Lightroomが遅いんですが。。どうすればいいの?
みんな大好き Adobeの写真管理&RAW現像ソフトLightroomですが、超高機能なために使用する環境によってはちょっとモッサリしてるなぁと感じることもあるかも知れません。
基本的にはそんなに激重なアプリケーションではないのでここ2~3年に発売されたCPUにcore i5 や i7 が搭載されているPCならノートでもデスクトップならそこそこ快適に動くはずなんですが、管理する枚数が増えてきたり、かなり細かい現像などするとやっぱり重く感じることがあるんですよね。
そこで今回はLightroomが重く感じる原因とその解決策について私がこれまで使用してきた経験を元にご紹介してみます。(主にLightroom Classic向けの内容です)
追記:Lightroom Classic CCになってから全体的な動作のスピードや安定性が大幅にアップしています。Lightroom6パッケージ版を使っている場合はClassic CCにするだけでも早くなると思います。
Lightroom Classic CC: is it faster than CC 2015? - Puget SYSTEMS
まずはどこが重い(遅い)のか切り分けよう
ただLightroomが重いと言っても症状は様々ですのでまずは自分が感じている「重い」とはどこが重い(遅い)のかをよく考えましょう。症状によってもその対策は異なります。
完全に切り分けられるような単純な話でもなかったりするのですが、まずは以下のどの症状なのかチェックしてみましょう。だいたい以下の4つに分けられるのではないかと思います。
現像調整がモッサリしている
写真の現像時に明るさを替える程度ならサクサク動くのだけど、様々な効果を重ねていったり段階フィルターやスポット修正を使い出すとモッサリするパターン。
写真の現像はLightroomのCamera Raw エンジンが関わってくる要素なのでこの辺りをいじると良いかも。基本的にハードのパワー不足が原因ということが多いのでここを補うことにしましょう。
写真の表示が遅い
ライブラリーモジュールなどで多数の写真を次々送って表示しているときにテンポが悪いというパターン。これも良く聞きますね。
LightroomでRAWやJPEGを表示する場合はあらかじめ用意されているプレビューが使われます。よってこのプレビュー周りに手を入れるといいでしょうか。現像の話とは別だと思って考えた方が良いです。
写真の検索やメタデータの入力がもたつく
写真をある条件で検索したり、フィルタリングする場合やキーワードやカラーラベル、レーティングなどメタデータを写真に付与していく時にもっさりしていると感じるパターン。特に10万枚を超えるような写真を管理しているとよくみられます。
Lightroomは「カタログ」というデータベースですべての写真を一括で管理しています。よってここがもたつくと言うことはカタログ周りが怪しいのかなと思います。
書き出し(現像)スピードが遅い
調整したRAWをJPEGやTIFFに書き出すスピードが遅いパターン。
カタログで管理するLightroomでは納品や誰かに写真を渡すと言った外に写真を持ち出す場合以外はそもそも書き出しの必要がないのですが、頻繁に納品をするような人には重要なポイントかもしれません。
ただしここは小手先の調整でどうにかならない事が多いので、基本「レベルを上げて物理で殴る」が有効ですw
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では上記の症状を踏まえながら効果が高そうな順番にご紹介していこうと思います。
ちなみに、一番効果があるのは「新しい高性能なPCを買う」ってことですがこれは無しの方向で。。(笑)
1.メモリを増設する
これから7つの方法をご紹介していきますが、一番効くのはコレです。上で紹介したすべての項目に関係します。メモリ増設しただけで多くの不満は解決出来るでしょうからメモリーの空きスロットがあるならまずはこれを試してみることをおすすめします。
メモリ大盛りは正義
Lightroomは現像時もカタログ使用時も書き出し時もあらゆる場面でメモリーを大量消費するため最低でも16GB、できれば32GBは欲しいところ。現在(2020年)、Lightroom Classicの推奨システム構成はメモリ12GB以上となっています。
