そんなわけで、今回は一歩進んだカメラのレンズ清掃についてご紹介します。動画付きです!
センサー清掃も可能なこだわり派向けの方法
カメラのレンズの汚れは画質低下に直結するため、こまめに清掃する必要があります。また、汚れたまま放っておけば、画質の低下ばかりかレンズのコーティングを痛めたりしてレンズの寿命そのものを縮めてしまうリスクもあります。
実はカメラやレンズのメンテナンスの方法については、以前studio9でもで詳しくご紹介しています。
基本的には上記記事を参考にしていただければかなりしっかり清掃が出来るわけですが、さらに一歩進んだメンテナンスをしたい方のための中~上級者向きです。上記記事では、レンズペンやクリーニングティッシュを使った方法を紹介しましたが、今回はアルコールを使った清掃方法について紹介します。
最初にちょっどだけ慣れが必要なので動画でもくわしく解説していますよ。
この方法の優れているポイントは洗浄力が高く、そのままイメージセンサーの清掃にも転用出来るという点。カメラメーカーのサービスセンターでも(たぶん)今回と同じか類似の方法で清掃がされている方法です。
追記:イメージセンサーの清掃方法もアップしました!
*今回ご紹介する方法は、私自身も使用し問題ない事を確かめていますが、もちろんすべてのレンズを試したわけではありません。各自自己責任のもとお試し下さい。
特にコーティングの古いオールドレンズの場合は詳しくないので使用前に良く確認を。
レンズ清掃の三大方式とは?
レンズの清掃をする場合は、レンズ面(フィルター)と鏡筒(筒の部分)を清掃する必要がありますが、ココではレンズ面の清掃に絞って紹介していきます。
鏡筒の清掃は下記リンクを参考にしてみてください。レンズ面ほど気を遣わなくていいのでかんたんです。
乾式と湿式
レンズ面(フィルター)の清掃には大きく分けて、乾式と湿式の2通りがあります。
乾式はお手軽
字を見ればだいたいイメージ出来ると思いますが、「乾式」というのは乾いたもの(状態)で清掃するという方法。
代表的なものがハクバのレンズペンですね。
使用時に濡らす必要がないので、いつでもどこでも手軽に使う事ができて便利です。ただし、乾いた状態でガラスを擦るので洗浄力が低かったり、摩擦係数が大きくキズが付く恐れがあります。
レンズペンの場合は、軟らかなセーム革のチップに洗浄力を高める汚れ吸着用のカーボンパウダーが付いているので、使用前に大きなゴミさえ落としておけば心配する必要はありませんが、乾いたティッシュや布で拭くのは避けましょう。
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湿式:界面活性剤方式とアルコール方式
一方の「湿式」は濡れた状態で清掃をするため、洗浄力も高く、レンズに優しい方式ですが、使用前に濡らす必要があるのでやや面倒です。。
一般的な界面活性剤方式
濡らすための薬剤は大きく2通りに分ける事ができ、一般的なのは界面活性剤方式かと思います。
以前のエントリーでも紹介したKing クリーニングティッシュは界面活性剤方式で、あらかじめちょうど良く湿らせたクリーニングティッシュが個装されているので、現地で濡らす必要がなく、私のお気に入りアイテムの一つです。
他にFUJIFILMのレンズクリーニングリキッドなんてのは非常に有名ですよね。
ちなみに界面活性剤とは、ざっくり言えば洗剤です。濃度の非常に薄い洗剤溶液で拭くため、水溶性の汚れにも、油性の汚れにも効果があると言うわけです。
ただし、この方式は洗浄液が水溶液であるため、乾きが遅く拭きのこりしやすいという欠点があります。
(乾いた後にごく僅かに界面活性剤(≒洗剤)がレンズに残るためコーティングに良くないと言う人もいますが、個人的にはレンズ清掃用の液を使っていれば気にする必要は無いと思っています。)
玄人向けのアルコール方式
もう一つのアルコール方式というのが今回ご紹介する方法です。
通常レンズ清掃に使うアルコールは無水エタノールです。エタノールは水と油の両方の性質を持つので、水溶性の汚れにも油性の汚れにも効果があります。特に油性の汚れには効果抜群なので、レンズ表面に油性マジックで落書きしてもエタノールなら簡単に落とせます(マジックの成分でコーティングが傷む可能性があるのでやらないで下さい^^;)。
HCL(堀内カラー)のレンズクリーナー、デジタルクリーナーはこのタイプ。レンズクリーナーの中身は後述するEE-3310、デジタルクリーナーは無水エタノールです。
