【照明に負けない!】クリップオンストロボのカラーフィルターでキレイに撮影!

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ストロボを使うとき、意外と忘れがちなのがストロボの光にも色があるということです。光にはみな色があるのです。ストロボを使う環境の光とストロボの光の色がバラバラだと色が定まらない残念な結果になってしまうことも。今回はストロボの光の色に着目してクリップオンストロボの応用的な使い方について紹介してみたいと思います。

実は深い、ストロボと色温度の関係

パチッと光って被写体を明るく照らすもの(光を補うもの)というのが一般的なストロボ(フラッシュ)のイメージかと思います。確かにストロボは光を補って明るくするものでもあるのですが(別の使い方もあるけど)、以外と忘れがちなのがストロボの光にも色があるということです。

ストロボを使う環境の光とストロボの光の色がバラバラだと色が定まらない残念な結果になってしまうことも。そこで今回はストロボの光の色に着目してクリップオンストロボの応用的な使い方について紹介してみたいと思います。

本日のコンテンツ

  • まず知ろう【色温度】
  • 【キレイな色味で撮るために】色温度調整の考え方
  • 【本編です】クリップオンストロボのカラーフィルターを使った色ムラ解消法
  • まとめ
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まず知ろう【色温度】

年々進化する一眼レフのクリップオンストロボ。最近の機種には、カラーセロハンの代わりに使える「カラーフィルター」と呼ばれる付属品がセットで付いています*。しかしこのカラーフィルター、どうやって使えばいいのでしょうか? 解説していきます。

*例えば、ニコンのSB-910やキヤノンの600EX II-RTなど上級ストロボを中心にカラーフィルターが同梱されているものがあります。同梱されていない場合でも後述するカラーフィルターを使えば色のコントロールが可能です。

「色温度」は物体の温度?

カラーフィルターの話に入る前に、知っておくべきことがあります。それは【色温度】です。「色温度なんて知ってるよ!」という方は飛ばしてください。

ここでいう「色温度」とは、”物体”の温度です。その温度を数字で示す際の単位は、絶対温度を表す「K」(読み方:ケルビン)です。

「物体の温度って何!?」と思う方いらっしゃるかもしれません。2017年になって、光を99%以上吸収する地球で最も黒い素材「ベンタブラック」が話題を呼んでいますね。色温度の考え方では”物体”を【光を100%吸収する黒い素材X】と仮定します(黒体とか完全放射体という)。

このX(物体)を熱し、それぞれの温度帯で見える光の色。これが「色温度」です。色の感じ方は人それぞれな曖昧なものなので、こうして色の基準を温度(K)に置き換えると話がしやすくなりますね。

色温度は、大ざっぱに言うと値が低いと赤く、高いと青くなります。例えばアツアツになった炭(1000度くらい)が赤く見えるのはこのためですし、空に浮かぶ星が白や少し青白く見えるのはその星の表面温度がものすごく高いから(5000度以上のものが多い)。

*ガスバーナーの炎の色が青く見えるのはガスと酸素が反応してできるラジカルによるもので、色温度とはちょっと違った要因です

炭の炎の色

▲炭は黒体(素材X)に近い物質で真っ赤な部分は1000℃近い

例えば太陽の光は物体Xを5000〜6000Kに加熱した時の色、蛍光灯や電球は物体Xを3000〜6500K(製品差有り)に加熱した時の色に近いです。環境によって色温度はバラバラなのです。

色の数値をカメラに教える

こうして曖昧な色を色温度で整理し、ケルビン値(以下、K値)という数字に変換することで、機械であるカメラに、適切な色情報を教えることができるようになります。

アナタのカメラの設定画面に「〜K」と4桁の数字があると思います。それがカメラの色温度の設定値。色温度を用いて【撮影環境の色味】を数値で確認することができるのです。

【キレイな色味で撮るために】色温度調整の考え方

それでは、この色温度の調整について見ていきましょう。

デジタルカメラにおける色温度の調整は、【写真全体の色味をホワイトバランス(以下、WB)の設定で変える】ことを指します。WBとはそのままの意味で、ホワイト(白色)のバランスを整えること。言いかえると【白いものが、白く写るように調整する】ことです。

