写真展開催の表と裏、教えます!初めての個展体験記~企画から当日まで

カテゴリー:プリント / 体験談 / 写真のコツ / 寄稿記事
出張撮影の仕事を始めて5年、沢山の写真を撮らせていただいてきました。ご家族、子供、特別な日、普通の日…様々な写真が手元にあります。そんなこれまでのお客様達への恩返しの気持ちを込めて、今年6月に「持って帰れる写真展」というテーマで個展を開催しました。「会場に掲示してあるL判プリントをお持ち帰り頂ける」という作品展です。今回はこの展示についての、企画したきっかけや準備などの舞台裏から…そして当日の流れまでのポイントをまとめてお伝えしていきたいと思います!

写真展を開くって大変ですか?

個展を開く、というと…なんだかとてもハードルが高いように感じられるかもしれません。たしかに1人で何もかも手掛ける、企画も準備作業もやっていくというのは大変です。

しかし「テーマを決める」「場所を借りる」「DMを作る」「告知を始める」「プリントを選ぶ」など1つ1つを順番にクリアしていけば、意外と心理的ハードルは高くない…それが実際に開催してみての、感想でした。

とはいっても、「興味はあるけれど…何から手を付ければいいのかわからない。」と思われる方も多いかもしれませんね。

ですので、今回の写真展をどのようなステップで進めていったのか…どんなやるべきことがあるのか…についてお伝えしていこうと思います。よろしければ、参考にしてみて下さいね!

本日のコンテンツ

  • 写真展のテーマを決める
  • ギャラリー選び、開催場所を決めよう
  • 告知する為のツールを準備する
  • 周囲に写真展のお知らせをする
  • 当日に準備するべきものをリストアップしていく
  • 展示する写真を選ぶ、プリントする
  • 搬入という修羅場
  • ドキドキの写真展当日は…
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写真展のテーマを決める

「写真展をやる」と決めたなら、まず考えるべきはテーマです。

あなたの伝えたいことは何でしょう?見せたいものはなんでしょうか?これを決めなければ、展示する写真を選ぶことができません。

また見る側からするとテーマという取っ掛かりは、「あなたがどんな写真家であるのか… どんな意図をもって展示を企画したのか…を知るためのヒント」となります。

じっくり考えてみましょう。

写真展テーマ

今回わたしの決めたテーマは、「持って帰れる写真展」というものでした。

出張撮影のお客様への恩返し、そしてデータとは違うプリントの良さを知ってもらいたい…ということ。それから他の来場者の方には、「見る」以外に「選ぶ」楽しみも提供したいと思ったからです。ですから出張撮影のお客様はご自身や家族の写真、その他の来場者には風景の写真を持ち帰っていただきました。

「相手の提示した物を見る」だけではなく「そこから選び取る」という要素を組み込むことによって、見る側と写真の間に双方向的なやり取りが発生させたい…そう思っての、このテーマ決めでした。

ギャラリー選び、開催場所や日程を決めよう

どんな場所で開催するか、というのも大切なこと。あなたの決めたテーマに合った雰囲気の会場を選びましょう。

「地名 + ギャラリー or レンタルスペース 貸しスペース」などで検索して、出てきた場所をチェックしていきます。その中からあなたの琴線に引っかかるものをピックアップしていきましょう。

ギャラリー選びのポイント

会場の雰囲気が、自分の決めたテーマに合っているか?

私の場合はこどもやご家族の写真を展示すること、またゆっくり写真を選んでもらうということから…家に遊びに来たような気持ちでくつろぎながら見ていただけるような会場を選びました。

ギャラリー1

こういった温かみのあるギャラリーもあれば、シンプルですっきりしたギャラリーも、アート名雰囲気のギャラリーもあります。まずは写真でチェックして、それから実際に足を運んでみて。自分のテーマに合った雰囲気の所を選びましょう。

開催日程や予算に合わせて決める

ギャラリーによってレンタル料金はまちまちです。また1日からレンタルできるところもあれば、1週間単位で貸すところもあります。「週末だけの開催にするのか、それとも平日も含めた開催にするのか…」ギャラリーを選ぶと同時にこちらも決定する必要があります。必要経費が大きく変わってきますので、予算と相談して決めましょう。

またフォトブックやポストカードなどの物販がある場合は、追加料金があったり手数料が必要になることが多いです。正確な予算を出すためには、きちんと確認しておきましょう。

立地で決める

ギャラリーまでのアクセス方法や、最寄り駅までの時間、近隣の駐車場の有無も検討材料のひとつです。アクセスのしやすさは、来場者数に大きく関係してきます。

人気のギャラリーは日程が埋まるのも早いです。場合によっては、半年以上前から予約を取ることになるかもしれません。早めに探し始めることをおすすめします。
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告知する為のDMハガキを準備する

ギャラリーの予約を入れたら、同時に開催日も決定したことになりますね。それでは、次は写真展を告知するためのDMハガキの準備をしていきましょう!