また、水の沸点が100℃に対して、エタノールは78℃なので乾きが早く拭き残りも少ない、蒸発してしまえばレンズには何も残らないという長所もあります。
ただし、無水エタノールは引火性物質なので取り扱いに注意が必要であったり、携帯性に難があるといった欠点もあります。もちろん、航空機への持ち込みは出来ません。
追記)便利なアルコール方式の個包装ペーパーもあるよ
この記事では本格的な方法を紹介していますが、今は便利な個包装タイプのアルコール式クリーニングペーパーも出ています(記事執筆時は良いのが無かったのです)。おすすめはハクバのクリーニングティッシュと激落ちくん。
ハクバのペーパーは上で紹介したKingのクリーニングペーパーがアルコールタイプになったイメージ。結構乾きが早く拭き跡も残りづらいです(慣れないと多少は残る)。安いので私は現場でちょっとした汚れを取るときにガンガン使ってます。最近はKingのよりこっち使う方が多いかな。
激落ちくんはなんだかレンズ傷つきそうな名前ですが、とても柔らかなペーパーにアルコールが含まれています。ハクバのよりもさらに速乾性。夏場は袋から出してすぐ拭かないとカラカラになるくらい。そのぶんこのペーパー使えばほとんど拭き跡残ることはありません。仕上げ拭きに最適。
ちょっと割高ですが、この記事の内容のハードルが高いな。。と思った人は激落ちくんがおすすめです。(ただしイメージセンサーには使えません)
汚れやシーンに応じて最適な方法を選ぼう
ということで、レンズの清掃には、乾式、湿式(界面活性剤方式)、湿式(アルコール方式)の3つがよく使われます。
どの方式も長所、短所があるため汚れや使用する場所によって使い分けが必要ですが、今回紹介するアルコール方式は洗浄力も強く、清掃後に不要な成分が残らない、拭きムラも起こりにくいという長所があり、カメラのイメージセンサーにも使う事が出来きます。
そのため、カメラメーカーのサービスセンターではこのアルコール方式*を使ってレンズを清掃する事が多いようです。
*アルコールに別の溶剤を混ぜた秘伝のオリジナル洗浄液を使っているはずです
準備する道具
そんなアルコール方式の清掃をするためのアイテムについてご紹介します。
やや上級者向きなのであらかじめ揃えるべき特殊なアイテムがいくつかありますが、ほぼすべてヨドバシカメラなどの専門店やアマゾンで入手可能。
必ず”無水”エタノール
洗浄液に使うアルコールは、必ず”無水”エタノールを用意して下さい。薬局でも500ml入り1,000~1,500円くらいで買えると思います。普通なら500mlで一生持つくらいの量。落書きやシール剥がしにも使えるので一本常備していると何かと役立ちます(別用途で使って中を汚染しない事)。
紛らわしいもので、消毒用エタノールというものも売られている場合がありますが、こちらはアルコール濃度の低い別物。レンズ清掃に使うためには必ず無水エタノールを用意して下さい。
比較的簡単に入手可能ですが、引火性液体で危険物に指定されていますので、扱う際は火気厳禁。間違ってもたばこを吸いながら作業するなんてことは止めて下さいね。
拭くときは必ずシルボン紙で
アルコールを浸して拭くための紙は「シルボン紙」という専用の紙を使います。一見ティッシュのような薄い紙ですが、この紙は拭くときに塵が非常に出にくいのでレンズなど精密機器の清掃に最適です。カメラ業界ではなぜか「シルボン紙」といわれていますが、製品名はダスパー(小津産業)です。
パルプではなくレーヨンで出来た紙なのですが、レーヨンはパルプを原料にした化学繊維で別名、人造絹糸。シルクのような軟らかな風合いが特徴です。
ちなみに、レンズ清掃をするときにキムワイプを使うと言う人もいますが、こちらはパルプ製でシルボン紙(ダスパー)に比べて繊維が荒く、塵が出やすいです。また、ティッシュのように使った後の紙がつねに外に出ているのでそこに埃が溜まる事も問題点。触った感じもシルボン紙よりガサガサして固いです。
前職が化学の研究職だったのでキムワイプにはただならぬ愛着があるのですが(笑)、レンズ清掃にはキムワイプよりシルボン紙(ダスパー)をオススメします。
キムワイプにガラス繊維は入っていない
ただ、一部界隈でキムワイプにはガラス繊維が入っているからレンズに傷が付くという話がまことしやかに広まっていますがそれは嘘です。どうしてそんな都市伝説が出来てしまったのは謎ですが、キムワイプの原料は100%パルプ。ただ、これで鼻をかむと鼻下がヒリヒリするくらい固いペーパーであるのは事実ですが^^;
