撮影に役立つiPhoneアプリ
もはやフォトグラファーのみならず、普通の人にも必須となりつつあるスマートフォン。通話さえ出来れば十分だ!という硬派な方もいるかもしれませんが、今回はそんな人でもそろそろiPhoneにしようかしら。。と思うような撮影に役立つiPhoneアプリを10個ほどご紹介します。
どれも私のiPhoneにインストールされていて一線で活躍してくれるアプリです。
なお、私iPhoneユーザーのためAndoroidユーザーのことは今回あまり考慮していません。。スミマセン。クリエイティブ系のアプリはiOSの方が圧倒的にラインナップが充実していますよと^^
今回紹介するアプリ 10+2
撮影系アプリ
- Camera+(カメラ)
- Instafrash(画像補正)
撮影補助系アプリ
- Field Tools(被写界深度計算)
- Lens Tutorial(被写界深度計算)
- Pocket Light Meter(露出計)
撮影計画、ロケハン向けアプリ
- XバンドMPレーダー(天気)
- Sun Seeker(太陽)
- 日の出日の入り時刻(太陽)
- 星座表(星空)
- Diana(月)
番外編
- Lens Agent(ビューファインダー)
- Mark II Artist's Viewfinder(ビューファインダー)
*表示されている価格は執筆時点の価格です。キャンペーンなどで変更されている場合がありますのでご注意ください。
1.Camera+
iPhoneの本格カメラアプリといえば、このCamera+(カメラプラス)かProCamera(プロカメラ)の2択かと思います。私はCamera+派。
以前このアプリを紹介した記事(カメラマンの私が使う至高のiPhoneおすすめカメラアプリと使い方!)は大変多くの方に読んでいただきました。
標準アプリでは出来ない、フォーカスと露出をバラバラに指定&ロックできたり、ホワイトバランスをロックできたり、タイマー、連写、手ぶれ補正、撮影後の編集などなどとりあえずこれさえあれば撮影は問題ないって感じのアプリです。
詳しい機能や使い方は以前の記事をご参照ください。
2.Instaflash
こちらも上記記事で紹介した魔法の補正アプリ。iPhoneで撮影後、ちょっと暗い写真もこのアプリに突っ込めばかなり自然な明るさに補正できます。他の補正アプリとはまったく異次元の品質で写真を明るくしてくれる神アプリ。
明るさの補正以外にも色調、コントラスト、シャープなど一通りの補正機能を有します。Camera+とInstaflashさえあればiPhone撮影はOKです。
Instaflashの詳しい機能や使い方も上記記事をご参照ください。
より高機能なInstaflash Proはさらに詳細な調整が可能。コレがあればPhotoshopとかLighroomのアプリはいらないかも。最強。
追記:Instaflash Proの詳しい使い方記事書きました!
3.Field Tools
続きまして撮影補助系のアプリたち。まずはこれ、Field Tools。レンズの焦点距離や被写体までの距離を入力することで被写界深度(ピントの合う範囲)を計算することが出来ます。
被写界深度を簡単計算
たとえば、90mmマクロ、F2.8で被写体までの距離が60センチだった場合のピントの合う範囲は?って思ったときにこのアプリで設定してみると、結果は0.6cm(6mm)ってことが分かります。これをF16まで絞ると被写界深度は3.7cmまで広がり、F2.8のままで、被写体まで距離を30cmにするとたった0.2cmしかピントが合わないことが分かります。
許容錯乱円径を用いた計算値なので誤差はありますが、目安として使うなら十分でしょう。机上で被写界深度の学習をするのにも役立ちます。
レンズやカメラはそれぞれ好きなものを登録でき、10-300mm F1.2みたいなスーパーレンズを作ることも可能ですw カメラもフルサイズやAPS-C、フォーサーズなど様々なセンサーサイズで登録出来ます。
Hyperという項目がわかりにくいかも知れませんが、これは過焦点距離(Hyperfocal distance)のこと。被写体がこの距離以上離れていたらあとはズーッとピントが合いますよという距離。例えば、70mm, F2.8で撮影する場合(フルサイズ)、57.8m以上離れた被写体にはすべてピントが合う(パンフォーカス)状態になるということです。(手前側は過焦点距離の1/2からピントが合います)
