Lightroomだけで完結するTimeLapse動画作成方法
TimeLapse(タイムラプス、微速度動画 とも)というのはここ数年流行っている動画の作成手法で、写真をパラパラ漫画の要領で結合させて動画にする表現技法の一つです。
これまで、TimeLapseを作成するには、一度写真を書き出し、外部のTimeLapse作成ソフトを使用して動画化しなければならなかったのですが、なんとLightroomだけでTimeLapseを作れることを見つけました!
正確には私が見つけたのではなく、海外サイトで紹介されている情報を見つけただけですが。。^^;
(参考)LIGHTROOM TIMELAPSE (LIGHTROOM BLOG)
手法としてはスライドショーの間隔をめちゃくちゃ早くして、動画に書き出すというシンプルなものです。
ただし、普通にやろうとした場合、Lightroom5だと指定できる間隔は最低1秒。これでは長すぎる。。ということでプリセットのパラメータを直接変更するという荒技で対応します。
*今回紹介する方法は公式な方法ではないためやや上級者向けです。今回の方法を試したことによりなにか不具合など起きましてもstudio9では責任をとれませんので、自己責任の元で挑戦してください。
Lightroomでタイムラプスを作る仕組み
Lightroomは基本的には写真に特化したソフトであるため、これで動画を扱えるということ自体知らない人がいるかも知れませんが、非常に簡易的ながら動画を編集する機能も付いています。
カメラで撮った動画を写真と一緒にカタログに取り込んだり、トリミングしたり、スライドショーを動画として書き出すことも可能。LR5からは動画の明るさや色を変える簡易調整機能も搭載されています。
今回はこの中のスライドショー書き出し機能を応用します。
まずは見てみた方が早いので結果をどうぞ!RAWで撮影し、現像を行い外部に書き出すこと無く、そのままLightroomで1080p(FullHD)で書き出してみました。
スライドショーでTimeLapseを書き出す
通常、TimeLapseを作成する際、写真のフレームレート(結合間隔)は15~30fps(1秒間に15~30枚)と非常に短い時間でつなぐのですが、Lightroomでは公式的には1秒間隔までしかサポートされていないのでTimeLapseを作ることが出来ないとされていました。
が、内部的には1秒以下の設定もサポートされていたのです。
表示間隔はスライドショープリセットを作成すると、手動で直接表示間隔を指定することが出来ます。コレを使います。
はじめにTimeLapse用のプリセットを作ってしまいましょう。作るのが面倒。。という方は私が作ったもの(10fps~30fps)を置いておきますので、それをこれから紹介する方法や先日紹介した現像プリセットと同じ手法でインストールしてください。(たぶん大丈夫かとは思いますが、他のPCでは動作未検証です。。)
*インストール先は「Slideshow Templates」です。Development Templatesではありません。
TimeLapse用プリセットダウンロード
- TimeLapseセット(10, 12.5, 15, 20, 24, 29.97, 30fps)
現像プリセットのインストール方法
- 通常5,000円のLightroomプリセットが無料配布されてるショップを見つけた!
使えたよーとか使えなかったよーなどのレスポンスをいただけると嬉しいです。(Twitter:@photostudio9)
TimeLapse用プリセットの作成方法
まずはスライドショーでひな形を作る
まずはスライドショーモジュールに行って、右側のチェックを全部外してしまってください。
動画だけ描き出すのであれば枠線とかタイトルとか不要なので。チェックを外すのはマストではないです。もしどうしても必要なら残しておいても大丈夫です。
で、表示間隔のところで、間隔をとりあえず最小の1秒(別に何秒でもいいですが)、フェードを0秒(←重要!)にします。
これで、一秒間隔でただ写真が変わっていく、超シンプルなスライドショーができました。
プリセットで保存後、編集
ひな形が出来たら、左カラムの「テンプレートブラウザ」でプリセットを保存します。テンプレート名は適当でOK。
続いて、プリセット保存フォルダに移動しましょう。
編集 > 環境設定(Macの場合はLightroom > 環境設定)に移動して、プリセットタブの「Lightroomプリセットフォルダを表示...」をクリック。
Windowの場合は
C:Users(ユーザー名)AppDataRoamingAdobe
が表示されるはず。この中の「Lightroom」というフォルダに移動すると様々なプリセットフォルダが並んでいます。この中の「Slideshow Templates」>「User Templates」に行きましょう。
すると先ほど保存したプリセットがあるはずです。今回は「1秒.lrtemplate」がそれです。
これをメモ帳やテキストエディタで開き、直接表示スピードを変更します。
プリセットの改変 - 変えるのは3カ所 -
プリセットを開くとなにやら訳の分からない設定値が並んでいると思いますが、変えるべきポイントは3カ所。
まずは表示間隔の項目。だいたい170行目(下から20行目くらい)に「speed = 1,」という項目があるはず。1となっているのは1秒に設定したから。これを好きなスピードに設定しましょう。(最後のカンマは消さないこと!)
