出張カメラマンが教える!撮る前に知っておきたい子供撮影のポイント

カテゴリー:シーン別に撮る / 写真のコツ / 寄稿記事
写真とは、被写体ごとに注意点が変わってくるもの。風景を撮る・人を撮る・物を撮る…それぞれにカメラの設定や、意識するポイントが違います。では「子供の撮影」の時には、いったいどんなことに注意をしたら良いのでしょうか?カメラの設定から、意識を向けるポイント、道具についてまで…現役の出張撮影カメラマンが、子供撮影のコツをご紹介していきます!

子供ならではの”かわいさ”を意識しよう!

出張撮影って、ご存知でしょうか。

お子様の初節句やファーストバースデーのお祝いを撮影しにご自宅へ、七五三やお宮参りの記念撮影に神社へ…などお客様の希望するロケーションへ伺って撮影させて頂く、そういうスタイルのカメラマンです。プロフィール撮影や施術風景や宣材写真の依頼などもありますが、その中でも断トツに多いのが子供さんの撮影。ほやほやの赤ちゃんから元気いっぱいの小学生まで、これまで沢山の子供さんの撮影をさせていただきました。

今回は、この出張撮影の経験から培ってきた子供撮影のポイントをお伝えしていきますね!

まずは…子供のかわいさって、一体なんだと思いますか?

大人と子供の魅力は違うもの、つまり同じ写真を撮るのでも意識するポイントが違ってきます。小さな愛くるしい様子、澄んだ目の綺麗さ、柔らかな髪の毛、溌剌とした動き、イキイキとした表情…

こういった大人には無い子供ならではの可愛らしさや魅力を強調するのが、子供撮影での大きなポイントです。では具体的にどんな点に注意しながら撮影したら良いのでしょうか、今回はそのポイントを紹介していきます!

本日のコンテンツ

  • アングルを変えてみよう
  • 定番は忘れて、冒険しよう!
  • カメラの設定で雰囲気をコントロールする
  • 広角で撮る?望遠で撮る?
  • 表情を引き出す為に…
  • 子供の撮影で、注意しておくカメラの設定とは?
  • まとめ
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アングルを変えてみよう

写真とはアングル次第で随分と雰囲気が変わってくるものです。(※アングルとは被写体に対する撮影角度、上方向からをハイアングル・下方向からをローアングルと表現します)でも写真を撮り始めて間もないと、なかなかそこまで意識が回らないもの…子供の写真を撮っていても、ついつい大人目線のアングルの写真ばかりになりがちです。

たまには色々と視点を変えて、かわいらしさのバリエーションを増やしてみませんか?

子供と同じ目線になってみよう

背の高い大人と小さな子供では見えている世界が違うもの。子供と同じくらいまで身をかがめ、撮影をしてみましょう。大人の視点からは見えない子供の世界が写ります。

子供よりもさらにローアングルから撮ってみる

小さな子供よりさらに下の位置から、しっかり背景を入れ込んで撮ってみましょう。子供の目線からは世界がどれだけ大きく広がって見えているのかがわかる写真になります。(しっかり風景を入れるポイントは、広角寄りで撮影すること!ズームはしないで下さいね。)

大人目線のハイアングルで撮る時は、身長差を意識させよう

上からのアングル、大人の目線で撮る時は。自分の身体の一部を入れたりして子供との身長差がわかるようにすると、子供らしさが強調されるのでオススメです。

定番は忘れて、冒険しよう!

画面の真ん中で、正面を向かせて、ニッコリ笑わせ…ひと昔前の記念写真って、こういうものでしたね。でも今は誰もが気軽にカメラを手にして写真を撮れる時代です。似たような定番写真ばかりを量産するよりも、もっと色々冒険してみませんか?