シルボン紙は大きめの量販店でないと入手できなさそうですが、これもアマゾンで買えます。1,000枚入りで1,500円くらい。量を考えれば殆どタダみたいな紙なのでじゃんじゃん使えます。
また、保管するときは埃が付かないようにタッパーなどに小分けして保管しておきましょう。
キレイに拭くためのキーアイテム
最低限、アルコールとシルボン紙があれば何とかなりますが、これだけではやや不十分。。
続いて必要なのが、「ハンドラップ」というアイテムです。始めて聞く方も多いかも知れませんが、こちらアルコールを少量ずつ出すことができる便利アイテムです。必需品だと思っても良いです。
上の小さなお皿の部分を下に押し込むとちょっとだけ中の液体が出てきます。
これも「ハンドラップ」と検索すれば様々な種類が出てきますが、小さめのもので十分。一般的にはHCL(堀内カラー)のハンドラップが有名ですが、私はアズワンのハンドラップ 200 を使っています。ただ安かったので。。
中身が揮発性なので蓋がわりとしっかり閉まる所も気に入っています。HCLのは蓋はかぶせるだけっぽい。
ビー玉でかさ増し
レンズ清掃に使うアルコールはさほど量を必要としないので、私はかさ増し(底上げ)のためにハンドラップの底にビー玉を敷いています。カラフルで楽しげでしょ?
*入れるのはアルコールに侵されないガラス製のものにしましょう。
読者の方から情報を頂いたところ、HCLのハンドラップの口のサイズは14.5mmしかなく、一般的なビー玉(15mm)は入らないらしいです。この方はインテリアや水槽に使うガラス製の小砂利を入れて底上げ出来たとの事。HCLのものを使う方は参考にしてみてください。ちなみにアズワンのハンドラップ200は口のサイズが約17mmです。
情報のご提供ありがとうございました!
シルボン紙を巻き付ける棒
手でシルボン紙を持って拭くと、手脂などが移ってしまう可能性があるのでシルボン紙を巻き付ける棒を用意しましょう。その辺の割り箸でもOK。私は耐久性を考えて竹製の箸削って自作して使ってます。
そのままでも良いですが、箸の太い方を平らになるように削るとシルボン紙を巻き付けやすいです。自分の手になじむようにカッターで削って自作してしまいましょう。
ちなみに、キヤノンのサービスセンターの人はレンズ表面を拭くときは指サックをしてその上に直接シルボン紙を巻いて指で清掃するのがスタンダードっぽいです。棒を使うのはニコン式?
いつでも大活躍のブロアー
これは既に持っている人が多いと思いますので、持っているものを使い回せばOKです。ただし、センサー清掃まで考えると古いものは内部にゴミが溜まっている可能性があるので注意。
私は劣化しにくいシリコンゴム製のハクバ シリコンブロアーを清掃専用に1つ用意しています。
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準備すべきアイテムはこんな感じでしょうか。これらに加えて、保管中に埃が入らないような工具箱やプラスチックケースも準備するといいですね。
↓私は100均で見つけました^^; 大きめのケースって意外と高いですよね。。
すべて揃えるとなると5,000円程度の出費となり、まぁまぁの出費になりますが、一度揃えれば相当長く使えますし、センサー清掃まで出来る事を考えれば悪くない出費な気もします。
面倒な人はニコン純正のオールインワンセットも
ちなみに、それぞれバラで揃えるのが面倒くさいという人は、ニコン純正のニコン クリーニングキットプロ をおすすめしておきます。
これは、どうやらニコンのサービスセンターでも実際に使われているプロキットの様で、上記で紹介した、シルボン紙(500枚)、ハンドラップ(たぶんHCL製)、専用のクリーニング棒、ブロアーに加え、ハケ、クリーニングクロス、収納ボックスがセットになっています。(エタノールは別途購入しなければならない)
さらに、ニコン公式のクリーニングキットの使い方DVDと、ニコンユーザーならショールームで行っているセンサークリーニング講習(無料)への参加権までついているらしい。
それぞれバラで揃えれば5,000~6,000円のところ、お値段9,000円程度とやや高いですが、DVDが付いていたり、ニコンユーザーなら無料でセンサー清掃講習も受けられることを考えれば、そこそこ適正な価格なのかな?と思います。
キレイに清掃する手順
さて、道具が揃ったらあとはこれらを使いこなすだけ。
動画あります!
