ゲストライターの村上です。
studio9の記事を見ている皆さんは、カメラや写真を趣味にしている方が多いと思います。
また、それ以外にも仕事に関わる事で見ている方も多いと思います。ちなみに自分がstudio9を知ったキッカケは仕事で必要な事を探している時にでした。
仕事でカメラや写真を扱っていると、ほぼ確実にPhotoshopを使う機会が何かしらあると思います。仕事で使ってみるとわかるのですが、Photoshopの使い方というのは人によって様々です。
Photoshopについては特に情報収集しています。自分は本を見て勉強することもありますし、WEBの記事を読んで勉強することもあります。ただ1番の勉強になるのは、他の人の使い方を見る事です。勉強になる事がかなり多くあります。
自分は残業が嫌いなので効率化をして、残業をしないために色々な人の作業を見てきました。そこで効率化をする人が1番よく使っていたのが、アクションという機能でした。そしてアクションを使って効率化をすると、かなりの作業量を捌ける事ができました。(チームで仕事をしていたので、残業は無くなりませんでしたが^^;)
この機能の使い方を広めようと思い、自分は友人にPhotoshopのアクションの使い方をよく説明します。少し友人のパソコンを借りて、その機能を説明してあげるとかなり驚かれる事が多いです。自分では普通なのですが、友人が言うにはかなり変わった使い方をしているらしいです。
そこで今回は自分のPhotoshopのアクションの使い方を共有したいと思います。
Photoshopのアクションとは
Photoshopにはアクションという機能があります。簡単に説明すると操作を記録して、それと同じ事をまた行うという自動化機能です。
Excelでいう所のマクロと同じようなものです。
Photoshopの大体の機能を記録ができます。使い方によっては複雑で時間のかかる作業も時動的に数秒で終わらせる事もを可能です。
しかも実行する方法も再生ボタンをクリックするだけなので、誰でも簡単に使えます。
メリット
作業を簡略化する事ができる事です。数が多く、大体の行動が決まっている作業などには非常に効率化の効果を発揮します。クリエイティブ系の作業でも、アクションを使う事でかなり効率化ができます。
自分の場合は、今まで数時間かけて行っていた作業を、アクションを使う事で、ほぼ半分以上の時間を削ることもできました。
デメリット
もちろんデメリットもあります。
まずアクションを作る事自体が少し難しい事です。簡単なアクションなら作るのは難しくないのですが、複雑なアクションを作る場合はPhotoshopの機能をひと通り知っていないと、アクションを作ってもしてもなかなか上手く起動できないこともあります。
また複雑なアクションを作っても、アクションを作る事をできる人がいないと、何か問題が起こった際に対応する事が出来なくなります。もしアクションが無いと数時間もかかる作業があったとしたら、アクションが修正出来なくなったらと考えると凄く恐ろしいです。。。
独特な技術なので、Photoshopを使いこなせても、アクションを使いこなせる人はそこまでいないと思います。(自分が知っている範囲の中ではですが。。。)
他にも複雑な作業が単純な作業になってしまい、簡単なミスに気づかないようなこともあります。
複雑な作業を簡単にするので、Photoshopの教育があまり進まないかもしれません。
アクションの使い方(基礎)
アクションを実行してみる
アクションの基礎から説明します。まずはアクションがどのようなものなのか体験してみましょう。
上部のメニューの
ウインドウ→アクション
をクリックします。
そうするとこのようなパネルが出てくると思います。
初期状態はこのようなアクションが入っています。(2015年6月 CC2014の場合)
「星の軌跡」というアクションを使ってみましょう。
フォルダを展開すると入っているアクションが展開されます。このようにアクションはフォルダの中にアクションのファイルが入っている構成になります。
このアクションは画像を加工するアクションです。
まず画像を用意します。(studio9の写真をお借りしましたm(__)m)
星の軌跡のアクションをクリックしたら、下の三角マークをクリックします。そうするとあっという間に星の軌跡を擬似的再現することができます。
このアクションは画像全体を回転させて星の軌跡を再現させています。なので星以外の部分も回転してしまいます。今回は画像加工の説明を割愛しますが、星だけ画像を切り取り、元の画像に合成するとある程度キレイな星の軌跡を再現できると思います。
