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これ一台で全部OK。万能でコスパも良いカラーマネジメントモニターSW270C【長期使用レビュー】

更新日: by 中原 一雄

 

SW270C レビュー

なんでも出来ちゃうカラーマネジメントモニター

ここ数年、カラーマネジメントモニターを取っ替え引っ替えしながら使っている私ですが、ここ数ヶ月のあいだメインモニターの座に居座っているのがBenQのSW270Cです。

写真編集用のモニターを選ぶ上で大事なポイントはいくつかありますがなかでも「色を正確に表示できること」「色を適切にコントロールできること」「操作や運用が簡単であること」「多くの人が使っていて実績があること」「万が一不調になったときのサポートがしっかりしていること」「コストパフォーマンスが良いこと」の6つのポイントはとても大事だと思っています。

これらすべてを100点満点になるモニターは残念ながらこの世に存在しません。性能を高めれば高めるほど高価になったり、安すぎると性能面やサポート面でなんだか不安。。といったことが起こってくるから。

そんななか、今私が使っているBenQ SW270Cはこれらのポイントをすべて良い感じで満たしてくれる、欠点が非常に少ない写真編集用モニターと言えそうです。

SW270Cの機能面での詳細なレビューは以前以下のエントリーで行いましたが、今回はそこからしばらくメインモニターとして使ってきた私の実体験を交えながら上記6つのポイントをテーマに様々な角度からSW270Cの使用感をレビューしてみたいと思います。

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*本記事はBenQさん提供のタイアップ記事です

色を正確に表示できること

ここは前回のSW270C詳細レビューを読んでね、おしまい。としても良いのですがざっくり概要を説明すれば、SW270Cの色の表示性能の強みはAdobeRGBを99%カバーする広色域パネルを使うだけでなく、パネル全面でムラ補正して出荷されていることでしょうか。BenQ製品内で高い色表示性能を有するモニターにつけられる「AQCOLOR」を冠したモデルになります。

AQCOLOR

映像業界でよく使われるDCI P3色域についても97%をカバーするナイスなパネルが使われているのもポイント。

SW270C 色域

私の個体は実測でDCI P3 97.1%カバーでした。AdobeRGBカバー率は99.4%

普通のモニターとは次元の違う性能

もうこの時点で、その辺の電気屋さんに並べられているパソコン用モニターとは次元の違う性能になっています。昔の液晶モニターや普通のノートPCを使っている人がSW270Cを使うと「なにこれ、すごいキレイに見えるんだけど!(語彙力」となってしまうことでしょう。

やや専門的な内容ですが、SW270Cの色に関するビューは下記エントリーも参考にどうぞ!

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業界の各種認証も取得済み

SW270CはPantone認証、CalMAN認証などカラーに関する業界の認証も取得しているのもポイント。プロユースなどより高度な使い方にも対応出来ます。

4Kではないよ

SW270Cは残念ながら今流行の4KではなくWQHD(2560x1440)解像度となります。

ちょうどFullHDと4Kの間の規格ですね。確かに4K緻密な表示は一度使うとやめられない中毒性のようなものがありますが、写真編集用モニターとして考えるならWQHD程度の解像度でも十分な画素密度がありますので4Kである事は写真編集モニターの絶対条件ではありません。

色を適切にコントロールできること

SW270Cは普通のパソコン用モニターではなく、カラー”マネジメント”モニターです。色を適切に管理しながら使用するためのモニターなのです。

性能を活かすならキャリブレーター必須

パソコンにつないで「わぁキレイだね」とするだけだとSW270Cの性能の半分は捨てているといっても良いレベル。液晶モニターは経時で色が徐々に変わっていく性質がありますから、買った時のまま何もしないでずっと使っていると、同じ写真なのに昔と違う色で見えている。。ということになってしまいます。

