クイック着脱の新形式、NiSi SWIFTシステム
高度な写真撮影には欠かせないNDやCPLフィルターは従来からある「ねじ込み式」タイプを使っている人が多いと思いますが、流行に敏感な方なら「マグネット式」を使っている人もいるかも知れません。
しかし今、「ねじ込み式」でも「マグネット式」でもなく、「押し込むだけ」で装着ができる全く新しいフィルターがあるのをご存じでしょうか。それが今回ご紹介するNiSiのSWIFTシステムです。
NiSiと言えば世界を代表する高性能フィルターメーカーの一つで、動画から静止画まで多くのプロも愛用しているブランドですね。私も以前からいくつかのフィルターを愛用しています。そんなNiSiのSWIFTシステムを今回試す機会を得たのでNDフィルターの「SWIFT FS NDキット」、CPLフィルターの「SWIFT TRUE COLOR CPL」を中心に詳しくレビューしていきたいと思います。
もう2ヶ月ほどしっかり使っていますが、総じて満足度の高い、よくできたフィルターです。運用上の注意点などもまとめてあるのでぜひ最後までお読みください!
【ND,CPL】フィルター着脱が劇的に楽になる、NiSiのSWIFTシステムが最高だった
*この記事はNiSiさんとのタイアップ記事となります
本日のコンテンツ
SWIFTシステムとは
「スローシャッターを使いたいけど、NDフィルター使うの面倒だからF22まで絞っちゃうか……」
「CPLフィルターの着脱が面倒だから丸一日フィルターつけっぱなしで撮影してしまった……」
みなさんはこんな経験はないでしょうか?私はあります。もう何度か数え切れないくらい。シャッター速度を遅くするために絞りすぎたり、基準感度を下回るISOを使えば画質が大きく悪化しますし、不要なフィルターのつけっぱなしは光量不足やフレア、ゴーストの発生リスクを高めます。
超絶めんどくさがり屋の私にとって、従来のねじ込み式フィルターの使い勝手はとても悪く、これらのデメリットよりも「面倒くさい」が勝ってしまうシーンが多くありました。
そこで近年注目を浴びているのがクイック着脱式のフィルターシステムです。マグネット式はみなさんも目にしたことがあると思いますが、今回のSWIFTシステムはNiSi独自の「押し込み式」という新たな機構です。
それぞれの形式による特徴を簡単にまとめると以下のようになります
NiSi SWIFT | マグネット式 | ねじ込み式 | |
---|---|---|---|
着脱のしやすさ | 〇 | ◎ | ✕ |
保持力 | 〇 | △ | ◎ |
ハンドリングしやすさ | ◎ | △ | △ |
光学性能 | ◎ | ブランドによる | ブランドによる |
従来のねじ込み式よりも圧倒的に着脱が容易であり、マグネット式よりも高い保持力で安心といういいとこ取り。
さらに、SWIFTシステムは枠に厚みがあり(でもケラレない。理由は後述)ハンドリングがしやすいといったメリットも。濃度別に枠が色分けされているのも使ってみてとても良かったポイントです。
フィルターの品質もNiSi単独供給なので全く問題ないというのもよいですね。
どのような仕組みなのか
SWIFTシステムの「押し込み式」を実現しているのは隙間無くはめ込むことのできる特殊素材と精密加工技術の2つです。
写真を見てもらうと分かるように、枠の周りにゴムのような素材が付いており、これがアダプターリングとの適度な密着感を生み出してくれるのだと思います。結構硬めなのですぐにヘタってくるということはなさそう。製品開発時の試験では3000回装脱着を繰り返しても元の保持力を維持できることを確認しているそうです。
物理的にはめ込んで高い密着性を実現する方式のため、枠とアダプターの高い加工精度と強度も大いに求められるはず。その辺の安価なブランドでは真似できないでしょう。実物を見ると一般のフィルターより枠に厚みがあり、ちょっと落としたくらいでは凹んだりしないような重厚感もあります。
枠に厚みがあるのにケラれにくい