このように難しい技術もなく、ボタン1つで画像の加工ができました。もしこれを手動でやろうとすると結構な時間がかかってしまいます。
次はアクションの作り方について説明します。
アクションの記録と停止
まず最初にどのようにアクションを記録するのか説明をします。
何か適当な画像やファイルを開いておいてください。作業をされている方は念のために作業しているデータを閉じて、変更しても大丈夫な画像を用意してください。
1.作業用のセットを作る
アクションのパネルの下のフォルダのマークをクリックします。
そうすると新規セットというアクションセット名という、名前を入力する画面が出てきます。これはアクションを入れるフォルダの名前のようなものです。好きな名前を入力してOKを押します。
2.新規アクションの作成
そうすると新しいフォルダが作成されます。作成後に下のファルダのマークの右隣の所をクリックします。するとこのようにアクション名等を入力する画面が出てきます。適当に名前を入力します。
3.アクションを記録する
すると先ほどのフォルダの中にアクションが作成されました。赤い●のマークが付いたらアクションを記録中になります。
適当に動かして見てください。そうすると次々とアクションが記録されます。
4.アクションを停止する
しかしこのままでは記録が終わらないです。なのでアクションの記録を止めたい思います。赤い●の隣の■をクリックします。そうするとアクションの記録が止まります。
5.作ったアクションを実行する
そして最初に行ったように三角マークをクリックすると、さきほどの行動が再現されます。基本的なアクションの作り方このような感じになります。アクションをもう1度記録したい場合は●のマークをクリックすると、また記録することができます。
基本的作成方法は以上になります。
アクションのオプションなど
先程説明した方法でも色々なアクションが作成できますが、その他にもアクションももっと便利に使うこともできます。
- メニュー項目を挿入
- 中止を挿入
- アクションオプション
- アクションにファンクションキーを設定する
- 再生オプション
- パスを挿入
- 条件を挿入
- その他
メニュー項目を挿入
アクションを自動化して使っていると、場合によっては部分的に手動で行いたいこともあります。例えば、
- レベル補正で画像を見ながら値を調整する
- 何かを移動する場合に決まった位置ではなく自分で決めた位置に移動したい
場合などです。そういった場合は「メニューの項目の挿入」を使用します。
まずアクションパネルの右上のところをクリックします。
そうすると図のように色々なメニューが表示されます。
アクションを選んでから「メニュー項目を挿入」をクリックします。そうするとこのようなダイアログが表示されます。
画面上部の「ファイル」「編集」「イメージ」「レイヤー」。。。と並んでいるメニューの中からアクションに登録したいメニューをクリックします。
今回はイメージ > 色調補正 の中から「レベル補正」をクリックします。そうするとメニュー項目の表示が未選択から色調補正:レベル補正と表示されるので、OKをクリックします。
アクションにレベル補正が追加されました。
再生するとレベル補正を手動で入力できるようになりました。
普通にアクションの記録を覚えさせると、値も決まったものしか入力できないですが、メニュー項目を挿入を使用すると部分的に手動で行うようにできます。
もう1つの設定方法
もう1つ設定方法があります。
何か作成されているアクションを選択します。そしてこのアクションの左の所をクリックします。
そしてアクションを実行すると先程と同じように、手動で値を変更できるようになります。気をつけるのが、この方法で行うと最初表示される値が記録した値と同じになることです。ちなみに先ほどはメニュー項目を挿入と言っていますが、このように場合は「モードコントロール」と呼んだりもします。
メニュー項目を挿入でアクションで記録できないことも記録できる
あまり知られていないのと思うのですが、メニュー項目を挿入を使用するとアクションで”記録ができない事も記録”ができるようになります。
例えば
表示→色域外警告
というメニューがあるのですがこれはアクションで記録しようとしても記録ができません。しかしメニュー項目を挿入を使用するとこの項目を記録できるようになります。
ただ色域外警告はそこまで頻繁に使用する機能でもないので、アクションに使ってもあまり効果はありません。
自分が使用している方法だと拡大するメニューをアクションで組み込んでます。拡大もアクションで記録されないのでメニュー項目を挿入で記録しています。