デジタルカメラの色温度設定の対応は、自然界の色温度と真逆の色付けします。【赤い色味に青色を足し、青い色味に赤色を足して白色に近づけるためです】

ただここでこだわるとややこしくなってきます。考え方だけ覚えて、後は単純に、カメラのK値が【低ければ写真の色味が青くなり、高ければ赤くなる】と覚えればOKです。

それでは次に、実際のWBの設定方法を駆け足で見ていきます。

ホワイトバランスをマニュアル設定にする

デジタルカメラの多くには、撮影シーンに応じて色温度を変える様々な撮影モードがあります。その中でも今回は、マニュアル設定で調整していきます。

*ここではニコンのカメラを例に説明を進めて行きますが、キヤノンなど他社のカメラでも同じような設定項目があります。説明書をみてみましょう。

マニュアル設定のメリットの一つは【色温度の微調整が可能になる】ことです。これによって、オートモードや他撮影モードよりさらに細かく調整ができるようになります。一度マニュアルで調整できるようになれば、他撮影モードの意義も一層理解が深まると思います。ということで、設定の仕方を見ていきましょう。

WBの設定方法の一つがこちら。撮影メニューから【ホワイトバランス】を選択します。

【色温度設定】を選びます。

次の画面で、色温度の数値が表示されます。ここで色温度を調整していきます。

左の目盛りで青味(ブルー:Blue)と赤味(アンバー:Amber)で色温度を、右の目盛りで緑色(グリーン:Green)と赤紫色(マゼンタ:Magenta)の色かぶりを調整できます。カメラボディのコマンドダイヤル等を用いて調整することも可能です。

WBの実態がより視覚化されて分かりやすいので、プリセットマニュアルの座標グラフも見ておきましょう。

青味(ブルー)と赤味(アンバー)を縦軸、緑色(グリーン)と赤紫色(マゼンタ)を横軸にしたグラフです。色味をこの座標グラフ内で調整することができます。

このプリセットマニュアルは、撮影時のWBデータあるいは撮影済みの画像のWBデータを記録し、後日そのWBの設定値を用いることも可能。よく使う照明のWB、よく行く現場のWBを記録しておくと便利でしょう。

マニュアル設定は、最初は使いこなすのが「難しい!」と感じると思います。ですが、一度考え方や調整方法が分かれば、本当に細かい調整ができるのでヤミツキになります。この【白いものを白く撮る】という基本の調整方法が分かれば、今度は【色味をオシャレに調整する】工夫にもつながっていくでしょう。

現場でWBを設定する手順

ここからは実際に写真を使ってWBの基本の設定方法を見ていきましょう。

とにもかくにもまずは、何も考えずに撮影しましょう。この時点では、WBの数値設定がどうなっていてもOKです。

撮影環境の照明の色、カメラのWBの設定などによって、写真の色味は黄色くなったり青くなったりするなどバラバラでしょう。肉眼で、写真の色味が赤っぽいのか青っぽいのか、はたまた別の色が混じっているのかチェックしましょう。

ちなみに、この【目で色温度を識別する】という能力は決して特殊能力ではありません。色温度を意識して何度も何度も目を凝らしていると、カメラを使わずとも「あっ、ここの照明は青く調整しなきゃ」と分かるようになってきます。その際の筆者のチェック法は、

  • 1.メイン照明をチェックする
  • 2.白いもの(白紙やグレースケールがベター)を探して色味をチェックする
  • 3.被写体の色味をチェックする

の3つです。

1は、現場を覆うメイン照明の色温度を目視確認することです。WBの調整の方向を決めます。

2について、マスコミ向けのイベント取材などでは、イベント開始前にPRスタッフが白紙やグレースケールを出してくれたりします。カメラマンは、撮影場所に出された白紙に合わせてWBを調整していきます。

3については【被写体の顔色】に注意しましょう。とくに女性。たまに筆者も遭遇するのが、【美白メイクの女性が青白く写るケース】です。

隣にいる男性の顔はキレイに写っているのに、女性の顔が幽霊みたいに青白くなっている……なんてことがあります。そんな時は【肉眼で見る女性の顔色】と撮れた写真を比較しながら、赤味を足して健康的な顔色になるように調整していきましょう。

ホワイトバランスを微調整する

ここからマニュアル設定でWBを微調整していきます。

調整するときは【白色の被写体等で調整】します。目安は【白色が真っ白】に撮れることです。黄ばんだり青白くなったりしていたら、WBでK値を調整しましょう。

ここで再び色温度設定の画面を出します。

基本は、左の目盛りで青味(ブルー)と赤味(アンバー)を調整します。ここで先ほどの言葉を思い出してください。カメラのK値が【低ければ写真の色味が青くなり、高ければ赤くなります】。写真が青ければK値を高くし、赤ければ低くしていきましょう。これで大方の色味は解消されるでしょう。

