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旧Lexar開発陣が作ったProGrade DigitalのSDカードレビュー!200MB/sはコスパいいかも

投稿日: by 中原 一雄

2017年に中国企業に買収されてしまったLexarの開発陣が新たに立ち上げたメモリーカードブランド、ProGrade DigitalのSDカードを購入してみたので、旧Lexar製品などと比較してレビューしました。UHS-IIカードとしては安価なカードもありなかなか良い感じですよ。

ProGrade Digital SDカード

旧Lexar開発陣立ち上げた「ProGrade Digital」

プロ向けメモリーカードといえばSanDiskとLexarの2ブランドが有名どころでしたが、Lexarブランドは2017年に中国企業(Longsys)に買収されてしまいました。

中国企業に買収されたから悪くなるということは言えませんが、今まで米国半導体メーカーMicronの傘下にあったLexarとは看板は同じでも中身は同じとは限らない。。というところに一抹の不安を感じるわけなのです。

で、Lexarブランドが買収された際に元Lexarの副社長とエンジニア達が新たに立ち上げたのが今回ご紹介する「ProGrade Digital」というブランドです。現在CFastとSDカード(カードリーダーも)をラインナップしており、今回SDカードを2種類購入してみましたので速度や使い勝手などを他社製品などとも比較しながら紹介してみたいと思います

結論を言ってしまえばコスパも良く、結構良いんじゃない?と思った次第です。

ProGrade Digitalとは

冒頭でも書きましたが、「ProGrade Digital」はLexarが買収された際に、元Lexarの副社長とエンジニア達が新たに立ち上げたブランドです。

企業使命に「最高品質のプロフェッショナルグレードのメモリカードとワークフローソリューションを提供する」としていることから、買収の際にいろいろ大人の事情があったんだろうなぁというのは想像に難くありません。

買収されたからといって質が落ちるとも限りませんが、これまでの流れを見ている感じ、旧Lexarのプロ向け品質を受け継ぐのは現LexarではなくProGrade Digitalの方なのかな?という感じはしますよね。

現在、ProGrade DigitalにはUHS-II SD カードが速度別に2種類発売されているため、どんなもんかな?と2種類とも購入して試してみました!

最も安心して購入できるSDカード

今回購入したのはこちらの2種類(300MB/s、200MB/s)です。

ProGrade Digital SDカード

ProGrade Digitalのカードは日本では今のところAmazonのみの直販(2019年4月現在)なので、メモリーカードにありがちな「偽物かもしれない問題」もあまり考えなくて良さそうなところも安心できる材料の一つ*。
正式な販売者は「ProGrade Digital Incorporated」でなのでそれ以外からは買わないようにすればOK。今見たところ高値で並行輸入品を売ってる業者も見られる。。

「世界共通価格・共通保証」を掲げていることも良いですね。SanDiskみたいに何で国内正規品はバカみたいに高いんだよ。。ということがありません。どこにいてもほぼ同じ値段(税抜き)で買えます。また、海外で購入したものでも国内できちんと保証が受けられるようです。

*執筆時、ゴールドの64GBは品切れになっていて、非正規の業者が高値で並行輸入品を売ってるので注意。

コンパクトなパッケージ

Amazonから届いたパッケージはこちら。めちゃ小さくてビビりましたが、小さいSDカードにあのデカいパッケージはもったいないなと思っていたので良い感じです。

ProGrade Digital SDカード

一般的なSDカードのパッケージと比べるとこの通り!小さいw

ProGrade Digital SDカード

中身もシンプルでケースに入ったSDカードと紙一枚。ProGrade Digital SDカード

製造時全品検査している

ProGrade Digitalのカードのもう一つのポイントは製造時に全品検査を行っていること。また、すべてのカードには固有のシリアルナンバーが付与されているようです。

ケースはCF用のサイズに近く一般的なものより一回り大きい

今回購入したものにもケースの裏にはカード本体に記入されているシリアルと同じ番号が付与されており、しっかり製品管理されていそうな感じがします。

作りも問題無さそう

当たり前ではありますが、カードの作り自体も外から見た感じでは問題無さそうです。SONYのTOUGH SDのような一体成形ではないですが、SanDiskやLexarと同じレベルで作りの粗さはありません

この辺の耐久性はこれからじっくり使い込みながら検証してみます。

金の方がグレードが下だよ

ProGrade DigitalのSDカードのグレードはRead 250MB/sのコバルト200M/sのゴールドの2種類。見た目はシルバーですが公式では「コバルト」だそうです。