SW270Cなどのカラーマネジメントモニターは専用の測色計(キャリブレーター)をモニターと連携させながら、見た目の勘ではなく機械によって色を微調整しながら常に同じ色で表示を続けることが可能になります。

SW270C i1pro2

プロ向けのi1 Pro2でもキャリブレーション可能です

*キャリブレーターは別売りになってしまいますが、様々なモニターに使えるのでモニターの色を整えるならぜひ持っていましょう。BenQさんに怒られそうですがカラーマネジメントするならモニター新しくするよりまずはキャリブレーター買いましょうと言っちゃえるくらい大事です。個人的なおすすめはX-Rite社の i1 Display Pro。業界標準的なものなのでこれ持ってれば損しません。

また、キャリブレーターがあれば部屋の照明の色(白色点)とモニターの白色点を同じに揃えることも簡単。そうすることでプリントの色合わせも容易に行うことが可能になります。

操作や運用が簡単であること

モニターを買ったは良いけど、運用が大変で機能を使いこなせない。。というのでは意味がありませんよね。

SW270CやほかのSWシリーズのモニターはモニターのメニュー体系がシンプルだったり、よく使う機能をカスタム割り当てできるショートカットボタンのようなものがあったり、コントローラーを繋いで手元ですべてのメニューを操作できるというった利便性があります。

SW270C 外観

ホットキーパック G2はよいぞ。これを使えばモニターに一切触れずにすべてのメニュー操作ができる。ショートカットボタン付き。

専用のキャリブレーションソフト(Palette Master Element)についても簡易と詳細の二つのモードがあるので初心者から上級者までしっかり使えます。

ロケでも使えるよ

時々スタジオでのロケなどでモニターを持ち出すことがありますがSW270Cはベゼルが薄く、そんなに重くないので車を使うなら十分持ち運べるサイズ感です。付属の箱はモニターフードが同梱されている関係で超デカいので、個人的にはこんな感じでパネル部のみ段ボールで覆ってあげるだけで運んじゃいます(車に乗せるときは転倒防止などしっかり考えて。自己責任にて。。)。

SW270C レビュー

SW270C レビュー

持ち手もしっかりついてるので現場での運用も結構ラクチンです。

ややネタ感ありますが、大きいスーツケースならSW270Cも持ち運べますw パネルと脚の部分はすべて工具不要で分解&組み立てできるため持ち運びするのも便利なのです。

SW270C レビュー

これで海外出張にもSW270C持っていけるぜw

私のモバイルPCはMacBook Pro 13インチ(2016)の今となってはちょい非力なPCですが、WQHD解像度だと結構安心して使えます。

USB TypeCが便利すぎる

さらに運用面でのポイントはUSB TypeC(給電有り)に対応していること。ロケ先で使うときなどマジで快適すぎてヤバいです。

私が使うMacBookProや最近のノートPCにはUSB TypeCだけでHDMIポートなどついていないことも珍しくありません。従来のHDMIケーブルで接続することを考えると、MBPにHDMI変換アダプターを入れ、HDMIケーブルでモニターと接続、つづいてACアダプターにUSB TypeCケーブルを繋ぎ、PCと接続。。という4つのアイテムを繋ぐという複雑なことをしなければいけません。どれか1つでも現場に忘れていくと死亡確定です。

SW270C レビュー

でもSW270CならモニターとMBPをUSB TypeCケーブル1本繋ぐだけで接続完了。カメラ側もUSB TypeC対応のものが増えてきているので、カメラ、パソコン、モニターをすべて連携するのにケーブル2本で済むという便利さです。ソニーのカメラならUSB Type-Cで接続している間はPCからの給電も受け付けるので電池の減りも心配ありません。SW270Cからの給電がPCを通じてカメラまで行ってくれるのです。現場ではかなり最高。
(もちろんPCとカメラを無線で接続すれば必要なケーブルは1本でOKです。カメラの電池は消費するけど)