自分の例で説明します。1日に200枚ほどWEB用に解像度を変更している作業がありました。
解像度を小さく変更すると画面上では画像が小さく表示されてしまいます。小さくした後の写真の見え方が気になるので、その後手動で画面を拡大していました。
拡大はショートカットで行っていたので結構早かったのですが、いちいちショートカットのためにマウスから手を離すのも非効率なので、この拡大するのもアクションに組み込んだら非常に楽に作業ができるようになりました。
このようにメニュー項目を挿入で記録をできないことを記録して、ちょっと便利になることもあります。
中止を挿入
アクションを実行する前や実行している最中、または最後に何かしらの注意事項をうながしたい事もあります。その場合には中止の挿入を使用します。
先ほどと同じようにアクションのパネルの右上クリックしてメニューを表示させます。
メニュー項目を挿入の下に「中止の挿入」があるので、アクションを選んでからクリックします。そうするとこのような画面が表示されます。
メッセージの箇所に何か文字を入れると、その文字がアクションの途中で挿入されます。下の「続行許可」をチェックすると、そのアクションの続きを行うか選択できるようになります。メッセージを入力したらOKをクリックします。
そうすると中止がアクションに追加されました。
アクション実行するとこのように、ダイアログが表示されます。
続行許可の使いどころ
続行許可はなかなか使いどころが難しいです。主にはアクションの途中で何か確認させたい所がある場合や、アクションの起動時の最初にアクションの注意点を知らせたい際などに使うことが多いです。
自分が考えた場合は、著作権の表示を写真に埋め込む場合に使えるとかな思いました。
アクションで埋め込むと、埋め込む場所が必ず一定の場所になってしまいます。下記の画像のstudio9の著作権表示のような場合、背景の色や構図によって挿入位置を右か左か選ばないといけません。
この場合アクションの最初に著作権表示を左に埋め込んで、その後続行許可の中止の挿入して、その後著作権表示を右に移動するようにすると1つのアクション内で、2つに動きが選択できるようになります。
これはひとつの例ですが、色々な使い方があると思うので考えてみてください。
アクションオプション
個人的にはアクションを使う中で1番便利だと感じている機能がアクションオプションです。アクションオプションで、アクション名とアクションへのファンクションキーの割り当てとアクションのボタンのカラーの変更ができます。
何かアクションを選択してアクションパネルからアクションオプションをクリックします。
そうするとアクション名とファンクションキーとカラーが変更できます。
ここでアクション名の変更とファンクションキーの割り当てとボタンのカラーの変更ができます。アクション名を変えて、ファンクションキーを適当に割り当てて、ボタンのカラーを変更します。
そうするとアクション名の横に先ほど割り当てたファンクションキーが表示されました。ファンクションキーの設定をするとアクションをファンクションキーから起動することができます。後ほど説明しますがこれがアクションの機能の中で、個人的に1番便利だと思います。
ボタンのカラーを設定しても何も変更されてませんね。アクションの表示方法は「ボタンモード」という表示方法があります。
アクションパネルの1番上のボタンモードをクリックします。
そうするとすべてのアクションがボタンのように表示されます。
先ほどのカラーを設定したアクションのボタンに設定した色になっています。これでアクションをわかりやすく判別できるようになります。
ボタンモードにするとアクションを起動する際に▲のマークをクリックしなくても起動ができるので、色々なアクションを使い分けてる時にはこちらの表示のほうがわかりやすいです。ただアクションがどのように動いているのかわからないので、アクションの中を確認したい場合には普通の表示の方が良いと思います。
アクションにファンクションキーを設定する
自分がアクションの最も活用している機能がアクションをファンクションキーに設定する機能です。この機能はクリエイティブ系の仕事をしている方にも非常に便利に使えると思います。先ほど説明したようにアクションにはファンクションキーの設定ができます。しかも
- ファンクションキー
- ファンクションキー+cmd
- ファンクションキー+shift
- ファンクションキー+cmd+shift
の4パターンの設定ができるようになります。
仮にファンクションキーが12個あったとしたら、12✕4の48パターンのショートカットが新しく増やすことができます。
