ローアングルで撮るポートレート写真!広角・標準・望遠レンズを使用して表現の幅を広げよう!

ポートレートを撮る場合、ただなんとなく被写体に対して水平にカメラを構えて撮る人が多い様に思います。この撮り方が間違っているというわけでなありませんが、被写体に対する角度(アングル)を変えて撮ってみるだけでも写真の印象グッと変わってくるのです。今回はローアングルで撮るポートレート焦点を当てて解説していきます。

写真は水平垂直に撮らないといけないの?

一般的に、写真は水平垂直で撮るのが基本とされています。

しかし、ただやみくもに自分の目線の高さからシャッターを押すだけでは、良い写真は撮れません。同じ立ち位置で撮影する場合でも、アングル(カメラを向ける角度)を変えるだけで印象がガラリと変わることがあるのです。

人物写真を撮っていていつも同じような雰囲気になってしまうという人は、構図やボケ具合だけでなくアングルがいつも同じになっていることもあるかも知れません。

そこで今回は、ローアングルで撮るポートレートに焦点をあててみます。広角、標準、望遠と焦点距離ごとにローアングルで撮影するポイントについて紹介していきます。

本日のコンテンツ

  • ポートレートとアングルの関係
  • ポートレートで使用するレンズと表現方法
  • 広角レンズによるローアングル撮影
  • 標準レンズによるローアングル撮影
  • 望遠レンズによるローアングル撮影
  • まとめ
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ポートレートとアングルの関係。

まずは「アングル」の用語について簡単に紹介しておきましょう。アングルとはカメラが被写体を捕らえる角度のこと。被写体を見下ろすように撮るのがハイアングル、逆に見上げるようにするのがローアングル、水平に撮るのが水平アングルです。図にするとこのようなイメージになります。

カメラのアングルの違い

被写体とカメラの角度が異なるとパース(後述)が付いて水平に捕らえたものとは異なる印象になるのです。アングルの詳しい話は下記エントリーに詳しくまとまっているで合わせてご覧下さい。

水平アングル
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写真をやっている人のなかで良く誤解されている用語に「アングル」があります。よく「ローアングルで撮る」とかで使われるあれで別のタブで開く

ポートレートはアングルで印象が大きく変わる

さて、女性をアップで撮るときは、上から少し見下ろすようなハイアングルで撮ることが多いです。

ローアングルで撮るポートレート

なぜなら、ハイアングルで撮影すると顔の下部に向けたパースが付く(下部に向かってすぼまる)特徴があるため、女性の場合は目が大きく見えて、あごがシャープに見える効果があるからです。

ローアングルで撮るポートレート

写真のパースについてはこちらの記事に詳しくまとまっています。

広角レンズ使いこなし
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種々ある交換レンズの中で最も使いこなしが難しい、苦手と思われているレンズの一つは恐らく超広角レンズでしょう。通常より広い別のタブで開く

逆に、ローアングルで撮った場合、その効果はハイアングルの反対となってしまうため、鼻の穴が目立ち、目が小さく映りあごが大きく見えるという特徴があります。

通常、女性ポートレートで鼻の穴が目立ったり、顎が大きく見えてしまうのは良くないのでハイアングル(または水平アングル)が好まれるというわけですね。全体の構図(三分割構図、日の丸構図や背景のバランス)を注意するだけでなく、自分の目でしっかりと、どのアングルから撮ると被写体が美しく見えるか探すことが重要です。

全身ならローアングルもあり

では、女性ポートレートではローアングルはタブーなのかというとそうではありません。例えば全身写真は、被写体のおへその位置辺りから撮る、つまり、ローアングルがおすすめです。

逆に上から全身をハイアングルで撮影すると、胴長短足に見えてしまい、見た目の印象があまりよくありません。

ローアングルで撮るポートレート

極端なローアングルではなく、控えめにおへそ~腰下の位置くらいから控えめにローアングルで撮影するのがおすすめです。

全身をローアングルで撮った場合、小顔かつ足が長く見えるというメリットがあります。スカートの中が見えてしまうような極端なローアングルは相手やシーンをよく考えて使う必要がありますが、もっと控えめに相手の腰くらいのポジションから少し見上げるようにに撮影するだけでも印象はグッと変わってくるのです。

