運動会で子供のイキイキとした姿を撮影する!
10月といえばスポーツの秋、そして秋の運動会のシーズンですね。
カメラやビデオを片手にお父さん、お母さんがお子さんの躍動する姿を残そうと頑張っておられる姿を見かけます。我が子の躍動する姿やイキイキとした表情を写し止め思い出として残してあげたい、親であれば誰もがそう思うはずです。
運動会を上手に撮影するポイントは動きまわる子供たちにしっかりピントを合わせ、ブレないように写し止めることです。
私は仕事で日常競技スポーツを追っていますが写真を始めた30年前はまだAF(オートフォーカス=自動焦点)搭載のカメラが世の中に出始めたばかりで精度も悪くピント合わせは職人技が必要でした。
しかし今はカメラの機能が非常に進化し、動体予測という動いている被写体を確実に追い続けながらピントを合わせる機能が入門向けのカメラにも備わっています。キチンとカメラの設定を行えば初心者でも動き回る子供たちにキチンとフォーカスできるのです。
そこで今回は一眼レフやミラーレスカメラを使い運動会でお子さんが躍動する姿を確実にゲットするポイントを記してみたいと思います。
運動会を撮るためのおすすめ機材
最低限、入門用一眼レフのダブルズームキットがあれば撮影可能ですが、よりスポーツに向いている機材を簡単に紹介します。
運動会は望遠レンズが必須
運動会などスポーツを撮影する場合、撮影者は競技者に近づくことができません。普通のレンズでは子供が豆粒くらいのサイズにしか写らないため望遠レンズが必須です。
とはいえバズーカのような大きな望遠レンズは必要なく意外に小型の望遠ズームレンズで十分にスポーツは撮影できます。
昔の35ミリフィルムのフルサイズでの換算で70~200ミリズームや70~300ミリズーム、少し本格的にスポーツを撮影を今後されるのであれば100~400ミリズームあたりのレンズがあれば十分かと思います。
Canon 望遠ズームレンズ EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM フルサイズ対応 EF100-400LIS2
コンパクトデジタルカメラで超望遠ズームレンズが搭載されたものでも大丈夫なのですが後々、ご自分のイメージ、こういう絵の写真を撮ってみたいとお考えなら一眼レフということになるでしょう。
また、最近は小型軽量のミラーレス一眼レフでもスポーツ撮影に見合う望遠レンズが用意されています。
キットの望遠レンズでも大丈夫です
カメラ機材を購入されるときによくダブルズームキットといってカメラボディに24~70ミリクラス(18-55mmなど)の標準ズームレンズと70~300ミリクラス(55-250mmなど)の望遠ズームレンズがセットになったものがあります。
Canon 望遠ズームレンズ EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM APS-C対応 EF-S55-250ISSTM
ピント合わせの速度や画質などは単体で別売りしている望遠レンズにやや劣りますが、キットレンズの性能は意外と侮れないのでまずはこれでもかまいません。
焦点距離の目安
フィールド内にいる子供を撮影する場合、近くにいるお友達を一緒に撮影されるのであれば35mm換算で100~135ミリ、お子さんの走る姿をアップ気味に捉えるのであれば300ミリ程度が目安です。
寄りと引きを一本で撮影できるズームレンズが便利ですね。
レンズの焦点距離のはなし
カメラのレンズの焦点距離(ズームの度合い)を表現する場合、一般的に「35mm換算〇〇mm」や「〇〇mmクラスのレンズ」という言い方をします。
同じ100mmでもカメラが違うと写る範囲が違う場合があるため基準を統一したほうが分かりやすいからです。よく分からなければ下記記事もあわせてご確認下さい。
オススメのカメラは?