あとは、Lexarの金色と同じ色でデザインもどことなく似ているので併用している場合は取り間違えに注意したいところですw

ProGrade Digital SDカード

一番右がLexarのカード。色だけで判断しないことが大事

200MB/sの公称書き込み速度は結構遅い

もう一つ注意しておきたいのはゴールドの200MB/sというのは読み出し速度であり、連写時のバッファー詰まりなどに関わってくる書き込み速度は公称で80MB/sと結構遅めということ(コバルトは書き込み200MB/sと速い)。

UHS-II 64GBながら4,600円(私の購入時)とかなり安いのは書き込み速度がそこまで速くないためです。(ただ、実際に使ってみると結構速かった!後述)

カメラ用のSDカード選びは読み出し(Read)の速度よりも、書き込み(Write)の速度に着目しておきましょう。

ベンチマークと実速度

さて、では実際にベンチマークとカメラによる実速度を紹介してみたいと思います。

まずはカードリーダーに繋いだベンチマークから。

ベンチマークテスト

使用したのはProGrade Digitalのコバルトとゴールドのほか、LexarのUHS-II x2000(300MB/s)、SanDisk Extream PRO UHS-Iのカードの4枚。

ProGrade Digital SDカード

すべてのカードをカメラ(α7R III)でフォーマットしてからLexarのカード購入時に付いてきたUHS-II対応リーダーで測定しています。

結果はこちら。

ProGrade Digital SDカード ベンチマーク

表にするとこんな感じ。単位はMB/sです。

 規格公称実測
ReadWriteReadWrite
PROGRADE 250MB/s コバルトUHS-II250200273.3203.5
PROGRADE 200MB/s ゴールドUHS-II20080215.3112.4
Lexar PROFESSIONAL x2000UHS-II300260268.7242.7
SanDisk ExtreamPROUHS-I959099.590.9

コバルトの書き込み速度もまあまあ速い

結果を見てみると、ProGrade Digitalのカードはいずれも公称以上のスピードが出ている一方、Lexarのカードは確かに性能は高いのですが、公称スピードを達成せず。というか、公称を達成できていないのLexarだけじゃん!という結果。

Read性能はコバルトがLexarよりも高くトップの数値を叩き出しています。

公称スピードを盛らない誠実感がProGrade Digitalからは感じられ好感が持てます。(Lexarが公称未満なのは使用したカードリーダーの限界だった可能性もありますが。。Lexarのカードに付いてきたリーダーだけど)

公称書き込み速度がUHS-IのSanDisk Extream PROより低く懸念されていたProGrade Digitalのゴールドですが、実際に測定してみると112MB/sと結構速いじゃん!といった感じ。これならゴールドを選ぶ価値が出てきますね。

動画撮影する人はビデオスピードクラスにも着目

4Kなど高ビットレート動画を撮影する人はビデオスピードクラスにも着目しておきましょう。

ProGrade Digital SDカード

ビデオスピードクラス:動画撮影時の最低保証速度を示す値。V90なら90MB/sを保証する。

ProGrade DigitalのコバルトはV90と最高クラスで、ゴールドではV60となります。(購入時期が古いLexarにはビデオスピードクラスが記載されていないけどV90レベルなはず)

公称Writeはゴールドより速いSanDisk ExtreamPRO(UHS-I)のビデオスピードクラスはV30となっています。

これらの数値はあくまで目安ですが。

実際のカメラで使った時の速度は?

ベンチマークで良い結果が出てもカメラで結果が出なければ仕方がないので、実機での速度も検証してみました。

使用したカードは上の4枚。

測定に使用したのはSONY α7R III。UHS-IIに対応しているスロット1にカードを挿し、連写可能枚数とバッファフルからの解放時間を測定しています。細かい条件は以下の感じ。

SONY α7R III / RAW+JPEG(圧縮RAW、JPEG Fine、合わせて約50MB/コマ)/ Hi+(10コマ/秒)/ SS: 1/100
連写可能コマ数:連写開始から連写が一瞬止まるまでのコマ数
バッファー開放時間:連写が止まりシャッターボタンを放してからカードアクセスランプが消えるまでの時間

測定結果はこちらです。

  連写可能コマ数バッファ開放時間(s)
PROGRADE 250MB/sUHS-II8140.5
PROGRADE 200MB/sUHS-II8142.5
Lexar PROFESSIONALUHS-II8139.5
SanDisk ExtreamPROUHS-I8051.0

RAW+JPEGだとあまり差はなさそう?

