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いい表情は喋って“引き出す”!撮影スキルとしてのトーク術

投稿日: by 桜井 恒二

人物を撮影する時、なかなか上手くいかないと悩んでしまう人がいる一方で、何も教えなくても良い表情をササッと撮れてしまう人もいます。両者の最も大きな違いはモデルとのコミュニケーションの違いでしょう。いつも相手を面白おかしく笑わせる必要はありません。大事なのはモデルとの信頼関係。今回はコミュニケーションが苦手な人でもはじめられるモデルとの信頼関係の作り方について紹介していきます。

時にはモデル目線で考えましょう

ポートレイト撮影(人物撮影)でモデルさんと1対1になり、「よし頑張るぞ!」と張り切ったのは良いものの、なかなかいい表情が撮れない……。

「機材も環境も、オレの撮影技術もバッチリなのになぜ!?」と悩んだら、モデルさんとのコミュニケーションについて振り返ってみるのも一考です。

ず〜っと無言で撮影していませんか?

物撮りなら黙々と撮っていても大丈夫です。撮影対象となる物体は、いつでもどこでもアナタの撮影に付き合ってくれます。

しかしモデルさんは、撮影者と同じ人間。じっと佇んでいる物体ではありません。1~3分程度ならかまわないと思いますが、撮影時間が長くなればなるほど、モデルさんも疲れます。

プロカメラマンの方の中には、撮影につい夢中になって「ご飯もトイレ休憩もなしで6時間ぶっ続けで撮影をしていた……」なんて話も聞きます。カメラマンとモデルさんのモチベーションが同じであるとはかぎりません

物なら何十時間でも何日でも撮影に付き合ってくれます。しかしモデルさんには限界あり。

モデルさんにとって、無言で「パシャパシャ!」とシャッターを切られ続けるのは不気味です。

まずは撮られる人の気持ちになって、カメラマンから受ける無言のプレッシャーを想像してみましょう。

コミュニケーションをとろう!

カメラマンもモデルさんも楽しめる撮影を目指して、ここからは、撮影中のトークを中心に、モデルさんとのコミュニケーションについて考えてみましょう。

プロカメラマンはコミュニケーション能力が高い

営業の世界には「商品を売るんじゃない。お前の人間性を売り込むんだ!」なんて言葉があります。カメラ撮影も似ています。人間性を前面に押し出して撮影するタイプの方が大勢いらっしゃいます。

筆者の私感として、ポートレイト撮影を得意とする専業カメラマンの方々の多くは、コミュニケーション能力が高いです。

理由は色々あると思いますが、ポートレイト撮影において、カメラマンとモデルという関係は言わずもがな人対人の関係です。

喋りがスゴく上手い必要はないでしょうが、撮る人の人柄というのはモデルさんにすぐ伝わります。カメラマンとモデルさんのコミュニケーションの相性が良ければ、他の人には撮れない表情を引き出すことも可能でしょう。

勇気を持って、喋らない撮影から卒業を。Nikon F3で撮影。

人対人の関係が重要だからこそ、鍛え抜かれた専業カメラマンの方の多くは、様々な人の最高の表情を撮るべく、コミュニケーション能力が高いです(言わずもがな、喋りながら撮影できる余裕と高い技術力を兼ねそなえています)。モデルさんの表情をうまく引き出せれば、スマートフォンのカメラでもいい写真が撮れるでしょう。

勇気を持って、喋らない撮影から卒業しましょう。

撮影前に:清潔感のある身だしなみを

「人は見た目が9割」という書籍もあるように、見た目が与える印象は大きいです。マイナスの印象を与えないようにしたいところ。初対面の人と撮影する際は特に、清潔感のある身だしなみを心がけましょう。

ではどんな格好をすればいいのか。「必ずこうしよう!」というマニュアルはありません。普段、仕事や学校で人に会う時に不快感のない格好であれば大丈夫だと思います。あとお風呂に必ず入りましょう。

なぜこんな基本的なことを言うのかというと、ごくたまに、多忙のあまりお風呂に入り忘れたのか、少しプン……と香るカメラマンがいらっしゃるからです。ポートレイト撮影の場合は特に、モデルさんの表情が曇りかねないので注意が必要です。