Near+Farという項目が一番直感的に分かるはずなので、基本ここの項目だけ使っていればOKです。距離(Distance)の項目はマクロレンジ(0~100cm)から遠距離(~500m)まで選べます。
かなり高機能な割に無料でアプリ内課金もなし。ぜひインストールしておきましょう。
4.Lens Tutorial
これも上のField Toolsと同じようなアプリなのですが、実際の人を撮るときにどの辺まで写って、どのくらいのピントなのかを事前に計算することが可能です。
人物に合わせて画角やピントを計算できる
例えば、フルサイズのカメラで50mmなら画角は39.6°。100cm離れたときの写る範囲は両手を広げて手首まで写るくらい。F5.6まで絞れば被写界深度は13.6cmなので耳の後ろくらいまではピントが合うかな?といった感じで計算で分かります。
もちろんこれも計算値なので実際の様子とはやや異なりますが、目安としては十分でしょう。レンズの画角とか被写界深度の学習用として考えてもいいかと思います。
ただし、無料で使える設定には制限があるので、多少お布施をする必要があります。私は被写体までの距離を0.5-35mまで伸ばせるように100円課金しました^^;(初期設定は5m~とかだったかな?)
機能的には上記Field Toolsに軍配が上がりますが、人をモデルに出来るのがこのアプリの強みですね。
5.Pocket Light Meter
iPhoneカメラを露出計にするアプリ。無料です。
iPhoneを反射式露出計に無料で変える
撮影用の単体露出計を買おうとすると、安くても1万円以上はするのですが、iPhoneさえあればアプリを入れるだけです。ただし、計測方式は反射式。カメラの内蔵露出計と同じ原理ですので、内蔵露出計(TTL露出計)がついている普通の一眼レフを使っているなら不要です^^;
別売のアタッチメントを付けることで、より精度の高い入射式露出計として使うことも出来るようです(未体験)。
トイカメラとか古いフィルムカメラで、露出計が内蔵されていないカメラであれば重宝しそうです。
画面の赤枠の中の露出を計測します。反射式なので白いものに向けると適正よりも1~2EVほどアンダーに出るし、黒ならオーバーに出ます(カメラと同じ)。
参考にどうぞ☆
Logをタップすると設定値が画像となってカメラロールに記録されます。
ISOやF値をぐりぐり動かすと、露出が一定となるように他の項目が変動するため、これも写真の露出の関係(F値、シャッタースピード、ISO感度)を理解するための学習用途には十分な機能を有していると思います。
F4, SS1/125s, ISO400をSS変えずにISO200にするにはF値はいくつにする?みたいなことがパッと浮かぶようにこれで練習するのもいいですね。
露出の理解にはこちらもご活用ください♪
すぐにマニュアル撮影が出来るようになるはずです。
6.XバンドMPレーダー
ロケハンや撮影計画をする際に役立つアプリ。まずはお天気から。
ゲリラ豪雨からカメラ、機材を守る
通常の天気予報ではなく、まさに今~数十分後のお天気を高精度に予測できるアプリです。これも無料。特に、にわか雨など突発的な雨は超高確率に予測できます。撮影当日になにやら空模様が怪しくなってきて、撤退するのか、しばらく雨宿りするのかを決めるのに役立ちます。
国土交通省が提供するXバンドMPレーダ雨量観測( XRAIN [エックスレイン] )の情報をiOSの地図上に表示することが出来ます。過去1時間から現時刻までの雨雲の移り変わりを詳細に見ることで、今後数分~1時間くらいまでの雨の様子を予測できます。
遠くで雷の音が聞こえたり、なにやら黒い雲が近づいてきたなーと思ったら、このアプリを眺めると、「あー、あと5~10分もすればここも降り出すな。。」というのが分かります。雨に弱いものは仕舞ってしまおうという判断がすぐ出来ます。
使い方は簡単。「地域」の中から現在いる地域を選択するだけ。再生ボタンを押すと過去1時間からの雨雲の動きが手に取るように分かります。類似アプリもいくつかありますが、このアプリが一番地図が見やすくていいなと思ってます。
あくまで現在の状況しか分からないため、超短期予報はXバンドMPレーダー、短期予報は1時間ごとのお天気(普通の天気予報)など使い分けるといいかと思います。
7.Sun Seeker
このアプリはヤバいです。外で写真撮る人(特に風景)なら絶対入れておいた方がいい。
太陽の動きが手に取るように分かる!