複雑なアクションが作れなくても、何か1〜2のパターンのアクションぐらいは簡単に作れると思います。そしてそのアクションをファンクションキーに設定するだけでも、かなり便利にPhotoshopを使うことが出来ます。
ただイマイチ想像がつかないと思うので、いくつか例を上げてみます。
ショートカットの存在しない機能にショートカットを登録する
よく使うのがショートカットキーが存在しない機能にショートカットつけることです。
例えば「アンシャープマスク」という機能がありますが、この機能にはショートカットが存在しません。しかし状況によって頻繁に使用することもあります。
なのでこの機能をアクションに登録しておいて、オプションパネルからファンクションキーを割り当てます。そうするとアンシャープマスクにもショートカットキーを登録することができます。
しかしキーボードショートカットはPhotoshopの標準の機能があるので、それを使えばいんじゃないかと思う方もいるでしょう。しかしキーボードショートカットはどのようにショートカットを変更しているのか、非常にわかりにくいと思います。
アクションをショートカットで登録しておけば、アクションパネル上でどのようにショートカットが追加されているのかわかりやすいと思います。
ただしアクション名をわかりやすい名前にしておかないと、登録したアクションがどんどん増えたら大変なことになってしまいますので、気をつけて下さい^^;
スクリプトにショートカットを登録する
先ほどと変わらないのですが、スクリプトにアクションを登録して、そのアクションにショートカットを登録します。自分が使っているのは選択範囲にガイドを引くスクリプトを登録してます。いちいちメニューから選択しないで、ショートカットが使えるので非常に快適です。
ちなみにPhotoshopに最初から入っているスクリプトにはキーボードショートカットからショートカットを登録できますが、外部から持ってきたスクリプトにはそういった方法はできません。
ツールプリセットを登録する
アクションではツールの切り替えも記録ができます。そしてツールプリセットの切り替えも記録ができます。
ツールプリセットというのはPhotoshopの左上の部分にあります。
長くなってしまうのでツールプリセットの登録方法は今回は割愛します。
ツールに切り替えとどのように違うかというと、ツールの切り替えはただ使用しているツールを切り替えるだけに対して、ツールプリセットはツールの値が決めて保存して、それを呼び出しする事ができます。
例えば
- 切り抜きの比率を1対1で登録
- 決まったフォントとサイズで登録
- ある決まったシェイプと色を登録
などです。
ツール自体はよく使うけど、決まった値を頻繁に変えている場合には、
ツールの値をツールプリセットに登録
↓
アクションにツールプリセットの切り替えを記録
↓
そのアクションにショートカットを登録
とするとかなり便利になると思います。
自分の場合は切り抜きツールの比率を頻繁に変える事があるので、そちらで活用しています。
Photoshopで絵を書く方はよく使うブラシを登録しておくと便利だと思います。
ショートカットが打ちにくいものを登録する
ショートカットの打ちにくいものをアクションに登録してファンクションキーに割り当てるのも地味に便利です。
例えばレベル補正のショートカットはcmd+Lです。ただマウスを使いながら作業しているので、左手でそのショートカットを入力しようとすると、普段の位置から大きく手元が離れるので確認しながらではないとうまく入力できません。
もしくは右手をマウスから手を離して右手で入力しないといけないです。
しかしF1、F2、F3、F4のファンクションキーのどれかに登録しておくと、手元を確認しなくても入力ができると。なので小さいことですが作業中のこういった小さい時間をちょっと短縮することもできます。
注意点
ファンクションキーにショートカットを登録する場合はPhotoshopのデフォルトでファンクションキーに登録している操作と重なることがあります。なのでアクションにショートカットキーを登録する際は、キーボードショートカットからファンクションキーを使う操作を削除した方がいいかもしれません。
またOS自体のショートカットや常駐型のソフトのショートカットと重なる可能性もあります。
自分の経験ですが、アクションとデフォルトのショートカットが重なる場合はアクションが優先されました。しかし場合によってはデフォルトのショートカットキーの操作が効いてしまうこともありました。