清潔感を意識した身だしなみを心がけましょう。

撮影前に:モデルさんが落ち着ける撮影場所を選ぶ

どこで撮るのか。これもモデルさんのモチベーションを左右しかねません。

例えば、いきなり渋谷の駅前交差点の人混みの中で立ち止まって「よし!ここで撮影しよう!」なんて言っても、プロのモデルさんでないかぎり、恥ずかしさやためらい、戸惑いが生じるでしょう。

ある程度、人が少なく、撮影に落ち着ける場所を選ぶと良いです。かといって、完全密室の空間で1対1になる……というのも、かえってモデルさんが嫌がるかもしれません。さじ加減が大切です。

モデルさんの意見も取り入れて、撮影場所を決めましょう。Nikon F3で撮影。

モデルさんも「こういう風に撮られたい」「こういう場所で撮ってほしい」という希望を持っています。モデルさんの意見も尊重し、互いに安心して撮影に集中できる状況を整えましょう。

撮影時のトークを考える

いよいよ本題です。喋り下手だとしても、モデルさんへ自分の思いや意図を伝えるべく、一定のコミュニケーションスキルが必要です。そこで撮影時のトークについて考えてみます。

1. 撮影の意図を伝える=撮影情報を共有する

まず大切なことです。

何のための撮影なのか、どこで使う撮影なのか。どういう風に撮影するのか。モデルさんに撮影の意図を伝え、撮影にまつわる情報を共有しましょう。

東京モーターショーの一コマ。コンパニオンさんは、プロのモデルさんなので、笑顔を作るのが上手。モデルさんが集まる展示会イベントは、ポートレイト撮影初心者にオススメのスポットの一つ。

できれば撮影前に、カメラを持たずにモデルさんと話してみましょう。伝えるべき基本的な事柄は、

1. どんな撮影をするのか

2. どこかに写真を掲載するのか(掲載していいか要確認)

3. どこで撮るのか(場所移動する場合)

4. どれくらいのスケジュールで撮るのか

といったところでしょうか。

写真集の撮影など大型の企画なら、撮影の前の日に打ち合わせして、より綿密に撮影計画を伝えることもあるでしょう。そこまで時間は取れなくても、撮影前に3〜5分程度時間を取って話をするだけで、撮影に対するモデルさんの取り組み方がグンと変わると思います。

早く撮影したい気持ちをこらえて、モデルさんと撮影情報を共有しましょう。

2. 掛け声をかける「はい、チーズ」の大切さ

「シャッタスピード上げて……」「ストロボこれくらいでいいかな……?」なんて考えたり、撮影に集中したりするあまり、無言になっていませんか?

筆者もよくあります。つい夢中になってカメラの操作に気を取られちゃうんですよね……。

最初はカンタンな掛け声でOKです。昔、皆さんも経験したことがあると思います。あの掛け声でいいんです。

「撮りますよー。はい、チーズ」

パシャリ。これだけで大分違います。掛け声のメリットは、

1.モデルさんが、シャッターに合わせて表情・ポーズを準備できる

2.カメラマンとモデルさんの間でコミュニケーションが生まれる

の2つです。

すごく単純な話ですけど、それすらも忘れるほど、カメラは人を夢中にさせます。

声をかけて撮影すれば、モデルさんともタイミングが合いやすくなります。

特にデジタルカメラが普及してからは、撮影の失敗への許容範囲がグンと広がり、枚数制限を考えずに連写できるようになりました。その分「連写して1枚いい写真が撮れればいいや」という感覚が芽生えがちです。

36枚撮りフィルムで一枚一枚大事に撮っていた時代のように、「1枚で成功させる!」というくらいの気合で、モデルさんに声をかけてみましょう。

3. ポーズや場所を指定しながら撮る

撮影中に「こんなポーズで撮ってほしい!」と写真のイメージが湧いてくることがあると思います。そうしたらモデルさんにポーズを指定したくなりますよね。

ところがこれ、いざ口にしてみると難しい。初心者が「体の向きをこうして、こうして、ああして……」と色々言うと、モデルさんが指示を理解できず、混乱してしまうこともあります。