Lightroomの詳細な内部的な挙動はわかりませんが、事実として現像時重い処理をすればするほど使用するメモリーの量は明らかに増え作業によっては10~15GB消費することも。Lightroom Classicはバージョンアップするごとにメモリー使用量が増えているので余裕のあるメモリー量を確保するのが大事です。
また、カタログに登録される写真の枚数が増えれば増えるほど平常時に消費されるメモリーのサイズも増えます。
もちろん写真の書き出し時(特に高画素RAW)も大量にメモリーが消費されますので、Lightroomで行う作業は「メモリーが多いことは正義」と覚えておきましょう。
書き出しスピードにも効果あり
書き出し時のスピードは数値化しやすいので一例をご紹介してみましょう。
EOS 5D MarkIII(約2230万画素)とα7R IV(約6100万画素)のRAWデータを50枚現像処理(JPEG書き出し)したときの時間をLightroom Classic CC(9.1)で見てみます。
使用したPCは私がTSUKUMO ex.COMPUTERで監修させてもらった写真現像向けPCのPA7A-B200/XTです。 Ryzen7 3700X、メモリ16GB または 32GB、グラボ:GTX 1660Tiという2020年現在ミドル~ハイスペック級のデスクトップPCですね。オリジナルサイズ、画質100で書き出ししたときの時間です。OSはWindows 10。
ちなみにエントリー向けのRyzen5 3600搭載PM5A-A200/Tもかなり早いです。現像スピードは数%くらいの違いしかなく非常にコスパが良いですよ!(PA7A-B200/XTはグラボが良かったり拡張性の高いシステムを搭載しているので少し高め)。現像用PC探している人はぜひチェックしてみてください(宣伝終わりw
テスト結果
RAW→JPEG(秒) | 1枚あたり(秒) | メモリー増量効果 | ||||
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5D MarkIII | α7R IV | 5D MarkIII | α7R IV | 5D MarkIII | α7R IV | |
Ryzen7 3700X 16GB | 55.4 | 136.9 | 1.11 | 2.74 | ー | ー |
Ryzen7 3700X 32GB | 47.3 | 111.4 | 0.95 | 2.23 | 14.6%UP | 18.6%UP |
ちょっと見づらい表ですが、メモリーを16GB→32GBとすると書き出し速度も大きくアップしています。なおLightroomは書き出し時のサイズを小さくするとよりスピードアップするので以下の記事もどうぞ(最新バージョンでは未検証)
現像中にPC内でどのようなことが起こっていたのかタスクマネージャーを見てみましょう。メモリー16GB時では書き出し時にシステム全体の75%以上のメモリーを消費しています。Lightroomが消費するメモリーはなんど9GB以上。ブラウザなど立ち上げながら作業するなら16GBでもギリギリと言ったところです。
PCはメモリー不足になると急激にパフォーマンスが落ちますからメモリー大盛りは正義なのです。
どこまで増やすのが効果的なのか?
以前のLightroomであればメモリーを32GB以上に増やしても(容量が十分なので)現像速度は上がらなかったのですが、最近のバージョンではそうとも言えない現象が見られます。
例えば私がメインで使っているRyzen9 3900X(12コア24スレッド)のマシンではメモリーを32GB→64GBに増量することで書き出し速度が30%以上向上しました(Lightroom Classic CC 9.1)。多コアCPUは現像時の消費メモリが多い傾向がみられるので、多コアCPUをお使いの方は64GBへの増量も視野に入れても良いかもしれません。
目安としてはRAW→JPEG書き出し時にメモリー消費量が50%以下を目指すとマシンの実力を十分発揮できるようになるかと思います。メモリー増設できるPCならすぐにでも増設しましょう。16GB程度なら結構安価に増量できます。
*お使いのPCにあった規格のメモリを選んで下さいね
CORSAIR DDR4-2666MHz デスクトップPC用 メモリモジュール VENGEANCE LPX Series 8GB×2枚キット CMK16GX4M2...
