前回は目線を下げるといつもとは違った景色が見えてきますよ!というお話でしたが、今回は被写体にちょっとだけ近づいただけで、違った景色が見えてきます!というお話です。
一歩踏み込めば新しい世界が見えるのです。
今日も構図のお話です。一眼レフ、ミラーレスに限らず、コンデジでも携帯のカメラでも応用が可能です!
たった50センチで写真が変わる!?
カメラを買った時、一番最初に手にするレンズって大抵はキットで付いてるズームレンズですよね?最近だと18-270mmとかいうびっくりするような倍率のレンズも出ていて、写真を楽しむ多くの人が便利なズームレンズを使っていると思います。
私も便利なズームレンズが大好きなので、ズームのできない単焦点レンズはほとんど使いません。。というか単焦点レンズをほとんど持っていません。だってズームできたほうが便利なんだもん。。(笑)
でもズームレンズを使ってると、ついつい自分が動くのを忘れてしまいます。手元のリングを動かすと被写体が大きく写せるから。私もついついやってしまうのですが、ちょっと損をしてるかも。ズームはそのままに、自分が一歩近づくだけで、写真の印象がガラッと変わったりするのです。
早速写真を見てみましょう!
EOS7D / EF-S 15-85mm F3.5-5.6 IS USM / 15mm f4.5
例えばこの写真。真っ白な紫陽花が緑の中に映えてキレイでした。まずはキホンに忠実に三分割法を意識て撮ってみました。右下の白い紫陽花をポイントに、だいたい右1/3、下1/3くらいに置いてパチリ。
焦点距離は15mm(35mm換算24mm)の広角側です。
んー、まぁコレはコレで悪くないですが、なんかもうちょっと写真にパンチがあってもいいかな?と思いました。
そこで紫陽花に一歩近づくわけです。ズームはそのままに、たった50センチくらい近づくだけ。
そしたらこんな感じになりました!
EOS7D / EF-S 15-85mm F3.5-5.6 IS USM / 15mm f4.5
右下の紫陽花が画面からはみ出すくらいまで寄ってみました。
どうでしょう?さっきよりパンチの効いた写真になりました!
このくらい近づくともう、右下の紫陽花にはピントが合わなくなるので、真ん中の紫陽花にピントを合わせています。右下の紫陽花がボケたおかげで遠近感も出ましたね。被写体にグッと近づくとボケるの法則です!
特にレンズの広角側(広く写る方)で写真を撮ると、写真の外周部はゆがみの影響でで迫力が出やすいです。この効果は焦点距離を大きくする(ズームをする)にしたがって薄れていくので、上の写真からズームしただけではここまで迫力が出なかったはず。
次の写真はこちら。
EOS 5D Mark II / EF 24-105mm F4L IS USM / 24mm f5.6
花壇です。
よくあるフツーの写真です。一応、アクセントのウサギの置物は左1/3、上1/3くらいの位置においてます。
でもこの場面でキレイだなーと思ったのは、手前の黄色とオレンジの花だったので、もうちょっと大きく写したいです。そこで、花壇に一歩近づくわけです。
こんな感じ。
EOS 5D Mark II / EF 24-105mm F4L IS USM / 28mm f5.6
ただ近づくだけでなく、前回の目線を下げてみるとのあわせ技です。
ちょっとだけ(24→28mm)ズームしましたが、目線を下げつつ、手前の花に近づくことで、花も大きく写りグッと迫力が出ましたね!
ポイントは手前の花だったので、花の面積がだいたい下1/3に入るようにしました。ちょっとウサギが中途半端にボケてる気もしますが(汗 さっきよりはずっと良くなりました。
さらに、もっと近づいて、画面を縦にしてみましょう!
EOS 5D Mark II / EF 24-105mm F4L IS USM / 28mm f5.6
紫陽花の時と同じくらい、一番手前の花にピントが合わなくなるくらいまで近づきました。さらに迫力がでましたね!
これまでにご紹介した、被写体にグッと近づくとボケるの法則と、三分割法と、画面を縦にするとなんとなくオシャレに見えるの法則と、目線を下げると印象的になるの法則と、今回の、被写体に近づくと迫力が増すの法則を全部入れてみました。
全部入れたからいい写真になるってことではないのですが、今回の場合は比較的上手くいきましたね。
上の二つの例(紫陽花と花壇)のように特に広角側で写真を撮っている時、もうちょっと大きく写したいなーと思ったら、ズームするのではなく、一歩近づいてみるといいことがあるかもしれません。
日常世界と同じように、相手の懐に一歩踏み込めば、新しい世界が見えてくるのです!