW05(D滑走路)を使用する傾向があります。それだけ西方面や南方面である西日本や沖縄地方、アジア路線の就航数が多いことが分かります。D滑走路は2,500mの長さを保有し、国内線や近距離国際線には十分な長さとなっています。
北風時の着陸パターン
続いて着陸ですが、着陸はA滑走路(RW34L/RW16R)と離陸でも使用したC滑走路(RW34R/RW16L)を使用します。
離陸時と同じく北方面へ向けて着陸するため使用する滑走路はA滑走路でRW34L、C滑走路でRW34Rとなります。こちらは西方面や南方面から到着する機体はRW34Lを使用し、北方面や東方面、ヨーロッパ方面から到着する機体はRW34Rを使用します。
しかしこれは原則的な運用であり、稀に変わることがあります。特にヨーロッパ方面や北米方面から到着する便は、国際線ターミナルがA滑走路側にあるため、地上滑走の時間を減らすために近いA滑走路使用をリクエストすることがあります。
到着機の間隔にもよりますが、許可が下りるとA滑走路を使用して着陸することも少なくはありません。
南風時
南風時は南から北に向かって風が吹いている状態を示します。
そのため先述の通り、北から南へ向かって飛ぶことが原則的な運用方法となります。
南風時の場合は、離陸に使用する滑走路はA滑走路で16R、C滑走路で16Lを使用します。これは北風時の着陸と似ている運用で、A滑走路の16Rからは西方面や南方面に向けて出発する便が使用します。
南風時の離陸パターン
A滑走路は3,000mの長さを保有しますが、B滑走路とクロスしており、B滑走路を跨がない離陸方法を取っているため、滑走路端まで飛行機は行かずに、実際は400mほど南へ進んだ場所から離陸します。
C滑走路は北方面や東方面、ヨーロッパ方面、北米方面の便に使用されます。着陸時では国際便がA滑走路を使うと北風時にご紹介しましたが、離陸時は北風時と同じ滑走路長の関係で必然的にC滑走路を使用します。
南風時の着陸パターン
着陸の運用方法は、B滑走路(RW04/RW22)とD滑走路(RW05/RW23)を使用します。北方面や東方面、ヨーロッパ方面、北米方面から到着する便はD滑走路のRW23を、西方面や南方面から到着する便はB滑走路のRW22を使用する運用方法になります。
風向きから考えると着陸にはRW16RとRW16Lを使用できるのではないかと思う方もいらっしゃると思いますが、RW16RとRW16Lの延長線上には東京都心部がちょうどあり、騒音問題などの関係で現状運用ルートがないことになっています。
しかし2020年の東京オリンピックの開催による発着枠の拡大を目指す羽田空港は、東京都心を通過する着陸ルートを作る計画をしています。これが実現すれば、羽田空港の滑走路運用も大幅に変更されることが予想されます。
季節によって撮影しやすい環境が変わる
実はその季節によってなりやすい滑走路運用というものがあり、これを覚えておくと撮影に非常に役に立ちます。
冬は北風、夏は南風が多い
基本的には冬の季節は北風が吹くことが多く、1日中北風運用ということが多いです。
春になるにつれ、温かくなってくると朝は北風でもお昼を回ったあたりから南風に変わるパターンが増えてきます。そのため朝は北風運用、タイミングを見計らって南風運用に変更されることがあります。
夏の季節になると南風が吹くことが多く、南風運用の比率が増えます。しかし冬場の北風運用と比べると確率は若干低くなる印象があります。気温が下がったり、天気が悪化すると北風が吹く場合が夏には多いのが特徴です。
秋になると再び北風運用の日が増えます。
その日の風向きは大田区や羽田空港の天気予報でチェックすることができます。風向きを見て撮影プランを練ることを意識しましょう。
撮影に向いている季節
日本には四季があり、それぞれ天気の変化があります。飛行機撮影で最も向いている季節は冬でしょう。
冬は空気が澄んでいて、陽炎が少ない
海外の飛行機撮影愛好家も冬場の日本を好んで来日される方が多く、2017年から2018年にかけても私の友人の来日ラッシュとなっています。冬場の撮影が向いている理由として「空気の澄み具合」があります。冬場は空気が冷えることで空が青く澄んだ色をします。
飛行機撮影においても青空は最も相性の良い条件の一つで、冬場の空を好む方がほとんどです。空気が澄むと遠くまで見える基準となる視程も改善します。