アダプターに押し込む形式のため、SWIFTシステムのフィルター枠は、フィルター本体(内枠)と外枠の2重構造のような形をしており、フィルター本体にも重ねがけ用のオス部が付いています。これにより、一般のフィルターより一回り径が大きく、厚みのある設計です。さらに、ガラス自体が一般のフィルターより広く設計されているため余裕があります。(下図参照)
一見厚みがあるため、重ねがけ時にケラれやすいと思われますが、その厚みは押し込んで取り付けると一般の薄枠フィルターと同程度となり、径自体が通常より大きく作られているため他の薄型フィルターと同程度のケラレやすさといえるでしょう(ケラレ具合の詳細は後述)
この一回り大きく、厚みがあるデザインのおかげで、ケースから取り出しやすく、現場で手が滑って落としてしまった……というリスクを大きく減らせます。
枠を指でつまんだときに、フィルターの端に指紋を付けてしまった……というリスクもほぼ無くせます。実際に使ってみてこの部分はとても良かったです。
色分けされているのが最高に使いやすい
ケースに複数のフィルターを入れていると、現場で取り出すときにどれを取り出せば良いのかすぐに分からない時が結構ありますよね。枠に書いてある小さな文字を読んでようやく取り出せる……みたいなやつです。
今回使ったSWIFT FS NDキットにはND8、ND64、ND1000の3枚のフィルター(+ステップアップアダプター)がセットになっていますが、それぞれ枠に青、緑、オレンジの色が付いているので、使いたいフィルターを間違うこと無くすぐに選択できます。周囲が暗くなってもしっかり判別可能。SWIFT TRUE COLOR CPLはシルバー枠なので、私が普段使うフィルターは文字ではなく、枠の色で一瞬で目的のものをチョイスできます。
ここは本当に最高でした。
フィルターワークが楽しくなるシステム
2ヶ月ほど様々な現場でSWIFTシステムを使ってきましたが、使用感はこれまでのフィルターの中で最も良かったと言ってよいかと思います。従来のねじ込み式フィルターでは味わえない、「フィルターワークの楽しさ」を存分に味わえるものでした。
着脱がしやすく、現場でのハンドリングが簡単で装着時の保持力も安心できます。もちろん、フィルター自体の光学性能も高く、自信を持って作品作りができるのもよいですね。
ということで、次の章では今回使ったフィルターの光学性能について検証結果も交えながら紹介してみようと思います。
高濃度NDなのに色が変わらない。高い光学性能
ここからはSWIFTシステムの話からはいったん離れて、フィルターそのものの光学性能について詳しく掘り下げて行こうと思います。今回主に利用したSWIFT FS NDキットとSWIFT TRUE COLOR CPLについてです。
全波長で均一な吸収を行うFS NDシリーズ
この2ヶ月間に最もよく利用したのがSWIFT FS NDキットです。NDフィルターはレンズに入る光を吸収して減光するアイテムですが、波長によって吸収度合いが変わってしまうと、おかしな色ズレが起こってしまい写真のカラーバランスが崩れてしまうことがあります。
「FS ND」はフルスペクトラムNDの略であり、可視光だけでなく紫外や赤外領域まで撮影に関わるすべての波長を均一に吸収できる優れたNDフィルターです。NiSiのHPに掲載されているグラフをお借りして波長領域を色分けしたのがこちら。
上のグラフはND16(シャッター速度を1/16にする)の例ですが、全領域でT(透過率)が6%(1/16)程度に均一になっていますよね。
昔のNDフィルターや、最近の安価なNDでは撮影後に写真が黄色被りしてしまうことが良くありますが、ここまで均一だとNDあり/なしでほとんど色が変わりません。
実際に使った例
実際に使ってみたのがこちら。EOS R5でWBを太陽光に固定してフィルター別に撮ってみました。明るさのみNDなしに合わせるように撮影後に微調整。色に関する項目は全くいじっていません。
パッと見たところ、ほとんど色が変わっていないですよね。良く見るとND1000は僅かに寒色方向にシフトしていますが、超高濃度のNDでさえこれしか色が変わりません。