2.カタログをSSDに置く
ここは「写真の検索やメタデータの入力がもたつく」人や「写真の表示が遅い」人に関係しそうな項目。
Lightroomは「カタログ」というデータベースに写真のすべての情報(現像設定、使用したカメラ、露出設定、撮影日時、キーワードなど)をひとまとめに保管し、この情報を使いながら写真を管理します。
カタログが遅いとすべて遅くなる
つまりLightroomで行うあらゆる操作はこのカタログを介して行われる事になるため、カタログの動作が遅いとすべての動作が遅くなります。特にカタログの内容を大きく変更する写真の検索やキーワードなどメタデータの入力のパフォーマンスに大きく影響してきそうです。
もう少し突っ込むとLightoomのカタログで使用しているデータベースはSQLiteというRDBMSです。SQLiteを含む一般的なデータベースはSSDで運用することでHDDの数倍のパフォーマンスが出ることが良くあります。もちろん条件によりまちまちなのですがLightroomのカタログがSQLiteである以上やはりカタログはSSDに置くべきかと思います。
また、いち早く表示されるべきプレビューもカタログと同じ場所に保管されるため写真の表示も速く感じるのではないでしょうか。
実際のところカタログの場所をHDD ⇒ SSDにしたところで劇的に(数倍)体感速度が上がると言ったことは無いですがかなりサクサク使えると言った感じはします。
写真はHDDでもカタログはSSDへ
容量が大きめのSSDでOSのドライブと同じ場所(Cドライブ)にカタログを保管しても良いですし、私の場合は別にカタログ専用のSSDを用意してそこで運用しています。
最近はPCI-Expressに取り付ける驚異的な読み書き速度を有したNVMe規格のSSDが出てきてたりするので、ちょっと気になっているこの頃。リード2,000MB/s、ライト1500MB/sとか凄くないですか。(一般的なSSDの4倍くらい速い)
Samsung SSD 250GB 970 EVO M.2 Type2280 PCIe3.0×4 NVMe1.3 5年保証 正規代理店保証品 MZ-V7E250B/EC
追記:今のところSATA 6GのSSDでも十分かも?
NVMe規格のSSDのSamsung 960 EVO入れてみました。リード3000MB/s超えていてまさに異次元のスピードなのですが、体感的には通常のSATA 6G SSDと大して変わらない気もします(汗 500MB/sくらい出ていれば十分なのかもしれません。
作業用ドライブにSSDを入れるという手も
理想を言えばRAWなどの写真もSSDが良いのですがコスト的にこちらはまだHDDの方が良い気はします。ただし最高のパフォーマンスを求めるなら直近のRAWは作業用SSDに置いて作業し、現像が終わったらHDDやNASに移すといった使い方もありかも(私はやってません。今のところ写真はHDD*でもそんなにストレスないです)
*現在元データはぜんぶNASに置いています
追記:1TBのSSDも1.3万円以下まで落ちてきましたのでかなり現実的な選択肢に近づいていますね。
3.プレビューキャッシュのサイズを調整する
これは「写真の表示が遅い」人向きの設定。コストかからないので手軽にできます。
Lightroomでは主に軽い「標準プレビュー」と重い「1:1プレビュー」という2つのプレビューをカタログに紐付ける形で有しています。ここでは軽い「標準プレビュー」が関係します。
Lightroomではプレビューを見ている
写真を表示するのにいきなりRAWを読み込むのは大変なので、Lightroomでは軽いプレビューをサクサク表示させながら裏でRAWを読み込むというような動きをしているのですね。
つまり本来軽いはずの「標準プレビュー」が重ければ、次々と写真を表示させるのに時間がかかってしまうわけです。
「標準プレビュー」のサイズは 編集 > カタログ設定(Macは Lightroom > カタログ設定)の中の ファイル管理タブ から設定可能です。
