サイズはそのまま、使いやすくなったEndurance Ext II
コンパクトなのに大容量のカメラリュックEndurance Extが4年ぶりにフルモデルチェンジを行いEndurance Ext IIとなりました!初代Extのもつコンセプトやサイズ感はそのままに、よりタフな用途にも使えるように進化を遂げています。
目玉となるのはEnduranceとして初めて150-600mmクラスの超望遠レンズを収められるようになった事。その他にも背面を蒸れにくくする構造やウェストベルトの追加、Enduranceスマホポーチとの連携など多くの新機能を盛り込んでおります。
今回はそんな新しいカメラバッグ、Endurance Ext IIについて隅々まで詳しく紹介していきます!
Endurance Ext IIとは?
カメラマンである私が監修しているカメラバッグのEnduranceシリーズの中で最も人気のあったオールラウンダーEndurance Extは2017年の発売以降多くのお客さまに使っていただいております。
私にとっても最も稼働率が高いバックでどこに行くにも本当に便利なのですが、さらに使いやすく、理想的なカメラバッグにすべく改良したのがこのEndurance Ext IIです。
コンセプトは同じく、さらに多機能へ
Endurance Ext IIは初代Extのコンセプトである「機材には妥協しない、でもコンパクト」を踏襲しながら数々の改善を行いました。初代Endurance Ext開発時の要求スペックは以下のようなものでした。
- リュックタイプであること
- 二気室タイプであること
- フルサイズ+大三元+αが入ること*
- バッテリーグリップ付きで収納できること
- フロントとサイド両側から機材にアクセスできること
- 三脚を持ち運べること
- 雨の日にも対応できること
- 容量の拡張ができること
- ノートPCが入ること
- A4の封筒が入ること
- 機材が重くても疲れにくいこと
- できるだけ軽い本体
- ”いかにも”なカメラバッグじゃないこと
- できるだけシンプルなデザインなこと
- 初代Enduranceよりも大幅にコンパクトなこと
*大三元(F2.8通しズーム)を納める場合は上部荷室と機材室の間の可動仕切りを少し上にずらしてご使用ください。
今回のEndurance Extはこれらのポイントをすべて満たしながら新たに4つのスペックを追加しています。
- (NEW)150-600mmクラスの超望遠レンズが入ること
- (NEW)背面のムレを軽減できること
- (NEW)ウェストベルト追加でさらに重い機材に対応できること
- (NEW)他のEnduranceアクセサリとの親和性を上げること
この4年の間にユーザーの皆さまからの意見などもいただき、自分のやりたいことをこれでもか!という感じで詰め込みました。
いままでのEnduranceシリーズの中でもサンプル作成回数が最も多いバッグでなかなかの難産でしたがかなり使いやすいバッグに仕上げることができましたよ!
カラバリも追加になりました!
2021年12月より、ブラックに加えて人気のブラック迷彩、新色のベージュが加わり、3色体制となりました!
Made in Japanの豊岡鞄×Enduranceカメラバッグも発売中です
Endurance Ext IIをベースに日本のかばん製造のメッカ、豊岡で製造した「豊岡鞄×Enduranceカメラバッグ」も2023年より仲間に加わりました。非常に厳しい審査を通過した「豊岡鞄ブランド」を取得した本格カメラバッグです。
主な機能はここに紹介するEndurance ExtIIと同じですが、フロントポケットにケーブルホールを設けたほか、使用材料を全面的に見直して軽量かつ高耐久の高級生地を採用するなど、これまでのEnduranceとは一線を画したモデルです。
詳しくは以下の動画をチェックしてみてください。
Endurance Ext IIの新機能を詳しく紹介
ここからEndurance Ext IIに搭載された新機能について詳しく紹介します。
超望遠レンズを諦めない!
目玉機能はコンパクトな形状でありながら150-600mmや200-600mmクラスの超望遠レンズも収められるという点です。Endurance Ext開発当初、このような超望遠レンズを2気室構造で実現するにはかなりバッグを大型化させなければならないため無理だろうと思っていました。最も大型のEndurance HGですらこのクラスのレンズは下部荷室に収まりません。
でも買っちゃったんですね、ソニーの200-600mm(SEL200600G)を。個人的に超望遠撮影の頻度は低く、持ち出すときはEnduranceとは別にしていたのですが、「自分の監修したお気に入りバッグに自分の持っているお気に入りレンズが入らないというのはいかがなものか」と思ったわけです。
変態的な可変仕切り構造
Endurance Extのサイズを保ったまま、これを入れるにはどうするのがベストかアレコレ考えた結果、上部と下部の荷室仕切りを可変タイプにすることで実現しました。このタイプの仕切り変更出来るバッグは他に見たことがないので世界初ではないかと思います。たぶん(studio9調べ)。アイデアとしては単純なものですが製造時の工数がアップするので普通のメーカーは作りたがらないと思います。倒な仕様変更に対応していただいた工場のみなさまに感謝。
ソニーのFE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS(SEL200600G)ですっぽり収まることを確認しています(フード逆付けにて)。タムロンやシグマの150-600mmは実機で確認しておりませんが、サイズ的にSEL200600G(最大径111.5mm x 長さ318mm)より小さいため問題なく収まるかと思います。
ちなみにソニー200-600mmはx1.4倍テレコン付けてもジャストで収まります。先日の皆既月食撮影の時に活躍しました!
