規則的な斑点状のゴースト
強い逆光で写真を撮影するとごく稀に撮影結果に赤や緑の規則的な格子状の斑点(ゴースト)が現れることがあります。特に規則的な光源を撮ったわけでもないのに写真に写る謎の斑点。。
それはカメラやレンズの故障ではなく俗に「サッポロポテト現象」というデジタルカメラならではの現象です。今回はそんなサッポロポテト現象についてサクッと紹介してみましょう。
目次
- どうして「サッポロポテト」なのか
- サッポロポテト現象が発生するメカニズム
- まとめ
どうして「サッポロポテト」なのか
冒頭にも表示しましたが、まずはこの写真を見てみましょう。
光条に着目するのではなく、その右上あたりにある格子状のゴーストに注目。これ、カルビーのサッポロポテト バーベキュー味 の形に似ていませんか?(笑)
最近お店であんまり見かけない気もしますが、小さいときによく食べてました^^
写真に発生するゴーストの形状と、カルビーのサッポロポテトの形状がよく似ていることからカメラマンの間ではこのような現象を「サッポロポテト現象」と呼ぶようになったようです。
正式になんて呼ぶのでしょうねぇ。。知ってる方いたら教えて下さい
サッポロポテト現象が発生するメカニズム
ではなぜこのような規則的なゴーストが発生するのかということです。普通のゴーストというのはこのような格子状の模様にはならずこんな感じになりますよね。
格子状の模様は出てきません。このような典型的なゴーストは太陽など非常に強い光源を撮影した場合、光がセンサー面やレンズの間などカメラ内で反射を繰り返して写真に写り込んでしまう現象です。
光源と画面中央を結んだ反対側に発生するのが一般的。
おまけ:ゴーストとフレア
ちなみに、写真の世界では意図しない光の映り込みをフレアやゴーストという言葉で表現しますが、フレアというのは全体がモヤモヤとしてコントラストが下がっているような現象のこと。ゴーストはハッキリと特定の形が写っている場合に使うことが多いです。
今回はハッキリと格子状の斑点が写っているのでゴーストの仲間でしょう。
このへんも覚えておくと良いかも知れませんね。
センサーのマイクロレンズに反射
サッポロポテト現象の細かなゴーストは通常とは異なり、より深部にあるイメージセンサーのマイクロレンズに反射した光が映り込んでしまった特殊な現象です。
デジタルカメラのイメージセンサーには光をより多く捕らえるために、画素ごとに非常に細かなレンズがついています。このレンズの表面で反射してしまった光が、その直上にあるIRカットフィルターや(通常の)レンズに反射して映り込んだものなのですね。だから規則的にゴーストが並んでいるのです。
絵にするとこんな感じ。
マイクロレンズがあるお陰で、デジカメの高感度化など様々な恩恵を受けているわけですがその副作用としてごく稀にこのような現象に見舞われることがあります。。
通常のゴーストは主にレンズに由来するので、反射防止コーティングに優れた高級なレンズを使うほど発生を抑えることができますが、サッポロポテト現象はカメラ側のセンサーに由来するので対策は難しいです。
対策:あまり心配することはないけど。。
とはいえ、カメラメーカー各社ではマイクロレンズの表面などあらゆるところで反射を防ぐような対策をしているでしょうから、滅多なことでは発生しません^^ (たまに特定のカメラで発生しやすいという話も耳にしますが。。シグマのDP1が有名)
経験上、暗い場所に射し込む強烈な太陽の光をF16くらいで大きく絞ったときにたまーに発生するかなぁといった感じ。キヤノンのカメラでもニコンのカメラでもどっちも発生したことがあります。
暗い所で出やすいというよりは、陰になっているような暗い所ではゴーストが目立ちやすいので顕在化するといった方が正確かもしれません。
サッポロポテト現象が発生するポイントは非常に限られているので、運悪く映り込んでしまった場合は少し角度を変えてみると解消することが多いです。
あとはフィルムカメラで撮ることでしょうか(笑)フィルムにはマイクロレンズがないのでサッポロポテト現象は発生しないはずです。
まとめ
ということでマニアックなゴーストの話をしてみました。
かっちり絞って風景を撮る人なんかは経験があるかも知れませんね。通常のゴーストなら発生しても太陽らしい雰囲気を表せるので、個人的にはあまり気にしないのですが、サッポロポテト現象は発生してしまうとあまり良い印象にならないのが困ったところです。レタッチで消すのも大変だし。。
まぁめったなことでは出ないので、出てしまったら開き直って「ラッキー!」とでも思うくらいが良いのかも知れません(笑)