標準プレビューは画質に影響しないので軽くする
Lightroom6/CCではここの標準プレビューサイズがデフォルトで「自動」となっており、お使いの画面の解像度に応じた値になっています。通常はそのままでも良いのですが、標準プレビューはあくまで仮表示用の最終的な画質には全く影響しないものですので、写真の表示が遅い場合はここを軽く設定してあげるのが良いかと思います。
私のモニタは横2,560ピクセルですが、実際はそこまで必要ないかと感じているので2048ピクセルで運用中。1680pxでもいいくらい。まったく不便を感じません。FullHD(1920×1080)のディスプレイの方ならここを1680pxや1440pxにしてしまっても良いかも知れません。
また、MacのRetinaディスプレイなど高解像度モニターを使っている方は画面サイズに対してここの設定が大きすぎるんじゃないかと。私のMacBookProは13インチなのにここが「自動(2560px)」となっていたので1,440pxに落として使ってますが特に違和感ないです。
また、仮表示用ですので画質も「低」にしてしまってもいいかも。
サイズが大きくなるとカタログフォルダが肥大する
プレビューはカタログと紐付いてカタログと同じフォルダに保管されるためここを大きくしすぎるとカタログのあるドライブを圧迫する恐れがあることも覚えておきましょう。特に容量が限られるSSDにカタログを置いている人は注意。
読み込み時に標準プレビューを作ってしまう手も
標準プレビューは通常写真の読み込み後に、Lightroom上でその写真にアクセスするまでは作成されません(それまではカメラ内で生成されたサムネイルが使われるので、RAWを読み込んで最初にアクセスするとサムネイルの色がちょっと変わったりしますよね)。
標準プレビューの作成自体はそんなに時間がかかるわけでは無いのですがより快適に作業したいなら読み込み時のファイル管理タブ、プレビューを生成で「標準」を選んでおくのも良いでしょう。(デフォルトは「最小」になってるはず)
4.1:1プレビューを事前に作る
上では標準プレビューについて紹介しましたが次は「1:1プレビュー」について。ここは「写真の表示が遅い」人や「現像調整がモッサリしている」人に関係しそうな項目。
大きなプレビューです
ライブラリーモジュールで写真を見ていく場合は基本「標準プレビュー」を用いて見るのですが、拡大して等倍表示する場合はこの「1:1プレビュー」が使われます。また現像時も1:1プレビューが使われる(はず)です。
1:1プレビューはその名の通りオリジナルの画素数と同じサイズのプレビューです。4,200万画素のカメラで撮ったRAWの1:1プレビューは4,200万画素になるわけです。(ファイルフォーマットはJPEGです)
1:1プレビューの作成は普通にRAWからJPEGに書き出しするようなもんですから結構大変です。拡大表示しようとしたら写真の下で「読み込み中」といってクルクル回るやつでてきますよね。あれは 1:1プレビュー準備中なう。 ってことです。
ということで等倍観察や現像をサクサク進めたい場合は1:1プレビューを事前につくっておくのも有効です。
読み込み時に作ってしまう
写真の読み込み時に作る場合は上の標準プレビューと同じく、読み込み時のファイル管理タブ、プレビューを生成で「1:1」を選べばOK。
ただし、1:1プレビューは標準プレビューよりも格段にサイズが大きいですからカタログフォルダが肥大化します。不要な写真にも作成されるためよほどでないかぎりおすすめではないかも。
読み込み後に必要なだけ作る
読み込み後に作ることも可能です。これからある程度まとまって現像するぞって時にライブラリーモジュールで対象の写真を選択し、ライブラリ > プレビュー > 1:1プレビューを作成 で狙ったものだけ事前に作って準備しておくことが可能。
こっちのほうがおすすめ。