DMハガキには何を掲載する?

  1. 写真展タイトル
  2. 開催場所の名前と住所
  3. 開催日と時間
  4. 展示のイメージが伝わる写真
  5. HPやメールアドレスなど連絡先
  6. SNSのアカウント(InstagramやTwitterなど)
  7. 簡単な案内文

1~4は最低限必要な情報、5~7は必要に応じて記載していきましょう。

私の場合は写真展専用のHPを制作し、QRコードを掲載しています。HPでなくとも、Facebookでイベントページを作りアクセスしてもらっても良いかもしれませんね。

DM

DMの制作ツールについて

DMハガキを制作するといっても…Photoshop や Illustratorなどのソフトをお持ちの方ばかりではないと思います。そんな方におすすめするのが、Web上でデータのデザインができる印刷会社です。特別なソフトが無くても、ブラウザから簡単に自分で印刷用のデータが作れます。例えばこんな会社があります。

わたしの場合はillustratorでデータを作り、グラフィックという会社で印刷をお願いしました。料金の割にプリントの仕上がりが綺麗なので、チラシ作りなどもいつもここでお願いしています。

なおDMハガキ制作の際の注意点をひとつ。
もしも案内状として発送する予定があるのならば、ハガキの表面上部に必ず「POST CARD」「ポストカード」「郵便はがき」いずれかの記載を入れて下さい。
この記載が無い場合、郵便局でハガキとしての取り扱いがしてもらえません。

写真展開催のお知らせをする

DMハガキが出来上がったら、友人や知人に写真展開催の案内を送りましょう。

また出来上がったDMハガキは何枚か持ち歩くと良いでしょう。「知り合い程度だから…」と遠慮せず、会った人にはぜひ渡して下さい。あなたが興味が無いと思っているだけで、もしかしたら相手にとっては気になる情報かもしれません。

それ以外にも行きつけのお店などあれば、声をかけてDMハガキを置かせてもらいましょう。またお茶や買い物をしたときに利用したお店の雰囲気や客層に合いそうなら、積極的に声をかけてみましょう。

プレスリリースを送って、情報を掲載してもらう

写真関係や地域情報のサイトでは掲載情報の募集をしているところもあります。開催日より1~2ヶ月前を目安に写真展情報を送り、掲載を依頼してみましょう。また地域のフリーペーパーなどに情報提供をするのも良いかもしれません。

私の場合はこのようなプレスリリースをPDFファイルで準備し、合わせてDMの画像と写真のサンプルを送り
いくつかのサイトで情報を掲載していただけました。

プレスリリース

基本的にはDMと同じような情報を掲載していますが、それに加えて写真展の意図や主旨などをもう少し丁寧に説明しています。いくら良い情報でも、目に触れることが無ければ気づいてはもらえません。出来る限り、写真展の情報が人の目に触れる機会を増やしましょう。

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当日に準備するべきものをリストアップしていく

さて、ここまでできたら展示する写真を選んだりプリントにかかりたいところですが…その前に。当日に準備するべきものをリストアップしておくと、搬入がスムーズです。

写真選びやプリントは、写真展直前まで悩みに悩んで難航する可能性が高いです。ですから、時間の余裕のあるうちに必要なことは済ませてしまいましょう。

名刺や、感想を書いてもらうノートや筆記用具、過去に作ったフォトブック、カッターやテープなど不測の事態に備えた文房具類、販売物がある場合はお釣りや出納帳、価格シールなど…自分のやりたい展示方法に合わせて必要な物をリストアップしていきましょう。また個展で1日中在廊する場合は、飲み物や食べ物などの準備も忘れないように注意です。

展示風景

 

わたしの場合は上記以外には。子供連れのお客様が来ることが想定されていたので、ちょっとしたお菓子やお絵かきができるようなメモ用紙とペンを準備した他に。1枚以上風景写真を持ち帰りたい方用の投げ銭ボックス、それから「持って帰れる写真展」についての簡単な説明文などを用意しました。

また額装をして展示する場合は、「画材店やWebサイトへ依頼する」「自分でおこなう」のどちらかになるかと思います。自分で額装をしたいのであれば、フレームやマットなどの準備が必要です。

自分で額装する場合、用意する物の例

フレーム

アルミ、アクリル、木製と材質も色々です。写真に合うものを選びましょう。どんな写真にも合いやすい初心者向けの万能タイプは、線の細いシンプルなフレームです。またサイズについてはマットの幅が適度に取れる、写真よりいくらか大きめのものを選んで下さい。