より詳しく見たい人用に別々の画像も用意しました。
FS ND8
フィルターなし(左)とFS ND8(3stops)の比較です。中央のスライダーをグリグリしてみてください
雪に落ちている影が変わっていなければ同じ写真と見間違うレベルで同じ色味を維持しています。
FS ND64
フィルターなし(左)とFS ND64(6stops)の比較です。
こちらもほぼ同じ色と言って良いでしょうか。光を1/64まで減光しているのに同じ色です
FS ND100
フィルターなし(左)とFS ND1000(10stops)の比較です。
さすがにND1000まで来ると少し寒色方向に傾きました。ここからLightroomで色温度+250K、色かぶり補正G+1でフィルター無しと同じ色味に。
ちなみに私が今まで使っていた国内老舗ブランドの高級グレードのND1000(1枚12,000円ほど)では同様のテストでだいたい600Kほど寒色に傾きました……これでも色ズレはかなり少ない方ですが、NiSiのFS NDはさらに上を行く感じです。
色が変わらないから重ねがけも楽しい
高濃度でもほとんど色が変わらないので、積極的に長秒撮影にチャレンジできます。
例えば、こんな滝のシーン。ちょうど滝の裏側に洞窟のようなものがあり、中が凍って氷柱ができている様子を撮りたかったのです。
フィルター無しでISO100、F11 、1/30で撮りました。実に中途半端で何を撮りたいか良く分からない感じです……
一般的な滝の撮影方法でもあるFS ND8を付けてシャッター速度1/5まで落としてみたのがこれ。
水の流れがシャーってなって良い感じです。程よく水の勢いも感じられますが、滝の裏側の様子がまだよく見えません。
そこでFS ND1000を付けて水の流れを完全にフラットにしてみました。シャッター速度は30秒です。
ここまで来ると水の流れは柔らかなヴェールのような質感となり、滝の裏にあるゴツゴツとした氷柱との対比も作ることができました。このくらいフラットにするなら10秒以上のシャッター速度が欲しいです。
ND1000との重ねがけが楽しい
重ねがけしても楽しいです。ND1000とND8やND64の重ねがけです。例えばND8を重ねると8×1000でND8000(13stops)となりシャッター速度を1/8000にできます。これを付けると日中のピーカンでも30秒を超える長秒撮影が可能になります。ND64の組み合わせならND64000(16stops)相当です。
下の写真はFS ND1000+FS ND64の組み合わせでISO125、F6.3、180秒で撮影しました。
隅田川の水面が完全にフラットになりファインアート的な仕上がりに。夕暮れのギラついた水面も長秒撮影にすれば色だけの情報が浮かび上がってきます。
FS ND1000+FS ND8を組み合わせてシャッター速度25秒だとこんな感じ。
これでもだいぶフラットですがややザワついていますかね。川や湖のゆったりとした水面をフラットにするならシャッター速度60秒以上は欲しいところです。
ちなみに、フィルター無しはこんな感じで水面がギラギラしています。生っぽい表情は出ますが、水面に目線を奪われ、奥の建物を見せたいときはあまり有効ではないように思います。
なお、この3枚の写真はすべて同じ現像設定をコピペしただけです(露光量のみ少しいじって合わせています)。色はだいたい同じですよね(左側の空の色がちょっとずつ違うのは1分ごとに日が傾き、空の色が変わる時間帯だから)。
FS ND1000+FS ND64の180秒露光のものをLightroomで軽くモノクロファインアート風に仕上げてみました。高品質なNDフィルターがあるとこういうジャンルにもチャレンジできますね。
超高濃度ND撮影はSWIFTシステムが生きてくる