混乱する原因の一つは、左右逆であることです。考えるとすぐ分かるのですが、カメラマンとモデルさんはお互いに向き合っていることが多いです。つまり左右の向きが逆です。

カメラマンにとっての右方向は、モデルさんの左方向です。その逆もしかりです。

「右に一歩動いてください」

と言ったらモデルさんが左に動いた……なんていうのは、ズバリ、コミュニケーションミス。プロのモデルさんなどは、機転を利かせてカメラマンの動きたい方へ動くこともしてくれるでしょうが、一般の方の多くは「右に動いて」と言われたら(カメラマンから見て)左へ動くのではないでしょうか。

カメラマンとモデルさんの左右は真逆であることを意識する必要あり。

そこで、カメラマンはモデルさんの目線から考えて、左右逆に指示する必要があるでしょう。右に動いてほしい時は「左に動いて」、左に動いてほしい時は「右に一歩」となります。慣れるとけっこうすぐできるようになります。

また、口で言わなくても手を使って誘導する手もあります。

腕ごと左を指差して「こっちへ1歩分動いてください」と言えば、モデルさんにもすぐ動く方向が分かります。大人数の人を撮影する時は特に便利ですよ。

年2回開催される世界最大級の同人誌イベント「コミックマーケット」の一コマ。大勢のコスプレイヤーが集まります。ポートレイト撮影の練習にオススメのスポットの一つ。

もう一つの混乱の原因は、指示が大雑把であることです

「頭を下へ下げて」

という指示は「首をグイッと曲げて下を見ろ」という指示にも「アゴを少し下げろ」という指示にも「怪獣ジャミラのごとく頭を肩へ近づけろ」という指示にも解釈できます。

複数解釈できるあいまいな指示を避けて、

アゴをちょっとだけ下げてください」

右手で前髪をかき上げてください」

左ヒジを体の内側に寄せて、ワキを締めてください」

具体的な指示の仕方を考えましょう。コツはアゴやヒジ、ヒザなど体の具体的なパーツ名を挙げることです。もし肩や腕、手、足、目のように二つずつあるパーツの場合は右腕、左目、左足……など右・左のワードを付け加えて伝えると良いでしょう。

プロカメラマンのように撮影しながら声をかけるのが「難しい!」と感じたら、声をかける→撮影→声をかける……と1アクションずつでOKです。

4. 笑顔を“引き出す”までの道筋を考える

撮影中のトークの目標の一つは、モデルさんのいい表情、いい笑顔を引き出すことだと思います。

撮られ慣れているプロのモデルさんは、「笑顔でお願いします!」と言えばニッコリいい笑顔を見せてくれます。他の表情についてもカメラマンの期待に応えてくれるでしょう。

「笑顔ください!」のフレーズ以外に、相手を笑顔にするトークも考えましょう。写真はNikonのD810に「SIGMA 135mm F1.8 DG HSM」を用いて開放値で撮影。ピントがシャープに合う一方、ボケの具合が絶妙。

ただし、誰しもがそうとは限りません。写真を撮られ慣れていない人は、「笑顔ください!」の一言ですぐ笑顔になれるとはかぎりません。

そんな時こそトークの必要性が増してきます。お互いに共通する世間話でもいいですし、秘伝のトークネタでもいいです。笑顔を作りたい時は、必ず一笑い起きるようなネタをトーク中に仕込むと良いでしょう。ここまで言うと、なんだかお笑い芸人さんみたいですね。

5. 相手のテンションを上げるキラーワードを考える

不思議なことに、プロカメラマンの多くはそれぞれ独自の“キラーワード”を持っています。

「コミックマーケット」の一コマ。キャラクターになりきってカッコイイポーズを取ってくれます。

同じ言葉でも、「いいね!」「最高!」「超いい写真になったよ!」とポジティブなワードを繰り返していると、モデルさんの気分が良くなってきます。

ポイントは、恥ずかしがらずに言うこと。恥ずかしがって、撮影から意識が反れたらダメです。モデルさんが照れて笑ったシャッターチャンスを逃してはいけません。

ただし、言うタイミングと声の抑揚が大事です。取ってつけたように永遠と繰り返すと、かえって逆効果です。恋人に「好きです!」「愛してる!」と言い過ぎると、かえって相手が煙たがるのに似ているかもしれません。