この辺の操作方法は実際の動きを見ていただいた方が早いと思うので、動画を用意しています。ぜひ動画を見てみて下さい。
前半はここまでの内容(必要な道具についてなど)、後編が実際の使い方をご紹介しています。
【前編】必要な道具や便利アイテムについて
【後編】清掃の手順や注意事項について
2015年のstudio9は動画配信にも力を入れていきます。これからカメラ関連の動画を充実させていく予定なのでよかったらチャンネル登録してみてくださいね。
クリーニングの手順は以下の通りです。
基本的な方法はアルコール方式に限らず、乾式や界面活性剤方式とだいたい同じです。
1.ボディ、レンズ周りのゴミをブロアーで落とす
清掃する場合はレンズを外して作業するのがおすすめ。ボディやレンズ本体が汚れているとレンズを外したときにゴミが内部に入ってしまう可能性があるので、全体的にブロアー(あれはハケも)つかって大きなゴミを落としましょう。
もちろんレンズ面の大きなチリも吹き飛ばしておきます。
普段から手入れをしていて、ホコリを飛ばしただけで汚れが見えなくなるのであれば当然これ以上何もする必要はありません。指紋やプツプツとした何かが飛んできたような汚れがある場合は次の拭き掃除へ。
2.レンズを外す
レンズをはずしたら、ボディとレンズの後玉には忘れずにキャップをします。
保護フィルターを常用している人はレンズ面は殆ど汚れていないと思うので、付けっぱなしのままフィルター面のみの清掃で問題ないです。
3.クリーニング棒にシルボン紙を巻く
巻き方はコレと言って決まっているわけではないですが、おすすめはシルボン紙の端っこを三角形に折って、そこから巻いていく方法(動画を見てね)。
重要なのは、箸の先端から数ミリ分くらいシルボン紙が飛び出ている感じに巻く事。ギリギリに巻くと箸の固い部分がレンズに当たってしまいます。
いろんなところで鯉の口のように巻くなんて紹介されていますが、鯉の口ってこんなんだったっけ?鯉のぼりの口のほうが近い気がするw
4.ハンドラップでアルコールをシルボン紙に付ける
使用するハンドラップによって1回に出る量が違うので何とも言えませんが、私の使っているアズワンのハンドラップ 200なら1回でも良い感じ。多くても2回くらいかな?
アルコールは乾きが比較的早いので液残りはしにくいですが、付けすぎると残る場合があります。1~2回つけて液残りの無い量を探ってみましょう。
5.レンズの中心からクルクルと拭き取る
ここはどの方式でも同じ。レンズの中央から円を描くようにクルクルと回し拭いていきます。端っこに到達したら、スッと力を抜きながらレンズから棒を離します。
端から始めてしまうと、隅に溜まっていたゴミを中央に引っ張ってくる恐れがあるため必ずレンズの中心から。
動画を見ていただくと分かりますが、蒸発の早いアルコールなら拭いた先からスーっとキレイに液が揮発していきます。
汚れが付きにくいようなコーティング(キヤノンのフッ素コーティングやペンタックスのSPコーティングなど)が施されたレンズは少しでも液を付けすぎるとアルコールを弾いてしまい液残りしやすく難易度はやや高め。
最初に大きめの汚れを拭き取り、2回目はごく少量のアルコールを付けて弾かないように慎重に拭くと良い結果が得られると思います。
また、しつこい汚れがある場合は、まずそこをピンポイントに清掃してから2度目で全体を拭く感じで行うとよいでしょう。しつこい汚れはゴシゴシ拭き取るというよりは、アルコールで汚れを浮かせて、シルボン紙に移すような感覚で行うと良いかな。
6.一度でも使ったシルボン紙は捨てる!