iPhone内のカメラとGPS、コンパスを使い、最近流行のAR(拡張現実)でカメラを向けた位置に太陽がどの時間帯にどこを通るかがよく分かります。
曇っていて全く太陽が見えない日でも、昼間に朝日が上る場所を予測するのも簡単。調べたい場所にカメラを向けるだけです。実際に太陽のある場所にカメラを向けると、ARで表示されている太陽と、実際の太陽が重なるので精度は割と高いんじゃ無いかと思います。太陽の通り道(黄道)を調べたいならコレ。
例えば、隅田川沿いを歩きながら、朝日とスカイツリーを絡めるスポットを探そうかな?というときに、Sun Seekerをかざしながら最適スポットを探します。曇りの夕方という太陽どこ行った?って感じの状況ですが、スカイツリー方面にカメラをかざすと、”ここ太陽通りますよ!”と教えてくれます。黄色い線が今日の太陽の通り道、赤い線が夏至の時の通り道。写真には写りませんが北に向ければ冬至の時の通り道も示してくれます。
スカイツリーと朝日を離して撮りたいなら左の場所、朝日がスカイツリーをかすめるような写真を撮りたいなら右の場所みたいな感じでロケハン出来ます。日付を指定すれば任意の日の太陽の通り道を表示できます。真夏に初日の出の通り道を考えながらロケハンするのも可能。
その他、航空写真と重ねて、太陽の位置(影の出る方向)を俯瞰で調べたり、その日の日の出、日の入り、薄明の時間帯など、太陽に関する情報はこれ一つでほぼ100%用が足ります。もちろん任意の日付で調べることも出来るので、家にいながらロケハンすることも可能。太陽の位置が重要になる写真を撮る場合は必須のアプリです。
↑訳が微妙におかしいですが、民事トワイライトは市民薄明(Civil twilight)、航海トワイライトは航海薄明、なぜか天文薄明の終わりだけ正しく訳されてます(笑)
700円とアプリとしてはちょっとお高い気もしますが、他のカメラ用小物と比べれば安いもんです。ちなみに、別アプリでMoon Seekerという月専用アプリもあります。こちらちょっとお買い得な400円。夜撮ることが多い方はこちらもいいかも(私はSun Seekerしか入れてないです)。
8.日の出・日の入時刻
太陽に関してはホントにSun Seeker入れておけば他はいらない感じですが、そこまで詳細な情報はいらない、シンプルなアプリがいいというならこのアプリもオススメ。無料です。
内容はホントにシンプルで指定した日の日の出、日の入り、薄明の時間を表示してくれるアプリです。単純に今日は何時が日の入りかな?とか、来月のイベントは何時くらいに暗くなるのかな?なんて思ったときにパッと使えるアプリ。
丁寧に薄明の解説もアプリに書いてあります。一般的に市民薄明の時間を過ぎると暗いなーと感じるようになります。
9.星座表
昼はSun Seekerを使いますが、夜はこのアプリ、星座表がオススメ。こちらも同じくAR(拡張現実)を使って、iPhoneを向けた方角の空を画面に表示してくれます。
夜空の情報はすべてこれで完結する
空を見上げて、あれ何の星だろ?と思ったらこのアプリを立ち上げて、空にかざすとその星と星座を表示してくれます。逆に、今火星って見えてるのかな?と思ったら、火星を検索すると、その場所までアプリが教えてくれます。
日時を指定すれば、特定の時間帯での空の様子をアプリでシミュレートできるので、星を撮りに行く前に自宅でかなり詳細に計画を立てることも可能。暗い現場で目がくらまないように、夜モードもサポートしています。赤と黒表示なので不要な光を発せず、周りにも迷惑をかけません。
写真に限らず、コレを入れておけば星がキレイな空に出会ったとき、星の名前がすぐに調べられますね。