ローアングルで撮るポートレート

ただし、アングルを調整することにより、背景の写り込み具合も大きく変わります。全体のバランスもよく確認しながら撮影することも大切です。

カメラの角度を変えるだけで写真のインパクトが変わる

インパクトのある写真は、大胆なアングルで撮られていることが多いですが、ポートレートの場合も同じようなアングルを取り入れていくと、人と違った迫力ある写真が撮れるはずです。

特に、低い位置からの撮影は他との違いを見せることができるのです。

ポートレートで使用するレンズと表現方法

ポートレートで使用するレンズは、望遠レンズが良いといわれています。(ちなみに、筆者の使用頻度は「望遠60:標準35:広角5」です。)

ただ、広角レンズを使用が少ないからといって、適さないわけではありません。一般的にあまり使用されない分、大きなインパクトを残せるというメリットになります。

これらのレンズを使用する際、イメージしてほしいことがあります。【1 広角レンズは迫力、2 標準レンズは安定、3 望遠レンズはシンプル】この3点です。

迫力、安定、シンプル

広角レンズを用いるのと、望遠レンズを用いるのでは、同じローアングルで撮る場合でも、違いが出てきます。具体的に前者の場合は、背景が大きく変わるので、世界感がガラリと変わります。一方で、望遠にするほどその効果は薄れていきます。

注意するポイントや、得られる効果が違うことを頭に入れてレンズを使う必要があります。「広角レンズは広く撮れて、望遠レンズは遠くが大きく写る」という認識だけだと、良い写真は撮れないでしょう。(これはローアングルに限らず、とても重要なので、覚えておきましょう。)

標準レンズ(35mm判換算でだいたい40~50mmくらい)は人間の視覚とほぼ同じなので、使いこなすことは比較的容易です。ところが、うまく絵作りしないと、普通の写真になり、味気なくなる恐れがあります。

広角レンズや望遠レンズでの撮影は、人間の視覚と異なるので慣れが必要ですが、うまく使いこなすといつもの視点とは異なる表現ができて、写真にインパクトを与えることができます。

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広角レンズによるローアングル撮影

ローアングルで撮るポートレート

こちらの写真は、広角レンズ特有の大きなパースを利用しています(背景をみると本来垂直である木が画面上方にすぼまっていますよね。これがパースです。)。パースは広角になるほど効果が強くなるため、望遠レンズで同じようなパースを作り出すことは出来ません。

広角レンズは迫力があり、ダイナミックな表現をする場合に向いています。

広角レンズを活かすためにおすすめな場所は、高い木が生い茂る広場です(背景に比較対象物がある)。そして、低い位置からローアングルで高さと広さを誇張して表現することで迫力を出すことが重要です。ちなみに、こちらの写真は人物をジャンプさせることで、迫力がより出るようにしています。

広角ポートレートのポイント

1 ロケーション

広角レンズは、背景が多く写り込むのでロケーションが限られます。ロケハンをしっかりしていないと、せっかく広角レンズを持ち出しても、全く使用しない場合も少なくないので注意が必要です。

空いている場所、もしくは時間帯を選びましょう。

2 歪み

広角レンズのパースは画面の端ほど強くなります。つまり、中央以外の部分が歪みやすいということ。人物は中央から外さないように注意しましょう。被写体を歪ませないことを意識すると、失敗が少なくなります。

上の写真もゆがみが最も気になる顔は画面の中央でとらえています。一方、ゆがみ(パース)は写真をダイナミックに見せる要素でもあります。比較的気にならない足や手は画面端にとらえるとインパクトが出てきます。

3 カメラを覗き込んで見てもらう

広角レンズは広い範囲が映るので、被写体にかなり近づいて撮影することになります。つまり、下から強い角度で見上げるようにしての撮影になります。モデルにジャンプさせる際に、カメラを覗きこんでもらうことにより、顔とカメラの角度が平行になるので、ローアングルの弱点(鼻の穴が目立ち、目が小さく映りあごが大きく見える)を解消できます。

標準レンズによるローアングル撮影

ローアングルで撮るポートレート

もしかすると、これはローアングルなの?と思う方もいるかも知れませんが、子供たちと同じくらいの低い目線から(お母さんに対してはやや見上げる位置から)撮影しているので少しだけローアングルなのです。この少しの角度の違いが実はとても大事。