より難度の高い人物撮影の場合

さらに難度の高い人物撮影について、少しだけ解説します。今後の撮影のヒントにしてみてください。

子供の撮影

子供の撮影は、我が子を撮影する時はすんなり撮れるでしょう。「私の子供、世界一ぃぃぃ!」なんて自画自賛の一枚が撮れるかもしれません。

初めて会う子供の場合は、難度がグッと上がります。

理由の一つは、子供がカメラマンに警戒心を持っているから。人見知りしない、愛嬌のある子なら問題ないでしょうが、逆に人見知りの激しい男の子……なんてことになるとちょっと大変です。

子供はその時々の感情がストレートに出ます。知らない大人からカメラを向けられたて、ド緊張する子もいます。

カメラを怖がる子には、すぐカメラを構えず、コミュニケーションをとることからまず始めましょう。

大人数の撮影

こちらもまた難しい撮影の一つです。1対1の撮影なら、一人のモデルさんに集中すればOKです。ですが10人、20人、30人……と大人数になればなるほど大変です。

集団撮影のイメージ図。大人数をいっぺんに撮る場合、カメラマンは注意することが多いです。

大変な理由を以下に挙げます。

①目をつむってしまう人がいる

大人数をまとめて撮れば、パシャリと撮影した瞬間に目をつむる人も出てくるでしょう。Aさんが目をつむっていたから、もう1回撮ったら今度はBさんとCさんが目をつむっている……なんてことはよくあります。

②カメラを見ていない人がいる

他のことに気をとられて、カメラを見ていない人が出てくることがあります。わざとカメラから視線を外す人もいるでしょう。厄介です。

③集中力が長く続かない

②につながる話ですが、撮影が長引いてしまうと、集中力が切れて隣の人と話をしてしまう人が出てきます。カメラマンの声が耳に届かず、隣の人との会話が楽しくなってしまう……ということも起こりえます。

④顔が写っていない人がいる

撮影アングルや身長の高低差によって、顔が見ていない人が出てくることもあります。撮影中に気がついて、顔の見えていない人に移動するよう指示を出せれば事なきを得ますが、後日写真をチェックしている時に気がついたらもう手遅れです。

撮影者の位置から、写っていない人がいないかどうか、よく注意しないといけません。2列以上の大人数の場合は、後列の人が前列の人に重なりがち。前列の人の間から、顔が出るように指示する必要があります。身長差も考慮して、背の高い人がなるべく後ろへ来るようにしましょう。

以上、大人数の撮影の難しさの一端を感じとれましたでしょうか。一人の人を撮影するよりも、より色んなことに気を配らないといけません。ここからは、コミュニケーションに絞って、オススメの大人数の撮影法をお伝えします。

オススメ1:大きな声でハキハキ喋る

大人数の撮影では、皆を指定の位置に誘導し、カメラの方へ意識を向けさせる必要があります。カメラマンは、つまり全体の主導権を握らなければなりません。

その場にいる誰よりも大きな声を出して、皆の注意を引きましょう。意思疎通をスムーズにするべく、ハキハキ喋ることも忘れずに。

オススメ2:拍手や掛け声で一体感を生む

皆に一体感が生まれると、撮影にも集中してくれます。皆に同じ動作をお願いすると、動きを合わせようと集中力が生まれ、撮影もやりやすくなります。

皆の注意が散漫だなと思ったら、拍手や掛け声など、その場でできるアクションを駆使して一体感を生みましょう。

オススメ3:笑いをとる

若干難易度が上がります。コミュニケーション能力の高いカメラマンは、言わずもがなトーク力が高いです。披露宴の司会として、アドリブトークで人を笑わせて楽しませるのと同じです。被写体になる皆さんに共通する話題を通じて一笑いとれると、写真にはいい影響が出ます。

笑いをとるメリットは

1.被写体の皆さんが撮影(カメラマンの動き)に集中してくれる

2.笑顔の人が増える

3.後で写真を見て、盛り上がりが伝わる

です。

撮影に余裕が出てきたら、大人数の視線を受けるプレッシャーにめげず、笑いをとる度胸をぜひ身につけましょう。

オススメ4:撮影後。目つむりや表情を素早くチェック

撮った後もチェックが大事です。目をつむっている人がいないか、表情が曇っている人がいないか注意しましょう。

撮影現場にパソコンを持ち込んで、大きな画面で随時チェックできるとベターです。Wi-Fiや専用ケーブルでカメラをつないで、撮影した瞬間にパソコンへ画像が転送されるようにすると便利です。