私がDLしたときは300円とか500円払ったような気がしますが、今見たら無料。キャンペーン中? 入れてない人は是非落としておきましょう。アプリ内課金をすることで、流星群の発生場所をサポートしたり、人工衛星を調べることもできます。
高機能すぎてはじめはちょっと取っつきづらいのが難点か。。
**追記:天の川ハンター向け**
基本的に上記「星座表」で事足りることが多いですが、天の川を狙って撮影したいなら有料ですがより高機能な「Star Wark 2」がおすすめです。部屋の中だろうが日中だろうが、日時を指定したら天の川が画面上に見えてシミュレーションできます。
詳しくは下記星の撮り方記事の後半をご参照下さい
10.Diana
最後はDiana。月の満ち欠けをとってもシンプルに表示してくれるアプリです。
月に関する基本情報はこれ
月齢、月の出、月の入りなど月に関する基本情報を、任意の日付を指定することで、サクッと表示してくれるアプリ。日の出・日の入時刻の月版だと思っていただけるといいかと思います。
一目で分かる月の形とともに表示してくれるのでとってもシンプルで使いやすいです。次の満月の日とか、次の上弦の日なんて情報も教えてくれます。
月齢や月の出を調べるのに星座表を使うとかえって非効率なので、簡単な情報はこれで調べてます。来週星を撮りに行こうと思うんだけど、新月かな?なんて思ったらこれでちょちょっと調べるだけ。月は出てるけど、夜中には沈んでしまうからちょっと遅めに現場に着くように家を出ようとかね。
月齢もすぐに分かるので以前のエントリーを参考に月を撮るための設定を決めるのも簡単ですね。満月との露出差⊿EVは 月齢をn(n = 1~15)として、⊿EV = 0.3n -4.7 (EV) で得られます^^;(←覚えなくてもいいです)
番外編:ディレクターズファインダー
以上、10個のアプリを紹介してきましたが、番外編としてこちらのアプリも紹介しておきます。iPhoneのカメラと連動して、レンズの画角に応じて写る範囲を表示してくれるロケハン時にあると超便利であろうアプリです。
まだ使用検討中です。。
であろうと書いたのは、まだ私も使ってないから。実際に一線で活躍しているアプリを紹介する記事だったので番外としました。
あると便利なのは分かっていても、ちょっと高いかなぁと思いつつ躊躇しています^^; 今のところ候補は2つあるのですが、どちらも約2,500円。。普通のディレクターズファインダーを買うよりはずっと安いので、どちらかをダウンロードしようかと思ってます。仕組みは簡単なのでもう少し簡易的なものを300円くらいで売ったら流行るんじゃないかなと思ったり。。
動画用のアプリはもう少し数が出ているのですが、スチル用として使えるのはこの2つくらいしかなさそうです。。
どっちがオススメだよーとかいう情報ありましたら教えてください^^
デザイン的にも求める機能的にもこちらのアプリの方が良さそうかなぁと思ってます。日本語情報がほとんど無いのがなんとなく不安ですが。。人柱になるか。
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ということで普段、私が撮影をする上で活躍してくれているアプリを10個紹介してみました。一部有料のものもありましたが、今回紹介したものに関してはどれも買って損は無いと思ってます。
便利な道具はどんどん活用して、撮影により集中できる環境を作れると良いですね^^ Androidユーザーの方はスミマセン。。一部星座表なんかはAndroid用も出ているはずですから探してみるといいかもしれませんよ。