OS側のシステムの設定の可能性がありますが、もしアクションのショートカットが上手く作動しない場合はデフォルトのショートカットが効いてるかもしれません。
職場の環境によってはデフォルトのショートカットキーを変更すること自体が難しいと思うので、そういった際はなるべく確認や許可を取りながら行ってください^^;
再生オプション
アクションは起動するとものすごい速さで実行をします。
しかし作成後にテストなどでアクションをゆっくり確認したい場合や、他の人にアクションの中身をゆっくり説明したい事もあります。
そういった場合には再生オプションという機能を使います。
アクションパネルの再生オプションをクリックします。
このような画面が出てきます。
「高速」・「ステップ」・「一時停止」 の3つの項目があります。
高速が最も早い速度で起動します。ステップがゆっくり起動します。一時停止が入力した秒数を停止しながら、起動します。
再生オプションはアクション個別に適用されるわけではなく、すべてのアクションに適用されます。なので、再生オプションを変更して確認が終わったら、設定を戻しておきましょう。
パスを挿入
パスの挿入をすると、現在のレイヤーのパスをアクションに登録することができます。写真を加工するアクションを作る場合はあまり利用しませんが、デザイナーの方は使う機会があるかもしれません。自分はこの機能をほとんど使うことが無いので、有効な使い方があれば、教えて頂けると嬉しいです。
何か適当なシェイプなどパスを作っておきます。
パスを挿入を追加したいアクション選んでおきます。
そしてアクションパネルからパスの挿入をクリックします。
そうするとアクションにパスの設定が追加されます。
何か別の画像を開き、そのアクションを起動すると先ほどのパスが追加されます。
何か別の画像を開き、そのアクションを起動すると先ほどのパスが追加されます。
条件を挿入
最近の追加された条件の挿入という機能です。
自分は最近まではPhotoshopCS5を使用していたので、この機能を使った事がありませんでした。なので、まだ便利さを実感できていません。
例えば、写真が縦長の場合は縦長用の解像度の変更のアクションして、横長の場合はそれ用のアクションをするなど、条件によってかけるアクションを条件分岐する事ができます。
条件は自分で決めるわけてはなく、何点か条件が用意されているのでそこから選びます。
今までは条件分岐をしようと思ったら、Photoshop用にスクリプトを書かないといけなかったのです。なので視覚的に条件分岐を出来るのは非常に良い思います。
設定方法
何かアクションを選択します。
その後アクションパネルから条件分岐を挿入をクリックします。
そうすると現在、該当する場合のアクションの実行、該当しない場合のアクションの実行の項目が出てきます。
現在というのが、どの条件の場合にアクション実行をするかという意味です。
仮に「ドキュメントは横方向です」を選んだら、ドキュメントが横方向の場合ならの処理と、そうでない場合の処理を別ける事ができます。
処理の内容は作った選択したアクションを適用させるか、もしくは何もしないかを選べます。ちなみに適用させるアクション同じセットの中のアクションしか選択できません。
条件の種類はこれだけあります。
追加するとアクションの欄にこのような表記が追加されます。
単純に条件分岐だけさせたい場合には空のアクションを作って、そこに条件の挿入を加えるといいと思います。
プログラムやスクリプトを触った事があれば、特には難しくないと思いますが、そういった経験が無いとなかなか難しい機能かもしれません。
その他
操作の複製・削除・入れ替え
特に特別な機能ではないのですが、アクションの操作を複製・削除・入れ替えができます。
複製はアクションパネルの複製をクリックすると可能です。クリックすると選択している操作が複製されます。複製の下の削除をクリックすると、削除も同じくように可能です。
下のこのマークの箇所にドラッグ&ドロップしても同じように複製と削除が可能です。
アクションの操作をドラッグ&ドロップすると、操作の入れ替えも可能です。
再記録
レベル補正やトーンカーブをアクションを使った、何か値を入力している操作も、後から数値を再入力する事も可能です。全自動で画像補正をするようなアクションを作った後に、値をちょっと変更したいと思った際に便利です。
アクションを選んでから、アクションパネルに再記録という所をクリックします。そうするとアクションが起動します。値を入力するような操作の場合は、もう1度値を入力します。
アクションの起動が終わり、もう1度起動すると先ほど入力した値が反映されます。
