魔法のソフト Photomatix Pro
Photomatixという画像処理ソフトをご存知でしょうか?
画像処理ソフトと言えばPhotoshopだったり、フリーで使えるGIMPなんかが有名どころですが、このソフトはHDR専門というなんとも変態的なソフトですw
最近発売されるほとんどのカメラにはHDR撮影機能が当然のようについていて、かなり市民権を得るようになってきましたが、HDRが市民権を得るずっと前の黎明期からHDR合成をリードし続けているのがPhotomatix Pro。
studio9でも何度か取り上げているのでPhotomatixについて詳しく知りたい方は、関連エントリーをご参照いただければと思います。
・もっと幸せになるためのPhotomatixの使い方。
・photomatix4.2をインストールして工場萌えしてみた。[HDR]
・PhotomatixのTone Compressorを使って階調豊かな画像を作ってみる!
一度使ってしまうと、中毒的にハマってしまいなかなか抜け出せないため、ここ最近は封印してきたのですが、フラっと本家のHPを覗いてみたところ、最新版のPhotomatix Pro 5.0 ベータ版がリリースされているではありませんか!
いくつか新機能が追加されており、その中でも、”Contrast Optimizer” というトーンマッピングの方法が気になる!ということで早速ベータ版テストしてみました。
結論からいうと、この”Contrast Optimizer” かなり使える機能な気がします。ギラギラコテコテのいかにもなHDRではなく、かといって、単純に明暗差を補っただけのあっさりHDRでもなく、ちょうどいい現実感とちょうどいい非現実感を併せ持ったとっても使いやすい機能な気がします。ノイジーな素材からでもHDR可能なのもうれしいポイント☆
今なら無料でダウンロードできますので(英語版)、気になった方は試してみるのもいいかも。いつまで使えるかは分かりませんが、製品版は$99なのでお得です☆
・HDRsoft社 HP
*Newsの"beta testing"からダウンロード。日本語ページからはダウンロードできません。。
*β版ですので、ご使用は各自自己責任にてお願いします。また、バグなど見つけたら報告してあげましょう。
お使いのOSに合わせてダウンロードしてインストール。インストールの方法は上記のVer 4.2の時とほぼ同じです。
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使い始めて鉄骨愛をこじらせる。。
私もまだチラッと使っただけなので、詳しい解説はまだできないのですが、せっかくなので”Contrast Optimizer”を使ったHDRの作例をいくつか上げてみます。
ちょうど週末のワークショップで撮った東京タワーをネタに、Lightroomプラグイン経由でPhotomatix Pro 5.0 Beta にぶち込んでみたら思いのほか上手くいってしまい、久しぶりに楽しくなってしまいました。
そういうわけで、本日は私が鉄骨愛をこじらせた結果をお伝えします。
ある意味、上級者向けのエントリーかもしれません(笑)
完成写真だけ載せてもイマイチ違いが判らないと思うので、カメラでほぼ撮りっぱなしの写真と”Contrast Optimizer” でHDRした写真のビフォーアフターを載せてみます。
鉄骨といえば東京タワー
やはり、鉄骨萌えといえばこれ。東京タワー。
先日の東京タワー夜景スナップの時に撮影しました。手持ちです。HDRと言いつつ、1枚のRAWから、0, +2EV, -2EVの3枚を擬似的に作り出し、これらをHDR。
Lightroom プラグイン(Phtomatixに付属)を使うと、RAWを仮想コピーで3枚用意し、露出を変えてからプラグインでそのままブチ込めばいいのでとっても楽ちんです。しかも、HDR後は自動的にライブラリに追加してくれます。
まずはビフォー。撮ったままだとこんな感じです。
足元から大胆に撮ってみました。これを”Contrast Optimizer”でHDRしてみます。(HDR後、Lightroomでコントラスト、彩度、シャープなどを微調整してます)
アフター。
彩度落として仕上げてみました。足元の明るさはそのままに、タワー先端部の潰れかけていた部分のディティールが出ましたね!
実に萌えます。
上級者向けアングル
このへんのアングルも大変良いです。撮ったまま。
タワーの真下の部分。現在補修中のようで、鉄骨に足場がプラスされた、"鉄骨 on 鉄骨" 状態でテンションが上がります。
こちらも手持ち。感度上げつつ、開放で撮っているのでややモヤっとしています。この1枚から同じように擬似HDRしたらこんな感じです。
鉄骨の奥の方までディティールが浮かび上がってきましたね。
もう見れない姿かも?
またもや東京タワーで申し訳ないのですが、もしかするともう見れないのかもしれない姿かも。東京タワー消灯時の写真。消灯してたって手持ちですw
東京タワーは通常、毎週金土に20:00-22:00の間ダイヤモンドヴェールという特別ライトアップに切り替わります。その20:00の切り替わりの一瞬のタイミングは消灯されているので、”2020” だけが光っているタワーが撮れました^^
現在は”2020”が付いていないので、消灯すると大変味気ない姿です。。
こちら撮ったまま。
HDRしたのがこちら。元の写真はISO2000とややノイジーな状態の写真です。
今まで普通に使われていた"Detail Enhancer"というトーンマッピングを適用すると、暗闇のISO2000写真はノイズが浮き出まくって、大変なことになりますが、”Contrast Optimizer” だと設定次第でノイズをかなり目立たない状態にできます。
手持ち夜景HDRの強い味方になりそうです。
スカイツリーのスマートな骨格
鉄骨好きには、ちょっとスマートすぎるスカイツリーではありますが、HDRすることでかなり鉄骨感が増して、いい感じです。
ビフォー。
アフター。
恥ずかしながらこれも1枚RAWから。最近HDRを封印してたのでほとんどブラケット撮影してませんでした。。^^;
コントラストが増して黒光りする鉄骨。なかなかいい骨格です。
橋の裏もポイント
橋の裏なんかも結構ステキな鉄骨が見えます。
例えばこんな感じ。橋の下を通るととりあえず1枚は撮らずにいられません。私のようなにわか鉄骨好きではなく、ガチの鉄骨愛好家ならこれ見ただけで、あぁココだよねとかわかるんでしょうね。。
このカットは、珍しく±2EVでブラケット撮影しました。手持ちですけど。。Photomatixはブラケット撮影したときの微妙な写真のズレを補正してくれるので、シャッタースピードが稼げる昼間であれば、3枚くらいなら手持ち連射でも何とかなります。
ビフォー
アフター。
やはり、きちんとブラケット撮影したものは、諧調が滑らかな感じです。昼間は三脚がなくても。”高速連射で±2EVの3枚ブラケット"を覚えておきましょう。HDRするかしないかは別として、素材だけでも確保しているとあとで遊べます。
特に、無機質で形のしっかりしているもの(つまり鉄骨)がおススメ。逆に、食べ物、人間、生き物なんかはあまりHDR向きの被写体ではないです(ハマるものもありますが)。
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デジタル写真は後処理がお手軽なのが魅力。ぜひ撮った後の写真も楽しんでみてください♪
おそらくPhotomatix Pro 5.0の製品版は今月か来月にはリリースされると思いますので、この機会に導入されるのもいいかもしれません。
コントラストが高めのカッチリした写真が好きな方には、個人的にはレンズよりもずっと少ない投資で、レンズよりも満足感が得られるソフトな気がします^^