1:1プレビューは定期的に消す
1:1プレビューはあまりにもサイズが大きいので作業が終わったら消しちゃうのがいいです。とはいえ手動で消すのは大変なのでデフォルトでは作成されてから1週間後に自動で削除されるようになっています。
これが上の3.で紹介したカタログ設定 > ファイル管理の中にある「1:1プレビューを自動的に破棄」の意味です。1日後とか30日間保持といった内容も選べます(私は1週間以外ほとんど使ったことないです)
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まぁ事前に作るのも便利ですが、個人的にはほとんど手動で作ることはありません。全部等倍で見るということは滅多にしないですし、現像時も1:1プレビューがなければ繋ぎに標準プレビューを表示してくれるのでそれほどストレスにならないからです。
5.カタログを最適化する
ここは「写真の検索やメタデータの入力がもたつく」人や「写真の表示が遅い」人に関係しそうな項目。
上で紹介したとおりLightroomのカタログはあらゆる情報が入ったデータベースです。ここに写真を読み込むたびに情報が蓄積されていったり、新たなメタデータを足したり、逆に情報を削除したりしているとデータベースの中身がグチャグチャになってきたりします。
こうなってしまうとカタログをガンガン使うような操作は軒並み遅くなってしまうので定期的にカタログの最適化をしておくのが良いでしょう。
バックアップをちゃんとしていればしなくてOK
デフォルトでは週に1回やってくるカタログバックアップのお伺いの時にカタログの最適化へチェックがついているので、普段からバックアップをマメにとっていれば気にすることはありません。バックアップをとってなかった。。と言う人はそもそも論外なのですが、普段のパフォーマンスの面でも損してるかも。
最適化頻度は通常はバックアップと同じ週に1回もやっておけば十分でしょう。(「バックアップの前に整合性をテスト」もチェック付けておくとよい)
最適化だけ行うことも可能
強制的に最適化させる場合は ファイル > カタログを最適化 で行えます。
写真の枚数が少ないウチはほとんど効果を感じないと思いますが、10~15万枚越えた辺りから効果を顕著に感じることがあります。特にいろんな写真にキーワードなどメタデータを加えた後とか。
タダでできるので知らなかった方はやってみましょう。
6.グラフィックプロセッサー連動をON/OFFにする
ここは「現像調整がモッサリしている」人に関する項目です。
Lightroom6/CCから現像モジュールで作業している間のレンダリングにGPUのパワーが使えるようになりました。編集 > 環境設定(Macは Lightoom > 環境設定)の中にある パフォーマンスタブ で設定可能。
結構相性がある??
お使いのグラフィックプロセッサー(CPU内蔵も可能)が対応していればここにチェックを付けることで、現像時に重い効果を適用させてもカクカクせずにリアルタイムに画面に効果が表示されます。
私の環境でもチェックボックスを付けることで確かに現像時のヌルヌル感は体感できたのですが、現像モジュールで次々写真を替えながら現像していくと写真の遷移時に短時間ですが写真が表示されないことが多発しました。。
そもそもLightroomの現像エンジンは軽いのでここにチェック入れなくても今までそんなにカクカクすることはなかったため現在はチェック外して運用しています。(MacbookPro の内蔵グラフィックでも同じ事が発生)
Lightroomとグラフィックプロセッサーの相性によるものなのかな?と思います(GTX 470という結構古いグラフィックボード使ってます^^;)。
相性が良い人はそのままチェックを付けっぱなしの方が良いパフォーマンスを期待できると思いますが、現像時に写真の遷移が上手くいかない。。と言う人はチェック外してみると良いかも。
追記:グラボのドライバ再インストールで良くなるかも?