ツールの記録を許可
アクションパネルのツールの記録を許可をすると、移動ツールや選択範囲等のツールの切り替えもアクションに記録出来るようになります。(ツールによっては記録できないものもあります。)
アクションの保存と読み込み
アクションは保存と読み込みが可能です。
アクションのセットの箇所を選択します。その後アクションパネルのアクションの保存をクリックします。
アクションの保存場所を指定すると、アクションが書き出されます。全てのアクションが保存されるわけではなく、”セットのアクションしか保存されない”ので注意して下さい。
同じようにアクションの読み込みをクリックして、読み込むアクションを指定します。そうするとアクションが読み込まれます。自分の作ったアクションだけではなく、他の人が作ったアクションを読みこむ事も可能です。
アクションは.atnという拡張子になっているのですが、その拡張子がPhotoshopとヒモ付されていれば、ダブルクリックするか、Photoshopにドラッグ&ドロップしても追加することができます。
アクションの使い方(応用)
ではアクションの使い方の応用です。アクションは画像加工して、雰囲気を変えるイメージが強いと思います。配布されているアクションのほとんどはそのようなものが圧倒的に多いです。
ただその使い方だけでは非常にもったいないです。
なので自分の考えるアクションの使い方や効率化の方法を説明します。先程のが操作説明で、ここからは応用編になります。
あくまでも自分の場合の使い方です。人によって様々な方法があるので、絶対こうしないといけないわけではありません。
- 選択範囲を再変形する
- 自動で画像補正をしてWEB用に保存する
- ルーチンワークの効率化をする
今回はこの3つのアクションを使った効率化の方法を説明をします。
選択範囲を再変形する
まずはすごく簡単なアクションを作ってみましょう。
よく自分が行う操作に選択範囲の再変形というのがあります。
選択範囲がある状態で
選択範囲→選択範囲を変形
の操作を行い、もう一度選択範囲のみを自由変形できるというものです。
そして選択範囲を微妙に拡大したり移動したりして、調整をします。
ショートカットで似たような事をできない事もないのですが、色々と微調整が効くので自分にはそういった方法が便利です。
なのでこの選択範囲の再変形するアクションをの作り方を説明をします。
アクションを作る
新規のアクションを作成します。
適当に選択範囲を作成して、選択範囲の変形を行います。停止を押します。おそらくこのような感じになります。
画像の中に選択範囲がある状態で、このアクションを実行しても新しく選択範囲ができるだけで、既存の選択範囲を変形する目的を達成できません。
失敗は理由は2つあります。
1つ目は、先にアクションを記録を開始してから選択範囲を作成してしまっているので、選択範囲を作る操作がアクションが記録されてたことです。
2つ目は選択範囲の変形も変形後に移動して実行しているので、その移動した動きもアクションに記録されたことです。
なのでいったんアクションを削除します。
選択範囲の自由変形は決められた数値ではなく自分で変更をしたいです。
そういった場合はメニュー項目を挿入で可能です。
なのでメニュー項目を挿入をクリックしてから
選択範囲→選択範囲を変形
を選択します。
そうすると、選択範囲の再変形できるアクションを作る事ができました。
ただ、頻繁に行う作業なのでアクションパネルから起動すると、あまり効率は良くありません。アクションオプションからショートカットキーを設定します。完成するとこのようになります。
先ほどのアクションと違い選択範囲の変形のみがあり、アクションにもShift+F2のショートカットキーが適用されています。
自動で画像補正してWEB用に保存する
仕事でよく使うのが、画像補正してWEB用に保存するという作業です。ECサイトで写真を使う場合には写真の加工が必要で枚数も多いので、このアクションも作ってみます。実際には画像の補正は手動で行っていますが、今回はアクションの説明ということで、この部分を自動で行うようにしてみます。
アクションの流れを考える
アクションを作る前にまず作業の流れを考えてみます。先ほどの選択範囲の自由変形のように、簡単な場合はそのまま作る事が出来ますが、複雑なアクションを作る場合は、紙に流れを書くと良いと思います。もちろん頭の中だけで流れを考えても大丈夫です。
順番 | 操作 |
1 | 画像の自動補正 |
2 | 解像度の変更 |
3 | WEB用に保存 |
作業内容を簡単に考えると大体このような感じなると思います。