20fpsで作りたいなら、1/20 = 0.05 なので「speed = 0.05,」、24fpsなら「speed = 0.04166666,」です。割り切れないのは適当なところでやめてもOKです。たぶん3~4ケタくらい書いてれば十分。
で、最後にプリセット名の変更をします。下から5行目くらいの、「internalName = 」と「Title = 」の項目に好きなプリセット名を入れておきましょう。例えば「internalName = "TimeLapse-20fps",」とか。
変更が終わったら、別名で保存しておきます。ファイル名もinternalNameと同じにします。「TimeLapse-20fps.lrtemplate」とか。
拡張子はちゃんと「.lrtemplate」にしておきましょう。
コレで完成です!
コピペでじゃんじゃん複製する
1つ出来てしまえばあとはこのファイルをコピペして、上記の3カ所とファイル名を好きな値に設定したものを作ればOK。後でチラッと説明しますが、最も高画質で作りたいなら29.97fpsのプリセットを作っておきましょう。
Lightroomを再起動
Lightroomが起動している方再起動しましょう。起動後、スライドショーモジュールの「テンプレートブラウザ」に先ほど作成したプリセットが表示されていれば成功です!
最初に作った仮プリセットは削除しても大丈夫です。
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やっぱり作るのめんどくさ。。と思う人はここからダウンロードしてもOKです(他のPCで動作未検証)
TimeLapse用プリセットダウンロード
- TimeLapseセット(10, 12.5, 15, 20, 24, 29.97, 30fps)
動画書き出しまでの作成方法
1.素材を準備する
素材がなければ始まりませんので準備しましょう。RAWでもJPEGでもOK。30fpsで10秒の動画を作りたいなら必要な写真は300枚です。
5秒間隔で1時間撮れば720枚。30fpsで24秒分の動画が出来ますね。インターバル撮影機能がないカメラはタイマーレリーズを使いましょう。純正だと1万円以上しますが互換品だと2千円くらいで買えます。もちろん三脚も必須です。
撮影時は基本的にMモードで撮ること。Av(A)モードなどで撮ると撮影中に露出が安定せず、チラツキ(フリッカー)の原因となります。
2.写真を一括現像
まずはトリミングで16:9に切り抜いておきましょう。後はお好みの現像をするだけ。すべてに同じ現像結果を適用させることを念頭に現像します。
現像が終わったらすべての写真を選択して「同期」で同じ現像を適用させます。
3.スライドショーモジュールに移動
素材をすべて選択した状態で、スライドショーモジュールに移動。必須ではないですが、写真右上にある「スライドショーを保存」をしておくと後で操作ができたりして便利です。この保存はコレクションを使ったもので、左カラムの「コレクション」の欄に保存したスライドショーが表示されているはずです。
4.プリセットを適用
先ほど作ったプリセットを適用しましょう。プリセットをクリックするだけ。
スライドショーの間隔が 0.0秒 になっていてドキドキしますが、画面右下の再生時間を見るときちんと計算されていることが分かります。(今回は366枚に20fpsを適用させたので、366/20 = 18秒)
ここの再生時間を見ながら他のフレームレートのプリセットを適用させてもいいですね。
ちなみに、Lightroomではスライドショー書き出しの際はずべて29.97fpsで書き出されるため、スライドショー間隔も29.97fpsにすると最もなめらかな動画が出来ます。
5.プレビューは動かない。。
動かないというのは語弊がありますが、RAW現像を伴いながらリアルタイムで20fpsなんて早さでスライドショーするなんて到底ムリですから、プレビューボタンを押してもずっと「準備中」画面が出るか、下手するとLrが固まります。。
6.動画書き出し
ということで、フレームレートを決めたら後は左下の「ビデオを書き出し」を押すだけ。動画サイズは720p(HD 1280×720px)か、1080p(fullHD 1920×1080px)を指定すればいいでしょう。
もし、BGMを入れたければBGMを指定してもいいし、文字を入れてもOKです。
後はひたすら待ちます。RAWから直接書き出す場合はここからすべての写真にRAW現像プロセスが入るのでかなり時間がかかります。。
今回2000万画素程度のRAWファイルを366枚使い、24fpsで書き出したところ1時間近くかかりました。
7.完成!