はみ出したって、いいじゃない

写真って必ずしも全身を入れなくてもいいし、顔だって全部入らなくてもいいんです。

マクロレンズでしっかり近づいて、枠からはみ出すくらいの勢いで大胆に切り取ってみましょう。柔らかそうな髪の毛、ほやんとした口元、ぷっくりしたほっぺ…こうやって寄って撮ると、小さなお子さんならではの魅力がしっかり写ります。

顔が写らなくても、いいじゃない

たった1枚だけの記念写真なら、にっこり笑顔の正面写真が欲しいもの。でも自分でカメラを手にして撮るのならば、もっと色んな写真を残してみるのもいいかもしれません。

例えばこんな風に、顔が写っていなくとも…子供の可愛らしさは伝わります。野外でこんな自由に踊れるのも、子供らしさの表れ。こんな瞬間を捉えてみるのも、子供写真のポイントです。

パーツだけでも、いいじゃない

子供はあっという間に大きくなってしまうもの。特に小さなお子さんは年単位どころか、月単位ですくすくと成長していきます。

だからこんな風に大人のそれと比較できるような写真を撮っておくと、後から眺めた時に「こんなに小さかったのか…」と改めて実感できるので。定番以外にも、こういう写真も残しておくと良い記念になるんですね。

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カメラの設定で雰囲気をコントロールする

写真って何をどんな風に撮るか…というのも大切ですが、「どんな雰囲気で撮るか」というのは撮り方というよりも事前の設定による部分も大きいです。一眼レフやミラーレスでは、Instagramのように後から写真を加工しなくても、カメラの設定で写真の雰囲気がある程度コントロールできるのはご存知ですか?

ぜひカメラの説明書をチェックして、使ってみましょう!

カメラの設定は、Instagramのフィルターのようなもの!

左がコントラストも彩度も低めに設定したもの、右がコントラストも彩度も強めに設定したものです。同じ写真でもInstagramでフィルターをかけたみたいに、それぞれちょっぴり雰囲気が違いますよね。

スマホで撮らなければ、パソコンに取り込んで加工しなければ写真の雰囲気は変えられない…なんてことはありません。ある程度の設定は、カメラ側でも出来るようになっています。(Canonの場合はMenuの中のピクチャースタイル、Nikonの場合はピクチャーコントロールなどメーカー毎に設定する画面の呼び名が違います)

コントラストや彩度を下げると、柔らかな雰囲気やノスタルジックなテイストを出すことが出来ます。反対に数値を上げると、印象が強くなりポップな雰囲気になります。

少し古い記事ですがピクチャースタイルについてはこちらもどうぞ

ゆるふわセッティング
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2014.06.02
12.08.22
写真を”もっとかわいく” とか ”もっとドラマチックに”撮りたいなーと思ってもなかなか思うように撮れないんだけど。。とい別のタブで開く

ホワイトバランスで、色味を変えてみよう

子供写真カメラ設定

コントラストや彩度の他に、ホワイトバランスの設定で写真の色味を変えることが出来ます。数字が大きくなると黄色みが増して、暖かくレトロな雰囲気に。逆に数字が小さくなると青みが増して、クールでキリッとした印象の写真になります。

カメラやメーカーによって色温度の変更のみの場合や、ブルー・アンバー・グリーン・マゼンタと細かい色味の設定ができたりと違いがあるので手持ちのカメラを確認してみましょう。(説明書の「ホワイトバランス」の項目をチェック!)

ホワイトバランスについてはこちらの記事もどうぞ!

ホワイトバランスの超基本
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2013.04.24
13.04.15
雑誌なんかで写真を見ると、この写真いいなぁ~と思うことがありますよね。いい写真には被写体や構図など様々ないいポイントがあ別のタブで開く

広角で撮る?望遠で撮る?

カメラのレンズには広角側、望遠側とそれぞれに特徴があります。

広角というのは標準レンズにおいては広く撮れる方の側、ズームを使っていない状態を指します。逆に望遠とはアップになるよう、ズームにした状態のことですね。

では、一体どのような特徴があるのでしょうか?

広角寄りで撮影するメリットとは?

広角寄りでの撮影は、背景が広々と入ります。

なので旅先での記念撮影や紅葉や花と撮影する時など、子供と一緒にその場の風景もしっかりと写し込みたいときは、ズームはせずに広角寄りで撮るのが良いでしょう。

また「近くのものはより大きく、遠くのものはより小さくなる」という特性もあるので、遠近感のあるインパクトの強い写真を撮ることが出来ます。ダイナミックに空間を表現したい時に、ぴったりなのが広角側なんですね。

ただしこの時、子供は必ず奥側ではなく手前に配置して撮るようにして下さいね。奥側に配置してしまうと遠近感のせいで実際よりも小さく写ってしまうので、その点には注意が必要です。

広角レンズ使いこなし
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2017.07.20
15.02.23
種々ある交換レンズの中で最も使いこなしが難しい、苦手と思われているレンズの一つは恐らく超広角レンズでしょう。通常より広い別のタブで開く

望遠寄りで撮影するメリットとは?