さっそく新型Enduranceで。200-600にx1.4エクステンダー付けても入るぞhttps://t.co/P7hAvYzWqn pic.twitter.com/h7IRHnGuRV
— studio9/写真のことが全部わかる本 完全版 発売中! (@photostudio9) May 26, 2021
ただし、仕切り変更はちょっとだけ面倒かも
仕切りの一部を変更するだけなので他の機材への影響も最小限に抑えられますが、仕切り変更するのはちょっと面倒です。。マジックテープをベリッと剥がして変形するだけなのですが、狙った位置に取り付けるのにちょっと慣れが必要かも知れません。といっても2~3分くらいの作業ですが。この点はどうかご容赦下さいませ。。
設計的には撮影のたびに仕切りを変えるような使い方はあまり想定しておらず、たまに超望遠撮影したいときに一時的に切り替える or 常に可変しっぱなし という使い方を想定しています。
ちなみに超絶めんどくさがり屋の私は基本的に常に可変させて使っています。これだと上部荷室の容量が一部少なくなりますが、上部はロールトップで増量可能なので。
超望遠+カメラ本体+レンズ1~2本が収納可能
超望遠収納部は右側に固定されており、通常の付属仕切りで上手くスペースを区切って使用していただくことになります。個人的にはこんな感じでレイアウトして使う事が多いです。これなら超望遠の他に別のレンズも持ち歩けます。
仕切りを動かして容量アップ
上部荷室と機材室の可動仕切りは上下方向にも少し動かせます。
大三元(F2.8通しレンズ)クラスの太いレンズを納める場合は可動仕切りを少し上にずらして機材室の容量をアップさせると収まりがよくなりますよ。
(常に大きなレンズを持ち歩きたい場合は一つ上のEndurance HGの方がより快適です)
背中のムレを軽減する通気構造
Endurance Extでは背中のムレを軽減するために背面を3Dメッシュ構造としていましたが、夏の撮影ではそれでもムレるという声を何度かいただいておりました。そこでExt IIではEndurance HGに採用しているような背面の通気できる部分を設けました。これでさらなるムレの軽減が期待できます。
沼にハマりながら試作を重ねました
単にパッド形状を変えるだけの簡単な仕様変更にも思えますが、これが結構沼でして。。ショルダーパッド形状も少し変えたことと相まってパッドの厚みやサイズなどかなり試作を重ねました。
これは初期サンプルのパッドを魔改造して最適な厚みやサイズはどこにあるのか検証しているところですw かなり難産でしたが納得のいく背負い心地を実現できましたよ!
ウェストベルトも追加
ここもユーザーからの要望が多かったポイントです。街でEndurance Extユーザーを見かけても私の予想以上に機材をパンパンに詰め込んで使ってらっしゃる方が多い印象でした。
そこで、Ext IIでは荷物が多い時の体への負担を最小限にするためにウェストベルトを搭載。ベルトがブラブラして野暮ったくならないよう、Endurance HGのような背面パッドに隠せるタイプです。普段はベルトを収納してスッキリ使う事ができますよ!
Endurance スマホポーチ専用の取付部を搭載
現在発売中の大型スマホも入るEndurance スマホ&アクセサリポーチを快適に取り付けられる機能を搭載しました。これまではリュックのショルダーパッドに巻き付けて取り付ける方式でしたが、専用取付部を設けることで背負ったときに胸に当たる部分を無くし、今まで以上に快適に使う事ができます。
Endurance スマホ&アクセサリポーチの詳細については以下の記事をご覧下さい!
耐久性のアップしたメイン生地
使用する生地はEndurance Extよりもハリ、光沢がある900Dポリエステルに変更しています。結構高級感のある生地です。サイドの生地は少しパターンの入ったものを使用し、バッグに立体感を出すデザインに。
ブランドロゴも一新
従来の「Endurance de stockage」ロゴから「Endurance」のみのスッキリしたロゴに変更しました!今後は他のEndurancese製品にも順次適用していきます。
Enduranceの「E」、カメラ、眼に光が収束するような意味を込めて作ったロゴです。
ファスナーがYKKに
Endurance Ext IIではファスナーがYKK製に変更*となっています。これまで使用してきたファスナーも十分な耐久性を持ったものを選んで使用していましたが、新型ではより信頼できるブランドのものを採用しています。
*ベージュを除く
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ということでEndurance Ext IIは初代Endurance Extに比べて様々な点がブラッシュアップされています!
ちなみに、唯一ネガティブな変化として、生地の耐久性アップやウェストベルトなど追加部材も増えたため全体重量がEndurance Ext(マイナーチェンジ後)に対して約240g(手元のバッグで実測)ほど増えてしまいました。レインカバーを含めない重量は約1600gです。ただ、背負い心地は向上しており、特に荷物が重いときはウェストベルトを使う事でExtよりも軽く感じるのは間違いないと思います。
その他のEndurance Ext IIの特徴
ここからは従来のコンセプトを引き継いだEndurance Ext IIの特徴を一気に紹介していきます!