ほぼ自動化したいので手動で行うことをもう少し詰めて考えてみます。
自動の画像補正
自動補正を自動トーン補正にします。色かぶりが気になる場合やコントラストが気になる場合には自動カラー補正や自動コントラスト補正も適用しても良いと思います。
中止の挿入
自動補正の結果によってその後の作業をするか決めたいので、自動補正後に中止の挿入を入れます。中止の挿入には「続行許可」をチェックをします。
解像度の変更
解像度はECサイトに合わせると思いますが、今回はとりあえず長辺を630pxと想定してみます。
解像度の変更では「長辺を630pxにする」という作業は行えないので
ファイル→自動処理→画像のフィット
を記録させます。「画像のフィット」で幅と高さに630の値を入れておくと、長辺を630pxに縮小することができます。
表示の拡大
画像の縮小後は表示が小さくなってしまい確認する事が難しいので画像を拡大します。ただズームインの操作はそのままでは記録ができないので、ここもメニュー項目を挿入を使用します。もし完全に自動化するのならこの作業は特に必要ありますせん。
WEB用に保存
WEB用に保存をアクションでそのまま記録すると、保存するフォルダの場所も記録してしまうので、今回はメニュー項目を挿入を適用させます。画像加工後にファイル名を変更させない場合や、同じフォルダを使う場合や、保存する形式が一緒の場合は、メニュー項目を挿入を使わずそのまま記録した方が作業を効率は良いです。
ファイルを閉じる
忘れがちですが最後は画像が開いているので、ファイルを閉じる操作もアクションに組み込みます。ファイルを閉じるのも自動で行い、効率化させます。加工後の写真はすでにWEB用に保存しているので、保存しないで閉じるを記録させます。
これを踏まえてもう1度作業工程を考えてみます。
順番 | 操作 | 備考 |
1 | 自動トーン補正 | |
2 | 中止を挿入 | 続行許可あり |
3 | 画像のフィット | 長辺を630pxに |
4 | ピクセル等倍 | メニュー項目を挿入 |
5 | WEB用に保存 | メニュー項目を挿入 |
6 | ファイルを閉じる | 保存はしない |
このような感じになります。
これをアクション化します。自分が作成するとこのようになります。
上記の表と同じようにアクションにする事ができました!
ECサイトの画像加工のルーチンワークの効率化を考える
ルーチンワークの効率化を考えてみたいと思います。
先ほどの内容と似ていますがもう少し本番に近い形で考えます。
今回は中古品のECサイト用の画像を作るというルーチンワークの効率化を考えたい思います。
初めに考えること
まず、Photoshopを使ったルーチンワークを効率化しようと思ったら、Photoshopを使わないことを考えることが重要だと思います。
今回の場合で考えると
- 画像補正をLightroomに任せて、それ以降の作業をPhotoshopで行う。
- 別のソフトウェアを使ってみる。
- レンズとカメラを変えてみる。
- rawで行う画像補正の方法を検証する。
- 画像補正を外注する。
Photoshop以外で効率化を考えるとこのような方法もあります。
もちろんPhotoshopに限った話では無いですが、決まった方法に縛られないで、柔軟に考える事が重要です。
ただ今回Photoshopのアクションについての説明なので、Photoshopのアクションを使った効率化の方法を考えていきます。
作業の流れ
大体の作業の流れを考えてみます。
写真の加工は他のソフトでは特に行っていないと考えます。
順番 | 操作 |
1 | 画像補正 |
2 | トリミング |
3 | 修正ツールでゴミを消す |
4 | 解像度の変更 |
5 | ロゴの挿入 |
6 | ロゴの位置を変更 |
7 | WEB用に保存 |
8 | 閉じる |
先ほどの流れと似ていますが、大体このような感じになると思います。
画像補正は手動で行う
画像の補正は場合によって違う事が多いので、手動で行うことにします。なのでここの部分は特に触らないでおきます。
レベル補正やトーンカーブなど使うツールが確実に決まっていれば、アクションに組み込んでもいいと思います。ある程度写真の状態が良ければ、自動で行うか、この操作を飛ばしてもいいと思います。
トリミング後に修正ツールでゴミ消す
ここはアクション化できなさそうでが、アクションに組み込んでみます。
ここの作業を細かく見ると
切り抜きツールに変更→クリックを押す→トリミングの範囲を決める→修正ツールに変更する→修正ツールでゴミを消す
になります。