2017年にLightroom Classic CCとなってからシステムの安定性は向上したモノの、現像モジュールの動きがなんだかモッサリしているなぁと思っていたのですが、ふと思い立ってグラフィックボードのドライバをクリーンインストールで更新してみたらめちゃ快適になりました。
CC 2015からClassic CCになって現像モジュールの動きが悪くなったと言う人はドライバを最新版にしてみるのも良いかもしれません。
NVIDIAの人はGeForce Experienceからドライバアップデートする際に、「カスタムインストール」を選択して、「クリーンインストール」にチェックを付けると良いでしょう(ドライバ設定をいじっていた人はクリーンインストールするとカスタム設定消えるようなので注意してね)
Lightroomは以前はWindowsもMacもGPU支援はOpenGLを使っていたはずなんですが、Classic CCになってになってから(もしくはその少し前から)、WindowsではDirectXを使うように変わっている様です。Windows環境でClassic CCを使っていて、環境設定 > パフォーマンス > グラフィックプロセッサーの項目にDirectXが無い場合はGPUとの連携が上手くいっていない可能性があるかも(確証はない)。ドライバを見直してみると良いでしょう。
書き出しスピードはアップしません
この項目はあくまで現像時のリアルタイムなレンダリング性能が向上するだけですのでRAWから書き出す時間は今のところ変わりません。将来書き出し時にもGPUのパワーが使えるようになるといいですね。
また、セカンドディスプレイを表示させて作業している場合、GPU支援が働くのはメインウィンドウだけになるようです。
7.CameraRAWキャッシュを増やす
いよいよ最後ですね。ここはたぶん「現像調整がモッサリしている」人か「写真の表示が遅い」人に関する項目かとおもいます。。
よくわかりません(笑)
CameraRAWキャッシュっていうのは実のところ私も何に効くのかよく分かってなくて、世の中的にCameraRAWキャッシュを増やせば高速化する!という言葉だけが一人歩きしているような感じです。個人的にここの設定で効果を感じることはほとんどないです。。
CameraRAWキャッシュの設定は 編集 > 環境設定(Macは Lightoom > 環境設定)の中の ファイル管理タブの中にあるのですが、ここで場所とサイズを決められます。デフォルトでは1GB割り当てられていますが私はなんとなく10GBで運用中。
このCameraRAWキャッシュはBrigeとも共有しているもので、公式のヘルプを見ているとこんなことが書いてあります。
現像モジュールで Raw 画像を表示または編集を行うと、最新の状態で高品質のプレビューが生成されます。このプレビューはオリジナルの画像データを基にしており、適用されたすべての変更がプレビューに随時反映されます。この処理は、Camera Raw キャッシュ内のデータを扱う場合、ある程度処理が高速化します。オリジナルデータのキャッシュが残っている場合、初期段階の処理はスキップされます。
ーパフォーマンスの最適化(Adobe)
ということで恐らくRAW現像中に内部で生成される中間ファイルのようなものをキャッシュとして保持しておき、次にアクセスする場合素早く作業が再開できるといったものなのではないかと思います。
ちなみにキャッシュになっている.datファイルを特殊な方法で展開してみると全部で13個ほどの画面がバラバラのJPEGが出てきてきます^^; 写真の色も浅くてLogっぽいかんじ。
まぁ余裕があれば気休めに増やしておいても良いかな?くらいな感じでしょうか。
できるだけ高速なドライブに
キャッシュはその性質上頻繁に読み書きがなされるものですのでCameraRAWキャッシュの保存先もSSDなど高速にすればするほど良さそうです。公式のヘルプにも高速なドライブへの指定がおすすめされてます。
【追加】8.スマートプレビュー優先で現像をする
Lightroom CC2015.7 / 6.7 から現像時に元画像ではなくスマートプレビューを優先して使用するオプションが追加されました。ノートPCなど非力なマシンの場合はかなり有効です。
編集 > 環境設定(Macは Lightoom > 環境設定)のパフォーマンスタブで設定。設定を変えたらLightroomを再起動しましょう。
重い元画像を使わなくても良いので表示やスライダーの動きがよりサクサクになりかなり効果が高い設定です。非力なノートPCを使用していたり、一度に大量の現像をサクサク行わなければない場合にとても有効。重い環境なら体感ですぐ分かるほど改善します。
通常、スマートプレビューは元画像とのリンクが切れている(外付けHDDを持たずに外出するときなど)に使用できるものでしたが、今回追加されたオプションを使えば元画像とのリンクは繋がっているにもかかわらず、その写真にスマートプレビューが存在すれば軽量なスマートプレビューを使ってくれるという機能です。
デメリットは?