ND10000以上の超高濃度ND撮影をしたことある方ならご存じかと思いますが、ND64+ND1000を組み合わせるとレンズに入る光が少なすぎてまともにAFできません。もちろん、画面を見ながらMFするのも困難です。でも、クイック着脱が可能なSWIFTシステムだと、いったんフィルターを外してAFを行い、MFに切り換えピント固定し、フィルターをサクッと取り付けて本撮影という流れが非常にスムーズです。
ねじ込み式だとこの儀式が面倒で、水辺で撮影していると手が滑って水中にフィルターを落としてしまうという事故が起きやすかったり……
着脱が簡単だと街のスナップの中にNDフィルターを取り入れることもできますね。
SWIFT TRUE COLOR CPLがあるとさらに最高
スローシャッター撮影はどうしても水辺の写真が多くなるわけで、そうなってくると反射を抑えるCPLフィルターも欲しくなりますよね。NiSiはPLフィルターも昔から画質には定評があり、そのSWIFT対応版のSWIFT TRUE COLOR CPLもセットで持っているとかなり良いです。
カラーバランスが崩れないCPLフィルター
ここでもフィルターなし(左)とTRUE COLOR CPL装着時(右)の比較をしてみましょう。
効果最大時での比較です。CPLなので太陽と反対側の空(右側)が色濃くなったほか、木々の反射も取れ、幹の色が濃くなりコントラストが高くなっているのが分かります。しかしながら雪の色などベースのカラーバランスはほとんど崩れていません。さすがです。
効果最大時の減光量は1段程度です。これだけバランスが崩れないならND2として使うこともできそうです。
中価格帯CPLと比較してみた
手元にあったAmazonで売れ筋と思われる6~7,000円程度(82mm)の他社CPLフィルターとも比較してみました。違いは歴然です。左がTRUE COLOR CPL装着時、右が他社CPLです。
他社他社CPLは明らかに黄色っぽく色が傾いてしまいました。さらに太陽近傍の空(左側)の効き具合もTRUE COLOR CPLの方が良く、グラデーションが綺麗に繋がっています。
スムーズな回転と撥水防汚加工
SWIFT TRUE COLOR CPLのもう一つのお気に入りはフィルター回転用の持ち手(ノブ)が付いていることです。これ、写真用のCPLフィルターにはほぼ付いていないんですよね。
PLの効き具合を微調節するときにこのノブがあるとめちゃ便利なのです。冬期などグローブをしていても細かな微調整が行えます。水面の反射を微妙に残したいときなどは本当に重宝する機能です。(ノブのないマグネット式CPLは調整中に外れて落っこちそうでドキドキします)
以下の写真はCPLの効かせ具合を現場で微調整して、「ちょっとだけ反射が残っている状態」を作りました。ノブがついているとこのような微調整もイライラせずに行えます。
水面に落ちる木のシルエットを活かした仕上がりにしたかったので効果80%のものでモノクロにして仕上げてみました。
強力な撥水加工
さらに、この時の撮影で助かったのはフィルターに施された強力な撥水加工です。雪面にカメラを置いてしまったときもミニブロアーで吹くだけで水滴が完全に吹き飛んでくれました。
アウトドアフィールドでの撮影ではフィルターへの撥水加工はマストと言って良い機能ですね。
運用時に注意すべき点
ここまで良かった点を中心に紹介してきましたが、いくつか運用時に注意すべき点もありましたのできちんとまとめておきますね。すべての願いを叶える万能なフィルターなどないのですから。
レンズフードの利用が困難になる
SWIFTシステム利用時の最大のデメリットは、フィルター利用時にレンズフードの利用が困難になるということでしょう。上で紹介したように、「押し込み式」を実現するために、SWIFT対応フィルターの枠は二重構造になっているため、一般のフィルターより一回り大きくなります。
つまり純正のレンズフードを付ける事ができなくなります。SWIFT専用のアダプター自体が一回り大きいため、レンズフードを使うならアダプターをつけっぱなしにしておくということもできません。使えるのはラバーフードやリグを組んで使うマットボックスのようなものでしょうか。
レンズフードが必須なシーンは限られる?
