ひょんな事から新しい三脚を買ってしまいました。買ったのはVANGUARDのAlta Pro 263AB 100。このクラスとしては信じられないコストパフォーマンスを誇る三脚です。
今回はそんなVANGUARD Alta Pro 263AB 100をざっくりとレビューしてみようと思います。まだ殆ど使っていないのでファーストインプレッションだと思っていただければ幸いです。
コスパが半端ない!
カメラ用三脚と言えば国内メーカーだとSLIK(スリック)、Velbon(ベルボン)、海外製だとManfrotto(マンフロット)とか、Gitzo(ジッツォ)あたりが有名どころではありますが、ここ数年、これら老舗有名メーカーに並んでよく見かけるのがVANGUARD(バンガード)の三脚。
デザインも今風な感じで、ギミックを凝らした機能が満載の三脚をラインナップしているため、私も当初は「どうせ新興メーカーが色気をプンプン出した三脚なんでしょ?」と敬遠しておりました^^;
出会いは2012のPHOTO NEXT
そんなVANGUARDの三脚ですが、2012年にビッグサイトで開催された業界向けのカメラ見本市、PHOTO NEXTで運命的な出会いがありました。(今年もちょうど今日6/17~18まで開催されますね!)
PHOTO NEXTの会場内にあったアウトレットコーナーで Alta+ 264AP という製品が確か4,000円か5,000円くらいで販売されてたんです。雲台の水準器の一つが液抜けして潰れているというだけで破格の値段。新品で買うと2万円くらいする代物が意味不明な値段で売っていたので思わず即買いしましたw
バンガード三脚を使うのは初めてだったのですが、なかなか使いやすくてコンパクトな4段三脚ということもあり、ロケ撮影のメイン三脚になりました。
機能的には申し分ない三脚ではあるのですが、外に持ち出す際、雲台が3Way(PH-32)であるため、そのままではパン棒がケースからはみ出ます。。(パン棒を一旦外す必要がある)そこで、雲台をパン棒が無い自由雲台に変えようと思ったわけです。
ちなみに、このPH-32という雲台、オイルフリュード式のためヌルヌル動きます。簡易的なビデオ雲台としても使える優れもの。
雲台だけのはずが脚まで。。
目を付けたのは同じバンガードのSBH-100。自由雲台かつ比較的コンパクトでありながら、耐荷重10kgというホント?というスペックの雲台で、当初はこれを買うつもりだったのです。お値段約9,000円。
まぁそんなものかなーと思いAmazonでポチる寸前まで行きましたが、よくよく調べてみるとAlta Pro 263というシリーズにSBH-100が装着されたセット商品が出ている模様。
調べた時点でお値段約17,000円なり。
Alta Proシリーズはセンターコラムの角度を自由に変更できる MACC(マルチアングルセンターコラム)システムという機能を搭載していて、物撮りなんかに活躍しそう。値段も悪くない(というかこの時点ですでにまあまあ安い)。
でも、ちょうどAmazon価格が下がり始めた時で、価格comの価格推移をみているとまだ下がりそうじゃね?と言うことでしばらく様子を見ていました。予想通り、ほぼ毎日500円程度の値下げが行われて、あっという間に13,500円まで下がったのでポチり。なぜかAmazonがぶっちぎりで安いです。
雲台だけで9,000円なのに、センターコラム可変式の脚まで入れても13,500円という値段。他社製で同スペックのものを買おうとすると2~3万は覚悟しなければならないかな?。これからさらに安くなるのか、また元の価格に戻ってしまうのかは不明ですが、これはいい買い物をしました。
前置きが長くなってしまいましたが、今回はそんなコスパがすごいAlta Pro 263AB 100のファーストレビューをしてみます。
開梱の儀
まずはお約束の開梱の儀から。Amazonからあり得ないサイズの箱で送られてきました。子供一人が余裕で入るんじゃね?というサイズ。
その中に三脚の箱がごろんと入っていました。三脚の箱と比べると過剰包装であることがよく分かります(笑)
中身はAlta Pro 263ATにSBH-100がセットになったAlta Pro 263AB 100と三脚ケース。クイックシューは1/4インチネジタイプ(普通の規格)が2枚付いてきます。その他、雲台取り外し用の六角レンチや説明書、保証書など。
バンガードの三脚ケースはオマケにしてはしっかりした作りで好感が持てます。
4段のAlta+ 264APと比べると大きいですね。重量も雲台含めて2.44kgとまあまあ重めです(Alta+ 264APは1.99kg)。3段かつ2kgオーバーの重量とが相まって、電車などで持ち歩くのには少々気合いが必要なサイズ。
脚とエレベーターをいっぱいに伸ばした状態でカメラを設置すると、レンズ光軸は私の身長(180センチくらい)を少し超えるくらいで十分な高さです。脚を縮めた時の長さは715mmです。
ただ、車移動や室内での使用がメインであればバズーカレンズを付けない限りはちょうどいい重量だと思います。
脚の開閉角度は3段階から選べるので、ローアングル撮影も可能。後述するMACCシステムと併せて通常の三脚よりも広い範囲のアングルで使えます。
Alta Pro 263AB 100の各種機能
雲台(SBH-100)
雲台のSBH-100に付いているクイックシュー(QS-39)はカタログ写真を見る感じではやや小さいかな?と思いましたが、カメラ(写真はEOS 5D MarkII)の底面をしっかり覆えるサイズでちょうど良いかと思います。カメラ底面と接地するラバー面の大きさは約47mm×35mm。
ネジがコインで回すタイプなのがちょっとなぁ。。といったところ。まぁ、クイックシューが2枚付いているので常に付けっぱなしにしおいても良いかな?とは思います。
付けるときはそのままスライドさせて、横の固定用ネジを締めるだけ。シューを外すときはストッパーが付いているため、ネジを緩めてから、上図のオレンジ色のボタンを押しながらスライドさせます。ネジを緩めただけではスッポ抜けない安心構造です。
MACCシステム
目玉機能のMACC(マルチアングルセンターコラム)システムの使い方は簡単です。センターコラム(センターポール)をギリギリまで引き延ばした後に、レバーを起こして角度調整するだけ。
角度も自由に変えられます。が、注意すべき点が2点ほどあります。
1つめはバランス(カウンターウェイトほぼ必須!)