「そんな手間取れないよ」という方も多いと思います。その際は、必ず複数枚の写真を撮って最善の一枚を選べるようにしましょう。

写真嫌いの人を撮るとき

ハードルの高い撮影です。

ついさっきまで自然な笑顔で喋っていたのに、レンズを向けられた途端、心のシャッターを閉じて、表情が硬くなったり無表情になったりする方が時たまいます。

カメラレンズが苦手な方を撮るのは難問の一つ。2眼レフカメラなら、ファインダーを上から覗くため、カメラマンが自然とお辞儀ポーズになり、モデルさんに好印象を与えやすいと言われます。いつか試すべきか。

「オレ、写真嫌いだからよ!チャチャッと終わらせてよ!」なんて言われると、非常に厄介。そんな場合、どんな工夫をすればいいのか考えてみましょう。

オススメ1:敵ではないことを意思表示

写真嫌いの人は、「いい写真を撮られたことがない」とか「フラッシュがまぶしいから嫌」とか「じっとするのが落ち着かない」とか、様々な理由を経て写真嫌いになった可能性があります。

そこでまずは、自分が「敵」でないことを意思表示します。カンタンなところで言えば「こちらから笑顔を見せる」とか「相手のリクエストをできるだけ多く汲み取る」とか。むやみに反発して相手の気持ちを損ねないようにしましょう。

筆者が個人的にやっているのは、両手を大きく開いて、手の平を見せることです。心理学の初歩的な考えの一つで、手の平を相手に見せる行為は「あなたに全部包み隠さずお見せしてますよ」という意思表示の表れだそうです。

例えば降参することをジェスチャーで示す時、よく映画などで腕を上げて手の平を相手に見せますよね。あれです。相手に敵ではないことを示すことができるのです。

コミュニケーション上、さらにどうやったら相手と仲良くなれるのか……と突き詰めたい方は、心理学やコミュニケーションに関する本を手に取ったりセミナーに行ったりしてみると良いでしょう。

オススメ2:リラックスしている瞬間を撮る=カメラから意識を反らす

写真嫌いの方は、えてしてポーズを取ることが苦手だったり恥ずかしかったりします。俗に言う「カッコつける行為が嫌い」ということも考えられます。

喋っているところを撮らせてもらう、動いているところを撮らせてもらう……などカメラから意識を反らし、リラックスして自然な表情がこぼれた瞬間を狙ってみましょう。

オススメ3:会話で撮影から気をそらす

カメラから意識を反らす、という話の続きです。「いい表情は喋って“作る”」という本記事の意図するところでもあります。

ポートレイト撮影は、とはいえカメラマン対モデルさんのコミュニケーションが重要です。カメラから100%意識を反らすことが難しいでしょう。またレンズを直接見るときはどうしても意識しがちです。

会話は、カメラから意識を反らし、自然な表情を作る有効手段の一つです。日常会話を通じて、撮影よりもトークに集中させることで、モデルさんの撮影に対する意識を少しでも反らしてみましょう。

オススメ4:短時間で撮る

写真嫌いになる理由の一つに、長時間の撮影があります。撮影のために長時間拘束されることに疲れ、「本職のモデルじゃないからさ!」となってしまう方もいらっしゃいます。

短時間で撮る際は、押さえるべきカットを忘れないようにしましょう。

そういうケースも考慮して、短時間で撮る工夫もしてみましょう。例えば撮影場所を下見して、撮影スポットをあらかじめ決め、モデルさんの拘束時間を減らす努力を心がけましょう。短時間であることに焦って、モデルさんの目つむりや手ブレなど、肝心の撮影で失敗しないように。

まとめ:喋ってみましょう!

今回は以上です。

ついつい無言で撮ってしまうという方は、モデルさんと喋ってコミュニケーションを取ることにも少しずつ心がけてみてください。喋ってみましょう!

では何から始めればいいのか。先ほどお伝えしたように「はい、チーズ!」からでOKです。モデルさんに声をかけながら、楽しい撮影を実現してみてください!

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この記事を書いた人
桜井 恒二 / 専門ライター
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