例えば羽田空港ではおよそ90km離れた富士山も冬場の朝などはくっきり見る事ができ、飛行機と絡めることが名物になっています。
もう一つは「陽炎の少なさ」があります。夏場など気温の高い季節では、地表付近に出現する陽炎が写真撮影の敵となります。空気がゆらゆら動いているような写りになるため、シャープな写りにならない、文字が読めないなど弊害が沢山存在します。
気温の低い冬場は陽炎の出現率も低く、地上を走行する飛行機の撮影にも向いています。このような理由から冬場が飛行機撮影のベストシーズンとされています。
夏らしい写真を狙うのも一つ
夏場は夏場で独特の積乱雲などと絡めた写真を撮影できることが期待できます。夏場には羽田空港の東側、房総半島方面に巨大な積乱雲が出現することが多く、飛行機と絡めると面白い作品に仕上がるでしょう。
羽田空港撮影ポイントガイド
これまで滑走路運用やベストシーズンについてご紹介してきましたが、いよいよ撮影するための撮影ポイントについてご紹介していきます。羽田空港は海に近い空港ということもありますが、比較的飛行機を撮影できる場所は多いです。
空港の敷地外から撮影できるポイントもあり、目的によって撮影ポイントを変えることができる融通の利く空港です。
1. 第一ターミナル展望デッキ
羽田空港で2017年現在最も古いターミナルである第一ターミナル。こちらはJALが拠点とするターミナルで、6FとRFに展望デッキは存在します。
ここからは主に第一ターミナルで出入りする機体やA滑走路を使用する機体を撮影することができます。こちらのターミナルは西に向けて展望デッキが設置されているため、午前10時頃までが機体に光が当たる順光状態になります。そのため日の出から午前10時までの撮影に適しています。
ここから撮影できる有名なショットとして北風運用時の朝一にA滑走路(RW34L)に着陸する機体と富士山を絡める構図があります。
午後以降は逆光での撮影環境となりますが、夕方になれるにつれてオレンジ色に染まる夕焼け空とシルエットとなる機体の相性は非常に良いです。毎年春と秋には夕日が富士山の頂上に沈む「ダイヤモンド富士」が見られると有名な撮影ポイントです。
夜になるとA滑走路を離着陸する機体の流し撮りを楽しむことができます。背景には国際線ターミナルがあるため、光源のある華やかな写真に仕上がります。
開場時間
6:30~22:00
オススメ焦点距離の範囲
24~450mm(フルサイズ)、18mm~300mm(APS-C)
2. 第二ターミナル展望デッキ
2004年に開業した第二ターミナル。展望デッキは5Fに存在します。
こちらはANAが拠点とするターミナルで、展望デッキに上がるとANAの機体を沢山見ることができます。第二ターミナルは東側に向けて設置されているため、午前11時頃から機体に光が当たるようになります。そのため午前11時頃から日の入りまで撮影を楽しむことができます。
第二ターミナルからはC滑走路が一番近く、C滑走路を使った離着陸がメインターゲットとなります。運用パターンでご紹介した通り、C滑走路はヨーロッパ方面や北米方面の便が離陸に使う滑走路のため、国際線で活躍する大型機を撮影するのに適したポイントです。
特に午後の便で一番人気なのがドイツのフランクフルトへ向けて飛び立つルフトハンザドイツ航空のボーイング747-8型機です。この便は3月29日周辺~10月29日周辺(日は年によって変わります)の夏季スケジュール中は14時5分出発で、10月30日周辺~翌年3月29日周辺(日は年によって変わります)は15時20分出発と機体にばっちり光が当たる時間帯に離陸していきます。
ボーイング747-8型機は2017年現在羽田空港に定期就航している機体で最も大きな機体で、「ジャンボジェット」の名で有名な機体だけに全国からこの便を撮影しに訪れるくらいです。この便は離陸にはC滑走路を使うため、第二ターミナル展望デッキからは迫力ある「ジャンボジェット」の姿を撮影することができます。
開場時間
6:30~22:00
オススメ焦点距離の範囲
・ターミナル付近の機体 24~220mm(フルサイズ)、18~150mm(APS-C)
・滑走路上の機体 300~600mm(フルサイズ)、200mm~400mm(APS-C)
