こんなレリーズを待ってたよ!
ソニーのミラーレスカメラ(の一部)に対応したBluetoothリモコン(無線レリーズ)のRMT-P1BTが発売されました。
ソニーのカメラの有線レリーズは端子が使いづらく、無線方式の良いレリーズを探していたところ発売となったので早速購入してテストしてみました。先日キヤノンのBluetoothリモコンBR-E1のレビューも行いましたが、それの遙か上をゆく仕上がりになっていて良い感じ(値段も上なので直接比べるのもアレだけど)。
まさにこんなレリーズが欲しかった!という仕上がりになっていましたのでさっそくレビューしてみようと思います。
BluetoothリモコンRMT-P1BTの概要
これからBluetoothリモコンRMT-P1BTの概要をざっと紹介していこうと思いますが、その前になぜ私がソニー用の無線レリーズを欲しかったのかについて説明しておきます。
いままでは端子が微妙だった
ソニーのカメラのレリーズ端子ははマルチ端子という名のmicroUSBを採用していて、しかも微妙に刺さりが浅いので有線レリーズを使っていると接触が悪くなったり、衝撃を加えると基板ごとダメになりそうで怖かったんですよね。。
あと、αシリーズはボディが小さいのでL字プレートを付けていると、端子にアクセスしづらいという問題もあり、無線でどうにかならないかなーと思っていたのです。
キヤノンのEOS 5D MarkIVなんかはフロント側に端子がついていて、端子自体もしっかり刺さるので有線でもそれほど問題なかったのですが。
無線で使えるソニー純正レリーズ
そんなときに登場したのが今回紹介するRMT-P1BT。ソニー純正のBluetoothリモコンで、シャッター操作のほか、C1ボタン操作、ズーム/フォーカス操作(制限あり)にも対応しています。
主な特徴は以下の通りです
- 無線(Bluetooth)で使える
- レスポンスが速い
- 防塵・防滴、高温・低温に配慮した設計
- 小型、軽量
- シャッター半押し、長押し対応
- C1ボタン使用可能
- ズーム/フォーカス操作可能(制限あり)
- 静止画/動画どっちも使える
先日紹介したキヤノンBR-E1だと出来ないことも色々できるようになっており、有線レリーズをそのまま無線化した感じに作ってあるというのが素晴らしいポイント。
実際に手にした感じも非常に良いものがありました。
でもちょっと高いよ
発売直後ということもあり、現在のところほぼ定価で売られている状況。税込7,500円 くらいとレリーズにしてはやや高価なことがネックかもしれません。
ただ、かなり高い完成度で個人的には三脚使って撮影する機会が多い人なら持っていて損は無い逸品かと思いました。発売日の時点ですでにソニーストア含め全国的に在庫がない状態の人気のようです。。
対応機種も限られるので注意
RMT-P1BTが使えるのは今のところ最新ファームを適用したα7R III、α7 IIIだけです(2019年4月現在)。今後、ファームアップでα9、α6400にも対応することがアナウンスされています(たぶん2019年夏頃かと)。
追記(2019年10月):ファームアップでα9、α6400もRMT-P1BTに対応しました。α7R IVなどの新機種も対応していますね。
残念ながらそれより前の機種に関しては対応していない点にご注意を。もちろん今後出てくる機種はBluetoothに対応していればRMT-P1BTも使えるとみて良いと思います(公式アナウンスではない)。
RMT-P1BTの各部詳細と使い方
ではRMT-P1BTの詳細についてレビューしていきます。
外観
箱はこんな感じでよくあるソニーのアクセサリと同じ。
中にはRMT-P1BT本体と電池(CR2032)、説明書、保証書が入ってます。キヤノンのときは説明書がなくてペアリングに手間取りましたがこれにはちゃんと説明書があってすぐ使い始められます。
サイズはちょうど手のひらサイズで、中央にシャッターボタン、上部にズーム/フォーカス操作ボタン、下部にAF-ONとC1が配置されてます。
極小のキヤノンBR-E1と比べると2周りくらい大きなサイズですがカバンの隙間にでもスッと入る十分小さなサイズです。
サイドに3つのスイッチ
右サイドには「ズーム/フォーカス」スイッチと「動画/静止画」スイッチの2つ。「ズーム/フォーカス」はいろいろ制限があります(後述)。「動画/静止画」は静止画撮影中でも動画に切り換えればすぐ録画ONになってワリと便利です。