それでも白くならない場合は、設定画面右の緑色(グリーン)と赤紫色(マゼンタ)の色かぶり補正の目盛りをいじって調整してみましょう。最初は同じ照明・被写体を使って何度も何度も設定を変更して撮ってみてください。

そしてWBを設定した写真がこちらです。羽毛が白く撮れるようになりました。

以上です。WBの設定終了。まわりの照明に影響されて若干まだ雑味のある感じですが、本題はまだこの後です。一旦これで良しとしましょう(させてください、お願いします)

ちなみに、WBを調整するために便利なこんな商品もあります。

こちらはレンズに装着して、光源にレンズを向けて撮影します。すると画面全体が白い写真が撮れます。その白色の具合をチェックしながらWBの調整が可能になります。

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以上、WBの基本設定についてでした。「WBについてもっと知りたい!」という方はこちらのエントリーもご参照ください。

http://photo-studio9.com/basic_whiteblance/

http://photo-studio9.com/wb_adjustment/

http://photo-studio9.com/color_and_whitebalance/

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【本編です】クリップオンストロボのカラーフィルターを使った色ムラ解消法

お待たせしました。ここから本編です。お伝えすることは、いわば【クリップオンストロボを使った色かぶり解消法】です。

*Nikonの製品(クリップオンストロボはSB-910)を1つだけ使うと想定して、話を進めます。

例えば室内で撮影するシチュエーションを考えてみましょう。多くの場所に光源があります。光の色も同一であるとは限りません。また暗い場所ではクリップオンストロボなど補助照明の重要度が増してきます。

例えば撮影場所の光源が電球である場合。ストロボの白い光と電球の光の色温度が異なります。すると被写体に二つの光源から光が当たり、光の色が重なって【色かぶり】が発生します。俗に言う【ミックス光】です。

【狙ったライティングである】とか【自然のままを撮りたい】とかいうならそのままでOKです。ただし、【色かぶりを軽減してキレイに撮りたい場合】は工夫が必要です。

そこで活躍するのがカラーフィルター。電球色や蛍光灯の影響を軽減します。使い方も考え方も案外シンプルで、覚えればすぐ実践できます。今回は様々な照明環境の中から、2パターンを重点的に見ていきます。

  • A. 環境光が1色。ストロボでミックス光になるシーン
  • B. 環境光が始めからミックス光(3色以上)のシーン

このA・Bのパターンです。それでは見ていきましょう。

A-1. 光源が電球色:オレンジのカラーフィルターを装着する

それでは、環境光が電球色である場合からいきましょう。暖炉の火のように赤味のある照明は温かみがあり、数多くの場所に存在します。カメラでそのまま撮影すると赤味が強すぎ、被写体も全体が赤くなりがちです。

紙コップに電球色の照明のみ(ストロボなし)当てて撮影してみました。K値は3700で撮影しています。

左側にメイン照明、右側にサブ照明があります。全体的に赤い色ですね。

この状態で、ストロボの光を直当てするとどうなるのか。ストロボの光の強さに合わせて、露出は下げることも忘れずに。さもなくば画面が真っ白になってしまいます。

ストロボを使った写真がこちらです。全体的に青みが強くなりました。色温度は同じ3700Kです。ストロボを加えるだけで、これだけ色味が変わります。よく見ると、左からメイン照明の影響を受けています。え、分かりづらいですか? 照明をもうちょっと近づけます。

いかがでしょうか。これも色温度3700Kで、ストロボを直当てしています。

被写体となる紙コップの色味が統一されず、照明の発する光と他の場所の色温度が異なるため、左端のコップに色かぶりができてしまいました。カメラのK値を4000〜5000Kに上げれば青い部分は白くできますが、代わりに電球で照らされた部分は一層赤みを増し、色ムラの解決にはなりません。

そんな時に役立つ手の一つがオレンジ色のカラーフィルターです。電球色の影響をカットするのに非常に役立ちます。「フィルターないよ」という場合は、オレンジ色のカラーセロハンでもOK。

ストロボやカメラ機種によって、カラーフィルターを識別し、WBを自動補正してくれる優れものが出ています。その場合はオート撮影でも十分ではあるのですが、ここではあえてマニュアルモードで解説していきます。理由は、先ほどお伝えしたように、理屈が分かればわざとWBを変えて【色味をオシャレに調整する】時、応用が利くようにもなるからです。