結果を見てみると連写可能コマ数はほとんど変わらずw RAW+JPEGで80コマ連写出来れば十分でしょう。

連写終了後の書き込み待ちデータ数はどれも68枚くらいだったので連写中の書き込みは13枚程度。10コマ/秒で80枚撮影する8秒間の間に13枚(約650MB/s)ですから、連写中の書き込み速度は約81MB/sで横並びのようです。

ただ、その後のバッファー開放時間には差が見られました。カードにデータを書き込んでいる間はメニュー操作など本体操作の一部に制約が出るため、この時間が速ければ速いほど快適な撮影が可能です。

ゴールドでもフラッグシップに迫る性能

バッファー開放時間を見てみるとProGrade Digital、Lexarのフラッグシップ2枚はほとんど40秒で横並び。わずかにレキサーが速かった感じです。

注目したいのは安価なProGrade Digitalのゴールドもほとんど変わらない42.5秒で書き込みが終了していること。

UHS-IフラッグシップのSanDiskもかなり健闘していますが一段遅い51秒となりました。

ただ、この結果は「α7R IIIの書き込み速度はUHS-IIを十分生かしていないのでは」ともも読めてなんで??と思ってたのですが、同じような検証をしている記事を見かけました。どうやらα7R IIIはJPEGの生成がかなり遅いみたい。

連写終了後の書き込み待ちデータ数は68コマ(136ファイル、約3,400MB)が40秒で書き込まれたので実際の書き込み速度は85MB/s程度。これはカード側ではなくカメラ側でRAW+JPEGを生成するスピードが85MB/s程度しか出ていないと言うことっぽい。

検証用カメラ選びしくじった感があるw

RAWだけだと差が出てくる

気を取り直してRAW記録だけに切り換えて検証してみました。条件は画質をRAW(圧縮、約41MB/枚)と変更しただけです。

結果は以下の通り。

  連写可能コマ数バッファ開放時間(s)
PROGRADE 250MB/sUHS-II8124.0
PROGRADE 200MB/sUHS-II8133.5
Lexar PROFESSIONALUHS-II8119.0
SanDisk ExtreamPROUHS-I8139.2

相変わらず連写可能コマ数は81枚と同じです。どうもα7R IIIは連写中の書き込み速度にも上限(80MB/s程度?)があるみたいですね。それを超えてさえいればボトルネックはバッファ容量になるわけで連写可能コマ数が同じになるのかと。(実際Write45MB/sくらいのカードで試すと連写可能コマ数は低下する)。

今回のカードはベンチマークですべてWrite 90MB/s以上を記録していたので横並びになったのかも。

バッファ開放時間に大きな差

一方、バッファー開放時間には結構な差が見られました。

ベンチマークのWite性能の順列通りの結果となった模様でLexarがトップ、続いてProGrade Digitalコバルト、ProGrade Digitalゴールド、SanDisk ExtreamPROが続きます。ここはカードのWrite性能の実力が発揮されているとみて良さそうです。

ProGrade DigitalコバルトはLexarにちょっと差を付けられた感じです。

この結果を見てみるとα7R IIIのRAWのみ記録で快適に撮影をするならUSH-IIのフラッグシップクラスが良い感じですね。

まとめ:結構良いと思います

ということで今年から展開しているProGrade DigitalのSDカードについてレビューしてみました。

新規ブランドとはいえ、元Lexarのチームが作ったブランドだけあって使う側としても安心感があります。カードのスペックとしてはSanDisk、Lexarのフラッグシップクラスに一歩及ばない所はありますが、かなり厳しい条件で競わなければ良い勝負をしているかなといったところ。

価格の安いゴールド(200MB/s)に関しては、使用するスタイルによってその価値が大きく異なりそうです。少なくともα7R IIIのRAW+JPEG利用であれば半額以下の値段でフラッグシップカードと同じレベルの性能を発揮するので結構お得かと思います。

もっとも、コスパを追求するならSanDisk ExtreamPROの64GB(UHS-I)も並行輸入品だと4,000円切る値段で売られているので”本物を掴みさえすれば”UHS-Iで頑張るという選択肢もアリだと思うけど。

今後は高速カードはCFexpressが主役になってきそうな感じもしますが、ProGrade DigitalはCFexpressも開発済みですので世界共通価格のコスパの良いCFexpressを出してくれると嬉しいですね。

ハイエンドメモリーカードの世界は最近あまり良いニュースを聞きませんが、こうやって新しいブランドが誕生してくれるのは我々フォトグラファーにとっても有り難いことですので、微力ながら応援したいなぁと思った次第でございます。

実際に使ってみて気付いたことがあれば追記しますね。

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この記事を書いた人
中原 一雄
中原 一雄 / studio9管理人
studio9(すたじお・きゅう)の管理、運営をしています。中の人です。 「写真をもっと、あなたのそばに」をテーマに、カメラに使われるのではなく、カメラと友達になる方法を広めるために活動中のフォトグラファー。 中原 一雄のプロフィールページ

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