左サイドにはLOCKスイッチ。これはシャッターのロックではなく、ボタン無効化をするスイッチ。ポケットに入れたままボタン操作してしまうのを防ぐ効果があります。
本機には電源スイッチはついてないのですが、LOCKにしておけば無駄な電池の消耗も防げそうです。
使いやすい形状に防塵防滴
上から見ると角ばった持ちづらそうな形状に見えますが、背面側には指がかけやすいよう凹みが付いていて持って見るとかなり手に馴染む感じでステキです。
バッテリーの蓋はコインで開けられるようになっており現場での電池切れにも対応しやすいです。使用電池はBR-E1と同じくリチウムコイン電池のCR2032。100均やコンビニでも入手可能です(BR-E1は交換に精密ドライバーが必要)。
防塵・防滴、高温・低温に配慮した設計と謳われているとおり、蓋にはパッキンがついていてしっかりシーリングされているのも好感を持てます。(公式で高温・低温に配慮した設計と謳われているが動作温度を見つけられない。。)
リモコンだけでなく、無線で繋ぐということは本体端子を暴露させなくて良いので、システム全体で考えたときの耐候性もアップしていますね。
ストラップホールも付いており首かけ利用も可能。防塵防滴なのでカバンの外にぶら下げて使用しても良いかも。この部分のみワンポイントで金属が使われており、デザイン的にもかなり好みです。カッコいい。
使い方(ペアリング方法)
使い方は簡単。付属の説明書にも書いてます。
まず、メニュー > ネットワーク > Bluetooth設定 > Bluetooth機能 を「入」にして有効化しておきます。
つづいて、隣のページにあるBluetoothリモコンを「入」にしましょう。
再びBluetooth設定に戻り、ペアリングを選択。
「画面にペアリングしてください」と出たらリモコン側からペアリング操作をします。
ペアリングはRMT-P1BTの「シャッターボタン」と「+」を同時に約7秒間長押し。これだけでペアリング完了です。
RMT-P1BTのメリット、デメリット
RMT-P1BT到着日にこのレビューを書いているので、使用日数は浅いのですがいろいろテストしてみて良かった所、気になったところなどを挙げてみたいと思います。
ドライブモードを変えなくてもすぐ使える
キヤノンBR-E1だと使用する場合は、事前にドライブモードを「タイマー/リモコン」にセットしないと使えませんでしたが、RMT-P1BTならどのドライブモードでも使用可能。
リモコンのシャッターボタンを押すだけですぐシャッターを切れます。これは快適。(誤作動防止のため使わない時はLOCKしておきましょう)
カメラの電源投入直後のはじめの1回目は反応しないことがあったりするので、一度AF-ONなどを押してカメラとの接続を確認するとより快適かもしれません。
シャッター半押し、長押しに対応
RMT-P1BTのシャッターボタンは本体のシャッターボタンと同じように動くため、半押しも効きます。
長押しも有効なため、ドライブモードを連写にしておけば三脚+置きピンからの連写撮影といった用途にも十分使えます。
でも半押しはかなりシビア
ただ、半押しの感覚はほとんどなくかなりシビアです。慣れればコントロールできるようになりますが、グローブをした状態で半押しするのはかなり難しそうな感じです。
まぁ、親指AF派の人には関係のないことですが。
AF-ON、C1に機能割り当て可能
RMT-P1BTのAF-ONボタン、C1ボタンは本体側のボタンと連動します。ですので、ボタンカスタマイズでAF-ONやC1に任意の機能を割り当てて使用することも可能。
ただ、十字キーや決定ボタンはないのでリモコンで完結させるならトグル機能を割り振るといいでしょうか。瞳AFや1.5倍クロップとか?使い方によっては便利かも。
シャッタータイムラグはかなり少ない
キヤノンBR-E1の時は明らかにワンテンポずれるのが分かる程度にシャッターラグがあり、動体には厳しいかなと思いましたが、RMT-P1BTのラグはかなり小さいです。
有線に比べると少し遅れる感じはありますが、厳しい条件でなければラグは気にしなくても良さそうです。
連続で押すと認識しないことがある
タイムラグは短いものの、1枚撮影の状態で連続でシャッターボタンを押すと、2回目が認識しないことがあります。シャッターボタンが認識するのは1.5~2コマ/秒くらい。
複数枚撮影するなら連写モードに設定の上、長押しするのが良さそうです。