続けます。カラーフィルターを付けたストロボを使って、一枚撮ってみてください。ストロボの光を直当てします。色温度は同じ3700Kです。

色温度を変えずに撮れば、たいていは上記画像のように、全体がオレンジ色に包まれるはずです。【環境光とストロボの光がほぼ同じ色合いに調整】されました。

ポイントはここから! 【カメラボディのWB設定で、K値を変えます】。K値が3500〜4500Kくらいあるなら一気に3000K以下まで下げてみましょう。目安は白色が白く見えるまで。もし青くなったらK値を上げてみましょう。下記写真は、2780Kあたりまで下げました。

あら不思議。全体の色味がバランス良く写っています。

ポイントは【オレンジ色のフィルターで全体をオレンジ一色にしてから、色温度を下げてオレンジ色を抜く】という作業です。【ストロボの色温度を環境光に近づけて】から、【色温度を落として色抜き】することで、色かぶりを解消しちゃうのです。極端な話、青色のフィルターを使って色温度を上げれば似た結果を得られるでしょう。

ですが、世界には青い照明より赤味のある電球が圧倒的に多いです。そのため電球の赤味に合わせて色温度調整するアイテムが多いです。

また、オレンジ色のフィルターを使って人を撮影する際は、黒目が赤目になってしまうことがあります。その際は赤目軽減機能などを駆使しましょう。

A-2. 光源が蛍光色:緑色のカラーフィルターを装着

今度は【環境光が蛍光色】の場合です。撮影場所が【緑の光を発する蛍光灯などで支配されている場合】です。

多くの白色蛍光灯が、緑色の光を発生させます。例えばマンションの廊下や企業の会議室・打ち合わせ室などの天井の蛍光灯は、撮影すると緑色になること多いです。また街灯の水銀ランプなども緑の光を出すことがあります。撮影すると緑色の光がフワッと入り込み、ミックス光になりがちです。

なぜ緑色の光が発生するのか? 細かい話はここでは省きますが、白色蛍光灯の白色は、光の三原色と言われる赤・青・緑の色の光を混ぜて、人間の目に白く見せているからです。この蛍光灯の仕組みが影響して、写真に緑色の発色が生じるのです。

この蛍光灯の緑色というのは非常に厄介です。何が厄介なのか。

一つは【緑色が目視で確認しづらい】からです。目が慣れないと、写真を見ても分かりません。カメラのモニター画像では分からず、パソコンの大きな画像でチェックしたら「ありゃ? 緑っぽいじゃん」「何か分からないけど色味が汚いな……」となることもしばしば。蛍光灯・水銀ランプの薄〜い緑色は、目が慣れないと本当に分かりづらいです。注意しましょう。

もう一つは、人間の目には分からない速度で【蛍光灯の色味が瞬間的に切り変わっている】です。試しに、蛍光灯を連写してみてください。微妙〜にですが、色の変化が分かるかと思います。この安定しない色味がWB調整をやりづらくします。

筆者は、この蛍光灯の緑色がすこぶる苦手です。もし可能なら、蛍光灯はスイッチをポチッとOFFにして消します。身もフタもない話ですが。

ただし、いつでも蛍光灯を消せるとは限りません。蛍光灯を消せない状況の場合もあるでしょう。光量が足りず、蛍光灯の力を借りなければならない場合もあるでしょう。

そんな蛍光灯の色かぶりを解消します。

緑かぶりとフリッカーがくせ者

先ほどの紙コップに、今度は右上から蛍光灯の光を入れ、さらに左から緑色のカラー電球を使用しています。まず下記の連続写真をご覧ください。色温度は3700K、緑色(グリーン)と赤紫色(マゼンタ)のWB補正はプラスマイナス0。何もいじってません。クリップオンストロボもまだ使っていません。

どうでしょう。緑色が入ったり抜けたりしていますね。これが蛍光灯のちらつき(フリッカー)です。

3枚ともカメラの設定を全く変えていません。全部、蛍光灯(右上)の影響*です。蛍光灯の影響でこんなに色味が変わるのです(筆者も撮影していてあらためてビックリしました)。

*蛍光灯の種類によってはフリッカーが起きないものもありますが目で見抜くのは大変です。最近のカメラ(主に上級機)にはフリッカー抑制モードを搭載するものもあります。また、蛍光灯だけでなく水銀灯もフリッカーを起こしやすい光源。

強い色で色を上書きする

ここでフィルターなしのストロボを当てると、先ほどの電球色の場合と似た色かぶりが発生します。蛍光灯、カラー電球、ストロボ光の3色ミックスになってしまいます。ただ電球の時よりも微妙な色ムラで、一見すると分かりません。ですがキッチリ白色ではないので色が汚くなりがちです。本当に厄介。