トリミングの範囲を決める、修正ツールでゴミを消すは手動でないと行えないのですが、ツールの選択などはアクションに組み込めます。なのでそこ以外をアクション化します。
切り抜きの比率は4:3と固定されていると想定しています。なので切り抜きツールに4:3の比率のツールプリセットを登録しておきます。画像の縦横があるなら、別のアクションを作るか、条件分岐してください。
このように登録しておきます。下の方に現在のツールのみ、という箇所がありますがここのチェックを外して下さい。ツールプリセットをアクションに組み込む際にエラーが起きてしまいます。
ここの部分を作成するとこのようになります。
しかし切り抜きの部分を見ると、決まった値で切り取られるようになってしまってます。これでは手動で切り抜きが出来ません。しかも切り抜きツールはメニューに無いので、メニュー項目を挿入が使えません。(厳密に言えば、イメージ→切り取り、でそのような機能は使えますが、機能が違うので今回は使いません。)
なのでモードコントロールを使用します。切り抜きの左の部分をクリックするだけです。左にチェックが入りました。そうすると切り抜きの操作が手動で行えます。
切り抜いた後は修正ツールを使うので、上記のアクションの画像のようにあらかじめ修正ツールを選択しておきます。
修正ツールでゴミを消す作業は自動で行えないので、ここまでを1つのアクションにしておきます。
解像度の変更とロゴの挿入とWEB用に保存を行う
解像度の変更は先ほどのアクション説明と同じように解像度の変更は画像のフィットで行います。画像のフィットの後は画像が縮小されるので、画像の表示を拡大させます。
ロゴの挿入はあらかじめPSDでロゴのデータを用意しておきます。
ロゴの配置があらかじめ決まっているのなら、アクションに記憶させる段階でその位置に配置させます。
今回は写真を見てロゴの配置を手動で決めたいので、ロゴの移動を手動で行えるようにします。ロゴを配置した後に移動をしたいので自由変形をメニュー項目を挿入でいれます。
そしてロゴを配置した後は、WEB用に保存をメニュー項目を挿入で行います。
その後画像を保存しないで閉じます。
アクション化するとこのようになります。
全体の流れを表にするとこのよう感じです。
順番 | 操作 | 備考 |
1 | 手動で画像補正 | |
ここからアクション1 | ||
2 | 切り取りツールに切り替え | |
3 | 切り抜き(トリミング) | モードコントロール |
4 | 修正ツールに切り替え | |
5 | 修正ツールでゴミを消す | 手動 |
ここからアクション2 | ||
6 | 画像のフィット | |
7 | ロゴの挿入 | |
8 | ロゴの位置の決定 | メニュー項目を挿入 |
9 | WEB用に保存 | メニュー項目を挿入 |
10 | 閉じる | 保存しない |
赤くなっている箇所が手動で行う作業になります。なかなかの効率化ができました。
さらにアクションにショートカットキーを登録すると、全て手動で作業を行っていた時とは比べ物にならないくらい作業効率が上がると思います。
アクションの使用例を説明するのために、このようなややこしい効率化を行っていますが、
- 画像補正が自動で問題無い、最初からしている
- トリミングは撮影の段階でしている
- そもそもゴミは写真に写っていない
- ロゴの位置は決まっている
のような場合はルーチンワークをアクションで完全に自動化する事も可能だと思います。今回は自分のこのような方法を考えましたが、人によって色々な作業方法があるので賛否両論はあると思います。参考の中の1つになればと思います。
使用例はまだまだあるのですが長くなってしまったので応用の説明はここで終了します。
まとめ
今回はアクションを使った効率化について説明しました。
わからない所は実際に動かしながらゆっくり理解していくと良いと思います。
アクションを深く勉強したいなら、まず基本の機能をひと通り覚えるのが良いです。考えて作ったものでも、標準の機能で出来てしまうような事もあります。また記録できる操作もかなり多いので、実際に作りながら動かすと面白い発見もあったりします。
手っ取り早く覚えようと思ったら、PhotoshopのTip系記事や本の内容をアクション化するのが早いです。本の内容をひと通りアクション化すると、効率化以外の実力も結構付くと思います。
今回は説明しませんでしたが、ドロップレットやバッチという、さらに効率化する上級者向けの機能もあるのですが、そちらの機能も機会があればそのうち説明できればと思います。
皆さんもPhotoshopを使った効率化を進めて、作業環境の改善をを行って頂ければと思います。