書き出された動画を見てみましょう。無事TimeLapseがLightroomから書き出されました!
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上手くいかない場合の回避法
この方法だとRAWから一発でTimeLapseを書き出すことが出来て便利なのですが、いきなり数百枚の写真にRAW現像を適用し、スライドショーを作ろうとするので非力なマシンだと途中で上手くいかないことがあるかも。。
例えば、今回テストして実際に起こったことで、360枚のうち1枚だけ現像が適用されずに動画に取り込まれてしまうミスがありました。。(その写真を特定して再確認することで解決)
ということで直接書き出しが上手くいかなければ、Lightroom内でJPEGに書き出してから使用するのがストレスが無くて良いかと思います。
LRなら一度書き出しを行ったとしても、すべてLR内で処理することが出来ます。
a.TimeLapse用フォルダを作成
まず、ライブラリモジュールのフォルダーパネルで、TimeLapse用フォルダを作成し、そこに一端JPEGを書き出します。
b. TimeLapse用フォルダに書き出し
上記2.で現像が終わったファイルを一旦すべてこのフォルダに書き出し。写真を右クリック > 書き出し と進みます。
ポイントは「このカタログに追加」をチェックすること。普段、Facebookとかブログ用などちょっとした書き出しはここにチェックを入れてしまうとカタログに同じような写真がどんどんたまっていくのでオススメしませんが、今回は書き出したファイルをLightroomでTimeLapseに仕上げるので自動でカタログに登録しておきます。
こうすれば書き出し後に写真を再読込しなくてよくなります。
保存先は先ほどのTimeLapse用フォルダ。お好みでサブフォルダに保存しましょう。
画像形式はよほど高画質を求めなければJPEGでOK。画質も100だとファイルサイズが大きくなってしまうので90くらいでもいいかと思います。100→90にするだけでファイルサイズが半分くらいになるので。
画像サイズは書き出しビデオサイズに合わせておきましょう。1080pなら 1920×1080、720pなら 1280×720 です。
まあまあ縮小することになるのでシャープもかけておいていいかな。
書き出し設定はプリセットに保存しておくと次からはワンクリックです^^
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この設定で書き出し実行。普通のRAW現像を数百枚に対して行うのでここの時間は変わりません^^; 写真の数やマシンパワーに応じて数十分~数時間くらいかかることがあるかも。
書き出し終了後は、上記3.に戻り、同じ手順でスライドショーを作って行きます。RAW現像処理は済んでいるのでビデオ書きだし時間は大幅に短縮されます。30秒くらいの動画なら書き出しに10分もかからないかと。
また、かなりパワーのあるマシンなら多少プレビューを動かせるかもしれません。私のマシン(i7 2600K OC, 16GBでは途中で止まりました。。^^;)。どうしてもプレビューを見たいならAfterEffectsのRAMプレビューを使いましょう。
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ということでLightroomだけで作るTimeLapse動画(微速度動画)の作り方をご紹介しました!
プリセットさえ作ってしまえば動画書き出しまで数クリックで済んでしまうというのは凄いことです。Adobeもこんな便利な機能隠してないで、もっと積極的に表に出せばいいのに。。と思ってしまいます。
またもLightroomから死角が一つ減りましたね(笑)
自己責任の元ではありますが、タイムラプスも楽しんでいただけたらと思います♪