そんな緑色のミックス光を解消するために、今度は緑のカラーフィルターを装着して撮影します。

ストロボの光を直当てしてみましょう。

全体的に緑色になりました。全体に緑に寄った環境光なのでストロボにも緑のフィルターをかけて緑の光で環境光を上書きするイメージです。

今度も、オレンジ色のカラーフィルターの時と要領は同じです。一度全景を全て緑色にして、【カメラのWB補正で緑色を抜いて白くします】

ホワイトバランスの設定画面では、設定値をピンク色(マゼンタ)の方へ目盛りを傾けていきます。あまり下へいくと、今度は写真がピンク色になるので気をつけましょう。今回はピンク色の方向へ3.5下げました。

すると……あらまた不思議。緑色が抜けて、全体の色味がバランス良くなりました。これで完了です。

場合によっては、赤味や緑色が強くてカメラのWB設定では全て色味が抜け切らず、画像編集ソフトにお力添えしてもらうこともあるでしょう。ですが、カラーフィルターを使って色(オレンジ色あるいは緑色に)を統一した状態なので、カンタンに色味を編集できるでしょう。

と、ここで、記事を読んでいる皆様から出てきそうな疑問にちょこっと回答します。

Q. ストロボは直当てしなきゃいけない?

今回、カラーフィルター付きのストロボをずっと直当てしてきました。ですが人によっては「正面から直に当てると被写体のディティールが崩れちゃうよね」と言う方いらっしゃるでしょう。ごもっともです。

例えば、天井バウンスさせるのもありでしょう。直当てよりディティールが出ます。ただし天井バウンスは【全体に光が回る場合、例えば小規模の空間での撮影など】に限ります。

大きなコンサートホールなどでは、ストロボの光が天井からバウンスして戻ってくる頃には光量がかなり弱くなっています。また、様々な角度から照明が当たったり、コンサート出演者が多すぎたりして、ストボロの光で調整できる部分が一部しかない……なんてことになるかもしれません。

また、周囲に建物がない野外撮影では、天井バウンスは使えません。

カラーフィルターを使う目的は、【ストロボの光を環境光に近づける】ことです。環境に応じたストロボ照射を考えてみましょう。

Q. 色温度が異なる光が2つある場合の対処法は?

次に話す項目Bに近しい話です。環境光がミックス光の場合です。

写真の枠内を支配する光が始めから2種類ある場合、悩みが増えます。例えば電球色の人工灯の他、背景に色温度がすごく異なる空(太陽光)があるとしたら。ストロボも加えて3種類の光が存在することになります。項目Aのケースより色かぶり要素いっぱいです。左から夕方の青白い太陽光を受け、右から電球の光を受ける……なんてなると厄介です。ストロボ一つだけでは、カラーフィルターを使っても、環境光が一色の場合に比べて、対処が難しいかもしれません。

こういうケースで筆者がやっている解決法の一つは、【余計な光を消すこと】です。上記写真の状況だったら、前方の電球色の照明を消して、光源をストロボと青空の2種類のみにします(こういう時はもう、カメラボディからストロボを外してライティングをガチャガチャ組み立てることが多いです)。

あるいは、電球の光を避けるべく、前に出て撮ります。室内での撮影なら外に出ます。または太陽から隠れ、完全室内の状況を作って余分な光を排除します。身もフタもない話ですが。

ただ、ど〜しても3種類(照明・空・ストロボ)の光を使う場合は、ストロボを【片方の環境光の色温度を寄せて撮る】ことを余儀なくされるでしょう。

例えば上記写真で電球色と青空、どっちの色温度に近づければいいのか迷ったら、被写体を考慮して考えてみてください。立ち位置や光の当たり方など様々な事柄を考慮して、被写体がなるべくミックス光を受けないように気をつけます。

その上でオレンジ色のフィルターを使う、あるいは青色のカラーセロハンを使って撮る……などなど色んな方法が考えられるでしょう。

B. 環境光が3色以上の場合:完璧な色かぶり除去は難しい

さらに、環境光が3色以上の場合を考えてみましょう。

「ストロボを加えたら光が4色以上できちゃう」「色味がグチャグチャ。WBが調整できないよ、トホホ……」という時どうすればいいのか。

カメラマンからすれば、こうしたケースでカラーフィルターを使えば、色味を整えるというより【どれか色をつぶす】感触が強くなります。だから調整が難しくなります。カラーフィルターが原因で、かえって色味が汚くなる恐れもあります。