これを使うには事前にスマートプレビューを作っておかなければなりません。そのぶん、1枚あたり1MB程度カタログの容量が増える点には注意しましょう。
スマートプレビューを作るのに一番簡単なのはヒストグラム下の「元の写真」をクリックすること。複数枚まとめて作ることも可能です。もしくは ライブラリー > プレビュー > スマートプレビューを作成 からでもOK。
スマートプレビューの実体は長辺2560pxに縮小された圧縮RAW(非可逆DNG)なので元画像よりも画質が劣る点にも注意。ただ、画質が落ちるといっても普通の人にはなかなか分からないレベルだと思います。
また、スマートプレビューを用いて現像中でも等倍に拡大すると自動的に元画像に切り替わるように設計されています。オプション自体はいつでもON/OFF出来るので、重い作業をするときのみONに切り換えるといった使い方をしても良いでしょう。
もちろん、書き出しやプリント時は自動的に元画像を用いてくれるので安心して下さい。
【追加】9.カタログを分ける
Lightroomのメリットは万枚レベルの写真をカタログというデータベースで一括処理できることにありますが、さすがに10万枚を超えるようなカタログはマシンパワーを必要とします。
特に、起動が遅い、カラーラベルやキーワード(タグ付け)、フィルター操作がモッサリしていると言う人はカタログを分けるのも効果的。1年ごとにカタログを分けて運用するというプロカメラマンも結構います。
昔の写真をすぐ探せなくなるデメリットも
カタログを分けた場合、今見ているカタログにない写真は一旦Lightroomを立ち上げ直さないと編集出来ないため、頻繁に過去写真にアクセスするという人には向かない方法かも知れません。
やや高度な使い方ですが、「アーカイブ用カタログ」と直近1年程度の「作業用カタログ」という2つを作り、通常作業は「作業用カタログ」で行い、古いデータを順に「アーカイブ用カタログ」にマージ(統合)していくという使い方をするのもいいですね。
ファイル > カタログとして書き出し でカタログの一部を分離させ、アーカイブカタログを開いてから ファイル > 別のカタログから読み込み で統合するといった流れです。
【追加】10.Lightroomと同期をOFFにする
Lightroom Classic CCではクラウド上のLightroom(Classicでないやつ)と同期する機能がついています。これを使えばスマホで撮影した写真も自動で同期してくれるので便利なのですが、どうもバックグラウンドで動作を邪魔しているような気がします。特に私の場合はLightroomの起動がすごく遅くなる気が。。
特にLightroomの起動が遅くて困っている人は同期や住所検索、顔検出などすべてオフにしてしまっても良いです。
同期は暇なときに一時的にONにして、スマホ写真と連動させるというような運用をしたところ結構快適になったかも。
【追加】11.一旦ログアウトしてみる
いままで普通に動いていたのに、ある時から起動が極端に遅くなったとかそういった不具合の場合にはLightroomを一旦ログアウトしてみると直る場合もあります。
最近のLightroomはクラウドとの連携が強化されているため、そこで一旦おかしなことが起こるとそれを引きずってしまいシステムのパフォーマンスに影響する場合があるかも。効果がある人は限定されますが、結構手軽にできるので試してみる価値はありそうです。PCを再起動させる感覚ですね。
まとめ
ということでLightroomが遅くなった場合の対処法について7(+4)つご紹介してみました。
冒頭でも言ったとおりLightroomは多機能なためどこが遅いのか?を明確にしなければせっかく対策をしても効果を感じにくいことがあります。
メモリの増設やSSDの採用などハード面での改善がやはり効果が高いですが、Lightroomの環境設定をチューニングするだけでも改善することもありますのでお試し下さい。
ここに紹介した方法はどれも安全な方法ではありますが、万が一のことも考え作業前はカタログなどバックアップをとってから行うことをおすすめします。
Lightroom使い始めの人にはちょっと分かりづらい所だったかも知れませんが、カタログって何なの?等という方は過去エントリーも参考にしてみて下さい。
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