SW270C レビュー

ケーブル2本でテザー撮影&モニタリング環境が構築出来る

ただ、画像転送(DP Alt mode)、高速データ通信、給電まで対応する万能USB TypeCケーブルはあまり長いものは作れないようで一般に手に入るものだと調べた限り2mのものが最長な気がします(付属のTypeCケーブルは約1m)。長い距離を繋ぐ必要がある場合はちょっと注意しましょう。Thunderbolt3に対応するケーブルが色々安心ですね。

個人的に以下の2つのUSB TypeCケーブルを試しましたがいずれも大丈夫そう(転送スピードはしっかり検証していません)。どっちも2mです。

↑ちょっと高いけど線もゴワゴワせず品質良さげ

多くの人が使っていて実績があること

BenQが本格的にカラーマネジメントモニター分野に参入したのは2016年のSW2700PTからで、また3年ちょっとしか経っていないのですが、この3年の間にユーザーが急速に増えています。

捕捉:BenQ最初のカラーマネジメントモニターは実は2014年のPG2401PTでそれを発売する前に2年ほど現場のヒヤリングや製品開発を進めていたので、カラーマネジメントモニターの開発、製造はかれこれ10年くらいの実績があります。このへんの歴史的な話はデジカメWatchさんの記事が詳しいです(私がインタビューしましたw
特別企画:TIPA 2019受賞記念 カラーマネジメントモニターにかけるBenQの情熱とは - デジカメ Watch

私が最初にBenQのカラーマネジメントモニター(SW2700PT)を使った2016年頃はBenQのカラーマネジメントモニター使ってる人はかなり僅かでしたが、その後ラインナップも増え、BenQ良いじゃん!というクチコミやレビューも増えて、実際に私のまわりでもBenQのモニター使う人がかなり増えてる実感があります。

CP+での出展も常連になっており、写真業界がシュリンクしていく中で毎年ブーズのサイズが拡大しているのでかなり波に乗っているのだと思います。

使っている人が多ければユーザー同士の情報交換も出来ますし、ググればレビュー書いている人も多いので困った時も検索すれば意外と解決しやすいです。もちろんstudio9でも多くのBenQカラーマネジメントモニターをレビューしてますのでサイト内検索で「BenQ」とか入れてみてください。

万が一不調になったときのサポートがしっかりしていること

困った時はググればある程度解決出来る程度に使用しているユーザーが増えてきた訳ですが、それでも解決出来なければ直接メーカーのサポートに問い合わせるのが良いですよね。

BenQは台湾の会社ですが、ちゃんと日本法人がありますのでサポートなども日本語でやりとり可能です。このあたりは普通の国内メーカーと同じような感じでサポート受けられるので安心です。

3年の製品保証&センドバックサービス

通常のモニターは標準の製品保証が1年しかありませんが、SW270Cを含め「AQCOLORシリーズ」のモニターは標準で3年の製品保証が付いているのも良いポイントです。
*執筆時現在(2019)、SWやPVシリーズはすべてAQCOLOR対応です

カメラやレンズは1年しか保証付いてないですからね。

センドバックサービスで壊れたときも安心

特にプロユーザーにとって嬉しいのは万が一の故障時、SW270Cは修理の間代替機の貸し出しを受けられるセンドバックサービスにも対応していることです。

修理になるとある程度の期間、モニターが手元からなくなってしまうため仕事に支障が出てしまいますが、AQCOLORシリーズのモニターであれば別途5,000円で同じもの(または同等性能のもの)を修理期間中借りることが出来ます。

この5,000円の中にはモニターの送料も含まれています。修理モニターの往復送料、代替機の往復送料まで含まれると考えればかなり安いと思います(モニターは箱がでかいので片道で2,000円くらいかかる)。

ここまでのサポートやってるメーカーはホント少ないので使っていて結構安心感があります。かなり気合い入ったサポートです。

コストパフォーマンスが良いこと

性能の良い製品は使っていてとても便利な訳ですが最後には「でもお高いんでしょ?」と残念な気持ちになってしまうことが多いですが、SW270Cはコスパもかなりいいのがスゴい所です。