こちらの写真は、広角レンズの写真と比較して、背景の木々の写り込み方が全く違います。パースがあまりついていないので、ダイナミックさには欠けますが、とても安定した写真になります。

今回の写真のように、家族写真でほんわかした雰囲気を出したい場合、標準レンズを用いることで写真に安定感や安心感が出ます。被写体をありのままに表現したい場合に、おすすめしたい画角です。

標準レンズポートレートのポイント

1 背景の処理

水平アングルで撮影すると、空と地面の比率が同じになり、中途半端な背景になるので少しだけローアングルにすることにより空の比率を多くし、バランスをとりました。

この時に注意することは、空と地面の配分です。

3分割法を利用し2:1にすると、収まりがよくなります。

もともと安定する画角なので極端なローアングルではなく、控えめなローアングルを心掛けましょう。

2 被写体との距離感

全身を写す場合でも表情が綺麗に写るか注意を払うことは重要です。

人物を同じサイズで撮る場合、標準レンズは広角レンズよりも被写体から離れて撮影することになります。つまり、カメラの高さ(ポジション)が同じなら、被写体に対する角度(アングル)は緩くなり人物の顔を下から覗き込むような印象が薄くなります。

広角レンズと同じ高さから撮影しても角度が異なるため人物の表情は大きく異なります。アングルで変化を付けたいときはカメラの位置(高さ)ではなく角度に着目しましょう。

アングルと距離と画角の関係

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望遠レンズによるローアングル撮影

ローアングルで撮るポートレート

こちらの写真は、高さ30㎝くらいに咲く花を前ボケさせるため、カメラがほぼ地面につく位置で撮影しています。望遠レンズは被写体との距離があるので、地面すれすれのローアングルでも角度が緩やかなので、顔の角度に注意する必要がありません(地面すれすれくらいの高さからでないと角度が付かないためローアングルにならない)。

望遠レンズにはパースがほとんど付かないため画面の歪みでインパクトを出すのではなく、被写体の重なりを意識すると良いでしょう。

望遠ポートレートのポイント

1 背景の重なりを意識する

こちらは、写真には写ってないですが、背景に家屋があります。ローアングルにすることにより、背景にある邪魔なものを隠して、山並みのみ写るようにしています。

望遠レンズは背景の整理がしやすいと言われますが、それは背景がボケるからだけではなく、画角が狭い分、背景の写り込みが狭くなり、要素を限定したり邪魔なものを隠しやすくなるからでもあります。

なので、他のレンズと同様に、しっかりと背景を意識しなければいけません。

望遠レンズの使いこなしに関しては、こちらのエントリーもどうぞ。

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2 被写体との距離感

ポートレートを撮影する際に、望遠レンズに不慣れな人は、アップの写真ばかりになることが多いようです。

望遠レンズを使用して全身を捕らえるなら、標準レンズなどで撮影していた立ち位置ではなく、しっかり被写体との距離をとりましょう。かなり離れた距離になりますが、このいつもと違う距離感が写真の雰囲気に影響します。

3 四隅が歪まない

広角レンズと違い、望遠レンズ被写体を四隅に寄せてもほとんど歪みません(パースが発生しにくいから)。

積極的に四隅を利用して画面構成すると、他のレンズとは違うインパクトを与えることができるでしょう。

まとめ

いかがでしたか。

同じローアングルを使う場合でも、レンズの焦点距離を変えると被写体との距離や角度が変わってくるため、さまざまな表現になることがお分かり頂けたと思います。

広角は全身、望遠はアップといったベーシックな使い方だけでなく被写体やロケーションに合った表現を意識することが、表現の幅を広げることに繋がります。

今回紹介したことを頭に入れながら、ポートレートの撮影をすることで、よりいい写真を撮るための近道になるのではないでしょうか。

写真撮影・記事執筆:四宮匡崇 / photographer
*プロフィールは下記参照

記事執筆・編集:井本佳孝/ライター・編集者
Twitter https://twitter.com/imoyoshi78
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この記事を書いた人
四宮 匡崇
四宮 匡崇 / 専門ライター
結婚式や家族写真などを撮影しているカメラマンです。 四宮 匡崇のプロフィールページ

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