子供写真 広角・望遠

こちらは先ほどと同じカメラ・同じレンズ・同じ絞りで撮っていますが、ズームを使って望遠寄りにした写真です。ナチュラルさが増し、遠近感やダイナミックさはあまり感じられません。

それからもうひとつ、背景のボケ具合も先ほどとは違っています。

一般的に背景をぼかすにはF値(絞り)を小さくすると良い…と知られていますが、この2枚とも同じF2.8で撮影しています。ではいったい、なぜこのようにボケ具合に差が出たのでしょう?

実は、これが望遠で撮影した時の特性のひとつなのです。

広角と違って遠近感は少なくなりますが、そのぶん歪みが少なくなり背景がボケやすくなる…というのが望遠側の特徴なんですね。ボケには背景をスッキリさせメインの被写体である子供が目立ちやすくなるという利点があるので、背景よりも子供を主役にしたい時におすすめです。

ちなみにF値の小さな単焦点レンズを持っていないけれど手持ちのレンズで背景をぼかしたい、という場合は。この望遠側の特性を利用して、下記の点に注意して撮影すると普通に撮るよりは多少背景がボケやすくなりますよ!

背景になるものとは距離をとる(後ろはすぐ壁、などは避ける)

絞り優先モード(A、Av)にしてF値をできるだけ小さく設定する

限界までズームにして(望遠側で)撮る

メインの被写体を手前に置き、ピントが合う限界までしっかり近づく

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表情を引き出す為に…

「笑って!」と言われて自然な笑顔になるのは、大人でも難しいもの。もちろん、そう言われてしっかりと笑顔を浮かべることの出来る子供もいます。でもお願いされて作る笑顔だと、いつも同じ笑い方になってしまいがちという欠点も…では、いったいどうしたら自然な表情を引き出せるのでしょうか?

子供は自由を愛する生き物、指示はあきらめる

撮影の現場で、ご家族が「ああして、こうして」と指示を出す度に子供の顔がみるみるうちに強張っていく…という光景を何度も見たことがあります。残念ながら、素直にそれに従って笑顔を作ることが出来る子供ばかりではありません。したくないことをさせられている、そういう不機嫌さが顔に出てしまう子も沢山います。

とはいってもご家族も意地悪で指示をしている訳では無く、「せっかくなら良いものを!」という気持ちが強いからこそついあれこれ言ってしまうんですよね。ですが”良い写真”って一体なんでしょう。素晴らしいロケーションで嘘でも良いから笑顔を作って記録を残すことでしょうか?そういう写真も、記念としては悪くないでしょう。

でもせっかくカメラを手にして、自分や親しい人の子供を撮るのなら。作り物ではない表情で自然な思い出を残した方が、後から見返した時に「ああ、こんなこともあったな…」と思えるのではないでしょうか?

もしどうしても笑顔が欲しいのならば、指示ではなく…子供が楽しい気持ちになるような「提案」をしてみましょう。また沢山褒めてあげたり、一緒に遊んだり、好きなことの話をしたり。自然に笑いたくなるような、別の引き出し方を試してみるのも良いかもしれませんね。

お喋り好きな子であれば、しっかりとそのお話を聞いてあげるだけでも自然と笑顔が浮かんでくるものです。

自由に遊ばせる、一緒に遊ぶ

子供写真遊ぶ

時間があるならば、大きなお子さんだと自由に遊ばせてあげるのが良いでしょう。遊びに夢中になっている
子供というのは自然と良い表情になるもの。良い写真は必ず笑顔、なんてルールはありません。何かに取り組む真剣な顔もまた、素敵な思い出です!