一例として、先ほどの紙コップに蛍光灯・電球・カラー電球(赤・青・緑)の5色の光を当ててみました。

グッチャグチャで、色味が汚いです。願わくば、将来こんな照明で撮ることがないことを祈るばかりです。

こういう状況下で「どうしても真っ白に撮りたい」という場合。一つは【何も手を加えない】という手があります。【カラーフィルターを使わず、ストロボをメイン照明にして】撮る方法です。

これは、他の光の影響をかき消すほど強い光を当てれば可能です。下記写真は、先ほどの5色の光が当たった状態の紙コップに、ストロボの強い光を照射したものです。こうすれば混色状態を吹き飛ばすことができます。

紙コップを照らしていた照明を撮影したらこの通りです。

ただこの方法は正面からの光が強い分、白飛びしてディティールがつぶれ、照明が醸し出した雰囲気を壊しやすいです。陰影もなくなり、のっぺりとした雰囲気にない写真になるでしょう。

また、環境光の色の種類が多い場合、理由があることが多いです。例えば音楽ライブの会場では、照明の色味がバンバン切り替わります。これはプロの照明スタッフによる【光の演出】です。また夜のネオン街でライトの色がいくつも重なり、鮮やかな色合いになることもあるでしょう。色飛ばし作戦は、カラフルな雰囲気をかえって台無しにしてしまいます。

では、他に何か方法はあるのか考えてみましょう。先ほどの照明を、オレンジ色のカラーフィルターを付けたストロボを使い、WBを調整して撮ってみると……

赤味を犠牲にすることになります。緑色、青色などのフィルターを使っても、同じようにどれかを犠牲にすることになるでしょう。

上記写真は、とあるライブで撮影したものです。上からオレンジ色、右から青色、頭上からは緑色の照明……と様々な色の光が当たっています。色かぶりを除去するのは、かなり難しいです。除去というより、色をどれか犠牲にしなければならないでしょう。

例えば「被写体だけキレイな色味で撮りたい」というなら、ミックス光の当たらない場所でストロボの光だけを照射して撮影、という方法もOKでしょう。が、上記のようなライブ写真ではアーティストを連れ出すことはできません。

では、どうすればいいのか。雰囲気を損なわないで撮る手段の一つがこれです。

【ストロボを使わずISO感度を上げるだけ】です。ごめんなさい、開き直りです。

光源の条件は、上のストロボを使った時と全く同じです。ですが、こちらのほうがそれぞれの照明が光って、より自然な仕上がりになりました。近年の各メーカーのフラッグシップ機は、ISO感度が1万を超えても平気な機種が増えてきました。【ストロボを使わずカラフルな照明を生かす】という方法は、一層やりやすくなるでしょう。

こうしたカラフルな照明の時は、開き直って「色かぶり、ドンと来い!」という思いで撮ったほうが、いい結果に転びやすいです。その際のポイントを数点紹介します。

  • 1.  常に被写体優先。自分の足を使って移動し、被写体にいい感じに光が当たる場所を探す。あるいは、被写体にいい感じの光が当たるタイミングを逃さない
  • 2. 色かぶりを恐れない。ライブ撮影などでは、迷ったら連写して(デジタルカメラならではの技です)、後で写真確認。色かぶりが、オシャレな色合いになることもあります。「光との出会いは一期一会」というつもりで連射!
  • 3. 連写に備え、容量の大きいメモリーカードを使う
  • 4. 白飛び・黒つぶれを恐れない。かえってアーティスティックな写真が生まれることもあります

それでもまだ「自信がないっす」という方には、RAWファイルでの同時撮影、および【WBブラケティング】という機能もオススメです。これは、WBの色温度を一枚撮影するごとに自動変更していく機能です。とっさの時にも、色温度の調整がバッチリ決まった写真を撮影できるようになるでしょう。お持ちのカメラに同機能があるか、説明書をぜひチェックしてみてください。

まとめ

今回の話は以上です。キレイな色味で写真を撮影したい方は、光源の色に気を配り、カラーフィルターをぜひ有効活用してみてください。

また、筆者もカメラ修行中の身です。「君よりイイ方法たくさん知ってるぜ!」という方いらっしゃいましたらぜひぜひ教えてください。

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この記事を書いた人
桜井 恒二 / 専門ライター
記者・ライター。撮影もします。エンタメ芸能系を中心に活動中。 桜井 恒二のプロフィールページ

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