この点は私も使い始める前は大きな懸念点だったのですが、実際の利用に際して大きな問題にならないことも分かってきました(撮影スタイルにもよる)。
そもそも、私はCPLフィルターを使うときはフードを付けていると枠の回転がしにくいため、フードを装着しないことが多いですし、NDを使った長秒撮影なら三脚を使うのでフレア、ゴーストが出そうなシーンはフードではなく手で影を作ってハレ切りしちゃいます。
なので、個人的にフィルター使用時はレンズフードをしないことが多いのですね。このようなスタイルの人ならデメリットの度合いは少ないかも知れません。
フィルター自体の反射率もかなり低い
それに加えて、フィルターにはARコートが施されているので反射率が低く、ノーフードで使ってもフレア、ゴーストの発生率は低いです。
押し込みが不十分だとフィルターが脱落する恐れがある
もうひとつ運用時に気をつけたいのはフィルターをしっかり押し込むことです。SWIFTシステムは軽い力ですぅ~っとハマるようなものではありません。まぁまぁの力でニューッとはめ込むようなイメージです。(だから保持力が高い
押し込みが不十分だと枠が斜めにはまったまま装着不良となり、移動中などに脱落してしまう恐れが出てきます。
個人的に色々試行錯誤しましたが、フィルターをレンズに押しつけるのではなく、アダプター部とフィルターを両手でつまんではめ込むと100%安全に取り付けできることが分かりました。
ズームレンズで撮影中にフィルター交換するときも、この方法なら前玉に力がかからないため画角も変わらないですし、鏡筒への不要なダメージも避けられます。
しっかり装着すればまず利用中に外れるようなことはありませんが、適当に装着してしまうと意図しない事故が起こりうることは覚えておきましょう。
専用アダプターが必須
独自の押し込み方式のため、SWIFT対応フィルターを使うには専用のアダプターが必須になります。これを忘れてしまうと現場で使用することができなくなります。
今回使用したSWIFT FS NDキット(82mm)には始めから67/72/77/82mmに対応する(ステップアップ)アダプターが付属しているため問題ありませんが、前回使ったレンズにアダプターをつけっぱなしのまま、別のレンズを持ち出すということが無いように気をつけなければなりません(一度やらかしました……
私は万が一アダプター忘れが起きても大丈夫なように、よく使う82mmと77mm用のアダプターをすぐ買い増ししました(笑)
マグネット式も同様ですが、アダプター忘れには十分注意しましょう。
ケラレはあるが他のフィルターと同程度
重ねがけで使うのが楽しい!と言いましたが、2枚以上重ねた場合は画角やレンズによってはケラレてしまうことがある点も覚えておきましょう。ここは通常の円形フィルターと同程度なのでSWIFTだけのデメリットではありませんが。
今回検証したところ、RF15-35mm F2.8 L IS USMの場合、フィルター1枚(+アダプター)では15mmでもケラレずに広角側が使えましたが、2枚では15~17mmで四隅がケラレることになり18mm以降はOK。3枚だと20mm以降は大丈夫です。ここまで使えれば十分でしょう。
ただ、ケラレ具合はレンズによっても異なり、RF24-70mm F2.8 L IS USMの場合は2枚重ねでも24mmで僅かにケラれる感じです(特に接写時)。重ねがけする場合はケラレにくいレンズを使うのも大事ですね(私も今回検証してみてここまで差が出るとは思わなかった……
まとめ:これからも使っていきたい撮影の可能性を広げるフィルター
かなり長くなってしまいましたが、NiSiのSWIFTシステムとFS ND、TRUE COLOR CPLの紹介でした。
ねじ込み式でもマグネット式でもない「押し込み式」の新方式フィルターで私自身も使うのが初めてでしたが、個人的にはお世辞抜きで過去最高の使い心地でした。レンズフードが使えない問題を飲める人であれば快適に使えるはずです。
価格はSWIFT FS NDキット82mmが税込44,000円。軽く1万円オーバーの高級NDが3枚付き、67~82mm径に対応できるステップアップアダプター4枚が完備なのでかなりお得感があります。付属の専用ケースも買ったら5,000円じゃ済まないかもしれません。レンズキャップも7枚付いてくるし。
52-62mmや40.5-49mmの小型レンズ用や86-95mm用もラインアップされています。
SWIFT TRUE COLOR CPLも風景撮影をよく行う人ならぜひ持っていて損は無いフィルターです。82mmで税込¥17,600と高級フィルターの部類に入ると思いますが、劣化しやすい偏光膜の寿命を延ばす特殊シーリングが施されているのも特徴で反射率も0.35%以下と非常に小さいです(0.5%以下なら十分低反射率)。
静止画メインの人であれば、SWIFT FS NDキットとSWIFT TRUE COLOR CPLがあればほとんどのシーンに対応できるでしょう。さらに特殊効果を得たいならブラックミストもラインアップされています。
動画の人であれば今回紹介しませんでしたが、可変NDのTRUE COLOR ND VARIOが業界でもかなり評判が良いのでおすすめ。これにND4あたりを組み合わせればほぼどんなシーンにも対応できそうです。
フィルターを積極的に使った作品作りはやってみたいけど、交換作業が面倒なんだよな……と言う人にはかなりおすすめできるのでぜひ検討してみてくださいね。