子供写真遊ぶ

一方で小さなお子さんであれば、一緒にお話をしながら遊びに付き合ってあげるのが良いでしょう。この場合のポイントは、スニーカーと走り込み。あちこち動き回る子供の後ろを追っているようでは、なかなか表情は撮れませんよね。

お喋りをしつつも常に子供の前に位置取りすること。つまり気合いを入れて常に前へ前へと走って下さい!これ、大人の体力ではなかなかに大変です。でも、簡単なようでとても大事なことなのです。

子供の撮影で、注意しておくカメラの設定とは?

子供の写真がぶれてしまう、ぼけてしまう…そんな失敗を防ぐ為に。撮影を始める前に、しっかりカメラの設定はチェックしておきましょう!

1.シャッタースピード

動いているものを撮る時は、シャッタースピードが速くなければ行けません。ぶれて写ってしまうということは、シャッターのスピードが動きに追いつけてないということ。子どもってよく動き回りますよね?だから写真を撮る時は、シャッタースピードの設定に注意が必要です。

動く速さにに寄りますが、1/250~1/1000くらいになっていれば対応できるかと思います。オートや絞り優先ではぶれてしまう…そんな時はシャッタースピード優先モード(Tv、S)に変更し、シャッタースピードを指定して撮影してみましょう。

ただしこのシャッタースピード、周りが明るくないと速くできないんです。もしも室内での撮影や野外でも夕方で光が足りないという状況であれば、ISO感度を上げてみましょう。 ISO感度は数字が大きくなればなるほど、暗い場所でもシャッタースピードが早くできるという利点があります。(ただしあまりにISO感度を上げすぎると、画像がノイジーになりやすいというデメリットも…)

感度の調整に慣れないうちはISOオートに設定してしまうのも良いでしょう。ISOオートならシャッタースピード優先モードで指定したシャッター速度に応じてカメラが自動でISO感度を調整してくれます。

2.手ぶれ

最近はあまりないと思いますが、名刺サイズのコンデジが主流だった頃は片手で撮影することが多いので。カメラがしっかり固定されておらず、シャッターを押す時の動作で本体が動いてぶれてしまう…という方をよく見かけたものです。

小型で軽いカメラを使って片手で撮っている場合は、反対の手の上にカメラを置くなどしてしっかり固定してからシャッターを押すとぶれにくくなりますよ!

3.レンズ(カメラ)と被写体の距離

レンズにはそれぞれ「最短撮影距離」というものがあるのをご存知でしょうか?40cm・90cmなどレンズ毎にどこまで被写体に近づけるのかは決まっており、それよりも短い距離に近づくとピントが合わなくなってしまうのです。

もしアップで撮ろうとすると、ピントがきちんと合わずにぼけてしまう…という場合はこの最短撮影距離より被写体に近づいてしまっている可能性があります。

ご家族、特にお母さんがカメラを手にしている場合は小さいお子さんはお母さんの側に寄ってきたがります。でもあまりに近いとこのようにピントが合わなくなってしまうので、その場合は他のご家族やお友達と協力しながら撮影してみて下さいね!

一般的に最短撮影距離は広角になるほど小さくなります(近く寄って撮影できます)。子供へグッと近づいて撮影したい場合は望遠ではなく広角を使いましょう。

まとめ

「子供を撮る」という視点から、撮るアングル・切り取り方・カメラの設定・使うレンズ・被写体との関わり方など様々な角度における撮影のポイントについて説明してきましたが、いかがだったでしょうか?

写真にはいくつもの要素が含まれており、その内のひとつを意識するだけでも印象がガラッと変わったりします。今回説明したポイントのひとつひとつを意識していくことで、表現の幅を広げる手助けにしてみてくださいね。

子供の撮影というのは、ある意味特別です。彼らは大人よりずっと短時間で、くるくるとその姿も内面も変えていきます。その一瞬一瞬を忘れたくない、目に見える形として残したい…そう思って子供の為にカメラを買ったという方もきっと沢山いらっしゃることでしょう。

現代はデジタルカメラやスマホの普及のおかげで、今や誰でもが気軽に写真が撮れる時代です。少しでも素敵な形で、思い出を未来に残して行けたらいいですね。最後まで読んで頂き、どうもありがとうございました!

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この記事を書いた人
みき けいこ
みき けいこ / 専門ライター
広島から、人物専門で出張撮影をしています みき けいこのプロフィールページ
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