3. 国際線ターミナル展望デッキ
国際線ターミナルは、羽田空港で最も新しいターミナルです。
成田空港開業以降は、羽田空港にはチャイナエアラインやエバー航空(1989年から)のみ外交的な問題で運航を継続することになりましたが、2002年の成田空港B滑走路供用開始に伴い、2社とも成田空港へ完全移転しました。
それ以降は、国際定期便というのは存在せず、「定期チャーター便」として韓国などの近距離便が就航していました。2010年10月の国際線ターミナル開業をもって国際定期便が復活という形になりました。開業当初はアジア系航空会社が中心でしたが、現在では世界各国の航空会社を見ることができるようになりました。
羽田空港の国際化は年々発展が進んでおり、都心から近いアクセス環境で航空便利用者にも好評です。国際線ターミナルにも5Fに展望デッキは設置されており、飛行機を撮影する環境が整っています。
国際線ターミナル展望デッキの一番の特長は、羽田空港で唯一24時間オープンの展望デッキということです。海外空港では展望デッキが少ない上、保安上の理由で開場時間は限られています。24時間オープンの展望デッキは非常に珍しく、一晩を展望デッキで過ごすことも可能です。
展望デッキは第二ターミナルと同じ、東向きに設置されているため午前11時頃から機体に光が当たります。残念ながら滑走路までの距離は3つのターミナルの中で最も遠く、小型機を撮影する場合は結構な望遠レンズが必要となります。
ターミナル付近を走行する機体は比較的近くで撮れ、機体も大きい場合が多いので撮影しやすいです。
開業時間
24時間
オススメ焦点距離の範囲
・ターミナル付近の機体:24~300mm(フルサイズ)、18~200mm(APS-C)
・滑走路上の機体:370~750mm(フルサイズ)、250~500mm(APS-C)
羽田空港周辺の撮影ポイントガイド
ここからは空港敷地外となる「外周撮影ポイント」についてご紹介していきます。羽田空港周辺には埋め立てられた人工島が数多く存在し、撮影ポイントも様々なところに点在しています。
4. 城南島海浜公園
羽田空港の外周撮影ポイントとしては最も有名な「城南島海浜公園」。
こちらは羽田空港の北側に位置する「城南島」にある都立の公園となります。こちらの公園は大きな駐車場も完備されており、車でのアクセスにも十分に対応しています。バスを使ったアクセスも可能で、駅からの場合はJR大森駅や京浜急行大森海岸駅、平和島駅からアクセスすることが可能です。
城南島海浜公園では、バーベキュー場や砂浜も施設として存在し、家族連れの方にもおすすめの撮影ポイントです。
撮影対象として北風時はC滑走路より南から北へ向けて離陸する機体、南風時はB滑走路へ着陸する機体となります。
北風時にC滑走路から離陸する機体を撮影する場合は、機体によって通過する位置が大きく異なります。長距離国際線などの飛行時間が長い場合は、燃料を多く積んでいるため、長い滑走距離を必要とし、低く迫力のある離陸を撮ることができます。逆に国内線の機体は飛行時間が短く燃料をあまり積まないため、早く浮き上がり、その後の上昇もとても早いです。
離陸する機体を撮影する際は、西方向にカメラを向けることとなるため、午前中順光で午後は逆光となります。南風時にB滑走路へ着陸する機体を撮影する際は、北方面から西方面へ通過する機体を撮影することになります。つばさ浜へと足を踏み入れると機体までの距離は近くなり、ほぼ真上を機体が通過する形となります。
望遠を使えば機体の一部を切り取る迫力ある写真を。広角を使えば砂浜や海を入れた情景的写真を撮ることができます。
撮影地情報
・名称 : 城南島海浜公園
・住所 : 東京都大田区城南島4丁目2番2号
・開園時間 : 24時間 (つばさ浜のみ季節毎の時間制限有)
・駐車場 : 有(約250台 午前7時30分~午後9時)
5. 京浜島つばさ公園
城南島海浜公園から一つ西の島に移動すると京浜島があります。
京浜島の羽田空港側には細長い「京浜島つばさ公園」が存在します。こちらの公園は城南島海浜公園と違い駐車場が狭く、北と南のそれぞれ1か所ずつありますが、各9台しか駐車することができないため、混雑する土日祝日は公共交通機関でアクセスすることが良いでしょう。