子供の運動会くらいでしたらプロが使うようなカメラを用意する必要は無いかと思います。カメラ選びのポイントはピント合わせの性能(AF性能)です。
一般的に一眼レフタイプの入門機でもカメラはAF性能は高めなのでここ数年のものであれば大丈夫でしょう。より高いAF性能を求めるなら中級機と呼ばれるグレード(キヤノン EOS 80D, ニコン D5500など)がコストパフォーマンスにも優れるかと思います。
ミラーレスタイプのカメラの場合、AF性能(特に動く被写体にピントを合わせ続ける性能)は一眼レフよりも不利なものが多いです。ミラーレスのAF性能もここ1~2年で大幅に進化してきましたが。
もしこれから(動体撮影用として)選ぶのであればなるべく新しく、中級クラス以上のものを選ぶのがオススメです。型落ちの激安機では動く被写体にピント合わせがままならないものがあるかも知れません。。
ソニーのα6300なんかは動体補足性能に定評があるミラーレスです。
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「何を撮るか?」ということをはっきりさせるとカメラ機材を選びやすくなります。
事前の撮影計画が一番大事!
運動会でシャッターチャンスをものにするにはまず事前に撮影位置をお子さんから確認しておくことがポイントです。
事前に進行プログラムを確認する
進行プログラムが学校から配られていると思いますが、お子さんが何番目に出てくるのか、どの位置を走りどの位置で演技されるのかを把握しておいて下さい。
例えばリレーに出場される場合、多くはトラックの半周を走ることが多いのですがお子さんが走る周回を確認しておかないと反対側に陣取っても撮影ができません。組体操や大玉転がし、玉入れ、騎馬戦などのフィールド種目でもお子さんがどの位置で演技されどの側で玉を転がされるかを知っておかないとせっかく一眼レフをもっていてもシャッターチャンスを逃してしまいます。
撮影位置もよく考えよう
確認されたら次は撮影位置を決めます。
例えばリレー競技でトラックを走る姿を捉えるのであればコーナーを回ってくる姿は迫力がありますし、アンカーのお子さんであればゴールする延長線上でカメラを構えるのがいいでしょう。
また、フィールドの中で演技・競技は本部席側はテントがあって撮影しづらいので両サイドの入場門付近(入場門の中は撮影を許可されないと思います)で撮影されるのがいいのではと思います。
低学年のかけっこはトラックではなくフィールドの中の直線コースで実施されることが多いのでコースの延長線上で撮影することをおすすめします。直線コースの場合はゴールテープを切る手前かゴールの瞬間がいい表情していますね。
一緒に走るお友達を一緒に撮影されるのであれば100~135ミリ、お子さんの走る姿をアップ気味に捉えるのであれば300ミリで捉えることができます。
一発勝負種目は順番も抑えておく
組体操などの演技種目を除きどの種目もそうなのですがお子さんが何番目に出てくるということを把握しておいて下さい。
私も昔失敗したことがあるのですが、「あれっ!もう出たっけ?」ということがあります。要注意ですね。
撮影マナーも大事
また、撮影の場所取りはお子さんが出て来られる2種目ぐらい前に陣取られるといいかと思います。
どの親御さんも少しでもいい位置でということは同じですがあまり早く陣取られると観ておられる親御さんの邪魔になり迷惑になることもありますので撮影マナーを考えることも忘れないように!
撮影モードはスポーツシーンモードで!
今回は動いている被写体を確実に捉えることに主眼をおいています。「こういういイメージで撮りたい」というところは次回以降に譲りたいと思います。
現在のカメラはシャッタースピードや絞りという少し難しい設定をカメラ側が自動で決定してくれる便利なモードがあります。動いている被写体には上級機を除いてほとんどのカメラに「スポーツ(シーン)モード」というオートモードがあるのです。
まずはこの「スポーツ(シーン)モード」で撮影してみるのが失敗しにくいでしょう。
最近のカメラ技術の進歩はめざましいためまずはカメラ任せの設定でも良い写真が撮れますよ。
慣れてきたらシャッタースピード優先モードで!