逆に、高速連写モードの状態で1枚だけで止めるというのも結構難しいです。すぐ2~3枚切れてしまいます。本体のシャッターボタンのフィーリングとは結構違うという点には注意。
通信距離も十分
通信距離も10mとかは余裕な感じ。BR-E1と同じく家の中でカメラとRMT-P1BTの距離12m、間に扉2枚の条件で使ってみましたが問題なくシャッターが切れていました。
遮蔽物のない屋外なら20~30mくらいいけるのでは。ポケットの中から操作なんかも余裕です。無線最高かよ。
ズーム/フォーカスは色々制限がある
便利そうに見えるズーム/フォーカスボタンですが、まず光学ズームをしたい場合はパワーズーム(電動ズーム)に対応したレンズが必要です。普通のレンズで光学ズームはできません(あたりまえか)。
レンズ名に「PZ」が入っていればパワーズーム対応のレンズ。
ソニー SONY ズームレンズ FE PZ 28-135mm F4 G OSS Eマウント35mmフルサイズ対応 SELP28135G
デジタルズームならOK
普通のレンズでも全画素超解像度ズーム、デジタルズームなら使う事が可能。ただし、RAW記録時は設定できないので覚えておくこと。
この機能は主に動画撮影向けの機能かと思います。
フォーカスは本体でMFにする
フォーカスの制御はMF時に行うことができるのですが、レンズ側はAFにしたまま”本体側で”MFに設定する事。これでハマりました。レンズ側のスイッチをMFに切り換えてしまうといくらリモコンのボタンを強押ししても動きませんw
フォーカスモードをDMFにし、AF-ONを押しながら+/-ボタンでピント調整することも可能。長押しで少しずつ動くので結構精度良くMFできそうです。
これもどっちかと言えば動画向けの機能かなと思いますが。
リモコン使用中はスマホ連携できなくなる
RMT-P1BTを使用している時(Bluetoothリモコン「入」に設定しているとき)は一時的にスマホとのBluetooth接続は切れることになることは覚えておきましょう。
ソニーの場合、写真にスマホからの位置情報が入らなくなります(この機能を使っていた場合)。
ですので、リモコンを使用しないときはメニューから使わない設定にしておくのがおすすめ。マイメニューに登録しておきましょう。一度ペアリングしていればカメラ側で設定切り換えるだけで自動で再接続されます。
複数台の同時利用はできない
ペアリングするときはカメラとリモコンが1対1でなければいけないため、別のカメラで使いたい場合は再ペアリングする必要があります(キヤノンBR-E1も同じ)。このところRMT-P1BT対応機種が増えてきましたので、カメラを使い分けたい場合はペアリング方法(+とシャッター7秒長押し)を必ず覚えておきましょう。
Wi-Fi利用中でも使える
BR-E1はWi-Fi利用中に使えませんでしたが、RMT-P1BTはWi-Fiでライブビュー撮影していてもシャッター操作が可能でした。
Wi-Fiライブビューでブツ撮りをする人なんかには便利かも知れませんね。
バルブ撮影も簡単
もちろんバルブ撮影にも対応。撮影中は場合は押し続ける必要はなく一度押したら露出開始となり、撮影終了時にもう一度押せばOK。BR-E1と同じ感じですね。
バルブ撮影中、キヤノンのカメラは画面に秒数が出てくるのですが、ソニーのカメラは秒数が出てこないのがちょっとイマイチです(これはカメラ側の問題だけど)。
まとめ:αを使うならぜひ持っておきたいアクセサリ
ということで、すべて完璧!とまでは行きませんが、RMT-P1BTは無線リモコンとしてかなり高い性能と完成度を誇る仕上がりになっていると感じました。まさに求めていた使い勝手。
ソニーのカメラはレリーズ使った撮影にあまりテンション上がらなかったのですが、今の私の気持ちとしては三脚持って撮影に行きてー!という感じ。デザインもよくかなり素敵です。
冒頭にも行ったように、まぁまぁなお値段はするのですがこの機能であれば、レリーズをよく使う人にとっては十分買いに値するといって良い気がします。
あとは耐久性と電池持ちのところですね。BR-E1もそうですが、本体に電源OFFスイッチがないので一体どのくらい持つのか未知数。(この辺はまた追記できればと思います)
発売日時点でソニーストアでも「入荷次第発送」と品薄になっているこのリモコン、今のところ全国的に在庫ない感じの人気になっているので欲しい方は早めに手を打っておくと良いと思いますよ!