選べる3色展開
2021年12月よりブラック、ブラック迷彩、ベージュの3色展開となりました!より幅広いシーンでお使いいただけます。
ロールトップ+二気室構造
Enduranceシリーズの特徴でもあるロールトップ+二気室構造を踏襲しています。荷室のサイズもExtとほぼ同じです。
カメラやレンズは専用の部屋に入れてしっかり守りつつ、日常使いの荷物は上の部屋にラフに放り込むことができます。上部荷室の容量を可変できるロールトップ式なので、現場で脱いだ上着をザッと詰め込んだり、出張帰りにお土産を入れるスペースを作ったり、様々な用途に対応できます!
ちなみに下部の機材収納スペースはEndurance Extと同じサイズです。機材収納例が気になる方はExtのレビュー記事も参考になるかと思います。
サイドアクセス+フロントアクセス
リュックタイプの弱点は機材へのアクセスがしにくいこと。少しでも機材へのアクセスを簡単にするためにサイドとフロントの両側から下部の機材室へアクセス出来るようにしています。
下部荷室の拡張が可能
Extの由来でもあるエキスパンドシステムを引き続き搭載しています。大きなレンズを入れるとき、荷物が急に増えたときにファスナーを開ければ荷室が一時的に拡張します。
ちょっと長めのレンズを縦で入れたいとき等に重宝しますよ!
*内部仕切り上部に空洞ができるため、小さなレンズなどがズレ落ちてくる可能性がありますのでご注意下さい
豊富な小物ポケット
撮影時に必要な小物類を収納出来るポケットも引き続きたくさん用意しています。
メインのフロントポケット。撮影に必要な小物はだいたいここに入ります。内部にメッシュ仕切りあり。
下部のフロントポケットは薄マチなので薄いものを。
サイドアクセス部にも薄マチポケットがあります。私は鍵とか名刺ケースを入れることが多いかな。
上部荷室内部の背中側にもポケットが。B5ノートやiPad(10インチクラス)を入れられます。
ペットボトル、三脚が収納出来るサイドポケット
サイドポケットは500mlのペットボトルがスッキリ入るサイズ感。三脚を挿して持ち運ぶことも出来ます。
三脚の長さは縮長60cm以下が推奨です。縮長50cmくらいのトラベル三脚はかなり快適に持ち運べます。
大きなパソコン収納部
15インチ程度のノートPCを入れられる背面収納部も完備。サイズは25.5x40cmほど。M1 MAX版の新型MacbookPro16インチ(約24.8 x 35.6 x 1.7cm)も問題なく収まります。
A4を折らずに入れられる角形2号封筒もそのままスッキリ収納出来ます。打ち合わせでもらった資料をスマートに仕舞うことが出来ちゃいます。
首の負担がZEROフックも付けられる
愛用者の多いハクバさんの首の負担がZEROフックも取り付け可能です。少しでも体への負担を軽減して快適な撮影をどうぞ!
専用のレインカバー付き
いままで通り専用のレインカバーも付いています。急な大雨でも安心です。
撥水性のある生地を使用しているため短時間の小雨程度であればカバー無しで使う事も可能です。(撥水性能は経時で低下していきますので年に数回市販の撥水スプレーを使っていただくとかなり快適です)
まとめ:新たなオールラウンダーになったEndurance Ext II
ということで新発売のEndurance Ext IIについて紹介してきました。
いままでのEndurance Extの良い所はそのままに、こうなったら便利だなーと思われる機能を一つずつ吟味しながら追加していきました。いままでEndurance Extを使っていた人はもちろん、なんだかしっくりくるバッグがないんだよなぁと思っている方はぜひチェックしてみてくださいね。
Endurance史上最も多くのサンプルワークを行ってかなり満足のいくバッグを作る事ができました!
【Endurance実機展示】
2023年12月現在、Enduranceの一部モデルはヨドバシカメラさん(札幌、仙台、秋葉、新宿西口本店、町田、千葉、名古屋、梅田、京都、博多)、銀座の清水商会さん(老舗の中古カメラ店)にて展示、販売をさせて頂いております。Enduranceed ビジネスリュックもあります。
実物を見てみたい!という方はぜひ店舗にも足をお運び下さい。ヨドバシカメラさんの取り扱いはヨドバシドットコムで調べることが出来ます。清水商会さんの取り扱いは以下の一部のモデルです。在庫数が限られるため確実に見たい方は事前に確認してからがおすすめです。
清水商会さん取り扱いモデル:
・Endurance ExtII(ブラック 、ベージュ、ブラック迷彩)
・Endurance HG(ブラック 、ブラック迷彩)
・Endurance シューティングマルチカメラバッグ(ブラック、ネイビー、ブラック迷彩)
・Enduranceed ビジネスリュック
アクセス、お問い合わせ
・清水商会(Shimizu Camera):東京都中央区銀座4丁目3−2(東京メトロ「銀座駅」徒歩2分)