マット

マットの役目は写真が直接ガラスに触れないようして癒着を防ぐことと、作品を浮かび上がらせること。白以外にも黒やグレーのマットもありますが、どんな写真にも合うのはやっぱり白!ちなみにマットのカットについては自分でするよりも、購入したお店に依頼する方が早くて綺麗です。写真に影ができないように断面が斜めになるようにカットするのは、なかなかに難しいです。

仮留めテープ(貼って剥がせるタイプ)と額装用テープ

仮留めテープは写真の後ろに貼り(上下か左右の2箇所)、マットを仮固定するために使います。仮固定をしたら裏返して、仮留めしてない2箇所を額装用のテープでしっかりと固定しましょう。固定が終わったら、仮留めテープは剥がしてください。(本固定も2箇所なのは、4箇所とも固定すると湿気による影響で歪む可能性があるから)

エアダスター

ガラスをセットするときに埃が入ってしまわないように取り除くために、あると便利です。

手袋

フレームにセットするとき、ガラス面に指紋がつかないように手袋があると安心です。

展示する写真を選ぶ、プリントする

1番楽しくて大変なのが、この作業かもしれませんね。

わたしの場合は、今回の写真展はお客様にプリントを持ち帰っていただくのが目的です。複数回撮影くださったお客様は10枚20枚とお持ち帰りいただくことになります。

ですから持ち帰りの邪魔にならず、気軽にアルバムに入れて眺められる・飾れるサイズがベストということで。あえてすべての写真をL判でプリントすることに決めました。

展示

写真を選ぶときには

客観的な視点を意識する

自分の作品ですから、ついつい思い入れなどを基準に選んでしまいたくなりますが…。写真を見るのはあなたの写真を始めてみる他人、ということを意識して写真をセレクトしていきましょう。また客観的に、一歩引いた目線で写真を眺めてみると…以前には見えなかった”良さ”に気づくこともあります。

写真をプリントして選ぶ

モニターで眺めるよりもプリントした方が、比較するのも組合せを考えるのも簡単です。安価なL判プリントでまとめて大量に印刷してしまい、テーブルに広げて選んでみましょう。モニター画面と睨めっこするよりも、また違った視点で写真が見られるはずです。

今回の写真展での写真のセレクトは、「パソコン上で」「プリントして」「搬入時の現地で」の3段階でおこないました。1回の撮影で納品するデータは100枚近くです。その中から5枚程度を展示するのですが、各お客様ごとにこの作業があるので絞り込むのも大変です。なので段階を踏んで、少しずつ絞り込む形を取りました。
またタイムラグが空くことで、より客観的な視点で選ぶことができたかと思います。

写真のプリントについて

写真のプリントについてはご自宅のプリンターで出すか、プロラボに依頼をするか…好みの分かれるところだと思います。また依頼をするにしても、自分でレタッチして無補正でプリントしてもらうのか、それとも仕上がりは任せてしまうのか。自宅で出す場合はペーパーはどうするのか、決めなければならないことは沢山あります。

ペーパーは光沢紙・半光沢紙・マット紙あたりが一般的ですが、和紙を使った印刷なども個性的でおすすめです。アワガミファクトリーの用紙なんかは入手性も良いです。また変わったところでは、トレーシングペーパーなどに印刷することも可能です。
どのようなペーパーにプリントするかで写真のイメージも変わってきます。こだわって選びましょう。

搬入という修羅場

搬入について声を大にして言いたいことはただひとつ、「手伝ってくれる人がいるならお願いしよう」です。

なぜかというと…今回の写真展の搬入は、「3~4時間程度あればなんとかなるだろう」という見積もりでした。今までに何度かグループ展をしたことがありますが、それよりは規模も小さいしこだわった準備もない。予想よりかかってもプラス1~2時間程度だろう、と考えたのです。ですから「何かあったら手伝うよ」という申し出は全て、その気持ちだけ頂くことにしたのですが…

実際やってみると、ほぼ休憩無しで10時間かかってしまい…終電を逃してタクシーで帰宅する事態に陥りました。さらに10時間あっても、まだもう少し手を入れたい場所もあったのです。

自分の作品展ですから、「自らが采配しなければ。人の手が入るのは…」という意識がありましたが。そういった部分以外の雑用でも意外と時間を取られてしまいました。

写真展
あまりにも枚数が多すぎて…部屋の片面だけでこれ、右手と背面の壁にも同じように貼ってあります。
マスキングテープを千切ってくれる人が居るだけでも、随分と時間短縮ができたはずだ…と深夜ひとりで
作業しながら後悔しました。