一度でも使ったシルボン紙は勿体ないと思わずに捨てましょう。1枚1円くらいなもんです。じゃんじゃん新しいものを使いましょう。「使ったらすぐ捨てる」これが鉄則です。
ゴミが付いた紙で同じ所を拭くのは汚れをただのばしているだけ。。
7.必要があれば後玉も同様にクリーニング
後玉が汚れている場合は同じ手順でクリーニング。クリーニング棒は細いため、奥まったところにある後玉の清掃もラクチンです。
汚れていない場合はもちろんやらなくてOKです。
8.レンズキャップの埃も飛ばして終了!
レンズの汚れは気にするのにキャップの汚れを気にしない人がたまにいますが、それ全然意味ないですから。。^^;
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とそんな所です。書くと長くなりましたが一連の操作をやっても1本1~2分で終わる感じです。
魔法の液体を使ってみる?
上記の流れでほぼ問題ないですが、さらに上を目指すならアルコール洗浄液にこだわってみるのも良いかもしれません。
無水エタノールは水溶液(界面活性剤)に比べれば乾きは早いですが、気温の低い冬なんかはやや液残りが発生する可能性もあります。特にセンサー(ローパスフィルター)は液をはじきやすく、液残りがしやすいのです。。
そこで、さらに洗浄液の乾きが早くなる魔法の液体があります。それがオリンパスの ハイパークリーン EE-6310という洗浄液。EE-6310はエタノールとイソヘキサンの混合物(1:4くらいの割合)で沸点が約58℃(エタノールは78℃)。
これが秘伝のレシピ?
以前、キヤノンのサービスセンターの方に伺ったところ、キヤノンでもエタノールにイソヘキサンを混ぜて使ってますと言っていたので、このイソヘキサン入り洗浄液はメーカーのプロたちが使っている溶液に近いのかもしれません(同じかどうかは分からないですが)。
特に、センサー清掃する際に乾きが早く液残りも少ないので重宝しています。
ただし、このHyperClean EE-6310はオリンパス製ではありますが、業務用なので一般販売はされていません。私の知る限りネットショップの NetCafePhoto さんでなら入手可能。NetCafePhotoさんはEE-6310以外にもサイズの大きなシルボン紙を扱っていたりとなかなかマニアックな商品を売ってます。
500ml瓶で約2,500円と無水エタノールに比べると高価ですが液残りに悩んでいるなら試してみる価値はあると思います。
ちなみに私は、このEE-6310と無水エタノールを1:1で混ぜたものを普段使ってクリーニングしています。単純に高価な液体なのでかさ増しという意味もありますが、EE-6310だとイソヘキサン比率が高すぎて、親水性が低い(水溶性の汚れに弱い)んじゃないかな?と考えエタノールを足して使っています。
1:1で混ぜてもさらりと乾いてくれるので良い感じですよ。
なお、姉妹品のEE-3310(これは市販されてる)は揮発性シリコーンとエタノールの混合物でEE-6310とは別物。HCL(堀内カラー)のレンズクリーナーの中身はこのEE-3310です。EE-6310とEE-3310は中身が違うので注意。
EE-6310はセンサー清掃OKですが、EE-3310はセンサー清掃にまで使えるかどうかはよく分からないです。。たぶん、EE-3310はシリコーンの高分子成分も僅かに含まれていそうだからセンサーには使わない方が無難なんじゃないかなぁと思ったり。
まとめ
といことで、ちょっとマニアックなレンズ清掃の上級編をご紹介してみました。
個人的には、外出先ではレンズペンや界面活性剤方式のKing クリーニングティッシュ、お家でのメンテナンスはこのアルコール方式を使っています。
アルコール方式が万能ということではありませんが、通常の汚れはこの方式が最もキレイに仕上がるかなと思います。
ただし、最初にも言いましたが、オールドレンズなどかなり古いレンズなどに使う場合は念のため注意して下さいね。どうしても心配な場合は、レンズの端っこに少量で試してから使ってみるのも良いかと思います。
ここまで道具を揃えられればセンサーの清掃は簡単です。次回はイメージセンサー(ローパスフィルター)の清掃をご紹介してみようと思います!