当然ながらセンターコラムを横にすれば、三脚の重心が変わり、不安定になります。脚をめいっぱい伸ばした状態や脚の角度を広げた状態であれば大丈夫ですが、2段や1段の状態でセンターコラムを傾けると、カメラの重量(写真は5D MkII+EF 24-105mm)で三脚ごと倒れる可能性があります。
使う場合は脚の開閉角を大きくした方が安心です。どうしても通常角度で使いたいなら、写真のようにペットボトル1~2本ぶんのカウンターウェイトを付ける必要がありますね。ウェイト用のフックは標準装備されています。
2つめはブレに注意!
三脚の最も重要な機能はカメラのブレを抑制することですが、MACCシステムを使う場合は三脚の中心から外れた場所かつ、センターコラム一本でカメラの重量を支えなければならないため、普段よりブレやすい条件になります。(MACCを使わなければ問題ない)。
カウンターウェイトを付けるのも重要ですが、一眼レフの場合ミラーショックも拾ってしまいそうなので、MACCを使う場合はミラーアップ撮影が必須かと思います。また、最低でも2秒タイマー、できればレリーズでシャッターを切りたいです。
耐荷重
自由雲台(ボールヘッド)の耐荷重が10kgというのはやや盛ってる?な感じもありますが、5D MkII+EF 24-105mmの組み合わせを付けて、そこからマウント大丈夫かなぁ?と不安になるくらいまでレンズ先端に体重をかけてもズレることはありませんでした。キチンとネジを締めてさえいればヨンニッパ、ゴーヨンあたりを付けない限り問題ないかと思います^^;
ただ、脚(Alta Pro 263AT)の耐荷重がメーカー公称7kgなので雲台よりは脚の剛性の方がボトルネックになります。7kgにしては脚の太さが華奢だなぁ(26mm)と。。まぁ普通のシステムなら7kgどころか、5kgを超えることもないはずなので問題ないかと思います。
総評
まだ殆ど実際に使っていないので、総評できるレベルでもないのですが、少し触った感じではかなり使えそうな感じです。
ほとんど政治的な賞だとは思いますが、脚(Alta Pro 263AT)はTIPA AWARDSやデジタルカメラグランプリなど国内外の数々の賞も受賞しており、このクラスの多機能三脚としてはこの値段は破格かと思います^^
ちなみに、本来は雲台のSBH-100が目的で買ったので、このレビュー後にAlta+ 264APとAlta Pro 263AB 100の雲台を交換して使っています。
Alta+ 264の雲台が自由雲台に変わったので、パン棒を外さなくてもケースに入るようになり、外への持ち出しもスッキリ楽ちんになりました^^
追記
Alta Pro 263AB100(三段)の雲台を取り外して(脚だけの場合はAlta Pro 263AT)、元々Alta+ 264AP(4段)についていたPH-32を付けて使ってたのですが、超望遠を付けたときの剛性がイマイチだったので前から使ってみたかったマンフロットのギア付きジュニア雲台 410 をAlta Pro 263ATにつけてみました。
ぴったりジャストサイズで良い感じです。410はかなり剛性が高いので欲を言えばもうワンランク丈夫な三脚に付けたいところだけど。。てか、ギア雲台便利すぎw
MACCシステムの活用法
こんな感じで柵がある場所の撮影でもMACCシステムは活躍します^^
超広角レンズを使いたかったのでどうしても柵の前にカメラを出す必要があったのです。(雲台はマンフロット ギア付きジュニア雲台410、カメラは外してある)
*万が一のためこういう撮影はつねにストラップに腕を通して撮影しましょう。。
で、撮れたのがこれ。
足下からパースが効いて良い感じの光跡となりました!(2枚をコンポジット)
MACCシステムが無ければ撮れなかった写真ですね!