バスでのアクセスは城南島海浜公園と似ており、JR大森駅や京浜急行大森海岸駅、平和島駅から京浜島循環のバスを利用することでアクセスが可能です。
撮影対象としては城南島海浜公園と同じですが、撮影できる構図やシチュエーションが異なります。C滑走路から離陸する機体は東側にカメラを向けることになるため、午後順光となります。ここからは羽田空港で最大の機体となるルフトハンザドイツ航空747-8の離陸を撮影できる撮影ポイントとしても有名で、冬場であれば午後3時頃、夏場であれば午後2時頃になると(夏冬それぞれのスケジュールで出発時間が異なるため)飛行機愛好家たちが集まってくる様子も見受けられます。
公園は南北に伸びているため、機体に近づくことも遠ざかることも可能です。飛行機ファンの間では、ギア(車輪)が完全に閉まった状態を狙う「ギア閉めショット」というのが流行しています。いかに低い高度でギアが完全に閉まっている姿を撮影できるかを各々の判断でポイント移動するため、判断が難しいところです。
ここからは城南島海浜公園と同じようにB滑走路へ着陸する機体も撮影することができます。城南島海浜公園と違い機体までの距離が遠いのが特徴ですが、距離が遠い分機体の側面をきれいに撮影できるメリットがあります。
こちらも南北どちらで撮影するかで出来上がる構図が異なる撮影ポイントです。北側へ行くと地面が写らない、もしくは飛行機の着陸進入をサポートする進入灯を入れた写真になります。
一方、南側で撮影すると飛行機が滑走路に着地する瞬間を撮影することができます。飛行機が着地する瞬間は摩擦によりスモークが発生します。その瞬間を狙われる方も多いです。
ここでの撮影はスポッティングショットと呼ばれる形式写真を好む方におすすめな撮影ポイントです。
撮影地情報
・名称 : 京浜島つばさ公園
・住所 : 東京都大田区京浜島2丁目
・開園時間 : 24時間
・駐車場 : 有(駐車可能台数が少ないため、公共交通機関の使用がおすすめ)
6. 浮島町公園
上記でご紹介した2つの公園とは場所が大きく異なり、今回ご紹介する撮影ポイントでは唯一神奈川県に存在する公園となります。
浮島町公園は羽田空港の南に位置する公園で、首都高速の浮島JCTすぐ近くに所在します。かつては公園内に駐車場が存在したものの、2018年現在周辺に駐車場は存在せず、公共交通機関でアクセスが必須となります。
駅から離れた同公園ですが、工場団地の影響でバスの本数は十分にあります。平日であれば日中時間帯でも10~15分間隔、土休日でも15~20分間隔で運行されているため、時刻表を確認する必要はないでしょう。
公園内にはトイレと自動販売機はありますが、売店など食材を調達できる場所はないため、長時間撮影を行う場合は、事前に購入しておく必要があります。
浮島町公園からの撮影対象は限られ、A滑走路に着陸する機体となります。機体は南から北へ向かう機体を東方面にカメラを向けて撮影するため午後順光となります。光線状態としては国際線ターミナルや第二ターミナルと全く同じです。
撮影できる構図も限られますが、西方面からA滑走路へ着陸する機体をスポッティングショットとして綺麗に撮影することができます。世界中の飛行機ファンを見渡すと、スポッターという航空機に充てられた機体番号を集めることを趣味とする方が多く、そのような目的は浮島町公園が最も適している場所でしょう。
撮影地情報
・名称 : 浮島町公園
・住所 : 神奈川県川崎市川崎区浮島町12-7
・開園時間 : 24時間
・駐車場 : 無(JR川崎駅、京浜急行電鉄大師線産業道路駅よりバス)
まとめ
これまで展望デッキ、外周撮影ポイント合わせて6つの撮影ポイントをご紹介してきました。
かつて国内線主体であった羽田空港も2010年の再国際化により航空会社のバリエーションも増えて撮影の面白味が増しました。かつての人気者であったボーイング747ことジャンボジェットの姿は羽田空港でも見ることが難しくなってしまいましたが、最新鋭の機体を中心にまだまだ様々な機体を見ることができる空港です。
都心からのアクセスも良好のため飛行機撮影をはじめてみたい方が最初に撮影地として選ぶ空港にも最適です。
ぜひ以前の記事「飛行機撮影おすすめアイテム記事」と「飛行機撮影のきほん記事」と併せて楽しい飛行機撮影を楽しんでくださいね。