ドキドキの写真展当日は…

小さなイベントなどでは、朝イチは誰もお客様がいらっしゃらない…ということもよくあります。
しかしありがたいことに両日とも朝から入れ替わりお客様が来て下さって、夕方までほぼ途切れなく
客足がありました。

写真展当日

写真展の当日、注意したのはお声がけのタイミングです。

じっくり自分の世界にこもって見たい方もいれば、見たものについて話したり質問したりしたい方もいらっしゃいます。ただ、もし何かお話ししたいことがあったとしても。主催者が身内とばかり語っていては、初対面の人からは声がかけづらいかもしれない…そういう状況を避けたいと思い、こちらからの声かけを意識しました。

まずは、来場した際にご挨拶の声だけをおかけします。そして半分程見ていただいた辺りで、「お持ち帰りができるので、好きな写真があれば…」と再び軽く声をおかけして反応を見ていました。

お喋りに興味の無い方ならあっさりしたお返事がきますし…感想を教えていただいたり、ご紹介者のお名前を
教えて下さったりされる方もいます。またここで笑顔で声かけをしておくことで、その後で何か質問が出てきたときにも声をかけやすくなるだろう…という意図がありました。

注意することとしては…

手軽に栄養補給できる物を!

展示とは直接関係が無いのですが、入れ替わり立ち替わり人が来ると食事をするタイミングがありません。
知り合いばかりなら一言断って何か口にすれば良いのですが、初対面の方ばかりの時に何か食べ始めるわけにもいきません。そういうときに、ゼリー飲料など裏でサッと手軽に摂取できるものがあれば便利です。

生ものはお早めに!

友人や知人に告知をしていた場合、予想以上に沢山の差し入れを頂くことになるかもしれません。差し入れはお花だったり、食べ物だったり、お酒だったり、あなたの好きな物だったり…多岐に渡るでしょう。そして場合によっては、「消費期限が今日まで!」という生菓子を多くいただくことになるかもしれません。もし持ち帰っても食べ切れそうに無い場合は、来場した友人などに声かけしてシェアするのも良いでしょう。

帰りは荷物が増える!?

前項と少しダブりますが、差し入れで頂く物のことも頭に入れておきましょう。搬出が車であれば、多少荷物が増えても問題ないかもしれませんが…もしもそうでない場合は、持ってきた荷物に加えて差し入れを持って帰る必要もあるのだということを覚えておいて下さい。中には大きなお花のアレンジメントや、重たい酒瓶などもあるかもしれません。ひとつひとつは余裕の重さでも積み重なるとなかなかの重量に…。

わたしは搬入時の反省を活かせず、ここでも「搬出は写真の枚数も減ってるし、搬入と違ってひとりで大丈夫!」とあっさりお手伝いをお断りしてしまい…帰り際に「しまった!!」となったことを報告しておきます。

まとめ

写真展開催のおおまかな流れや意識する点などをお伝えしてきましたが、いかがだったでしょうか?

「写真展をやりたい」だけでは漠然としていて、とても大変なように思えるかもしれませんが… 開催までの時間に余裕を取り、ひとつひとつを順番に片付けて行くと意外とできてしまうものです。わたしは今回初めての個展を開催してみて、「やってみて良かった」と感じました。

その主な理由は、下記のようなものになるでしょうか…

・足を運んで下さったお客様から、喜びの言葉を頂けたこと
・普段は写真の興味の無い友人達に、自分がやっていることを見てもらえたこと
・自分の撮ったものについて、異なる視点からの感想をもらえたこと
・人の好みの多様性を改めて目にして、だからこそ自分は自分でしかないと思えたこと

「沢山の人に、この素敵な写真を見てもらいたいから…!」と家族写真の全てではなく、気に入った物だけを持ち帰られるお客様もいれば、「まだプリントしてなかったから嬉しいです!」にこにこと全て持ち帰って下さるお客様。どちらもとても嬉しいお言葉でした。

また風景写真も、「1枚ならどれにしよう…」と真剣な顔で見比べてくださる方が何人もいらっしゃって。そうやって写真とコミットしていただけることは、今回の目的のひとつでした。

写真展を開催したおかげで。生の声を聞くことができ、来場者の方達の予想以上にじっくりと写真と向き合う姿を見せていただき…普通に写真を撮りWebやSNSに掲載しているだけでは得られない、そんな経験ができたと思います。

もしあなたも興味があるのであれば、ぜひチャレンジしてみることをオススメします!

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この記事を書いた人
みき けいこ
みき けいこ / 専門ライター
広島から、人物専門で出張撮影をしています みき けいこのプロフィールページ
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