27インチ、WQHDの広色域でハードウェアキャリブレーションに対応し、16bit 3D LUTであり、ムラも補正済み。給電対応のUSB TypeCも使え、HDRにも対応。専用コントローラーがあり、本格的なモニターフードまで付くという全部入りのスペックなのに10万円を切るんだからヤバいです。

(捕捉)モニター10万とかたけーよ!と思う人もいるかも知れませんが、カラーマネジメントモニターはカメラで言うと入門機とプロ機ほどの差があります。このスペックのモニター、数年前なら20~30万円が普通でした。

それでいて3年保証があり、代替機の貸し出しサービスまであるんですから。

一般ユーザーでもちょっと背伸びすれば手が届く超高性能モニターな訳です。購入するショップによっては5%キャッシュレス還元を使えば9万円を切ってくる価格(執筆時)で、2016年発売のSW2700PTとの価格差が2万円くらいです。

ほぼ全方位に性能進化しているので、個人的に今ならSW2700PTよりSW270Cの方がずっとお得感を感じるところです。

使っていてイマイチだったところは?

SW270Cはほとんどの要素が一定水準以上の性能があり欠点が少ないため、良い事ばかり書き並べてしまいましたが、もちろんすべてにおいて完璧という訳ではありません。

例えば表示性能に関しては、前回のレビューでも指摘したようにPV270の方が多少優れていたりしますし、写真の鑑賞も含めてより滑らかな表示を期待するなら4KのSW271の方が良かったりもします。

アプリを使いやすくしたら無敵になるのでぜひお願いします

レビューの度に毎回指摘しているカラーマネジメントソフト(Palette Master Element)の使い勝手や安定性に関してはもうちょっと頑張って欲しいというのが正直なところ。

何か不具合などあればキチンと対応してくれますし、様々な分野で問題多発な困ったちゃんのmacOS 10.15(Catalina)にも対応済みなどしっかり使えるアプリではありますが、モニター本体の性能に比べるとやや見劣りするかなと言うところ。使っていて気持ちよくはありません。

Palette Master Element BenQ

Palette Master Elementのリリースノート。結構頻繁にアップデートしてくれる

BenQ PD3220Uで使える「Display Pilot」とかかなり最高な感じがするのですが、これにキャリブレーション機能合体させてSWシリーズに対応してくれたら神だと思うのでぜひお願いしますw

まとめ:高バランスでおすすめです

ここ1~2年、カラーマネジメントモニターは他社も含めていろいろな選択肢が出てきておりさまざまな特徴をもつものがありますが、SW270Cに関して言えば値段含めて「ハイバランスでこれを買っておけば間違いない」というレベルの仕上がりだと思います。

前回のSW270Cのレビューは発売前からBenQさんにお借りしていたものでしたが、その後個人的にそのままお買い上げしました(何台カラーマネジメントモニター買うんだよw) 少なくとも私が自腹切ってでも使いたいなと思える程度には良いモノです。

これから新しくカラーマネジメントモニターを導入しようかなと思っている人はぜひ検討してみると良いと思いますよ。最近実店舗でもBenQのモニター置いている所が増えてきたので、街中でも実機を確認出来るところがあるかと思います(月島にある銀一さんとか展示してた気がする)。

YouTubeにもレビュー動画アップしてますよ!

提供、取材協力:ベンキュージャパン株式会社(http://www.benq.co.jp/)

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この記事を書いた人
中原 一雄 / カメラマン・中の人
普段はカメラマンとして活動しながらstudio9(すたじお・きゅう)の管理、運営をしています。「写真をもっと、あなたのそばに」をテーマに、カメラに使われるのではなく、カメラと友達になる方法を広めるために活動中のフォトグラファー。 中原 一雄のプロフィールページ

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