また、カメラ操作に少し慣れてきた場合はシャッタースピードを自分で決められる、シャッター速度優先モード(Tv, S)があります。
この場合、写真の色やAFの設定などが細かく決められる自由度の高い撮影が可能です。
シャッター速度優先モード(Tv, S)を使用する場合は、確実に被写体を止めたいならシャッター速度は1/1000秒~1/1600秒あたりで設定するのがおすすめです。
動体予測(追従)モード+連写モードで撮ろう
よい写真を撮るにはお子さんが確実にファインダーの中にフレーミングされていること、そしてピントが合っていることが基本です。
動く被写体を捉えるのは慣れておられないと思います。まずはお子さんを横位置、縦位置いずれでも中央に入れることを心掛けて下さい。
最近のカメラは高画素なのでピントさえ合っていれば撮影後にトリミング(切り抜き)して良い構図に持っていくことも可能です。逆にピントがズレているものは撮影後にピントを合わせる事は不可能です。
スポーツモードならカメラ任せで
上で説明したスポーツシーンモードなら絞りやシャッタースピードの他に、これから紹介するオートフォーカスや連写の設定が自動で最適(追従モード+連写)になってることが普通です。
ですのでやることは子供をしっかりフレーミングしてシャッターを押すだけ。
シャッターの押し方のコツはこの下で紹介します。
自分で決める場合は追従AF+連写で
動体撮影で最も重要なピント合わせですが今の一眼レフは動くものにピントを合わせ続けるモードがついています。カメラによってはコンティニュアスAF(C-AF)AIサーボ、追従モードなどと言われることもあります。
このモードにカメラを設定して狙う被写体にピントを合わせシャッターボタンを半押しすると動いてもずっとピントを合わせることができ、ここぞというところでシャッターボタンを押し込みます。
ただし一度シャッターボタンから指を離してしまうとピントは外れてしまい、再度半押ししなければなりません。そのため慣れないとシャッターチャンスを逸してしまうことになるので注意が必要です。
シャッターボタンはずっと半押しで押し続けながらシャッターを押し込めるよう事前に練習しておくのがオススメです。
闇雲に連写すればいいわけではない
シャッターは必ず連写モードにしておきましょう。
連写スピードは最近では秒間8~10コマ撮影できるカメラもあります。連写モードにしておけばここという瞬間から何コマも撮影することができますが、ただやみくもにシャッターを切ってもいい写真が撮れるというものでもありませんし、高速連写をするとメモリーカードへのデータの書き込みが追いつかず肝心な時に撮影が止まってしまうかもしれません。
ここは!という瞬間からシャッターを押し、通常は連写も3~4コマぶん程度の撮影にすることを心掛けると良い結果が得られるでしょう。
親指AFというテクニックも
ずっとシャッターを半押ししながら撮影するのは慣れないと大変かもしれません。
やや上級者向けですがピント合わせとシャッター操作を別々に設定する「親指AF」というテクニックもあるので余裕があれば試してみるのもおすすめです(こちらも慣れが必要)。
終わりに
以上、動く被写体を撮影するポイントを運動会をベースに記してきました。
ここでおさらいをしておきたいと思います。
・運動会を撮影するには一眼レフ(ミラーレス一眼レフ)と70~300ミリレンズがあれば十分。
・撮影位置は事前の下調べが必須。
・撮影モードはスポーツモードかシャッタースピード優先モードで。
・オートフォーカス(AF)モードは動体予測モードでシャッターボタンを常に半押しで。連写はやみくもにシャッターを押すのではなくここという瞬間に3~4コマ切ることを心掛ける。
どんな写真を撮るか、撮りたいかは書店でスポーツ関連の雑誌が所狭しと並んでいますがさらっと目を通して頭の中でイメージして真似してみる、これも上達の一つの要素かと思います。
この秋、是非運動会を通して動く被写体の撮影技術の上達を目指して下さい。そしてお子さんの良き思い出を残してあげて下さいね。